JP3057817B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

静電潜像現像用トナー

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JP3057817B2
JP3057817B2 JP3162056A JP16205691A JP3057817B2 JP 3057817 B2 JP3057817 B2 JP 3057817B2 JP 3162056 A JP3162056 A JP 3162056A JP 16205691 A JP16205691 A JP 16205691A JP 3057817 B2 JP3057817 B2 JP 3057817B2
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良和 西原
義之 林
義博 御厨
幹彦 助野
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機やプリンター
等の画像形成装置において、像担持体に形成された静電
荷像を現像するのに使用する静電潜像用現像剤に、磁性
体を主成分とする磁性キャリアと共に用いられる静電潜
像現像用トナーに係り、特に、結着樹脂として低分子量
側と高分子量側の二種類のスチレン系共重合体を含有さ
せたものを用いた静電潜像現像用トナーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置においては、像担持体に形成された静電荷像を
現像するために様々な静電潜像用現像剤が使用されてお
り、このような静電潜像用現像剤としては、トナーと磁
性キャリアとを混合させたものが広く利用されていた。
【0003】ここで、従来の静電潜像用現像剤において
は、そのトナーを構成する結着樹脂として、一般に一つ
のピークを持つ分子量分布曲線からなる樹脂や、低分子
領域で複数のピークを有している樹脂、或いは異なる分
子量分布を有する全く異なる化合物の混合物からなる樹
脂を使用するようにしていた。
【0004】しかし、上記のような結着樹脂を使用した
トナーは一般に物理的及び化学的特性のいずれかに欠陥
を有しており、このようなトナーを用いた静電潜像用現
像剤を使用して像担持体に形成された静電荷像を現像し
た場合、満足のいく画像形成を安定して行なうことがで
きないという問題があった。
【0005】そこで、従来においても、上記のような静
電潜像用現像剤に使用するトナーについて様々な研究が
なされ、トナーにおける現像特性や定着性を改善するた
め、特公昭63−32180号公報に示されるように、
トナーを構成する結着樹脂として、低分子量側のスチレ
ン系共重合体と高分子量側のスチレン系共重合体とを含
有させたものを用いるようにしたものが開示された。
【0006】ここで、このように結着樹脂として低分子
量側と高分子量側のスチレン系共重合体を含有させたも
のを用いたトナーにおいては、同公報に示されるよう
に、分子量の大きい高分子量側のスチレン系共重合体に
よって耐オフセット性及び耐巻き付き性が向上すると共
に、分子量の小さい低分子量側のスチレン系共重合体に
よってトナーの定着性が向上した。
【0007】しかし、同公報に示されるものにおいて
は、低分子量側のスチレン系共重合体を、高分子量側の
スチレン系共重合体より多く含有させているため、製造
されたトナーにおける帯電立上りが悪く、画像形成当初
やトナー補給時等において、トナーが充分に帯電され
ず、形成される画像にカブリが生じたり、トナーが装置
内において飛散するという問題があった。また、上記の
ような結着樹脂を用いたトナーを粉砕によって製造する
ようにした場合、粉砕時における微粉の発生が多くな
り、トナーの収率が悪くなるという問題もあった。
【0008】また、近年においては、複写機やプリンタ
ー等の画像形成装置によって形成される画像の高画質化
を図るため、小粒径のトナーが使用される傾向にある
が、このようにトナーの粒径を小さくすると、トナーの
帯電立ち上がり等の特性がさらに低下し、形成される画
像に発生するカブリや、装置内におけるトナーの飛散が
さらに多くなるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複写機や
プリンター等の画像形成装置において、静電潜像用現像
剤を用いて像担持体に形成された静電荷像を現像する場
における上記のような問題を解決することを課題とす
るものであり、特に、静電潜像用現像剤におけるトナー
として、その結着樹脂に低分子量側のスチレン系共重合
体と高分子量側のスチレン系共重合体とを含有させたも
のを使用した場合における上記の問題を解決することを
課題とするものである。
【0010】すなわち、この発明は、上記のように静電
潜像用現像剤に使用するトナーにおいて、その結着樹脂
として低分子量側のスチレン系共重合体と高分子量側の
スチレン系共重合体とを含有させたものを用いた場合で
あっても、耐オフセット性や耐巻き付き性及びトナーの
定着性を損なうことなく、トナーの帯電特性を向上させ
て、トナーの帯電立上りがスムーズに行なわれるように
し、特に、小粒径のトナーを使用した場合においても、
トナーが装置内において飛散するということが少なく、
また画像形成当初やトナー補給時等においてもカブリの
少ない良好な画像が安定して得られるようにすることを
課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明においては、
記のような課題を解決するため、磁性体を主成分とする
磁性キャリアと共に静電潜像用現像剤に使用され、少な
くとも結着樹脂と着色剤とを含有する正荷電性の静電潜
像現像用トナーにおいて、上記の結着樹脂として、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと
いう。)によるクロマトグラムにおいて分子量分布のピ
ーク位置の分子量が1×103 〜2×104 の範囲にあ
る低分子量側のスチレン系共重合体Aと、GPCによる
クロマトグラムにおいて分子量分布のピーク位置の分子
量が1×105 〜2×106 の範囲にある高分子量側の
スチレン系共重合体Bとを含有し、この結着樹脂100
重量部中において、上記の低分子量側のスチレン系共重
合体Aの含有量CAと上記の高分子量側のスチレン系共
重合体Bの含有量CBがCA<CBの関係を満たし、C
Aが10重量部以上で50重量部未満、CBが50重量
部以上で90重量部以下であると共に、上記低分子量側
のスチレン系共重合体Aにおけるスチレン系モノマーの
共重合比WA が70〜98重量%、高分子量側のスチ
レン系共重合体Bにおけるスチレン系モノマーの共重合
比WB が50〜90重量%であり、これらのスチレン
系モノマーの共重合比WA ,WB がWA ≧WB の関
係を満たすと共に上記のスチレン系共重合体A及びスチ
レン系共重合体Bの酸価がそれぞれ3〜30KOHmg
/gである結着樹脂を使用し、かつこの静電潜像現像用
トナー中に磁性粉が0.5〜13重量%含有されるよう
にしたのである。
【0012】ここで、この静電潜像現像用トナーのよう
に、トナーを構成する結着樹脂として、上記の分子量分
布のピークの位置における分子量が1×103 〜2×1
4の範囲にある低分子量側のスチレン系共重合体A
と、上記の分子量分布のピークの位置における分子量が
1×105 〜2×106 の範囲にある高分子量側のスチ
レン系共重合体Bとを含有させると、高分子量側のスチ
レン系共重合体Bがトナーにおける耐オフセット性,耐
巻き付き性,トナーの帯電立上り性及びトナーの強度に
対して良好な特性を与える一方、低分子量側のスチレン
系共重合体Aが定着性に対して良好な特性を与える。
【0013】また、この静電潜像現像用トナーのよう
に、結着樹脂に使用する高分子量側のスチレン系共重合
体Bの量を低分子量側のスチレン系共重合体Aの量より
多く含有させるようにすると、特公昭63−32180
号公報に示されるトナーに比べて、トナーの帯電立上り
がスムーズになると共に、粉砕してトナーを製造する際
における微粉の発生も少なくなり、さらに低分子量側の
スチレン系共重合体Aとして、上記の分子量分布のピー
クの位置における分子量が1×103 〜2×104 の範
囲になった低い分子量のものを用いると、上記のように
高分子量側のスチレン系共重合体Bの量を多くした場合
であってもトナーの定着性が低下するということがな
い。
【0014】ここで、結着樹脂に使用する上記の低分子
量側及び高分子量側における各スチレン系共重合体A,
Bにおいては、そのスチレン系モノマーとして、例え
ば、スチレン,α−メチルスチレン,P−クロルスチレ
ン等のスチレン及びその置換体を使用することができ
る。また、これらのスチレン系モノマーと共重合させる
共重合成分としては、例えば、アクリル酸アルキルエス
テル,メタクリル酸アルキルエステル,アクリロニトリ
ル,マレイン酸,マレイン酸エステル,メタクリル酸メ
チル,アクリル酸メチル,塩化ビニル,酢酸ビニル,安
息香酸ビニル,ビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケ
トン,ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,
ビニルイソブチルエーテル等のビニル単量体等を用いる
ことができ、好ましくは、アルキル酸アルキルエステル
(アルキル基の炭素数は1〜17),メタクリル酸アル
キルエステル(アルキル基の炭素数は2〜17)を用い
るようにする。
【0015】また、結着樹脂に使用する上記の低分子量
側及び高分子量側における各スチレン系共重合体A,B
において、上記のようにそれぞれのスチレン系モノマー
の共重合比WA ,WB が、低分子量側におけるスチレ
ン系共重合体Aでは70〜98重量%に、高分子量側の
スチレン系共重合体Bでは50〜90重量%になったも
のを用いるようにしたのは、スチレン系モノマーの共重
合比WA ,WB が上記の値より高くなると、得られる
トナーが脆くなり、粉砕してトナーを製造する際に微粉
が多く発生し、トナーの収率が悪くなると共に、定着温
度も高くなって定着性が劣化するためである。一方、ス
チレン系モノマーの共重合比WA ,WB が上記の値よ
り低くなると、トナーを構成する結着樹脂が硬くなり、
粉砕によるトナーの製造が困難になると共に、トナーの
現像特性,耐オフセット性等が低下するためである。
【0016】さらに、結着樹脂に使用する上記の低分子
量側及び高分子量側における各スチレン系共重合体A,
Bとしては、その酸価が3〜30KOHmg/gのもの
を用いるようにすることが好ましい。これは、各スチレ
ン系共重合体A,Bにおける酸価が3KOHmg/g
り小さくなると、トナーの帯電量が高くなり過ぎて、現
像を行なった際にトナーと一緒にキャリアが像担持体に
付着し、形成される画像にキャリアカブリが生じたりす
る一方、酸価が30KOHmg/gより大きくなると、
帯電性が悪くなってトナーの帯電量が低下すると共に、
トナーの環境安定性も悪くなり、トナーが飛散して装置
内が汚れたり、形成される画像の画質が低下するためで
ある。
【0017】なお、結着樹脂に使用する上記のような各
スチレン系共重合体A,Bは公知の方法によって製造す
ることができ、例えば、懸濁重合法,乳化重合法,溶液
重合法,塊状重合法等によって製造することができる。
【0018】また、これらのスチレン系共重合体A,B
において、その分子量を調整するにあたっては、公知の
分子量調整剤、例えば、ラウリルメルカプタン,フェニ
ルメルカプタン,ブチルメルカプタン,ドデシルメルカ
プタン等のメルカプタン類、四塩化炭素,四臭化炭素等
のハロゲン化炭素類等を使用することができる。
【0019】なお、この静電潜像現像用トナーにおいて
は、前記の低分子量側及び高分子量側のスチレン系共重
合体A,Bに加えて、他の公知の樹脂を混合してもよ
く、例えば、ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,シリコ
ーン樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリアミド樹脂,ポリウ
レタン樹脂,アクリル樹脂等を混合させることができ
る。但し、これらの樹脂を加える場合、その量は結着樹
脂全体の30重量%を越えないようにすることが必要で
ある。
【0020】また、この静電潜像現像用トナーにおい
て、上記のように磁性粉を含有させる場合、含有させる
磁性粉は、その体積固有電気抵抗が107 Ω・cm以上
の磁性材料であればどのようなものであっても良く、特
に制限されるものではないが、例えば、フェライトや、
FeO・Fe23 からなるマグネタイトや、鉄,ニッ
ケル,コバルト等の強磁性を含む金属またはこれらの合
金や化合物等を使用することができ、その中でもフェラ
イトを用いるようにすることが好適である。そして、こ
のようなフェライトとしては、例えば、下記の一般式
[化1]または式(MO)x ・Fe23 (式中、M
は、Mg,Co,Ni,Cu,Zn及びMnから選ばれ
る金属原子を、xは1、2または3の整数を表す。)で
示されるフェライト等が挙げられる。なお、一般式[化
1]中において、Mは、Mn,Ni,Co,Mg,C
u,Zn及びCdからなる群から選ばれた少なくとも一
種の原子を示し、0.5≦x≦1,0.1≦y≦0.5
71である。
【0021】
【化1】
【0022】また、上記のように磁性粉をトナー中に含
有させるにあたって、磁性粉の含有量を0.5〜13重
量%にしたのは、磁性粉の含有量が少なすぎると、この
トナーを磁性キャリアと混合させて静電荷像を現像する
場合において、このトナーが充分に磁性キャリアに保持
されず、トナーが飛散しやすくなり、特に小粒径のトナ
ーの場合にはその飛散量が多くなるためであり、一方、
磁性粉の含有量が多すぎると、トナーが磁性キャリアに
強く保持されすぎて、静電荷像に供給されるトナーの量
が少なくなりすぎるためである。
【0023】また、この静電潜像現像用トナーにおいて
は、上記のような結着樹脂や磁性粉の他に、着色材料や
種々の目的のために様々な添加剤を加えることができ
る。そして、上記の着色材料としては、公知のものを全
て使用することができ、例えば、カーボンブラック,ロ
ーダミンB等の塩基性染料、酸性染料、蛍光染料、アゾ
系染料、アントラキノン系染料、アジン系染料、ニグロ
シン染料、金属錯体化合物系染料、ベンガラ、酸化チタ
ン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、塩基性染
料レーキ、フタロシアニン系顔料等の着色材料を用いる
ことができ、また添加剤としては、アミノ化合物、第4
級アンモニウム塩系化合物、金属錯体化合物、ニグロシ
ン等の荷電制御剤、ポリテトラフルオロエチレン,ポリ
エチレン,ポリプロピレン,脂肪酸もしくはその金属
塩,ビスアマイドのような潤滑性のある化合物、ジシク
ロヘキシルフタレートのような可塑剤等を用いることが
できる。
【0024】なお、この静電潜像現像用トナーの定着特
性や現像特性をさらに高めるために、160℃における
溶融粘度が10〜1×105 CPS、好ましくは70〜
4000CPSになったエチレン系オレフィン重合体、
例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プ
ロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エ
チレン−エチルアクリレート共重合体,ポリエチレン骨
格を有するアイオノマー等を添加することが好ましい。
但し、その添加量が少なすぎると、その効果が少なくな
る一方、その添加量が多くなりすぎると、トナーの凝集
性が増してトナーの流動性が低下するため、通常は上記
のようなエチレン系オレフィン重合体をトナーに対して
0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%含有さ
せるようにする。
【0025】さらに、この静電潜像現像用トナーにおい
ては、その流動性を改善するため、金属酸化物の超微粉
末、特に、疎水性コロイド状シリカ微粉末や酸化セリウ
ム等の研磨剤微粒子を混合させるようにしてもよい。
【0026】一方、この発明に係る静電潜像現像用トナ
ーにおいて、このトナーと一緒に使用する磁性キャリア
としては、従来より一般に使用されている公知の磁性キ
ャリアを使用することができ、例えば、鉄、ニッケル、
コバルト等の金属と亜鉛、アンチモン、アルミニウム、
鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、セレン、
タングステン、ジルコニウム、バナジウム、バナジウム
等の金属との合金或いは混合物、酸化物、酸化チタン、
酸化マグネシウム等の金属酸化物、窒化クロム、窒化バ
ナジウム等、炭化ケイ素、炭化タングステン等の炭化物
との混合物及び強磁性フェライト、並びにこれらの混合
物等の材料から構成される鉄、フェライトキャリア等を
用いることができる。
【0027】また、上記の磁性キャリアとしては、鉄や
フェライトキャリアを芯材とし、その表面を各種合成樹
脂やセラミック層によりコートしたものを用いることが
できる。ここで、芯材をコートする上記の合成樹脂とし
ては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アク
リル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスルフ
ィン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リブチラール系樹脂、尿素樹脂、ウレタン/ウレア系樹
脂、シリコン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、テフロン系
樹脂等の各種熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂及びその混
合物、並びにこれら樹脂の共重合体、ブロック重合体、
グラフト重合体及びポリマーブレンド等を用いることが
でき、さらに、その帯電性を改良するため、各種極性基
を有する樹脂を用いるようにしてもよい。一方、上記芯
材の表面をセラミック層によってコートするにあたって
は、熱溶射法、各種プラズマ法、ゾル−ゲル法等の方法
により、各種セラッミック材料を芯材の表面にコートさ
せるようにする。
【0028】さらに、上記の磁性キャリアとしては、コ
ーティングに用いた上記の各種合成樹脂をバインダー樹
脂として使用し、上記の各種磁性材料と、必要に応じて
各種有機及び/又は無機材料を加え、これらを混合−混
練−粉砕して、必要に応じた粒径に調整したバインダー
型キャリアを用いるようにしてもよい。
【0029】なお、この発明において使用する上記のよ
うな各磁性キャリアにおいては、その粒径が20μmよ
り小さいと、一般に磁性キャリア自身が感光体に付着し
て現像されてしまう等の問題がある一方、その粒径が2
00μmより大きいと、一般に形成される画像のキメが
粗くなる等の問題があるため、通常はその平均粒径が2
0〜200μm、好ましくは30〜100μmのものを
用いるようにし、現像方式等に応じて適当な粒径になっ
た磁性キャリアを適宜選択して用いるようにする。
【0030】
【作用】この発明に係る静電潜像現像用トナーにおいて
は、上記のようにこのトナーを構成する結着樹脂に上記
のような低分子量側と高分子量側の二種類のスチレン系
共重合体A,Bを含有させたものを使用するようにした
ため、耐オフセット性や耐巻き付き性に対して良好な特
性を示すと共に、良好な定着性能が得られるようにな
る。
【0031】また、上記トナーにおける結着樹脂中にお
いて、高分子量側におけるスチレン系共重合体Bを低分
子量側におけるスチレン系共重合体Aより多く含有させ
ると共に、この低分子量側におけるスチレン系共重合体
Aとして、上記の分子量分布のピークの位置における分
子量が1×103 〜2×104 の低い範囲に位置するも
のを用いるようにしたため、トナーの定着性を損なうこ
となく、トナーを構成する結着樹脂の強度が増し、粉砕
してトナーを製造する際における微粉の発生が少なくな
ると共に、トナーにおける帯電立上り等の特性が向上
し、画像形成当初やトナーを補給した場合等において
も、トナーの帯電がスムーズに行なわれ、カブリの少な
い画像が安定して得られるようになる。
【0032】さらに、上記のトナー中に磁性粉を0.5
〜13重量%含有させるようにしたため、このトナーを
磁性キャリアと混合させて静電荷像を現像する場合に、
このトナーが磁性キャリアに適当な拘束力でうまく保持
されるようになり、形成される画像の濃度低下を招くこ
となく、トナーの飛散等がさらに抑制され、小粒径のト
ナーを用いた場合においても、形成される画像にカブリ
が発生したり、トナーが装置内において飛散するという
ことが少なくなる。
【0033】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る静電潜像現像
用トナーについて具体的に説明すると共に、比較例を挙
げ、この発明の実施例に係る静電潜像現像用トナーが優
れていることを明らかにする。
【0034】(実施例1) この実施例においては、静電潜像現像用トナーを下記の
ようにして製造した。
【0035】ここで、トナーを製造するにあたり、この
実施例においては、結着樹脂として上記のGPCによる
クロマトグラムにおいて測定された分子量分布のピーク
の位置における分子量(以下、ピーク位置の分子量とい
う。)が5000のスチレン−アクリル酸ブチル−メタ
クリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量
比が7:1.4:1.4:0.2)35重量部と、上記
のピーク位置の分子量が200000になったスチレン
−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル
酸共重合体(モノマー重量比が6:1.9:1.9:
0.2)65重量部とを使用するようにした。
【0036】そして、これらの結着樹脂にニグロシン系
染料(商品名,ニグロシンベースEX,オリエント化学
工業社製)5重量部と、カーボンブラック(商品名,M
A#8,三菱化成社製)8重量部と、160℃における
粘度が145CPSの低分子量ポリプロピレン(ポリプ
ロピレンの熱分解生成物)3重量部と、Zn系フェライ
ト(最大磁化68emu/g,Hc110,体積固有電
気抵抗8.5×107Ω・cm)5重量部(トナー中4
重量%)とを加え、10リットルのヘンシェルミキサー
により200rpmで2分間混合した後、これらを押出
混練機(商品名,PCM−300,池貝鉄工社製,L/
D=32.5)を用いて溶融混練した。
【0037】そして、この混練物を冷却固化させた後、
2mmメッシュのフェザーミルを用いてこれを粗粉砕
し、さらにこれをジェット粉砕機を用いて微粉砕した
後、気流式分級機を用いて粗粉及び微粉を取り除き、平
均粒径が8μmになったトナーを得た。そして、この実
施例においては、上記のようにして得られたトナーに疎
水性シリカ(日本アエロジル社製,R−974)0.2
重量%を加えて処理したトナーを用いるようにした。
【0038】一方、上記のトナーと混合して使用する磁
性キャリアとしては、ポリエステル樹脂(花王社製,N
E−1110)100重量部と、Zn系フェライト(最
大磁化68emu/g,Hc110,体積固有電気抵抗
8.5×107 Ω・cm)500重量部と、カーボンブ
ラック(三菱化成工業社製,MA#8)2重量部とをヘ
ンシェルミキサーにより充分混合、粉砕し、次いでシリ
ンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に設定した
押し出し混合機を用いて溶融混練した後、この混練物を
放置冷却し、その後フェザーミルを用いて粗粉砕し、さ
らにジェットミルで微粉砕した後、分級機を用いて分級
し、平均粒径が55μmになったキャリアを用いるよう
にした。
【0039】(実施例2) この実施例における静電潜像現像用トナーにおいては
上記の実施例1において磁性粉として用いたZn系フェ
ライトの添加量を変更し、この磁性粉がトナー中に0.
5重量%含有されるようにした。そして、それ以外につ
いては、上記実施例1の場合と同様にしてトナーを製造
した。一方、磁性キャリアについては、上記実施例1と
同じ磁性キャリアを用いるようにした。
【0040】(実施例3) この実施例における静電潜像現像用トナーにおいても
上記の実施例1において磁性粉として用いたZn系フェ
ライトの添加量を変更し、この磁性粉がトナー中に10
重量%含まれるようにした。そして、それ以外について
は、上記実施例1の場合と同様にしてトナーを製造し
。一方、磁性キャリアについては、上記実施例1と同
じ磁性キャリアを用いるようにした。
【0041】(比較例1) この比較例における静電潜像現像用トナーにおいては
トナーを製造するにあたり、上記Zn系フェライトか
らなる磁性粉を添加させないようにし、それ以外につい
ては、上記実施例1の場合と同様にしてトナーを製造し
。一方、磁性キャリアについては、上記実施例1と同
じ磁性キャリアを使用するようにした。
【0042】(比較例2) この比較例における静電潜像現像用トナーにおいては
トナーを製造するにあたり、上記Zn系フェライトから
なる磁性粉がトナー中に15重量%含まれるようにし、
それ以外については上記実施例1と同様にして製造した
トナーを用いるようにした。一方、磁性キャリアについ
ては、上記実施例1と同じ磁性キャリアを使用するよう
にした。
【0043】(比較例3) この比較例における静電潜像現像用トナーにおいては
トナーを製造するにあたり、結着樹脂として、上記実施
例1と同じ上記のピーク位置の分子量が5000のスチ
レン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチル−メタク
リル酸共重合体(モノマー重量比が7:1.4:1.
4:0.2)を60重量部と、数平均分子量が2000
00のスチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチ
ル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量比が6:1.
9:1.9:0.2)を40重量部加えるようにし、そ
れ以外については、上記実施例1の場合と同様にして
ナー を製造した。一方、磁性キャリアについては、上記
実施例1と同じ磁性キャリアを使用するようにした。
【0044】(実施例4) この実施例における静電潜像現像用トナーにおいては
トナーを製造するにあたり、その結着樹脂として、上記
のピーク位置の分子量が15000になったスチレン−
アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モノマー重
量比が7:2.8:0.2)47重量部と、上記のピー
ク位置の分子量が350000になったスチレン−アク
リル酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モノマー重量比
が6:3.8:0.2)53重量部とを使用するように
し、それ以外については、上記実施例1の場合と同様に
してトナーを製造した。一方、磁性キャリアについて
は、上記実施例1と同じ磁性キャリアを使用するように
した。
【0045】(比較例4) この比較例における静電潜像現像用トナーにおいては
トナーを製造するにあたり、結着樹脂として、上記実施
例4において使用した上記のピーク位置の分子量が15
000のスチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸共
重合体(モノマ−重量比が7:2.8:0.2)を60
重量部、上記のピーク位置の分子量が350000のス
チレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モ
ノマー重量比が6:3.8:0.2)を40重量部加え
るようにし、それ以外については、前記実施例1の場合
と同様にしてトナーを製造した。一方、磁性キャリアに
ついては、上記実施例1と同じ磁性キャリアを使用する
ようにした。
【0046】(実施例5) この実施例における静電潜像現像用トナーにおいては
トナーを製造するにあたり、結着樹脂として、上記のピ
ーク位置の分子量が6000のスチレン−アクリル酸ブ
チル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体(モ
ノマー重量比が7:1.2:1.2:0.4)10重量
部と、上記のピーク位置の分子量が100000のスチ
レン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチル−メタク
リル酸共重合体(モノマー重量比が6:1.8:1.
8:0.2)90重量部とを使用するようにし、それ以
外については、前記実施例1の場合と同様にしてトナー
を製造した。一方、磁性キャリアについては、上記実施
例1と同じ磁性キャリアを使用するようにした。
【0047】次に、上記実施例1〜5及び比較例1〜4
の各静電潜像現像用トナーについて、それぞれの帯電特
性及び飛散の状態を調べるようにした。
【0048】ここで、上記実施例1〜5及び比較例1〜
4の各静電潜像現像用トナーの帯電特性を調べるにあた
っては、それぞれトナー濃度が8重量%になるように磁
性キャリアの量を調整し、これらをそれぞれ50ccの
ポリ瓶に30g入れ、毎分120rpmで回転する架台
に乗せて、3分後,10分後,30分後における各トナ
ーの帯電量[μC/g]を測定するようにした。
【0049】また、上記実施例1〜5及び比較例1〜4
の各静電潜像現像用トナーの飛散の状態を調べるにあた
っては、それぞれトナー濃度が15重量%になるように
磁性キャリアの量を調整し、これらを3分間混合した。
そして、このように混合した各静電潜像用現像剤をそれ
ぞれ、マグネットとその回りにスリーブを有するマグネ
ットローラーの上に10gセットし、マグネットを75
0rpmで回転させた場合において、1分間に飛散する
トナーの量を柴田化学社製のデジタル粉塵計を用いて測
定するようにした。
【0050】そして、これらの測定結果は、下記の表1
に示す通りであった。なお、トナーの飛散量[cpm]
については、計測された値が100cpm以下であれば
極めて良好であり、また100cpm以上であっても3
00cpm以下であれば実用的に使用可能な飛散量であ
り、実用機に使用しても飛散によるトラブルはほとんど
発生しない範囲であるが、500cpm以上、特に10
00cpmを越えると、トナーの飛散がひどく、現像装
置周辺がトナーによって汚れたり、カブリが発生するな
どのトラブルの原因となる。
【0051】
【表1】
【0052】この結果から明らかなように、一般にトナ
ー中に添加する磁性粉の量を少なくするに連れて、トナ
ーの飛散量が少なくなる一方、トナーの帯電立上りが速
度が低下し、また低分子量側のスチレン系共重合体の量
を多くすると、トナーの飛散量が多くなると共に、トナ
ーの帯電立上り速度も低下した。
【0053】次に、上記実施例1〜5及び比較例1〜4
の各静電潜像現像用トナーのトナー濃度が8重量%にな
るように磁性キャリアの量を調整し、このように調整し
各静電潜像用現像剤を1リットルのポリ瓶に入れ、こ
れをボールミル架台にのせ、120rpmで10時間混
合させた。そして、市販の複写機(ミノルタカメラ社
製,EP8600)を一部改造し、有機系感光体を使用
したものに、上記のように実施例1〜5及び比較例1〜
4の各静電潜像現像用トナーを用いた各静電潜像用現像
剤を供給して耐刷試験を行ない、形成された画像におけ
るカブリ、キャリア付着、複写機内におけるトナーのこ
ぼれ、感光体に対するトナーのフィルミング、クリーニ
ング性、画像濃度の変化を調べるようにした。
【0054】ここで、画像におけるカブリについては、
1万枚と10万枚の耐刷試験時において、以下のような
5段階のランク付けを行なって評価するようにした。 5:カブリは全くなし 4:カブリがわずかに認められる 3:カブリが若干認められるが実用上問題なし 2:カブリが多い 1:カブリが非常に多い
【0055】また、キャリア付着についても、1万枚と
10万枚の耐刷試験時において、画像上および文字回り
におけるキャリア付着について調べ、以下のようなラン
ク付けを行なって評価するようにした。 ◎:キャリア付着全くなし ○:文字回りにわずかにあるが実用上問題なし △:画像中にキャリアが付着し、ところどころ転写ムラ
が残っている ×:キャリア付着が極めて多い
【0056】また、複写機内におけるトナーのこぼれに
ついても、10万枚の耐刷試験を行なって複写機内に飛
散したトナーや現像器からこぼれたトナーを調べ、以下
のようなランク付けを行なって評価するようにした。 ◎:10万枚の耐刷試験後においても全く複写機内にト
ナーの汚染なし ○:10万枚の耐刷試験後においても実用上ほとんど問
題なし △:1万枚の耐刷試験ではほとんど問題なかったが、5
万枚の耐刷試験においてメンテナンスが必要 ×:2万枚の耐刷試験でメンテナンスを行なわないと、
コピー紙の裏汚れ,チャージムラ,転写ムラが生じる
【0057】また、感光体に対するトナーのフィルミン
グについては、10万枚の耐刷試験を行なった後、感光
体の表面を調べ、以下のようにランク付けを行なって評
価するようにした。なお、感光体の表面にトナー組成の
一部がうすくフィルミングすると、感光体の感光度が低
下し、残留電位が上昇してカブリが発生するようにな
る。 ◎:全くフィルミングなし ○:現像剤のふれた部分とそうでない部分の光沢が違う
が、実用上は何ら問題がない △:感光体の表面にうっすらとフィルミングし、露光ダ
イヤルを半目盛露光オーバーにしないと適正位置がずれ
る ×:感光体の表面にはっきりと分かるフィルミングが発
生(ハーフトーンをとるとフィルミング部分とそうでな
い部分の濃淡がつく) ××:露光ダイヤルでの適正位置はない
【0058】また、クリーニング性については、5万枚
及び10万枚の耐刷試験後においてそれぞれ前半に黒ベ
タのコピーを50枚行なった後のクリーニング性を調
べ、以下のようにランク付けを行なって評価するように
した。 ◎:全くクリーニング不良なし ○:極くわずかに認められるものの実用上問題なし △:すじ状のクリーニング不良が観察される ×:クリーニング不良多発
【0059】また、画像濃度については、DATAQU
EST社製コピーチャートのBLACK SOLID部
(画像濃度I.Dが1.6以上)を原稿として使用し、
画像形成初期と、1万枚及び10万枚耐刷試験後におけ
る画像濃度をマクベス濃度計により測定するようにし
た。
【0060】さらに、上記のように実施例1〜5及び比
較例1〜4の各静電潜像現像用トナーを用いた各静電潜
像現像剤を使用して画像形成を行なった場合における、
耐オフセット性及び消しゴム試験による定着強度を評価
するため、それぞれトナー濃度が10重量%になるよう
に磁性キャリアの量を調整し、これらの各静電潜像用現
像剤をそれぞれ50ccのポリ瓶に入れ、これをボール
ミル架台にのせ、120rpmで約30分間混合させ
た。
【0061】そして、このように混合した実施例1〜5
及び比較例1〜4の各静電潜像現像用トナーを用いた
静電潜像用現像剤を市販の複写機(ミノルタカメラ社
製,EP450)を一部改造したものに供給して画像形
成を行ない、それぞれ画像濃度(ID)が0.6≦ID
≦1.5になる範囲において、IDの異なる未定着の画
像サンプルを形成し、このように形成された各画像サン
プルをそれぞれ市販の複写機(ミノルタカメラ社製,E
P870)を改造した外部定着機に通して定着を行な
い、耐オフセット性及び消しゴム試験により定着強度を
評価した。なお、この評価においては、以下のようにし
てランク付けを行なった。 ◎:定着強度において、消しゴム試験の前後でIDの低
下が0.2以下で、オフセットが150〜240℃以上
の間で発生しない。 ○:上記のIDの低下が0.3以下で、オフセットが1
50〜220℃の間で発生しない。 △:上記のIDの低下が0.3以下で、オフセットが1
50〜200℃の間で発生しない。 ×:上記のIDの低下が0.3以上又はオフセットが1
50〜200℃の間で発生する。
【0062】そして、上記のようにして評価した画像に
おけるカブリ、キャリア付着、複写機内におけるトナー
のこぼれ、感光体に対するトナーのフィルミング及び定
着強度と耐オフセット性結果を下記の表2にまとめて示
した。
【0063】
【表2】
【0064】さらに、実施例1〜3及び比較例1,2の
各静電潜像用現像剤における物性値及び各耐刷試験の結
果に基づく総合評価を行ない、この結果を、前記のよう
にして評価したクリーニング性及び画像濃度の測定結果
と合わせて下記の表3に示した。
【0065】なお、上記の総合評価ついては、下記のよ
うにしてランク付けした。 ◎:実用上問題なく使用できる。 ×:信頼性に欠け、問題が多い。
【0066】
【表3】
【0067】これらの結果から明らかなように、実施例
1〜5の各静電潜像現像用トナーを使用した場合には、
磁性粉を添加しなかった比較例1の静電潜像現像用トナ
と比べて、トナーの飛散が少なくなり、トナーこぼれ
や、カブリなどの少ない良好な画像が得られるようにな
った。
【0068】また、磁性粉を多く添加した比較例2の静
電潜像現像用トナーと比べた場合には、充分な画像濃度
を持つ良好な画像が得られるようになった。
【0069】さらに、低分子量側のスチレン系共重合体
の量を多くした比較例3,4の静電潜像現像用トナーと
比べた場合には、トナーの飛散量が少なくなると共に、
トナーの帯電立上り速度も向上し、トナーこぼれや、カ
ブリなどの少ない良好な画像が得られるようになった。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る静
電潜像現像用トナーにおいては、結着樹脂として、上記
のような低分子量側と高分子量側の二種類のスチレン系
共重合体A,Bを含有させるようにしたため、耐オフセ
ット性や耐巻き付き性に対して良好な特性を示すと共
に、良好な定着性能を持つ画像形成が行なえるようにな
った。
【0071】また、この発明に係る静電潜像現像用トナ
においては、トナーを構成する結着樹脂中に高分子量
側のスチレン系共重合体Bを低分子量側のスチレン系共
重合体Aより多く含有させると共に、低分子量側のスチ
レン系共重合体として、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによるクロマトグラムにおいて分子量分布
のピーク位置の分子量が1×103 〜2×104 の範囲
になった分子量の低いものを用いるようにしたため、ト
ナーの定着性を損なうことなく、トナーを構成する結着
樹脂の強度が増し、粉砕してトナーを製造する際におけ
る微粉の発生が少なくなると共に、トナーの帯電立上り
等の特性が向上し、画像形成当初やトナーを補給した場
合等におけるトナーの帯電がスムーズに行なわれるよう
になり、画像形成時におけるトナーの飛散が少なくなる
と共に、カブリの少ない画像が安定して得られるように
なった。
【0072】また、この発明に係る静電潜像現像用トナ
においては、磁性粉を0.5〜13重量部添加させる
ようにしたため、このトナーを磁性キャリアと混合させ
て静電潜像を現像する場合に、このトナーが磁性キャリ
アによって保持されるようになり、画像濃度の低下を招
くことなく、トナーの飛散等が更に抑制されるようにな
り、小粒径のトナーを使用した場合においても、形成さ
れる画像にカブリが生じたり、トナーが装置内で飛散す
るということも少なくなった。
【0073】さらに、この発明に係る静電潜像現像用ト
ナーにおいては、上記の各スチレン系共重合体A,Bと
して、それぞれその酸価が3〜30KOHmg/gのも
のを用いるようにしたため、正荷電性トナーが適切に帯
電されるようになり、現像を行なった際にトナーと一緒
にキャリアが像担持体に付着して、形成される画像にキ
ャリアカブリが生じるのが抑制されると共に、トナーが
飛散して装置内が汚れたり、形成される画像の画質が低
下するということもなくなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 良和 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 林 義之 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 御厨 義博 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 助野 幹彦 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−64765(JP,A) 特開 昭62−9356(JP,A) 特開 平2−168264(JP,A) 特開 昭61−38952(JP,A) 特開 昭64−15752(JP,A) 特開 昭62−294259(JP,A) 特開 平1−284863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体を主成分とする磁性キャリアと共
    に静電潜像用現像剤に使用され、少なくとも結着樹脂と
    着色剤とを含有する正荷電性の静電潜像現像用トナーに
    おいて、上記の結着樹脂として、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィーによるクロマトグラムにおいて分子
    量分布のピーク位置の分子量が1×103 〜2×104
    の範囲にある低分子量側のスチレン系共重合体Aと、ゲ
    ルパーミエーションクロマトグラフィーによるクロマト
    グラムにおいて分子量分布のピーク位置の分子量が1×
    105 〜2×106 の範囲にある高分子量側のスチレン
    系共重合体Bとを含有し、この結着樹脂100重量部中
    において、上記の低分子量側のスチレン系共重合体Aの
    含有量CAと上記の高分子量側のスチレン系共重合体B
    の含有量CBがCA<CBの関係を満たし、CAが10
    重量部以上で50重量部未満、CBが50重量部以上で
    90重量部以下であると共に、上記の低分子量側のスチ
    レン系共重合体Aにおけるスチレン系モノマーの共重合
    比WA が70〜98重量%、高分子量側のスチレン系
    共重合体Bにおけるスチレン系モノマーの共重合比WB
    が50〜90重量%であり、これらのスチレン系モノ
    マーの共重合比WA ,WB がWA ≧WB の関係を満
    たすと共に上記のスチレン系共重合体A及びスチレン系
    共重合体Bの酸価がそれぞれ3〜30KOHmg/gで
    ある結着樹脂を使用し、かつこの静電潜像現像用トナー
    中に磁性粉が0.5〜13重量%含有されてなること
    特徴とする静電潜像現像用トナー
  2. 【請求項2】 前記のトナー中における磁性粉の含有量
    が0.5〜10重量%であることを特徴とする請求項1
    に記載した静電潜像現像用トナー
  3. 【請求項3】 前記のトナー中に、160℃における溶
    融粘度が10〜1×10 5 CPSのエチレン系オレフィ
    ン重合体が含有されていることを特徴とする請求項1に
    記載した静電潜像現像用トナー
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