JP3057630U - バランスウエイト部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランスウエイト部材のウエイトを非鉛金属
で形成し、大型のタイヤホイールに取付ける場合も、ウ
エイトの形状を最適な形状にして、確実に取付けられる
ようにする。 【解決手段】 ばね鋼製の帯板２の一端側をＵ字状に折
曲げてタイヤホイール周縁に嵌着すべきクリップ部２ａ
を形成すると共に、帯板２の他端側を前記クリップ部２
ａと反対側に湾曲させてウエイト取付部２ｂを形成し、
ウエイト取付部２ｂには通孔２ｃを形成する。そしてウ
エイト取付部２ｂの湾曲した凹曲面側に非鉛金属製のウ
エイト３を配し、このウエイト３のリベット孔３ａにリ
ベット５を圧入してウエイト取付部２ｂに設けた通孔２
ｃに挿通し、通孔２ｃより突出したリベット５の先端を
カシメることにより、ウエイト３をウエイト取付部２ｂ
に止着する。また、ウエイト３を非鉛系の焼結金属によ
り形成すると共に、ウエイト３の中心部に、あらかじめ
焼結金型により通孔２ｃに対応してリベット孔３ａを形
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、自動車のタイヤホイールに取付けるバランスウエイト部材に関し 、特に大型タイヤホイール用のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のバランスウエイト部材は、図５に示すように、鉛や鉛合金からなるウエ イト３を、タイヤホイールに止着する帯板２と一緒に鋳造して作成していた。 このバランスウエイト部材１を取付けるには、タイヤホイールＲの周縁部に帯 板２をあてがい、帯板２のクリップ２ａを打ち込んで、図６に示すように、帯板 ２とウエイト３の間の締代ｎでタイヤホイールに固定する。 鉛や鉛合金はその比重が大きいためバランスウエイトに向いているが、鉛の鋳 造品のため締代ｎの寸法精度が低くタイヤホイールへの固定に不安があった。 また、近来の自然環境保全の要請により鉛の使用が制限され、鉛を使用しない バランスウエイト部材が要求されている。 そこで、本考案者はバランスウエイト部材１のウエイト３を鉛や鉛合金に代わ る材質で製造し、すでに実用新案登録第３０４６０４６号、第３０５１０１７号 を提案した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記の提案では、バランスウエイト部材のウエイトを非鉛金属のウエイトまた はウエイト板にリベット孔をあけ、帯板の通孔に位置合わせしてリベットを挿通 して連結するか、またはウエイト板に帯板の通孔に位置合わせして、係合用突起 をプレス形成し、係合用突起の頭部を帯板の通孔に挿通して係合用突起の頭部を カシメて止着し、この頭部をタイヤホイールの取付面に弾圧する。 ところが、これらの提案のものでは、ウエイト板のリベット孔や帯板の通孔に 対してリベットや係合用突起の径が少しでも細いと、ウエイト板と帯板の間に緩 みを生じ、両者を一体的に連結しにくいという問題があることがわかった。 本考案は、このような問題を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決する手段】

本考案では、ばね鋼製の帯板の一端側をＵ字状に折曲げてタイヤホイール周縁 に嵌着すべきクリップ部を形成すると共に、帯板の他端側を前記クリップ部と反 対側に湾曲させてウエイト取付部を形成し、ウエイト取付部には通孔を形成し、 ウエイト取付部の湾曲した凹曲面側に非鉛金属製のウエイトを配し、このウエイ トのリベット孔にリベットを圧入してウエイト取付部に設けた通孔に挿通し、通 孔より突出したリベットの先端をカシメることにより、ウエイトをウエイト取付 部に止着する。 また、ウエイトを非鉛系の焼結金属により形成すると共に、ウエイトの中心部 に、あらかじめ焼結金型により通孔に対応してリベット孔を形成する。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。 図１は、本考案によるバランスウエイト部材の斜視図、図２はウエイトの斜視 図、図３はバランスウエイト部材の組立て状態を示す断面図である。 １はバランスウエイト部材で、帯板２とウエイト３よりなる。 帯板２は帯状のばね鋼板をプレス加工により、その一端をＵ字状に折曲げて、 クリップ部２ａを形成し、他端を逆向きに円弧状に折曲げてウエイト取付部２ｂ を形成し、ウエイト取付部２ｂのほぼ中央に通孔２ｃを設ける。 帯板２はばね鋼板を熱処理した後に、亜鉛メッキクロメート処理またはニッケ ルメッキ処理の防錆処理を行う。

【０００６】 ウエイト３は、非鉛系の焼結合金（例えば鉄系焼結合金）からなり、粉末状の 合金を焼結金型に入れ、高温高圧下で加熱圧縮して、指定の形状に焼結合金を形 成する。ウエイト３はタイヤホイール４のリムＲ内側に沿った曲面と帯板２の円 弧状のウエイト取付部２ｂに合せてラグビーボール状に形成し、その中心に帯板 ２の複数の通孔２ｃに合せて複数のリベット孔３ａを設ける。 複数のリベット孔３ａは焼結金型の所定位置に複数のピンを固定し圧縮成型す るだけで、容易に形成できる。 大型の自動車のタイヤホイール４に取付ける場合は、バランスウエイト部材１ の重心をできるだけ中心から離れたタイヤホイール４の外周に設けるとその効果 が大きいので、ウエイト３の形状も外側に広い断面Ｖ字型が望ましい。

【０００７】 図３において、ウエイト３の複数のリベット孔３ａに、リベット孔３ａに見合 う外径のリベット５を圧入し（ａ）、その先端をウエイト３から突出し、その先 端に帯板２の複数の通孔２ｃを挿通し（ｂ）、その先端をカシメて帯板２とウエ イト３を一体に止着する（ｃ）。 帯板２とウエイト３を一体化したら、その状態で密着性のよいエポキシ系樹脂 塗料を塗装して防錆処理する。さらに、その上に耐候性のよいアリル系樹脂塗料 を塗装することにより、さらに耐候性、耐錆性を高めることができる。

【０００８】 バランスウエイト部材１をタイヤホイール４に取付ける際には、タイヤホイー ル４の所定位置で、リムＲの周縁にバランスウエイト部材１のクリップ部２ａを 挟み込み固定する。 帯板２はプレス加工により形成するため、クリップ部２ａの形状にバラツキな く、タイヤホイール４のリムＲの周縁に確実に固定できる。 さらに、ウエイト３を焼結金属で形成することにより、焼結金型を用いて精度 よく形成することができる。また、焼結金型の所定位置にピンを立てて成型する ことにより、リベット孔３ａを簡単にかつ精度よく形成でき、リベット５を確実 に圧入できる。 さらに、リベット５の先端を帯板２の通孔２ｃに通して、リベット５の先端を カシメることにより、バランスウエイト部材１をタイヤホイール４の取付位置に 弾圧して密着できる。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように、本考案のバランスウエイト部材は、帯板のウエイト取付部を円 弧状に折曲げて、非鉛金属のウエイトを包むように保持するとともに、ウエイト に設けたリベット孔にリベットを圧入してその先端で帯板に固定することにより 、ウエイトをゆるみなく帯板に固定できる。 また、ウエイトを焼結金属により形成することにより、重さのバラツキを少な くし、バランスウエイト部材として適切な形状に成形でき、リベット孔の加工も 同時に形成して、作業を簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるバランスウエイト部材の斜視図で
ある。

【図２】本考案のウエイトの斜視図である。

【図３】本考案のバランスウエイト部材の組立て状態を
示す断面図である。

【図４】本考案のバランスウエイト部材の取付け状態を
示す断面図である。

【図５】従来のバランスウエイト部材の斜視図である。

【図６】従来のバランスウエイト部材の取付け状態を示
す断面図である。

【符号の説明】

Ｒ リム １ バランスウエイト部材 ２ 帯板 ２ａ クリップ部 ２ｂ ウエイト取付部 ２ｃ 通孔 ３ ウエイト ３ａ リベット孔 ４ タイヤホイール ５ リベット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ばね鋼製の帯板の一端側をＵ字状に折曲
   げてタイヤホイール周縁に嵌着すべきクリップ部を形成
   すると共に、 前記帯板の他端側を前記クリップ部と反対側に湾曲させ
   てウエイト取付部を形成し、前記ウエイト取付部には通
   孔を形成し、 前記ウエイト取付部の湾曲した凹曲面側に非鉛金属製の
   ウエイトを配し、このウエイトのリベット孔にリベット
   を圧入してウエイト取付部に設けた通孔に挿通し、通孔
   より突出したリベットの先端をカシメることにより、ウ
   エイトをウエイト取付部に止着するようにしてなるバラ
   ンスウエイト部材。
2. 【請求項２】 前記ウエイトを非鉛系の焼結金属により
   形成すると共に、 前記ウエイトの中心部に、あらかじめ焼結金型により、
   前記通孔に対応してリベット孔を形成することを特徴と
   する請求項１記載のバランスウエイト部材。