JP3057596U - シャワー用排水器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 シャワー装置において、混合水栓を閉じたと
きに配管内に残留する残り湯を自動的に排出することに
より、次回のシャワー使用に際して、冷めた水がいきな
り噴出しないようにする。 【解決手段】 混合水栓に取り付けていたシャワー器具
を取り外し、混合水栓のシャワー口側に本シャワー用排
水器具１０Ａの上部接続口を取り付けて固定し、取り外
したシャワー器具を、シャワー用排水器具の横部接続口
１２に取り付けて固定する。シャワーの使用時に、配管
を流れる湯水による圧力でスプリングの押圧力に抗して
ドレーンピストン２２を閉じることにより、湯水はシャ
ワーヘッドから噴出される。混合水栓を閉じたときに、
このドレーンピストンがスプリング２７の押圧力によっ
て復帰作動し、ドレーンピストンのテーパ面とＯリング
とが離間する。この離間によって、配管内に存在する残
り湯は排水孔から速やかに排水される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はシャワー用排水器具に関し、さらに詳しくは、混合水栓とシャワー器 具との間に設置して、シャワーを使用した後で、シャワーホース中の残留湯水を 自動的に排出することができるシャワー用排水器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、浴室等で用いられる家庭用のシャワーにあっては、混合水栓の操作レバ ーを切り替えることにより、蛇口からの使用と、シャワーとしての使用を必要に 応じて使い分けるようになっている。通常は水または適度の水温に調節した湯水 を蛇口から使用するとともに、操作レバーを切り替えれば、一度調節した適度の 湯水をシャワーノズルから浴びることができる。 混合水栓の操作レバーを閉栓してシャワーの使用を「オフ」、即ち、蛇口を閉 栓すると、シャワーノズルからの湯水の噴出は停止するが、蛇口とシャワーノズ ルとの間の管路中の湯水は、そのまま残留することになる。 この残留する湯水の温度は自然に低下していき、前回の使用後にある程度の時 間をおいてシャワーを再使用した場合には、蛇口とシャワーノズルとの間の残留 分の冷えた水が、いきなりシャワーノズルから噴出する。 このようなことは、快適にシャワーを浴びようとするとき、大変に不愉快であ るばかりでなく、健康の面からも、突然に冷水を浴びて、心臓に思いがけない負 担をかけたりするおそれなしとしないばかりでなく、適度な温度環境中にあって 水が停滞した状態で管路中に留まるということは、衛生面からみても、決して好 ましいことではない。 従来のシャワー用排水器具は、たとえば、登録実用新案公報第３０４５５２８ 号に記載されているように、収縮度の異なる素材で二重構造とし、内部を流れる 湯水を止めた場合に、内側の素材が収縮し、外側の素材との間にできた間隙を利 用して残り水を排出するようにしている。 また、実開平７−３３１８９によれば、ノズル孔に接続して所定温度で急速に 変化する感温素子を利用して、自動切り替え弁を設けたベンチュリーを構成して いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の使用時の冷水を防止できるシャワーホースは、所要の機 能を満たす極く薄い弾性材料である必要があり、急激に変化する温度環境下にあ って、安定した動作を長期にわたって保証することが困難であるという問題があ る。 さらに、感温素子を利用した場合においては素材の温度ヒステレシスによって 動作温度と復元温度との間に差を生ずることにより、設定した湯水温度からある 程度まで低下しなければ作動せず、このためにシャワー停止後、シャワーホース 中に残留する残留水を排出するまでに若干の時間遅れを生ずることになり、この 間に無駄な湯水を流し続けなければならず、さらに冷水シャワー浴ができないと いう問題がある。 本考案は、上記の問題を解決するためには、シャワーの使用後に管路中に残留 する残留水を、自動的に、しかも速やかに排出することができるシャワー用排水 器具を得ることを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、 上下に連通し、直線状をなす中空状管路の適宜な位置に、略直角の横方向に曲 折してＴ字状をなす中空状管路体を形成し、 この直線状をなす中空状管路の上端位置において開口し、この開口部をネジ部 を介して混合水栓に接続可能な上部接続口と、 Ｔ字状中空管路の先端位置において開口し、この開口部にネジ部を介してシャ ワー器具に接続可能な横部接続口と、 直線状をなす中空状管路の下端位置において開口し、中空状管路中を流れる流 体における圧力差に応動して選択的に作動することにより、管路中に残留する流 体を排水可能とするドレーンユニットを備えるとともに、 このドレーンユニットが、シャワー使用時における流体中の水圧によって弁体 としてのドレーンピストンを閉じ、シャワーの停止によって水圧がなくなると、 バネの押圧力によってドレーンピストンを開放することにより、混合水栓以降の 残留水を排水するように構成する。

【０００５】 また、上下に連通し、直線状をなす中空状管路の適宜な位置に、Ｔ字状に曲折 してエアバルブジョイントを設け、 このエアバルブジョイントがゴムバルブと、このゴムバルブの作動時に閉塞可 能なエアー孔を備える一方、 直線状をなす中空状管路の下端位置における開口を、シャワーホース等を介し てドレーンユニットに接続するとともに、 このドレーンユニットが、シャワー使用時における流体中の水圧によって弁体 としてのドレーンピストンを閉じ、シャワーの停止によって水圧がなくなると、 バネの押圧力によってこのドレーンピストンを開放することにより、混合水栓以 降の残留水を排水するように構成する。

【０００６】

【考案の実施の形態】

【実施例１】（直結型） 考案の実施の形態について、図面を参照して説明する。 図１及び図２において、このシャワー用排水器具１０Ａは、Ｔ字状をなして三 叉に分岐する中空管路体を形成し、いずれか一方の口から流入する湯水等の流体 は他の二つの口から流出する通常の構造であり、管路体の直線の軸線の一端（上 ）側の開口を、混合水栓に接続するための、上部接続口１１とし、所要の取付用 ネジ１１−１を設けている。また、管路体の略中間部分には、上下に直線状をな す中空管路体から横方向にＴ字状をなして分岐し、この分岐した端部の開口を、 シャワー器具に接続するための横部接続口１２とする。 また、上下に直線状をなす中空管路体の他端（下）側の開口を、下部ドレーン １３とし、この下部ドレーン１３内の所定の位置において、ドレーンユニット２ ０を取り付ける。

【０００７】 ドレーンユニット２０は、金属筒体からなるスリーブ２１内に、ドレーンピス トン２２を先端に取り付けたピストンロッド２３を、ロッドの軸線方向に摺動自 在に支持するピストンケース２４をＯリングｂ２６を介して密接的に収容してい る。 さらに詳しくは、ドレーンピストン２２は円錐台形状をなし、その略平坦な上 端の頭部平面２２−２の円周部分を例えば４分割するように切り欠き、切欠き２ ２−１を形成している。このドレーンピストン２２の下部に、ピストンロッド２ ３を螺入し、このロッド２３に対してスプリング２７を介して排水ナット２８を スリーブ２１に所定の位置まで螺入することにより、Ｏリングａ２５に対してド レーンピストン２２のテーパ面２２−３が所定の空間距離を隔てて位置するよう に形成している。

【０００８】 ピストンケース２４は、上下２ケ所の支持部分の円周方向を数箇所にわたって 上下方向に切り欠いて切欠き２４−１を形成し、また、排水ナット２８は、上下 方向に貫通する適宜な径を有する孔を数箇所に設けて排水孔２８−１を形成して いる。ピストンケース２４に形成した切欠き２４−１と、排水ナット２８に形成 した排水孔２８−１とを通じて、ドレーンユニットに流入した水は上方から下方 へ排水されるようになる。

【０００９】 このように形成することにより、ドレーンユニット２０を組み立てた状態にお いては、スプリング２７の押圧力によって、スリーブ２１上部に固定されたＯリ ングａ２５に対してドレーンピストン２２のテーパ面２２−３が所定の空間距離 を隔てて離間するようになる。このスプリング２７は、ドレーンピストン２２の 略平坦な上端の頭部平面２２−２に対して、湯水の流れによる所定の水圧が作用 すると容易に圧縮され、この水圧が解除されると、ドレーンピストン２２を押し 上げるようにバネ定数を設定している。

【００１０】 このように組み立てたドレーンユニット２０を、下部ドレーン１３の下方から 挿入し、予め設定した所定の位置に、例えば溶接、接着等の適宜な方法により固 定する。 次に混合水栓に取り付けていたシャワー器具を取り外し、混合水栓の シャワー口側に本シャワー用排水器具１０Ａの上部接続口１１を取り付けて固定 し、取り外したシャワー器具を、本シャワー用排水器具１０Ａの横部接続口１２ に取り付けて固定する。 次いで横部接続口２に取り付けたシャワーホースが垂れ下がらないように、ホ ースサポートを介してシャワーホースを、必要に応じて取り外し自在に保持させ る。

【００１１】 このように構成することにより、所定の温度の湯水が得られるように混合水栓 の湯または水側栓の開度を調節した状態でシャワーを使用すると、上部接続口１ １から流入する湯水の水圧によって、ドレーンユニット２０におけるドレーンピ ストン２２の頭部平面２２−２をスプリング２７の押圧力に抗して押すことによ り、ドレーンピストン２２のテーパ面２２−３をＯリングａ２５に圧接する。こ の両者の圧接によって、ドレーンユニット２０の下部に至る流路は完全に遮断さ れ、上部接続口１１から流入する湯水は、横部接続口１２からシャワー器具側に 流れる。 シャワーの使用を停止すると、混合水栓からの水流が存在しなくなることによ り、ドレーンピストン２２の頭部平面２２−２に作用していた水圧が解除され、 ドレーンピストン２２はスプリング２７の押圧力によって直ちに持ち上げられ、 スリーブ上部に固定されたＯリングａ２５に対してドレーンピストン２２のテー パ面２２−３が離間する結果、混合水栓から本排水器具１０Ａの間に残留する湯 水が、離間して形成される空間を通り、ピストンケース２４と排水ナット２８に ぞれぞれ形成された切欠き２４−１と排水孔２８−１とから排出される。

【００１２】

【実施例２】（中間型） また、図３においては、混合水栓とシャワー器具との間に、エアバルブジョイ ント３０と、上述したと略同様な機能を有するドレーンユニット４０とを接続し ている。以下において、これについて説明する。 エアバルブジョイント３０は、直線状に中空な管体をなし、その略中間位置に おいて、これと直角方向に、湯水による水圧によって作動するゴムバルブ３１と 、このゴムバルブ３１が開閉操作するエア孔３２を設けている。エアバルブジョ イント３０の下方は、シャワーホースを介してドレーンユニット４０の一端、即 ち、入口に挿入して接続し、またドレーンユニット４０の他端、即ち、出口をシ ャワーヘッドに至るシャワーホースに接続して、各接続部を固定用バンドで固く 締め付ける。

【００１３】 このように構成した場合、シャワーを使用すると、上部接続口４１から流入す る湯水の水圧によってエアバルブジョイント３０のゴムバルブ３１が作動してエ ア孔３２を閉塞し、湯水は下部接続口５４から中継ホース５５を介してドレーン ユニット４０の一端の入口から流入して、実施例１の場合と同様に、ドレーンユ ニット４０におけるドレーンピストン４２の頭部をスプリング４７の押圧力に抗 してドレーンピストン４２のテーパ面４２−３をＯリングａ４５に圧接する。こ の両者の圧接によって、排水ユニット４０の排水孔４８−１は完全に閉塞され、 湯水は出口からシャワー器具側に流れる。 シャワーの使用を停止すると、混合水栓からの水流が存在しなくなることによ り、ドレーンピストンの頭部に作用していた水圧が解除され、ドレーンピストン はスプリングの押圧力によって元の位置に復帰し、Ｏリングａに対してドレーン ピストンのテーパ面が離間するとともに、エアーバルブジョイントのゴムバルブ が元の位置に復帰し、エアー孔から空気が流入する結果、混合水栓から本排水器 具の間に残留する湯水が排水孔４８−１から排出される。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００１５】 温水シャワー使用時に頻発する、いきなり冷めた水を浴びるような不愉快さを 解消し、何時でも所望の適正な温度に調節された温水のシャワーを、その使い初 めから得ることができる。 そして使用後には、混合水栓以降で本シャワー用排水器具に至る区間に残留す る温水は自動的に排出され、次に使用する際には、適正な温度に調節された温水 のシャワーをその当初から得ることができるとともに、冬季においては残留する 温水が冷却して管内で凍結するおそれを解消する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例における要部の構成を示す一部断
面図である。

【図２】第１の実施例における部品図である。

【図３】第２の実施例における要部の構成を示す一部断
面図である。

【図４】第２の実施例における部品図である。

【図５】第１と第２の実施例の使用状態を示す図であ
る。

【符号の説明】

１０Ａ， １０Ｂ シャワー用排水器具 １１，４１ 上部接続口 １１−１，４１−１ 取付用ネジ １２ 横部接続口 １３ 下部ドレーン ５４ 下部接続口 ５５ 中継ホース ２０，４０ ドレーンユニット ２１，４１ スリーブ ２２，４２ ドレーンピストン ２２−１ 切欠き ２２−２ 頭部平面 ２２−３ テーパ面 ２３，４３ ピストンロッド ２４，４４ ピストンケース ２４−１ 切欠き ２５，４５ Ｏリングａ ２６ Ｏリングｂ ２７，４７ スプリング ２８ 排水ナット ２８−１，４８−１ 排水孔 ２９ 固定ネジ ３０ エアバルブジョイント ３１ ゴムバルブ ３２ エア孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下に連通し、直線状をなす中空状管路
   の適宜な位置に、略直角の横方向に曲折してＴ字状をな
   す中空状管路体を形成し、 この直線状をなす中空状管路の上端位置において開口
   し、この開口部をネジ部を介して混合水栓に接続可能な
   上部接続口と、 Ｔ字状中空管路の先端位置において開口し、この開口部
   にネジ部を介してシャワー器具に接続可能な横部接続口
   と、 直線状をなす中空状管路の下端位置において開口し、中
   空状管路中を流れる流体における圧力差に応動して選択
   的に作動することにより、管路中に残留する流体を排水
   可能とするドレーンユニットを備えるとともに、 このドレーンユニットが、シャワー使用時における流体
   中の水圧によって弁体としてのドレーンピストンを閉
   じ、シャワーの停止によって水圧がなくなると、バネの
   押圧力によってこのドレーンピストンを開放することに
   より、混合水栓以降の残留水を排水することを特徴とす
   るシャワー用排水器具。
2. 【請求項２】 上下に連通し、直線状をなす中空状管路
   の適宜な位置に、Ｔ字状に曲折してエアバルブジョイン
   トを設け、 このエアバルブジョイントがゴムバルブと、このゴムバ
   ルブの作動時に閉塞可能なエアー孔を備える一方、 直線状をなす中空状管路の下端位置における開口を、シ
   ャワーホース等を介してドレーンユニットに接続すると
   ともに、 このドレーンユニットが、シャワー使用時における流体
   中の水圧によって弁体としてのドレーンピストンを閉
   じ、シャワーの停止によって水圧がなくなると、バネの
   押圧力によってこのドレーンピストンを開放することに
   より、混合水栓以降の残留水を排水することを特徴とす
   るシャワー用排水器具。