JP3056482B1 - ガスケット - Google Patents

ガスケット

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Abstract

【要約】 【課題】 耐薬品性に優れ、長時間の使用によっても応
力変性が小さく、気密性と清潔さを維持でき、製品に部
材材料の溶出がなく安全で、生産性にも優れたサニタリ
ー配管用ガスケットを提供する。 【解決手段】 230℃〜380℃における溶融粘度が
10ポアズ以下であるフッ素樹脂を溶融成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サニタリー配管用
シール部材に関する。さらに詳しくは、特定の性質を有
するフッ素樹脂を溶融成形して得られるサニタリー配管
用シール部材に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、食品、飲料水、超純水等の生産
装置に使用されているサニタリー配管用継手部分のガス
ケット、O−リング等のシール部材の材質は、通常の配
管に比べて過酷な条件に曝される。すなわち、医薬品の
生産においては、その製品に不純物が溶出しないこと、
発熱物質のパイロジェンを除去するために、アルカリ洗
浄、飽和水蒸気による洗浄に耐えることが要求される。
また、食品、飲料水、超純水の生産に用いる場合におい
ては、その製品に不純物が溶出しないことはもちろん、
高温高圧の水蒸気滅菌に耐えることが要求される。
【0003】このような医薬品、食品、飲料水、超純水
等の生産装置において、サニタリー配管用のガスケット
として、エチレンプロピレンゴム(以下、EPDMとい
う)あるいはシリコン系プラスチック製のガスケットが
使用されている。ところが、これらのEPDMやシリコ
ン系プラスチックは、配管内の飽和蒸気、アルカリ液等
を用いて洗浄を繰り返すと経時的に劣化し、劣化部分が
配管中に脱落して液体中に異物として混入したり、長期
の使用によりこれらの材料に含まれる可塑材が溶出する
等の問題がある。さらに、シリコン系プラスチックは、
耐アルカリ性に劣るため、洗浄後にアルカリ成分がわず
かに残存していると、水蒸気滅菌した場合、フランジ金
属表面に固着する等の欠点がある。
【0004】この欠点を解消するために、フッ素樹脂で
あるポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEとい
う)樹脂製のシール部材が用いられている。PTFE樹
脂は、耐熱性、耐薬品性に優れているが、経時的な応力
変性が大きく、弾性回復力に劣るという欠点がある。こ
のため、ガスケットが配管内径側にはみ出し、液溜りの
原因になり、雑菌の繁殖の機会が生じ、清浄さが保てな
い。また、PTFE樹脂は硬度が高いため、フランジ部
分の締め付け圧を高くしなければ蒸気などのガス洩れが
防止できず、かついったん締め直すと弾性回復が困難で
あり、二度目以降はガス洩れが防止できないという欠点
がある。さらに、PTFE樹脂のシール部材は圧縮成形
で製造され、表面処理も切削加工に頼らざるを得ず、生
産性、材料の歩留まりの面で効率的といえない上、表面
を滑らかにすることが困難であるため、表面の凹凸に起
因して、配管内の清潔さ維持の能力に欠け、液体の付着
残留や着香が生じるという欠点もある。
【0005】このPTFE樹脂製ガスケットの欠点を解
消すべく、多孔質PTFE樹脂を用い、形状に特徴を持
たせたサニタリー配管用ガスケットが提案されている
(特開平5−99343号公報)。このガスケットは、
多孔質で構成されているため、被密封流体がガスケット
の内周と接触し、この内周部分から被密封流体が浸透す
る、いわゆる浸透洩れを起こす可能性がある。特に、ガ
スシールとして使用する場合には、浸透洩れは大きな問
題となる可能性があるため、多孔質PTFE樹脂ガスケ
ットの内周部分の表面を無孔質の溶融固化層とする試み
がなされ(特開平8−121599号公報)、使用レベ
ルに到達しつつある。
【0006】しかしながら、内周表面に無孔質を溶融固
化したPTFE樹脂製ガスケットは、作製にさらにコス
トがかかるという問題点もある。このように、PTFE
樹脂を用いるシール部材は、硬度が高く、経時的な応力
変性が大きいという欠点とそれをカバーするには、製造
コストがかかるという問題点がある。
【0007】そこで、耐薬品性に優れ、長時間の使用に
よっても応力変性を生じることなく気密性と清潔さを維
持でき、製品に部材材料の溶出がなく安全で、生産性に
も優れたサニタリー配管用部材が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
問題点を解決すべく、鋭意シール部材、特にサニタリー
配管用部材について検討を重ねた結果、耐薬品性に優
れ、長時間の使用によっても応力変性が小さく、気密性
と清潔さを維持でき、製品に部材材料の溶出がなく安全
で、生産性にも優れたシール部材を見出し、本発明を完
成させたものである。本発明により、上記の課題が解決
される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、230℃〜3
80℃における溶融粘度が10ポアズ以下であるフッ
素樹脂を溶融成形してなるガスケットに関する。
【0010】好ましい実施態様においては、前記ガスケ
ットがフッ化アルコキシエチレン樹脂(PFA)、フッ
化エチレンプロピレン(FEP)、三フッ化塩化エチレ
ン樹脂(PCTFE)およびエチレン−四フッ化エチレ
ン樹脂(ETFE)からなる群から選択されるフッ素樹
脂から溶融成形される。
【0011】また、好ましい実施態様においては、前記
フッ素樹脂が、230℃〜380℃における溶融粘度が
10ポアズ以下のフッ素樹脂である。
【0012】また、好ましい実施態様では、接液面とな
るガスケット内周面の表面粗さがRz0.4μm以下で
ある。
【0013】さらに好ましい実施態様では、本発明のガ
スケットは、フッ化アルコキシエチレン樹脂(PFA)
を溶融成形して得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、特定の溶融粘
度を有するフッ素樹脂を溶融成形する点に特徴がある。
このような構成を採用することにより、応力緩和率およ
び内径寸法変化率が小さい(すなわち、長時間に渡り、
応力に対して変化が小さく、応力安定性がある)という
特性が生じ、フランジの締め付け圧が高くなってもガス
洩れ等を起こすことなく、かつ、再使用も可能となる
上、ガスケットの接液面の粗さを極力小さくすることが
できるため、上記応力安定性とあいまって、清潔さが維
持されるという効果を生じる。具体的な効果としては、
特にサニタリー配管において顕著に表れる。すなわち、
配管内へのガスケットのはみ出しがないかあっても最小
限に抑制されるため、配管中の液流を妨げることもな
く、かつ、接液部分の粗さが極めて小さいことから、液
の滞留が防止され、配管中の雑菌の繁殖が抑制される。
【0015】溶融成形可能なフッ素樹脂をガスケット形
状に溶融成形したときに、ガスケットの応力安定性、良
好な弾性回復性という特性が発揮され、フランジの締め
付け圧が高くなってもガス洩れ等を起こすことがないこ
と及び接液面の粗さが小さくなるという効果が生じるこ
とは知られていない。特に、フッ素樹脂は全般に硬度が
高く、溶融成形可能なフッ素樹脂であってもPTFE樹
脂と同程度かそれより高い硬度を有するフッ素樹脂も多
い。そのようなフッ素樹脂を溶融成形することにより、
PTFE樹脂が有する応力不安定性(弾性回復の困難
性)等を改善できたことは、本発明者等が初めて発見し
た知見である。
【0016】本発明に用いられるフッ素樹脂の溶融粘度
は230℃〜380℃において、約10ポアズ以下で
ある。10ポアズを超えると、溶融成形がしにくくな
る傾向にある。
【0017】本発明に用いられるフッ素樹脂としては、
例えば、フッ化アルコキシエチレン樹脂(PFA)、フ
ッ化エチレンプロピレン(FEP)、三フッ化塩化エチ
レン樹脂(PCTFE)、エチレン−四フッ化エチレン
樹脂(ETFE)等が用いられる。取り扱い、応力緩和
性、表面粗さを小さくする観点からは、PFA、FE
P、ETFEが好ましい。
【0018】上記のフッ素樹脂の中でも、230℃〜3
80℃における溶融粘度が10ポアズ以下のフッ素樹
脂がより好ましい。溶融粘度が10ポアズを超える
と、高温の溶融状態を維持しつつ金型の隅々まで樹脂を
注入するためには、若干流動性が低下するため、長時間
にわたり溶融状態を維持しなければならなくなり、結果
として、熱エネルギーによる樹脂の分子鎖の切断が進
み、固化させた後の成形物の機械的強度が低下しやすく
なるからである。このような条件を満たす樹脂として
は、フッ化アルコキシエチレン樹脂(PFA)、フッ化
エチレンプロピレン(FEP)、またはエチレン−四フ
ッ化エチレン樹脂(ETFE)が挙げられる。
【0019】溶融成形とは、フッ素樹脂を加熱して流動
状態にして、金型に注入、固化させて成形する方法の総
称であり、射出成形、押出成形、ブロー成形等が挙げら
れる。これらの方法は、用いるフッ素樹脂により適宜選
択すれば良い。例えば、PFAあるいはPCTFEを用
いる場合は、押出成形、射出成形が好ましく、FEPあ
るいはETFEを用いる場合は、押出成形、ブロー成
形、射出成形が用いられる。
【0020】射出成形、押出成形、ブロー成形等の溶融
成形は、それぞれの形態に応じた適切な装置を当業者が
選択し、適切な条件を設定して行えばよい。
【0021】本発明の溶融可能なフッ素樹脂を溶融成形
して得られるガスケット(以下、本発明のガスケットと
いう)の接液面となる内周面の表面粗さは、Rz約0.
4μm以下が好ましい。Rz約0.2μm以下がより好
ましく、Rz約0.15μm以下がさらに好ましい。本
発明のガスケットの表面粗さは、溶融成形することによ
り所望の値(Rz約0.15μm〜約0.2μm)が得
られ、微小な調整を要する場合を除き、切削加工する必
要がほとんどない。従来から用いられているPTFEを
圧縮成形した後、切削して得られるガスケットの表面粗
さが、ほぼ、Rz5μm前後、よく切れるバイトを用い
てもRz約0.6μmである点を考慮すると、本発明
は、切削加工が不要であって、かつ、表面が滑らかな接
液面を有するガスケットが得られるという、さらに優れ
た効果を生じる。すなわち、従来のガスケットと比較し
て、効率よく、かつ性能の優れたガスケットを安価に提
供できる。
【0022】なお、溶融成形条件等によってはガスケッ
トの内周面(すなわち接液面)の表面粗さがRz約0.
4μmを超える場合があるが、この場合、内周面側を熱
処理することにより、Rzを約0.4μm以下とするこ
とができる。熱処理の方法としては、300℃〜500
℃により所定時間発熱体表面に接触させる方法が挙げら
れる。
【0023】なお、表面粗さRzは、十点平均粗さを意
味し、粗さ曲線からその平均線の方向に0.8mm抜き
取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測
定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶
対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の
標高の絶対値の平均値との和を求め、この値をμmで表
したものをいう。
【0024】また、ガスケットの形状は特定されない。
図1は本発明のガスケットの形状を示す断面模式図であ
る。図1の(1)はシール面平滑形状であり、図1の
(2)および(3)は、シール面テーパ形状であり、図
1の(4)は、(1)と(2)との組み合わせであり、
図1の(5)及び(6)は、シール面凸型形状であるガ
スケットである。
【0025】以下、本発明のガスケットの特性について
記載する。本発明のガスケットを、60Kgf/cm
の締め付け面圧で、130℃で24時間処理した場合、
その応力緩和率は、好ましくは約15%以下、より好ま
しくは約10%以下、さらに好ましくは約5%以下であ
る。応力緩和率が約15%を超えると、弾性回復ができ
にくくなりガス洩れが生じる虞がある。特に、PFA
は、上記範囲であることが好ましい。
【0026】また、60Kgf/cmの締め付け面圧
で、130℃で48時間処理した場合、本発明のガスケ
ット、例えば、PFA製ガスケットの応力緩和率は約5
%以下、好ましくは約2%以下となるのに対し、従来の
PTFEは20%を超え、PFA製のガスケットは応力
耐性に優れており、変形が少なく、弾性回復性にも優れ
ていることがわかる。 なお、応力緩和率は以下の式で
求められる。
【0027】
【数1】
【0028】また、本発明のガスケットの内径寸法変化
率は、極めて小さい。室温で30〜90Kgf/cm
の締め付け面圧で、24時間〜48時間荷重をかけた場
合でも、好ましくは約−0.2%〜約0.5%程度、好
ましくは約−0.1%〜約0.2%程度である。130
℃で、24〜48時間荷重をかけた場合でも、好ましく
は約−0.1%〜約0.5%程度であり、好ましくは0
%〜約0.3%程度である。なお、内径寸法変化率は以
下の式で求められる。
【0029】
【数2】
【0030】特に、PFA製のガスケットの内径寸法変
化率は、室温で、30〜90Kgf/cmの締め付け
面圧で、24時間〜48時間荷重をかけた場合、約−
0.1%〜約0.2%程度であるのに対し、従来のPT
FE製ガスケットの内径寸法変化率は、約−0.3%〜
約−0.9%である。このことは、PTFE製のガスケ
ットが内径の約0.3%〜0.9%の分だけ、配管内に
はみ出していることを示しているが、本発明のガスケッ
トは、ほとんど、はみ出していないことを示している。
【0031】また、本発明のガスケットを、60Kgf
/cmの締め付け面圧で、130℃で48時間処理し
た場合、内径寸法変化率は、好ましくは約0.5%〜約
−0.5%、より好ましくは約0.4%〜約0%、さら
に好ましくは約0.3%〜約0%である。約0.5%を
超えるとガスケットの内径が拡大し、パイプとガスケッ
トの接液面との間に滞留部分が生じて好ましくなく、約
−0.5%より小さくなるとガスケットの内径が縮小し
て、ガスケットが管内にはみ出し、滞留やガスケットの
汚れを生じて、反応の遅延、副反応の原因、汚染の原因
となるので好ましくない。
【0032】本発明のPFA製のガスケットを60Kg
f/cmの締め付け面圧で、130℃で48時間処理
した場合、内径寸法変化率は約0.33%であるのに対
して、同一条件でPTFE製のガスケットの内径寸法変
化率は約−5%であるので、一層本発明の優位性が明ら
かとなる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明がこの実施例に限られないことはいうまでも
ない。
【0034】(実施例1)PFA(ダイキン工業株式会
社製)を射出成形機(名機製作所製)を用いて370℃
で射出成形し、図1の(6)の形状を有する厚さ3m
m、外径65mm、内径35mm、面積23.56cm
ガスケットを作成した。
【0035】同様に、比較例として、PTFE(デュポ
ン社製)を切削加工機を用いて、厚さ3mm、外径65
mm、内径35mm、面積23.56cmのガスケットを
作成した。
【0036】得られたガスケットを用いて、その性能を
調べた。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果を、図2および図3で示す。図
2は、締付面圧と応力緩和率との関係を示した図であ
り、図3は締付面圧とガスケットの内径寸法変化率の関
係を示す図である。図2から室温及び130℃での応力
緩和率は、本発明のPFA製のガスケットの方が比較例
のPTFE製ガスケットより小さく、弾力性に富んでい
ることが示された。また、図3からPFAは内径寸法変
化率がほとんど0に近いのに対して、比較例のPTFE
は−1%〜−4%であり、大きく配管内にはみ出すこと
が明らかである。
【0039】また、得られたPFA及びPTFE製ガス
ケットの内周面(接液面)の表面粗さRzは、それぞ
れ、0.2μmおよび0.6μmであり、本発明のPF
A製ガスケットの方が滑らかであった。その電子顕微鏡
写真を図4〜図7に示す。図4及び図5は、それぞれ、
PFAを溶融成形して得られたガスケットの内周面の倍
率100倍、及び10,000倍の写真であり、図6お
よび図7は、それぞれ、PTFEを切削加工して得られ
たガスケットの内周面の倍率100倍、及び10,00
0倍の写真である。同倍率の図4と図6、および図5と
図7とを比較すると表面の滑らかさの相違は歴然として
いる。このように、PFAの溶融成形で得られたガスケ
ットの内周面は、明らかに切削加工して得られたPTF
Eの内周面よりも滑らかであることがわかる。
【0040】以上の結果から、本発明のガスケットは従
来のPTFE製のガスケットに比べて、応力耐性に優れ
ており、変形が少なく、弾性回復性にも優れていること
がわかる。また、本発明のガスケットは容易に製造でき
る上に、表面が極めて平滑である。
【0041】(実施例2)実施例1で作成したガスケッ
トを用いて、熱サイクル試験によるガスケット圧縮量と
ガス漏洩量とを測定した。試験フランジに本発明のPF
A製ガスケット又は比較例のPTFEガスケットを装着
してNガス(0.392Mpa(4.0kgf/cm))が密閉でき
るまで締込みナットを締め、130℃の熱風炉中に放置
し、所定の加熱時間経過後取り出した。加熱した圧力容
器を室温まで冷却されるのを待って、密閉した圧力容器
中にNガスを充填し、水中置換法によりガスケット部
分から漏洩するガスを所定時間回収して、洩れとした。
ガス漏洩の測定後、再びテストガスを密閉できる状態ま
でナットに増締めを行い、所望の累計加熱時間まで、加
熱と測定を繰り返した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果は、比較例のPTFE製ガスケ
ットは、圧縮率を高めても漏洩量が多いのに対して本発
明のPFA製ガスケットは圧縮率が小さいにも係わら
ず、漏洩量も少なかった。このことは、本発明のガスケ
ットが耐熱性、応力耐性に優れていることを示してい
る。
【0044】
【発明の効果】特定の溶融粘度を有するフッ素樹脂を溶
融成形して得られるガスケットは、耐薬品性に優れ、長
時間の使用によっても応力変性が小さく、気密性に優れ
ているうえ、生産性にも優れている。また、ガスケット
の接液面の粗さを極力小さくすることができるため、上
記応力安定性とあいまって、液の滞留が防止され、配管
中の雑菌の繁殖が抑制されるので、清潔さが維持され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガスケットの形状を示す模式図であ
る。
【図2】 締付面圧と応力緩和率との関係を示す図であ
る。
【図3】 締付面圧とガスケットの内径寸法変化率の関
係を示す図である。
【図4】 PFAを溶融成形して得られたガスケットの
内周面を100倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
【図5】 PFAを溶融成形して得られたガスケットの
内周面を10,000倍に拡大した電子顕微鏡写真であ
る。
【図6】 PTFEを切削加工して得られたガスケット
の内周面を100倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
【図7】 PTFEを切削加工して得られたガスケット
の内周面を10,000倍に拡大した電子顕微鏡写真で
ある。
【符号の説明】
1 シール面テーパ形状 2 シール面凸型形状
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−52565(JP,A) 特開 昭56−103268(JP,A) 特開 平9−13005(JP,A) 特開 平8−121599(JP,A) 特開 平5−99343(JP,A) 国際公開96/14359(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/10 F16J 15/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 230℃〜380℃における溶融粘度が
    10ポアズ以下であるフッ素樹脂を溶融成形してな
    り、接液面となるガスケット内周面の表面粗さがRz
    0.4μm以下であるサニタリー配管用ガスケット。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂が、フッ化アルコキシエ
    チレン樹脂(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(F
    EP)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)およ
    びエチレン−四フッ化エチレン樹脂(ETFE)からな
    る群から選択されるフッ素樹脂である請求項1に記載の
    サニタリー配管用ガスケット。
  3. 【請求項3】 60kgf/cm の締め付け面圧で、
    130℃、48時間処理した場合の内径寸法変化率が
    0.5〜−0.5%である、請求項1または2に記載の
    サニタリー配管用ガスケット。
  4. 【請求項4】 前記ガスケットがフッ化アルコキシエチ
    レン樹脂(PFA)を溶融成形して得られたガスケット
    である、請求項1ないし3いずれかの項に記載のサニタ
    リー配管用ガスケット。
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