JP3056094B2 - ハスバ歯車加工装置及び加工方法 - Google Patents

ハスバ歯車加工装置及び加工方法

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JP3056094B2
JP3056094B2 JP8274527A JP27452796A JP3056094B2 JP 3056094 B2 JP3056094 B2 JP 3056094B2 JP 8274527 A JP8274527 A JP 8274527A JP 27452796 A JP27452796 A JP 27452796A JP 3056094 B2 JP3056094 B2 JP 3056094B2
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一男 磯村
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テクノパーツ株式会社
近藤 敏昭
安井 三雄
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハスバ歯車の加工
装置に関し、さらに詳細には、パーツホーマー技術を用
いて生産性を高めたハスバ加工装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、自動車のトルクコンバー
ターにおいては、遊星歯車として高精度のハスバ歯車が
10個以上使用されている。ここで、歯車から発生する
騒音を低下させるために、ハスバ歯車の精度を高くする
ことが望まれている。そのハスバ歯車の精度を高める加
工方法としては、(1)ホブ加工等されたハスバ歯車素
材をシェービングカッタと噛み合わせ回転させることに
より仕上げ加工する歯車のシェービング仕上げ加工法、
(2)ハスバ歯車素材をラップ歯車と噛み合わせ、噛み
合わせ部にラップ剤を流し込んで仕上げる歯車のラップ
仕上げ加工法、(3)ハスバ歯車素材を歯車研削盤によ
り仕上げる研削仕上げ加工法、(4)油圧装置を用い
て、転造用ハスバ歯車が形成されているハスバラック
を、ハスバ歯車素材と噛み合わせて仕上げる油圧転造加
工法等が存在する。これらの加工法では、丸棒鋼材をノ
コ盤で切断し、自動旋盤や単能機盤等で丸棒素材の長さ
を一定に揃え、次工程で中心の孔開け加工を行い、内径
両端C面を取ってハスバ歯車素材を完成させる。そし
て、そのハスバ歯車素材をマンドレルで支持して回転を
与え、歯車用ホブによってそのハスバ歯車素材表面に溝
を形成するホブ盤による歯切り加工を行う。即ち、マン
ドレルによって支持し回転を与えた素材に加工を施す、
いわゆるパーツホーマー技術を利用した加工方法でる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなパーツホーマー技術を利用した加工装置では、丸棒
鋼材から自動旋盤によって所定の長さに切り揃え穴開け
加工を行うため、穴開け部分と切断部分にスクラップが
発生して材料歩留まり率が非常に低い。従って、材料費
への負担が大きく、ハスバ歯車を製造するのにコスト下
げることが困難であった。また、シェービング仕上げ加
工法、ラップ仕上げ加工法、研削仕上げ加工法では歯車
の精度は良くなるが、加工時間が1個当たり1分以上か
かってしまう。油圧転造加工法を用いた場合でも、油圧
作動によるため1分間に3,4個製造するのが限度であ
り、この点からもコストダウンが実現できない原因とな
っている。更に、従来のパーツホーマー技術を用いたハ
スバ歯車の製造は、今までにいろいろと試みられてきた
が、高速で加工するために素材を回転させるか、金型の
ダイス部とパンチ部を回転させなくてはならないために
金型の寿命が著しく、ハスバ歯車加工装置が短命すぎて
実用化が困難とされてきた。
【0004】そこで、本発明は、加工工程で原材料であ
る丸棒鋼材から生じるスクラップの発生を最大限に抑え
た材料歩留まり率の高いハスバ歯車加工装置を提供する
こと、1分間に数十個のハスバ歯車を高精度で製造する
こと、また、寿命の長いハスバ歯車加工装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のハスバ歯車加工
装置は、所定長さにカットした丸棒鋼材の軸心部に貫通
孔を有するハスバ歯車素材に対し、その外周部にハスバ
歯形を成形加工するものであって、成形するハスバ歯形
のネジレ角度に対応した螺旋部が貫通孔内周に形成され
たヘリカルストリッパと、成形するハスバ歯形のネジレ
角度に対応した螺旋部が外周に形成され、前記ヘリカル
ストリッパの螺旋部に螺合し、回転可能に保持された円
柱形状体にパンチと、前記パンチと同軸上に形成された
円筒孔の内周面にハスバ歯形を成形する螺旋部が形成さ
れたメスダイスと、前記メスダイスの円筒孔内に配設さ
れた回転及び軸方向への移動が可能なカウンタと、前記
カウンタを貫通して配設され前記ハスバ歯車素材に形成
された貫通孔に嵌挿可能なマンドレルとを有し、前記パ
ンチに対して軸方向に加えられた荷重により、当該パン
チが前記ヘリカルストリッパと螺合した螺旋部によって
螺進することで、前記ハスバ歯車素材を前記メスダイス
に対して回転させて押し込み、当該メスダイスの螺旋部
によって当該ハスバ歯車素材の外周部にハスバ歯形を成
形することを特徴とする。
【0006】また、本発明のハスバ歯車加工装置は、前
記メスダイスが、ハスバ歯車素材が押し込まれる円筒孔
入り口部に20〜70度の角度のテーパが形成されたも
のであることが望ましい。また、本発明のハスバ歯車加
工装置は、前記メスダイスに形成された螺旋部が、イン
ボリュート歯形が成形される螺旋溝が形成されたもので
あって、円筒孔入り口端面から歯形の成形に対応する螺
旋部全体の20乃至40パーセントの部分について、螺
旋溝を構成するインボリュート曲線上より内側の歯底部
にC面を形成したものであることが望ましい。ここで、
C面とは、略C字形状の逃げ部をいう。また、円筒孔入
り口端面とは、実施の形態で説明する圧入孔12aの端
面をいう。また、本発明のハスバ歯車加工装置は、前記
パンチが固定された円盤形状のパンチホルダと前記パン
チホルダを内包したホルダケースとの間の接触面に、ベ
アリングが介在されたものであることが望ましい。
【0007】また、本発明のハスバ歯車加工方法は、長
尺な丸棒鋼材から所定長さのコイル材をカットする工程
と、押し出し加工により前記コイル材の軸心部に一端面
側から所定深さのハーフピアス形状の一の中心穴を成形
する工程と、押し出し加工により前記コイル材の軸心部
に他端面から前記一の中心穴に貫通することなく中間に
中心座を残したままハーフピアス形状の他の中心穴を成
形する工程と、前記中心座を打ち抜くことによって貫通
孔を有するハスバ歯車素材を形成する工程と、円筒孔の
内周面にハスバ歯形成形用の螺旋部を有するメスダイス
に対して前記ハスバ歯車素材を回転させながら押し込む
ことによってハスバ歯車素材の外周面にハスバ歯形を成
形する工程とからなることを特徴とする。
【0008】このような構成からなる本発明のハスバ歯
車加工装置は、所定長さにカットした丸棒鋼材の軸心部
に貫通孔を形成したハスバ歯車素材に対して、その外周
部にハスバ歯形状を成形加工する加工装置であって、マ
ンドレルに支持されたハスバ歯車素材がパンチとカウン
タによって挟持された状態でメスダイス側へ移動し、所
定位置まで移動したところでヘリカルストリッパへ螺合
されたパンチが螺進し、ハスバ歯車素材に回転を与えな
がらメスダイスへ押し込むことによって、メスダイスの
螺旋部によってハスバ歯車素材の円周表面が変形されハ
スバ歯形が成形される。
【0009】従って、ハスバ歯形を形成するのに切削加
工しないため、スクラップの発生を最大限に抑えた材料
歩留まり率の高いハスバ歯車加工装置を提供するこが可
能となった。また、パンチ及びハスバ歯車素材をともに
回転させるが、メスダイスを固定したままとしたためパ
ンチへの負荷が減少し、装置自体の寿命が延命させるこ
とが可能となった。特に、ハスバ歯車素材入り口部に2
0〜70度の角度のテーパを形成すれば、パンチがハス
バ歯車素材をメスダイスへ押し込むときの対面圧力を減
少することによってより効果的である。
【0010】また、ハスバ歯車素材をメスダイスに押し
込む鍛造加工としたことによって生産性が向上した。特
に、前記メスダイスに形成された螺旋部をインボリュー
ト曲線上より内側の歯底部にC面を形成すれば、押し込
む際のハスバ歯車素材への負荷を軽減させスムーズな加
工によって生産性が格段に向上し、1分間に数十個のハ
スバ歯車を高精度で加工することが可能となる。また、
パンチホルダと固定ホルダとの間のベアリングによっ
て、両者の消耗率が格段に低下すると同時に、パンチと
ヘリカルストリッパの螺合部にかかる負荷も減少され装
置の延命に効果的である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるハスバ歯車
加工装置の一実施の形態について図面を参照して説明す
る。図1は、本実施の形態のハスバ歯車加工装置の主要
部を示した側面図である。このハスバ歯車加工装置1
は、ハスバ歯車素材S(ハスバ歯車素材Sの詳細につい
ては後述する)を押圧するパンチ2とそのパンチによっ
てハスバ歯車素材Sが押し込まれるメスダイス12との
金型が構成され、後述するマンドレルによって位置決め
されたハスバ歯車素材Sがカウンタによって回転支持さ
れ排出されるパーツホーマー加工法を採用した加工装置
である。そこで、かかるハスバ歯車加工装置1の具体的
な構成を以下に示す。パンチ2は、円柱形状の鋼材から
形成され、その円周表面には部分的に螺旋部2aが形成
されている。この螺旋部2aは、ハスバ歯車素材Sの表
面に形成する歯形のネジレ角と同等の角度を有する螺旋
溝である。
【0012】そして、パンチ2は、その一端が円盤形状
のパンチホルダ3に対して同軸上に固定支持されてい
る。パンチ2と一体のパンチホルダ3は、更に円筒形状
の凹部4aが形成されたホルダケース4の当該凹部4a
内に摺動可能に嵌合され、パンチ2が貫通したカバー7
によってパンチホルダ3が覆われている。このホルダケ
ース4は、不図示のプレス機によってパンチ2の軸方向
に荷重が加えられる。このプレス機械は、モータクラン
ク駆動による汎用プレス機械を使用しているので、詳細
な説明及び図を省略する。
【0013】ところで、後述するように高速で運動する
パンチ2は、ハスバ歯車素材Sに圧力を掛けながら回転
運動を行うため、そのパンチ2の刃先と反対側の回転を
スムーズにさせるためと摩擦抵抗の減少をS目的とし
て、パンチホルダ3外周部とホルダケース4の凹部4a
円周壁にメタルベアリング5を設置し、回転による摩擦
抵抗を減少させる。更に、パンチホルダ3の裏面とホル
ダケース4の凹部4a底面との間には、加工時に大きな
衝撃圧力を受けながら回転しなくてはならないため、こ
のパンチホルダ3の裏面部とホルダケース4の凹部4a
底面との間にはスラストメタルベアリング6を挿入し、
軸方向の圧力を受けながら回転運動による摩擦抵抗を減
少させる構成としている。
【0014】次に、パンチ2にはヘリカルストリッパ8
が係合されている。このヘリカルストリッパ8は所定厚
さの板状体の中心部に貫通孔が形成され、その内周面に
は螺旋部8aが形成されている。この螺旋部8aは、パ
ンチ2に形成された螺旋部2aのネジレ角と同等の角度
を有する螺旋溝である。そして、パンチ2及びヘリカル
ストリッパ8は、お互いに形成された螺旋部2a,8a
どうしが螺合するよう構成されている。
【0015】また、ヘリカルストリッパ8には、更に貫
通孔を中心にして対称的な位置に摺動孔8b,8bが形
成され、そこをストリッパガイド9,9が貫通するよう
構成されている。このストリッパガイド9,9は、ヘリ
カルストリッパ8を貫通し、カバー7及びメスダイス1
2にも嵌挿されている。そして、ヘリカルストリッパ8
とカバー7との間にあって、そのストリッパガイド9,
9を内包するよう周りに常圧のコイルスプリング10,
10が嵌装されている。一方、メスダイス11には、ス
トリッパガイド9,9を覆うようにして設けられたスト
リッパストッパ11,11が固定され、ヘリカルストリ
ッパ8との衝突が防止されている。
【0016】メスダイス12は、機械に固定されて回転
することがないように構成され、また、その中心にはハ
スバ歯車素材Sが押し込まれる圧入孔12aが形成され
ている。そして、この圧入孔12aには次のような特徴
的な構成を有している。即ち、ハスバ歯車素材Sをメス
ダイス12に高速で挿入しても低圧力で容易に挿入でき
るように、圧入孔12a入り口に入力テーパ12bが形
成されている。一般的には、入力テーパー角度は90度
前後で形成されるが、この入力テーパ12bはハスバ歯
車素材Sが回転しながら高速で押し込まれることを考慮
して、進入方向に対して滑らかなθ=20〜70度のテ
ーパー面が形成されている。
【0017】更に、圧入孔12a円周部にはハスバ歯車
素材Sにハスバ歯形を成形する螺旋溝をなす螺旋部12
cが形成されている。ここで、図2にメスダイス12の
螺旋部12cの拡大断面図を示す。この螺旋部12c
は、ハスバ歯車素材Sにインボリュート曲線Mで形成さ
れるハスバ歯形の金型を構成し、その特徴としてメスダ
イスの歯山形状をなすインホリュート曲線M上より内
側、即ちメスダイス12の歯山形状121の歯底部にC
面122が設けられている。このC面122の大きさ
は、成形するハスバ歯車の各モジュールの大きさにより
異なる。また、C面122の設けられた範囲としては、
ハスバ歯形の成形に対応する型の20パーセントから4
0パーセントである。この処置は、圧入孔12aに押し
込まれるハスバ歯車素材Sに成形された薄肉の歯山部
が、螺旋部12cとの摩擦抵抗によってクラックやワレ
が発生する確率が高いためである。
【0018】ところで、前述したパンチ2及びヘリカル
ストリッパ8の螺旋部2a,8aは、この螺旋部12c
のネジレ角と同等の角度で形成されたものである。従っ
て、パンチ2の回転速度によって決定される加工スピー
ドは、ハスバ角度の大小により調整が行われる。また、
圧入孔12a内には、パンチ2と反対側にハスバ歯車素
材Sを支持するカウンタ13が嵌挿されている。このカ
ウンタ13は、ボールベアリング14を介して回転可能
にカバー15に挟まれている。そして、カウンタ13の
軸心部を貫くようにマンドレル16が挿入されている。
マンドレル16は、パンチ2とカウンタ13との間で挟
持されるハスバ歯車素材Sを貫通して、パンチ2の端面
に形成された挿入孔2bに嵌入するよう構成されてい
る。また、カウンタ13には、そのカウンタ13をパン
チ2側へ押し出すためのノックアウトピン17,17が
固設されている。
【0019】次に、このような構成をなすハスバ歯車加
工装置によるハスバ歯車の加工方法について説明する。
ここで、図3(a)〜(f)は、ハスバ歯車素材Sの加
工方法を加工手順に従って示したハスバ歯車素材Sの側
面図である。ハスバ歯車素材Sには、例えばエンジン部
品として使用される機械構造用の炭素鋼材のうちSC
R,SCM,S45C等を選択する。本実施の形態での
加工方法は、所定形状のハスバ歯車素材Sを形成するの
に鍛造加工を行うものであり、横型冷間鍛造プレスによ
って行われる。なお、当該プレス機の構成については既
に一般的に公知であるため、ここでは省略する。そこ
で、先ず丸棒鋼材から丸棒コイル材S1を所定の長さに
カットする(a)。そして、カットした丸棒コイル材S
1に対して、その一端面の円周に沿って20度から45
度の端面R付き形状21をプレス成形する(b)。同じ
ように、他端面にも20度から45度の端面R付き形状
22をプレス成形する(c)。
【0020】続いて、R付き形状が成形された一の端面
に対してラムを押し出すことにより、丸棒コイル材S1
の軸心に所定深さでハーフピアス形状の中心穴23を成
形する(d)。そして、同様にR付き形状が成形された
他の端面に対してラムを押し出すことにより、丸棒コイ
ル材S1の軸心に、先の中心穴23に貫通することなく
中間に中心座24を残したままハーフピアス形状の中心
穴25を成形する(e)。このように丸棒コイル材S1
に対して押し出し加工して中心穴23,25を形成する
ことにより、丸棒コイル材S1はラムの運動方向とは逆
方向に押し出され軸方向に伸びてハスバ歯車素材Sの所
望の長さに成形される。そして、中心穴23,25に残
った中心座2を打ち抜くことによって貫通孔26を形成
してハスバ歯車素材Sを完成させる(f)。このような
(a)〜(f)の各加工工程を経て形成したハスバ歯車
素材Sに対し、本実施の形態で示した前記ハスバ歯車加
工装置によってハスバ歯形が成形される。
【0021】ところで、パーツホーマーのステージ数が
多くなれば、それだけ1ステージあたりの加圧力を分散
することが容易であるが、このハスバ歯車素材Sを生産
するに当たり、5ステージないし6ステージを使用し、
最終ステージで本実施の形態のハスバ歯車加工装置を使
用し、このハスバ歯の成形を1度で仕上げる。そのため
に、本実施の形態のハスバ歯車加工装置は、前工程より
バランスをとった成形工程を組み、偏心荷重(荷重の合
力方向が、その物体の重心を通らないときの荷重をい
う)が発生しないように設計されている。また、本実施
の形態のハスバ歯車加工装置1は、限られたパーツホー
マーの加工場所で以下に示すようパンチを強制的に回転
させ、メスダイス12内に押し込まれたハスバ歯車素材
Sをカウンタ14によって支持し回転させながら排出す
る加工方法をとったものである。
【0022】先ず、図4に示すように、パンチ2とカウ
ンタ13との間に配置したハスバ歯車素材Sの貫通孔2
6にマンドレル16を貫通させる。マンドレル16の先
端はパンチ2の挿入孔2bに嵌挿し、ハスバ歯車素材S
をパンチ2に当接させるようセットする。そして、ホル
ダケース4が不図示のプレス機によって矢印A方向に荷
重が加えられる。ホルダケース4へかかる荷重は、パン
チホルダ3に一体のパンチ2がA方向に移動する力とし
て加えられる。そのため、パンチ2は、ハスバ歯車素材
Sを貫通して保持したままのマンドレル16をA方向に
押し戻す。
【0023】そこで、ヘリカルストリッパ8がストリッ
パガイド9,9をスライドし、所定量移動したところで
図5に示すようにストリッパストッパ11,11に当接
して移動が制限される。ヘリカルストリッパ8のA方向
への移動が停止すると、停止したヘリカルストリッパ8
の螺旋部8aに対してパンチ2の螺旋部2aが螺進し、
パンチ2が強制的に回転させられることになる。従っ
て、その後のプレス機によるA方向の荷重は、パンチ2
及びパンチホルダ3の回転に変換されることとなる。そ
して、ハスバ歯車素材Sは、メスダイス12の圧入孔1
2aへ入力テーパ12bを滑りながら押し込まれるが、
その際、ハスバ歯車素材Sは、パンチ2とカウンタ13
に挟持され両者の回転にともなって回転が与えられる。
【0024】このとき、パンチ2及びヘリカルストリッ
パ8の螺旋部2a,8aは螺旋部12cのネジレ角と同
等の角度で形成されているので、ハスバ歯車素材Sはハ
スバ歯車のネジレ角度と同角度で押し込まれる。そこ
で、ハスバ歯車素材Sは、メスダイス12の圧入孔12
a内に形成された螺旋部12cの溝形状にならって回転
が与えられ、その表面に図3に示すよう歯形形状の変形
が加えられることになる。この変形は、歯底部にC面1
2を設けたことにより、メスダイス12内に入り込む
ハスバ歯車素材Sの肉の流れに余裕が生じて摩擦抵抗を
軽減し、押し込む際の圧力が低下するので歯山形状12
1の螺旋溝に従って滑らかに入り込んでいく。そして、
パンチ2が螺進してメスダイス12内に押し込まれたハ
スバ歯車素材Sにハスバ歯形が形成され加工を終了し、
そこから一定の距離をおいた時点でパンチ2の螺旋部2
aがヘリカルストリッパ8の螺旋部8aを通過してパン
チ2はフリーな状態になる。
【0025】加工が終了したメスダイス12内のハスバ
歯車は、ノックアウトピン17,17によって矢印B方
向に押圧され押し出される(図5参照)。即ち、ノック
アウトピン17,17の押圧によって、カウンタ13を
介してハスバ歯車が矢印B方向に押し出されるが、その
際、ハスバ歯車に当接しているカウンタ13は、メスダ
イス12の螺旋部12cを螺進するハスバ歯車によって
強制的に回転することとなる。また、パンチ2は不図示
のプレス機によって後退するが、その際、コイルスプリ
ング10,10の付勢力がヘリカルストリッパ8にA方
向に働くため、その力がパンチ2の螺旋部2aとによっ
てパンチ2の回転に変換され、ヘリカルストリッパ8が
相対的にパンチ2の先端方向に移動することとなる。そ
して、ハスバ歯車素材Sからマンドレル16が抜かれ、
完成したハスバ歯車が取り出される。
【0026】以上、本実施の形態で示したハスバ歯車加
工装置1では、次のような効果を奏する。メスダイス1
2の入力テーパ12bを20〜70度の滑らかな角度で
形成したことにより、ハスバ歯車素材Sを挿入させる際
の圧力抵抗を50パーセント程度軽減し、メスダイス1
2とパンチ2の対面圧力を低下させ金型寿命を延ばすこ
とができる。また、対面圧力の低下は、ハスバ歯車素材
Sを高速でメスダイス12に突入させてもメスダイス1
2やパンチ2を破損することはない。更に、対面圧力の
低下は、パンチ2、各ベアリング5,6,14の消耗率
の低下など装置の寿命を延命させることに寄与してい
る。
【0027】また、本実施の形態のハスバ歯車加工装置
1は、前記メスダイス12の入力テーパ12bの形状に
加え、固定したダイス12に対しパンチ2を強制的に回
転させてハスバ歯車素材Sを回転させたことにより、ハ
スバ歯車素材Sの高速加工を可能にした。このとき、パ
ンチ2及びヘリカルストリッパ8の螺旋部2a,8aは
螺旋部12cのネジレ角と同等の角度で形成されている
ので、ハスバ歯車素材Sはハスバ歯車のネジレ角度と同
角度で押し込まれる。これは、メスダイスに入りやすく
同時に歯スジ精度の向上にもなる。メスダイス12に歯
山形状121の歯底部にC面122を設置したことによ
り、ハスバ歯車素材Sに成形する歯車の歯山部にクラッ
クやワレが防止される。
【0028】冷間加工により加工が迅速で量産可能であ
るため、1分間に60個ないし80個生産する高速生産
できる。このパーツホーマーによる高速加工が可能とな
り、現在の加工方法である切削方法と比較して、50倍
以上の生産性を可能としている。また、パンチホルダ3
とホルダケース4との間にはメタルベアリング5及びス
ラストメタルベアリング6を介在させたため、摩擦低減
率を5パーセント以下にできることでパーツホーマーに
よる高速加工でハスバ歯車の生産が可能となる。
【0029】また、本実施の形態のハスバ歯車加工装置
1は、高速で生産すると同時に、材料歩留まりの軽減を
目的としている。材料の使用重量は、ハスバ歯車完成重
量より5パーセント多く使うだけで製作を可能とし、他
の加工方法と比較して、圧倒的な材料費の優位性をもた
らすことに加え、現状のホブ加工までの加工と比較して
生産性は、40倍ないし50倍早いため、自動車のトル
クコンバーター用のプラネタリーギア等に広く用いられ
ているハスバ歯車の生産に取り入れた場合、安価なハス
バ歯車を提供できる。歩留まり率は、従来の加工装置及
び加工方法では当工法と比較して約40パーセント以上
余分な材料を使用し、材料歩留まり率と、生産性の両方
を比較して、両方とも大きな違いが発生する。
【0030】
【発明の効果】本発明は、成形するハスバ歯形のネジレ
角度に対応した螺旋部が貫通孔内周に形成されたヘリカ
ルストリッパと、成形するハスバ歯形のネジレ角度に対
応した螺旋部が外周に形成され、ヘリカルストリッパの
螺旋部に螺合し、回転可能に保持された円柱形状体にパ
ンチと、パンチと同軸上に形成された円筒孔の内周面に
ハスバ歯形を成形する螺旋部が形成されたメスダイス
と、メスダイスの円筒孔内に配設された回転及び軸方向
への移動が可能なカウンタと、カウンタを貫通して配設
され前記ハスバ歯車素材に形成された貫通孔に嵌挿可能
なマンドレルとを有し、パンチに対して軸方向に加えら
れた荷重により、当該パンチが前記ヘリカルストリッパ
と螺合した螺旋部によって螺進することで、ハスバ歯車
素材を前記メスダイスに対して回転させて押し込み、当
該メスダイスの螺旋部によって当該ハスバ歯車素材の外
周部にハスバ歯形を成形するよう構成したことにより、
加工工程で原材料である丸棒鋼材から生じるスクラップ
の発生を最大限に抑えた材料歩留まり率の高いハスバ歯
車加工装置を提供するこ、1分間に数十個のハスバ歯車
を高精度で製造すること、また、寿命の長いハスバ歯車
加工装置を提供することが可能となった。
【0031】また、本発明は、前記メスダイスのハスバ
歯車素材が押し込まれる円筒孔入り口部に20〜70度
の角度のテーパを形成することで、圧力抵抗を軽減し、
より寿命の長いハスバ歯車加工装置を提供することが可
能となった。また、本発明は、前記メスダイスに形成さ
れた螺旋部がインボリュート歯形が形成されたものであ
って、その円筒孔入り口部から歯形の成形に対応する螺
旋部全体の20乃至40パーセントの部分について、イ
ンボリュート曲線上より内側の歯底部にC面を形成する
ことで、ハスバ歯車素材Sに成形する歯車の歯山部にク
ラックやワレを防止したハスバ歯車加工装置を提供する
ことが可能となった。
【0032】また、本発明は、前記パンチが固定された
円盤形状のパンチホルダと前記パンチホルダを内包した
ホルダケースとの間の接触面に、ベアリングが介在する
ことで、摩擦を低減させて高速加工できるハスバ歯車加
工装置を提供することが可能となった。また、本発明
は、長尺な丸棒鋼材から所定長さのコイル材をカットす
る工程と、押し出し加工により前記コイル材の軸心部に
一端面側から所定深さのハーフピアス形状の一の中心穴
を成形する工程と、押し出し加工により前記コイル材の
軸心部に他端面から前記一の中心穴に貫通することなく
中間に中心座を残したままハーフピアス形状の他の中心
穴を成形する工程と、前記中心座を打ち抜くことによっ
て貫通孔を有するハスバ歯車素材を形成する工程と、ハ
スバ歯形成形用の螺旋部を有するメスダイスに対して前
記ハスバ歯車素材を回転させながら押し込むことによっ
てハスバ歯車素材の外周面にハスバ歯形を成形する工程
したことにより、加工工程で原材料である丸棒鋼材から
生じるスクラップの発生を最大限に抑えた材料歩留まり
率の高いハスバ歯車加工装置を提供するこ、1分間に数
十個のハスバ歯車を高精度で製造すること、若しくは、
寿命の長いハスバ歯車加工装置を提供することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるハスバ歯車加工装置の一実施の
形態を示した主要部の断面図である。
【図2】メスダイスの螺旋部を示した拡大断面図であ
る。
【図3】ハスバ歯車素材の加工方法を加工手順に従って
示したハスバ歯車素材Sの側面図である。
【図4】加工開始時のハスバ歯車加工装置を示した主要
部の断面図である。
【図5】加工途中のハスバ歯車加工装置を示した主要部
の断面図である。
【符号の説明】
S 切断素材 1 ハスバ歯車加工装置 2 パンチ 2a 螺旋部 3 パンチホルダ 4 ホルダケース 5 メタルベアリング 6 スラストメタルベアリング 8 ヘリカルストリッパ 8a 螺旋部 9 ストリッパガイド 11 ストリッパストッパ 12 メスダイス 12a 圧入孔 12b 入力テーパ 12c 螺旋部 121 歯山形状 122 C面 13 カウンタ 16 マンドレル 17 ノックアウトピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−57570(JP,A) 特開 昭57−134230(JP,A) 特公 平7−106414(JP,B2) 特公 平6−20572(JP,B2) 実公 昭63−2193(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/00 - 13/14 B21K 1/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長さにカットした丸棒鋼材の軸心部
    に貫通孔を有するハスバ歯車素材に対し、その外周部に
    ハスバ歯形を成形加工するハスバ歯車加工装置であっ
    て、 成形するハスバ歯形のネジレ角度に対応した螺旋部が貫
    通孔内周に形成されたヘリカルストリッパと、 成形するハスバ歯形のネジレ角度に対応した螺旋部が外
    周に形成され、前記ヘリカルストリッパの螺旋部に螺合
    し、回転可能に保持された円柱形状体パンチと、 前記パンチと同軸上に形成された円筒孔の内周面にハス
    バ歯形を成形する螺旋部が形成されたメスダイスと、 前記メスダイスの円筒孔内に配設された回転及び軸方向
    への移動が可能なカウンタと、 前記カウンタを貫通して配設され前記ハスバ歯車素材に
    形成された貫通孔に嵌挿可能なマンドレルとを有し、 前記パンチに対して軸方向に加えられた荷重により、当
    該パンチが前記ヘリカルストリッパと螺合した螺旋部に
    よって螺進することで、前記ハスバ歯車素材を前記メス
    ダイスに対して回転させて押し込み、当該メスダイスの
    螺旋部によって当該ハスバ歯車素材の外周部にハスバ歯
    形を成形するハスバ歯車加工装置において、 前記メスダイスに形成された螺旋部が、インボリュート
    歯形が成形される螺旋溝が形成されたものであって、
    円筒孔入り口端面から歯形の成形に対応する螺旋部全
    体の20乃至40パーセントの部分について、螺旋溝を
    構成するインボリュート曲線上より内側の歯底部にC
    形成したことにより、ハスバ歯車素材の外周部に成形
    されたハスバ歯形の歯山部にクラックやワレを防止した
    ことを特徴とするハスバ歯車加工装置。
  2. 【請求項2】 長尺な丸棒鋼材から所定長さのコイル材
    をカットする工程と、押し出し加工により前記コイル材
    の軸心部に一端面側から所定深さのハーフピアス形状の
    一の中心穴を成形する工程と、押し出し加工により前記
    コイル材の軸心部に他端面から前記一の中心穴に貫通す
    ることなく中間に中心座を残したままハーフピアス形状
    の他の中心穴を成形する工程と、前記中心座を打ち抜く
    ことによって貫通孔を有するハスバ歯車素材を形成する
    工程と、円筒孔の内周面にハスバ歯形が形成されたハス
    バ歯形成形用の螺旋部を有するメスダイスに対して前記
    ハスバ歯車素材を回転させながら押し込むことによって
    ハスバ歯車素材の外周面にハスバ歯形を成形する工程と
    を有するハスバ歯車加工方法において、 前記メスダイスに形成された螺旋部が、インボリュート
    歯形が成形される螺旋溝が形成されたものであって、前
    記メスダイスの前記円筒孔入り口端面から歯形の成形に
    対応する螺旋部全体の20乃至40パーセントの部分に
    ついて、螺旋溝を構成するインボリュート曲線上より内
    側の歯底部にC面を形成したことにより、ハスバ歯車素
    材の外周面に成形されたハスバ歯形の歯山部にクラック
    やワレを防止したことを特徴とするハスバ歯車加工方
    法。
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