JP3055991B2 - 外用医薬製剤 - Google Patents

外用医薬製剤

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JP3055991B2
JP3055991B2 JP3325317A JP32531791A JP3055991B2 JP 3055991 B2 JP3055991 B2 JP 3055991B2 JP 3325317 A JP3325317 A JP 3325317A JP 32531791 A JP32531791 A JP 32531791A JP 3055991 B2 JP3055991 B2 JP 3055991B2
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隆士 木之下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は身体皮膚上に貼付して使
用する外用医薬製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚面から薬物を経皮投与して治
療又は、予防を行う為、感圧性接着剤を使用したテープ
状及び/又はシート状物が種々提案されている。
【0003】このテープ状及び/又はシート状の外用医
薬製剤に使用される感圧性接着剤としては、接着力、凝
集力、品種の多様性などの理由より、例えばアクリル系
感圧性接着剤が使用されている。
【0004】このアクリル系感圧性接着剤は主に(メタ)
アクリル酸アルキルエステルと不飽和化合物との共重合
反応により得られる。
【0005】この重合は塊状重合、溶液重合、懸濁重
合、乳化重合などにより行なわれるが、いずれの場合で
も、重合反応終了時に残存するモノマーの影響が懸念さ
れている。
【0006】この感圧性接着剤中の残存モノマーは、こ
れを外用医薬製剤として使用する際に直接皮膚に密着す
るため、人体に刺激を与え、かぶれ、かゆみ、紅斑など
を生じる原因となる。
【0007】また、感圧性接着剤中の残存モノマーはこ
れに薬物を含有させて使用する際に、薬物の安定性に影
響を与え、経日保存品の含量低下、着色などを生じる原
因となる。
【0008】そこで、最近では、基材に、薬剤を含有す
る感圧性接着剤層が設けられてなる治療用接着テープも
しくはシートにおいて、感圧性接着剤がメタクリル酸ア
ルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重
合体を構成成分とし、メタクリル酸アルキルエステル対
アクリル酸アルキルエステルの共重合に関与する成分量
がモル比で40対60乃至15対85の範囲にあり、共
重合体におけるメタクリル酸アルキルエステル及びアク
リル酸アルキルエステル全体のアルキル基の平均炭素数
が3乃至5であり、メタクリル酸アルキルエステルのア
ルキル基の平均炭素数が6以下であり、アクリル酸アル
キルエステルのアルキル基の平均炭素数が4以下であ
り、炭素数が4以上のアルキル基を有するメタクリル酸
アルキルエステル及び炭素数が5以上のアクリル酸アル
キルエステルの残存モノマー量が0.2重量%以下であ
ることを特徴とする、治療用接着テープもしくはシート
が提案されている(特開昭59ー171557号公
報)。
【0009】即ち、このものは、遅揮発性モノマー、つ
まり炭素数が4以上のアルキル基を有するメタクリル酸
アルキルエステル及び炭素数が5以上のアクリル酸アル
キルエステルの残存モノマー量を0.2重量%以下に調
整し、一方、易揮発性モノマー、つまり炭素数が3以下
のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、
炭素数が4以下のアクリル酸アルキルエステルは、薬剤
を含有する接着剤溶液を基材に塗工、乾燥する工程で溶
剤と共に揮発させ、実質的に残存させないようにしたも
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のは、薬剤を含有する接着剤溶液を基材に塗工し、乾燥
する工程で溶剤と共に易揮発性モノマーを揮散させるよ
うに構成したものだから、易揮発性モノマーが薬物の配
合時には存在し、薬物と接触することになり、このモノ
マーと薬剤との反応が懸念される。
【0011】また、硝酸イソソルバイド、ニトログリセ
リン、サリチル酸メチルなどの揮散性のある薬物、及び
/又はプロピレングリコールなどの揮散性のある添加剤
を使用する場合には、これらの揮散を防止するために、
乾燥工程の条件が限定されるため、易揮発性モノマーを
揮散させるのに必要なだけの熱量を加えられないことが
ある。
【0012】更に、基材として、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸共重合体、ナイロンのごとき熱可塑性の
テープ若しくはシートを使用する場合、熱による変形を
防止するために乾燥工程の条件が限定され、同様の理由
で易揮発性モノマーを揮散させるのに必要な熱量を加え
られないこともある。
【0013】従って、このような場合には、易揮発性モ
ノマーの除去がいずれも不可能になって人体に適用した
とき、人体に刺激を与え、かぶれ、かゆみ、紅斑などを
生じたり、薬物の安定性に影響を与え、経日保存品の含
量低下、着色などを生じる原因となる。
【0014】このため、特開昭59−171557号で
提案されている治療用接着テープもしくはシートでは、
用いられる薬剤や基材が限定されるだけでなく、乾燥条
件を厳格に管理する必要があるなどの課題がある。
【0015】本発明は、上記技術的課題に鑑み完成され
たものであって、柔軟な担持体上に薬物を含有する感圧
性接着剤溶液を塗工するにあたり、薬物配合前における
感圧性接着剤中の残存モノマー量が固形分比で全体の
0.2重量%以下とすることにより、人体への刺激、か
ぶれ、かゆみ及び紅斑などの発生を防止したり、薬物の
安定化を実現する外用医薬製剤を提供することを目的と
する。ところで、本発明において、「残存モノマー」と
は、いわゆる遅揮発性モノマー及び易揮発性モノマーの
双方のことをいい、従って、「残存モノマー量」とは、
感圧性接着剤に残存した遅揮発性モノマー及び易揮発性
モノマーの総量のことをいう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、これら課
題を考慮し、鋭意検討を重ねた結果、感圧性接着剤の製
造後、速やかに残存モノマーを除去することによって、
薬物配合前における残存モノマー量を固形分比で全体の
0.2重量%以下とすることで、残存モノマーと薬物と
の接触を極力忌避し、含有する薬物の安定性に優れ、低
刺激性の外用医薬製剤を得られることを見出だした。
【0017】即ち、上記目的を達成するために、本発明
の外用医薬製剤は、柔軟な担持体上に薬物を含有する感
圧性接着剤の層を設けてなる医薬製剤であって、この感
圧性接着剤は、下記の(1)ないし(3)のいずれか1
種の手段で残存モノマーが除去されて、薬物配合前にお
ける当該感圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全
体の0.2重量%以下のものであることを特徴とし、し
かも、上記の(1)ないし(3)の技術的手段として、
(1)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を加
熱及び/又は減圧下で残存モノマーを揮散させて当該感
圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2
重量%以下に調整されたものであり、又は、(2)感圧
性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を貧溶媒に添加
し、固形分を分取して当該感圧性接着剤の残存モノマー
量が固形分比で全体の0.2重量%以下に調整されたも
のであり、或いは(3)感圧性接着剤が、重合して得た
感圧性接着剤を70℃以上の温度で、10時間以上加熱
して当該感圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全
体の0.2重量%以下に調整されたものである、を採用
したものである。
【0018】本発明で用いられる柔軟な担持体として
は、特に限定されるものではないが、後述する、薬物を
含有する感圧性接着剤層を保持するものであり、皮膚面
に貼付した際にその動きに追従でき、屈曲面に貼付した
際にも異和感なく適用するために適度な柔軟性を有する
ものが選択される。
【0019】この担持体としては、例えばポリエチレ
ン、多孔質ポリエチレン、ポリエステル、エチレンー酢
酸ビニル共重合体、ポリウレタン、多孔質ポリテトラフ
ルオロエチレンのごとき各種プラスチックフィルムや、
不織布、織布、紙、金属箔、或いはこれらの各材料を積
層した積層フィルムなど挙げられる。
【0020】又、本発明で用いられる感圧性接着剤の層
としてはこの外用医薬製剤の分野で用いられるものであ
れば特に限定されるものではないが、薬物配合前におけ
る感圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の
0.2重量%以下であることを要する。
【0021】この感圧性接着剤のうち、薬物の安定性、
皮膚刺激性、接着力、品種の多様性などの理由より、特
に、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを50重量%以上含有する単量体を
重合してなるアクリル系感圧性接着剤が好ましい。
【0022】具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸
ブチルエステル、(メタ)アクリル酸t−ブチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸へプチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、
(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)ア
クリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸イソノニ
ルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メ
タ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル
酸ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシルエステルのごとき(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの1種以上からなる単量体を重合してなる感圧性
接着剤が挙げられる。
【0023】また、上記感圧性接着剤の凝集力を向上さ
せる目的で、上記単量体と、メタクリル酸メチルエステ
ル、メタクリル酸エチルエステルのごときメタクリル酸
アルキルエステルや、アクリル酸ヒドロキシエチルエス
テル、アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドのごとき官能
性単量体やアクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムの
ごときビニル系単量体、或いはジ(メタ)アクリル酸ジエ
チレングリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラ
エチレングリコールエステルのごとき多官能性単量体を
共重合させることができるのであり、更に添加剤の溶解
性向上を目的として、アクリル酸メトキシエチルエステ
ル、アクリル酸エトキシエチルエステル、アクリル酸ブ
トキシエチルエステルのごとき親水性のアクリル酸アル
コキシアルキルエステル単量体を共重合させることも可
能である。
【0024】特に、酢酸ビニルなどは感圧性接着剤の層
の親水性を向上させて汗等の水分の移行性を向上させる
ものであるが、粘着性付与成分との共重合反応性が低
く、低沸点のモノマーであるため、重合反応後の除去が
容易であり、共重合成分として好ましい。
【0025】また、感圧性接着剤が使用するに十分な接
着性を示さない場合は他のアクリル系感圧性接着剤、及
び/又はゴム系感圧性接着剤と任意に混合して使用する
ことが可能である。
【0026】本発明においては、これら単量体を任意
の条件で重合した後、感圧性接着剤中の残存モノマー量
が固形分比で全体の0.2重量%以下となるように調整
した点、に最も大きな特徴を有するのである。 特に、本
発明においては、この感圧性接着剤が、下記の(1)な
いし(3)のいずれか1種の手段で残存モノマーを除去
して、薬物配合前における当該感圧性接着剤中の残存モ
ノマー量が固形分比で全体の0.2重量%以下のものと
なるように調整されたものであることを要する。
【0027】即ち、(1)感圧性接着剤が、重合して得
た感圧性接着剤を加熱及び/又は減圧下で残存モノマー
を揮散させて当該感圧性接着剤の残存モノマー量が固形
分比で全体の0.2重量%以下に調整されたものであ
る。 (2)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を貧
溶媒に添加し、固形分を分取して当該感圧性接着剤の残
存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%以下に調
整されたものである。 (3)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を7
0℃以上の温度で、10時間以上加熱して当該感圧性接
着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%
以下に調整されたものである。
【0028】又、重合の初期及び/又は途中で(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと共重合反応性が低く、且つ
760mmHgの圧力下、沸点が100℃以下のビニルモ
ノマーを添加してなるものも有益である。この酢酸ビニ
ル等のビニルモノマーは共重合反応性が低いため、他の
モノマーの重合が先に進行し、残存モノマーのほとんど
が沸点100℃以下のビニルモノマーになり、後処理で
除去しやすい。
【0029】かくして得られた感圧性接着剤に、以下に
述べる薬物が配合される。この薬物としては以下のもの
が挙げられる。 イ)コルチコステロイド類:例えばハイドロコーチゾン、
プレドニゾロン、ベクロメタゾンプロピオネート、フル
メタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセト
ニド、フルオシモロン、フルオシノロンアセトニド、フ
ルオシノロンアセトニドアセテート、プロピオン酸クロ
ベタゾールなど、 ロ)消炎鎮痛剤:例えばアセトアミノフェン、メフェナム
酸、フルフェナム酸、インドメタシン、ジクロフェナッ
ク、ジクロフェナックナトリウム、アルクロフェナッ
ク、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、イブプ
ロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、サリ
チル酸、サリチル酸メチル、1−メントール、カンファ
ー、スリンダック、トリメチンナトリウム、ナプロキセ
ン、フェンブフェンなど、 ハ)催眠鎮静剤:例えばフェノバルビタール、アモバルビ
タール、シクロバルビタール、ロラゼパム、ハロペリド
ールなど、 ニ)精神安定剤:例えばフルフェナジン、テオリダジン、
ジアゼパム、フルニトラゼパム、クロルプロマジンな
ど、 ホ)抗高血圧剤:例えばクロニジン、塩酸クロニジン、ピ
ンドロール、プロプラノロール、塩酸プロプラノロー
ル、ブフラノロール、インデノロール、ブクモロール、
ニフェジピンなど、 ヘ)降圧利尿剤:例えばハイドロサイアザイド、ベンドロ
フルナサイアザイド、シクロペンチアザイドなど、 ト)抗生物質:例えばペニシリン、テトラサイクリン、オ
キシテトラサイクリン、硫酸フルジオマイシン、エリス
ロマイシン、クロラムフェニコールなど、 チ)麻酔剤:例えばリドカイン、ベンゾカイン、アミノ安
息香酸エチルなど、 リ)抗菌性物質:例えば塩化ベンザルコニウム、ニトロフ
ラゾン、ナイスタチン、アセトスルファミン、クロトリ
マゾールなど、 ヌ)抗真菌物質:例えばペンタマイシン、アムホテリシン
B、ピロールニトロン、クロトリマゾールなど、 ル)ビタミン剤:例えばビタミンA、エルゴカシフェノー
ル、コレカシフェノール、オクトチアシン、リボフラビ
ン酪酸エステルなど、 ヲ)抗てんかん剤:例えばニトラゼパム、メプロパメー
ト、クロナゼパムなど、 ワ)環血管拡張剤:例えばニトログリセリン、ニトログリ
コール、イソソルビドジナイトレート、エリスリトール
テトラナイトレート、ペンタエリスリトールテトラナイ
トレート、プロパチルナイトレートなど、 カ)抗ヒスタミン剤:例えば塩酸ジフェンヒドラミン、ク
ロルフェニラミン、ジフェニルイミダゾールなど、 ヨ)鎮咳剤:例えばデキストロメトルファン、テルブタミ
ン、エフェドリン、塩酸エフェドリンなど、 タ)性ホルモン:例えばプロゲステロン、エストラジオー
ルなど、 レ)その他:例えば塩酸イソプロテレノール、5−フルオ
ロウラシル、ジヒドロエルゴタミン、フェンタニール、
デスモプレシン、ジゴキシン、メトクロプラミド、ドン
ペリド、スコポラミン、臭化水素酸スコポラミンなど、
が挙げられ、これらの薬物は必要に応じて2種類以上併
用することができる。
【0030】これらの薬物のうち、エステル構造を有す
るものが、感圧性接着剤との親和性、安定性及び経皮吸
収性等の観点より、望ましい。
【0031】上記薬物は粘着性組成物の薬物放出能力、
薬物の種類及び薬理効果などによって配合割合を任意に
設定することができるが、期待される効果、貼付感及び
経済性を考慮すれば1〜50重量%の範囲とするのが好
ましい。
【0032】この薬物の配合割合が、1重量%未満では
十分な薬理効果が得られないことがあり、一方、50重
量%を超えると、意味がないだけでなく、貼付感に影響
を与え、使用時のハガレ、ウキなどを生じる事があり、
しかもコスト高になるので望ましくない。
【0033】
【作用】本発明の外用医薬製剤は、上記構成を有し、感
圧性接着剤に薬物を配合する前に、予め、この接着剤中
の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%以下
に調整しているので、残存モノマーと薬物との接触を極
力回避し、配合した薬物の安定性に優れ、低刺激性であ
るなどの作用を有するのである。
【0034】また、このように外用医薬製剤における感
圧性接着剤中の残存モノマー量が固形分比で全体の0.
2重量%以下に調整されているので、残存モノマーと薬
物の接触が殆ど無くなり、このため残存モノマーと薬剤
との反応が防止される作用を有するのである。
【0035】更に、柔軟な担持体上に、薬物を配合した
感圧性接着剤溶液を塗工し、これを乾燥する際に残存モ
ノマーの揮散を考慮する必要がないので乾燥温度を低く
することが可能であり、従って、硝酸イソソルバイド、
ニトログリセリン、サリチル酸メチルなどの揮散性のあ
る薬物を使用したり、或いはプロピレングリコールなど
の揮散性添加剤の使用が可能になる作用を有するのであ
る。
【0036】このように、乾燥温度を低くできるので、
担持体の熱変形を防止できるのであり、このため、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体或いはナイロ
ンのごとき熱可塑性のテープ若しくはシートを使用でき
る作用を有するのである。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 60重量% (2)アクリル酸2−メトキシエチルエステル 25重量% (3)酢酸ビニル 15重量%
【0038】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、5時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して2時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0039】得られた感圧性接着剤溶液を支持体上に5
00μmの厚さで塗工した後、110℃、3分間乾燥す
ることで得られた感圧性接着剤固形分を、酢酸エチルに
溶解し、感圧性接着剤溶液を得た。
【0040】この感圧性接着剤中の残存モノマー量が固
形分比でアクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.0
05重量%以下、アクリル酸2−メトキシエチルエステ
ル0.005重量%以下、酢酸ビニル0.05重量%で
あった。
【0041】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
クロニジンを固形分比で全体の5重量%添加し、乾燥後
の厚みが50μmになるように、担持体上に塗布、乾燥
し、本発明の外用医薬製剤を得た(クロニジン含量25
0μg/cm2)。
【0042】実施例2 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 55重量% (2)アクリル酸2−メトキシエチルエステル 25重量% (3)メタクリル酸メチルエステル 20重量%
【0043】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、20時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して20時間熟成し感圧性
接着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0044】得られた感圧性接着剤溶液を支持体上に2
50μmの厚さで塗工した後、100℃、5分間乾燥す
ることで得られた感圧性接着剤固形分を、酢酸エチルに
溶解し、感圧性接着剤溶液を得た。
【0045】この乾燥後の感圧性接着剤中の残存モノマ
ー量は固形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル0.04重量%、アクリル酸2−メトキシエチルエ
ステル0.005重量%以下、メタクリル酸メチルエス
テル0.01重量%であった。
【0046】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
ジルチアゼムを固形分比で全体の5重量%添加し、乾燥
後の厚みが60μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥して、本発明の医薬製剤を得た(ジルチアゼム含量3
00μg/cm2)。
【0047】実施例3 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 70重量% (2)メタクリル酸メチルエステル 30重量%
【0048】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)及び(2)を撹拌しながら、重合開始剤としてア
ゾビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌
速度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下など
によって反応温度を60〜65℃に制御し、20時間反
応後、更に75〜80℃に昇温して20時間熟成し感圧
性接着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0049】得られた感圧性接着剤溶液を支持体上に2
50μmの厚さで塗工した後、100℃、5分間乾燥す
ることで得られた感圧性接着剤固形分を、酢酸エチルに
溶解し、感圧性接着剤溶液を得た。
【0050】この乾燥後の感圧性接着剤中の残存モノマ
ー量は固形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル0.06重量%、メタクリル酸メチルエステル0.
01重量%であった。
【0051】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
ジルチアゼムを固形分比で全体の5重量%添加し、乾燥
後の厚みが60μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し、本発明の外用医薬製剤を得た(ジルチアゼム含量
300μg/cm2)。
【0052】実施例4 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 70重量% (2)ビニルピロリドン 25重量% (3)アクリル酸 5重量%
【0053】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、6時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して3時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0054】得られた感圧性接着剤溶液を支持体上に2
00μmの厚さで塗工した後、100℃、5分間乾燥す
ることで得られた感圧性接着剤固形分を、酢酸エチルに
溶解し、感圧性接着剤溶液を得た。
【0055】この乾燥後の感圧性接着剤中の残存モノマ
ー量は固形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル0.01重量%、ビニルピロリドン0.15重量
%、アクリル酸0.005重量%以下であった。
【0056】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
チモロールを固形分比で全体の10重量%添加し、乾燥
後の厚みが40μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し、本発明の外用医薬製剤を得た(チモロール含量4
00μg/cm2)。
【0057】実施例5 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 70重量% (2)ビニルピロリドン 30重量%
【0058】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)及び(2)を撹拌しながら、重合開始剤としてア
ゾビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌
速度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下など
によって反応温度を60〜65℃に制御し、6時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して3時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0059】得られた感圧性接着剤溶液を支持体上に2
00μmの厚さで塗工した後、100℃、5分間乾燥す
ることで得られた感圧性接着剤固形分を、酢酸エチルに
溶解し、感圧性接着剤溶液を得た。
【0060】この乾燥後の感圧性接着剤中の残存モノマ
ー量は固形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル0.008重量%、ビニルピロリドン0.01重量
%であった。
【0061】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
チモロールを固形分比で全体の10重量%添加し、乾燥
後の厚みが40μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し、本発明の外用医薬製剤を得た(チモロール含量4
00μg/cm2)。
【0062】実施例6 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 94重量% (2)アクリル酸 6重量%
【0063】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)及び(2)を撹拌しながら、重合開始剤として過
酸化ベンゾイル0.2重量%を添加し、撹拌速度、外浴
の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などによって反
応温度を60〜65℃に制御し、5時間反応後、更に7
5〜80℃に昇温して50時間熟成し感圧性接着剤溶液
を得た(固形分30重量%)。
【0064】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.
09重量%、アクリル酸0.009重量%であった。
【0065】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
プロプラノロールを固形分比で全体の20重量%添加
し、乾燥後の厚みが40μmになるように、担持体上に
塗布、乾燥し、本発明の外用医薬製剤を得た(プロプラ
ノロール含量800μg/cm2)。
【0066】実施例7 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 84重量% (2)アクリル酸 1重量% (3)メタクリル酸メチルエステル 15重量%
【0067】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、5時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して2時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分40重量%)。
【0068】得られた感圧性接着剤溶液にメタノールを
添加することで感圧性接着剤を沈澱させたのち、濾過に
より分取し、酢酸エチルに溶解し、感圧性接着剤溶液を
得た。
【0069】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.
09重量%、アクリル酸0.01重量%、メタクリル酸
メチルエステル0.05重量%であった。
【0070】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
メトプロロールを固形分比で全体の10重量%添加し、
乾燥後の厚みが100μmになるように、担持体上に塗
布、乾燥し、本発明の外用医薬製剤を得た(メトプロロ
ール含量1000μg/cm2)。
【0071】比較例1 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 60重量% (2)アクリル酸2−メトキシエチルエステル 25重量% (3)酢酸ビニル 15重量%
【0072】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、5時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して2時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0073】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.
02重量%、アクリル酸2−メトキシエチルエステル
0.01重量%、酢酸ビニル9.08重量%であった。
【0074】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
クロニジンを固形分比で全体の5重量%添加し、乾燥後
の厚みが50μmになるように、担持体上に塗布、乾燥
し、医薬製剤を得た(クロニジン含量250μg/cm2)。
【0075】比較例2 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 55重量% (2)アクリル酸2−メトキシエチルエステル 25重量% (3)メタクリル酸メチルエステル 20重量%
【0076】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、20時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して20時間熟成し感圧性
接着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0077】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.
6重量%、アクリル酸2−メトキシエチルエステル0.
25重量%、メタクリル酸メチルエステル0.03重量
%であった。
【0078】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
ジルチアゼムを固形分比で全体の5重量%添加し、乾燥
後の厚みが60μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し医薬製剤を得た(ジルチアゼム含量300μg/c
m2)。
【0079】比較例3 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 70重量% (2)メタクリル酸メチルエステル 30重量%
【0080】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ろとを取り付けた5つ口フラスコ中を充
分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配合
物(1)及び(2)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、20時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して20時間熟成し感圧性
接着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0081】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル1.
2重量%、メタクリル酸メチルエステル0.05重量%
であった。
【0082】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
ジルチアゼムを固形分比で全体の5重量%添加し、乾燥
後の厚みが60μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し医薬製剤を得た(ジルチアゼム含量300μg/c
m2)。
【0083】比較例4 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 70重量% (2)ビニルピロリドン 25重量% (3)アクリル酸 5重量%
【0084】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ろとを取り付けた5つ口フラスコ中を充
分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配合
物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾビ
スイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、6時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して4時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0085】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.
05重量%、ビニルピロリドン1.3重量%、アクリル
酸0.01重量%であった。
【0086】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
チモロールを固形分比で全体の10重量%添加し、乾燥
後の厚みが40μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し医薬製剤を得た(チモロール含量400μg/cm2)。
【0087】比較例5 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 70重量% (2)ビニルピロリドン 30重量%
【0088】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)及び(2)を撹拌しながら、重合開始剤としてア
ゾビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌
速度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下など
によって反応温度を60〜65℃に制御し、6時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して4時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分30重量%)。
【0089】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル0.
02重量%、ビニルピロリドン0.5重量%であった。
【0090】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
チモロールを固形分比で全体の10重量%添加し、乾燥
後の厚みが40μmになるように、担持体上に塗布、乾
燥し医薬製剤を得た(チモロール含量400μg/cm2)。
【0091】比較例6 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 94重量% (2)アクリル酸 6重量%
【0092】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)及び(2)を撹拌しながら、重合開始剤として過
酸化ベンゾイル0.2重量%を添加し、撹拌速度、外浴
の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などによって反
応温度を60〜65℃に制御し、5時間反応後、更に7
5〜80℃に昇温して2時間熟成し感圧性接着剤溶液を
得た(固形分30重量%)。
【0093】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル2.
5重量%、アクリル酸0.15重量%であった。
【0094】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
プロプラノロールを固形分比で全体の20重量%添加
し、乾燥後の厚みが40μmになるように、担持体上に
塗布、乾燥し医薬製剤を得た(プロプラノロール含量8
00μg/cm2)。
【0095】比較例7 (1)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル 84重量% (2)アクリル酸 1重量% (3)メタクリル酸メチルエステル 15重量%
【0096】撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス
導入管及び滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を
充分に窒素置換を行った後、このフラスコ中で、上記配
合物(1)〜(3)を撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチルニトリル0.2重量%を添加し、撹拌速
度、外浴の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下などに
よって反応温度を60〜65℃に制御し、5時間反応
後、更に75〜80℃に昇温して2時間熟成し感圧性接
着剤溶液を得た(固形分40重量%)。
【0097】この感圧性接着剤中の残存モノマー量は固
形分比で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル2.
0重量%、アクリル酸0.09重量%、メタクリル酸メ
チルエステル0.8重量%であった。
【0098】この感圧性接着剤溶液に抗高血圧剤である
メトプロロールを固形分比で全体の10重量%添加し、
乾燥後の厚みが100μmになるように、担持体上に塗
布、乾燥し医薬製剤を得た(メトプロロール含量100
0μg/cm2)。
【0099】各実施例及び各比較例の医薬製剤につい
て、25℃と50℃の各温度下、更に40℃で75%相
対温湿度下で、12カ月保存し、以下の方法で、薬物経
日安定性、着色の有無をみた。
【0100】薬物経日安定性 薬物の定量は薬物を試験片よりメタノールで抽出し、高
速液体クロマトグラフのピーク面積より残存率を計算し
た。 残存率(%)=試験片中の保存後薬物含量/試験片中の初
期薬物含量×100
【0101】着色の有無 目視で測定した。
【0102】その結果を、表1〜表5に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】表1〜表5に示す結果より、各実施例のも
のは、これに対応する各比較例のものと比べて、薬物の
残存率や安定性が優れていることが認められる。
【0109】
【発明の効果】本発明の外用医薬製剤においては、柔軟
な担持体上に薬物を含有する感圧性接着剤の層を設けて
なる医薬製剤であって、この感圧性接着剤は、下記の
(1)ないし(3)のいずれか1種の手段で残存モノマ
ーが除去されて、薬物配合前における当該感圧性接着剤
の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%以下
のものであることを特徴とする。 即ち、感圧性接着剤中
の残存モノマーを除去するための手段が、(1)感圧性
接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を加熱及び/又は
減圧下で残存モノマーを揮散させて当該感圧性接着剤の
残存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%以下に
調整されたものであり、又は、(2)感圧性接着剤が、
重合して得た感圧性接着剤を貧溶媒に添加し、固形分を
分取して当該感圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比
で全体の0.2重量%以下に調整されたものであり、或
いは(3)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤
を70℃以上の温度で、10時間以上加熱して当該感圧
性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2重
量%以下に調整されたものである。 そして、本発明の外
用医薬製剤は、上記構成を有し、感圧性接着剤に薬物を
配合する前に、予め、この接着剤中の残存モノマー量が
固形分比で全体の0.2重量%以下に調整されているの
で、感圧性接着剤中に配合した薬物の安定性に優れ、し
かも低刺激性なので安全で、且つ信頼性が高いなどの効
果を有するのである。
【0110】また、このように外用医薬製剤における感
圧性接着剤中の残存モノマー量が固形分比で全体の0.
2重量%以下に調整されているので、残存モノマーと薬
物の接触が殆ど無くなり、このため残存モノマーと薬剤
との反応が防止され、この点においても、薬物の有効利
用を図ることができるのである。
【0111】更に、柔軟な担持体上に、薬物を配合した
感圧性接着剤溶液を塗工し、これを乾燥する際に残存モ
ノマーの揮散を考慮する必要がないので乾燥温度を低く
することが可能であり、従って、硝酸イソソルバイド、
ニトログリセリン、サリチル酸メチルなどの揮散性のあ
る薬物を使用したり、或いはプロピレングリコールなど
の揮散性添加剤の使用が可能になり、薬物の利用範囲を
著しく拡大できる効果を有するのである。
【0112】このように、乾燥温度を低くできるので、
担持体の熱変形を防止できるのであり、このため、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体或いはナイロ
ンのごとき熱可塑性のテープ若しくはシートを使用でき
るので、経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木之下 隆士 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 明見 仁 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−171557(JP,A) 特開 平3−131262(JP,A) 特開 昭59−181214(JP,A) 特開 昭60−75062(JP,A) 特開 平2−255612(JP,A) 特開 昭60−29516(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/00 - 15/64 A61F 13/02 A61K 9/70

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟な担持体上に薬物を含有する感圧性
    接着剤の層を設けてなる医薬製剤であって、この感圧性
    接着剤は、下記の(1)ないし(3)のいずれか1種の
    手段で残存モノマーが除去されて、薬物配合前における
    当該感圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の
    0.2重量%以下のものであることを特徴とする外用医
    薬製剤。 記 (1)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を加
    熱及び/又は減圧下で残存モノマーを揮散させて当該感
    圧性接着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2
    重量%以下に調整されたものである。 (2)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を貧
    溶媒に添加し、固形分を分取して当該感圧性接着剤の残
    存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%以下に調
    整されたものである。 (3)感圧性接着剤が、重合して得た感圧性接着剤を7
    0℃以上の温度で、10時間以上加熱して当該感圧性接
    着剤の残存モノマー量が固形分比で全体の0.2重量%
    以下に調整されたものである。
  2. 【請求項2】 感圧性接着剤がアルキル基の炭素数が4
    〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50重
    量%以上含有する単量体を重合してなる請求項1に記載
    の外用医薬製剤。
  3. 【請求項3】 重合の初期及び/又は途中で(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルと共重合反応性が低く、且つ
    760mmHgの圧力下、沸点が100℃以下のビニル
    モノマーを添加してなる請求項2に記載の外用医薬製
    剤。
  4. 【請求項4】 薬物がエステル構造を有するものである
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の外用医薬製
    剤。
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