JP3054698B2 - 粒子分散合金粉末の製造方法 - Google Patents

粒子分散合金粉末の製造方法

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JP3054698B2 JP10205710A JP20571098A JP3054698B2 JP 3054698 B2 JP3054698 B2 JP 3054698B2 JP 10205710 A JP10205710 A JP 10205710A JP 20571098 A JP20571098 A JP 20571098A JP 3054698 B2 JP3054698 B2 JP 3054698B2
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祐治 村松
周治 鰐川
稔 太田口
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科学技術庁金属材料技術研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、粒子分散
合金粉末の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、Fe基粒子分散合金等の原料と
なるメカニカルアロイング粉末を簡便に高効率で製造す
ることのできる、粒子分散合金粉末の新しい製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】メカニカルアロイングにより
製造した合金粉末を用いて、その固化成形により、強度
や耐摩耗性、耐熱性、耐酸化性等を向上させたセラミッ
ク粒子分散合金成形体を製造することが知られている。
その代表例として、Fe基粒子分散合金が知られてお
り、このFe基粒子分散合金は、一般に図8に示す方法
により製造される。すなわち、原料粉末を高エネルギー
ボールミル等の粉砕エネルギー0〜20g程度(gは動
加速度)の機器により処理し、メカニカルアロイング
(MA)粉末を製造する。このようにして作製したMA
粉末は、一般には金属製の缶に真空封缶し、これをHI
P、溝ロール、押出し等の方法により固化成形し、さら
に高温の機械的性質を向上させるために、一方向再結晶
等により内部組織を整えるための組織制御を行い、製品
としている。
【0003】この製造工程で最も重要なことは、いか
に、合金化を速やかに進行させ、セラミック粒子が均一
に分散した良質のMA粉末を作製するかの点にある。こ
のためには、最初の原料粉末を吟味し製造することが最
も重要となる。従来、Fe基粒子分散合金の原料粉末と
しては、Fe粉、Cr粉、W粉、Ti粉およびセラミッ
ク粒子を混合した素粉末混合粉と言われる原料粉末、あ
るいはこれら金属元素を製品組成として含有する合金粉
を造り、これにセラミック粒子を混合した合金粉が広く
用いられてきた。しかし、素粉末混合粉では、各素粉末
のMA処理時間が異なり、特にW(タングステン)は拡
散が遅いため、処理時間が長くなるばかりでなく、処理
中に酸素を多く吸収し良質のMA粉末が得られないと言
う問題があった。また、合金粉の場合には、粉末自体が
硬いため、処理中に高エネルギーボールミルの容器、ボ
ールあるいはローターの摩耗を高め、MA粉末が摩耗物
により汚染されるのみならず、機器の寿命が短くなると
言う問題があった。
【0004】そこで、この出願の発明は、以上のような
従来の粒子分散合金粉末の製造方法の欠点を解消し、短
時間で合金化が進行し、かつ、セラミック粒子が均一に
分散した合金粉末を製造することのできる、改善された
新しい方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、まず第1には、メカニカ
ルアロイングによるセラミック粒子分散合金製造用の合
金粉末の製造方法であって、破砕容易な脆性相含有合金
の粉末を、必要に応じて配合される軟質の他の金属また
は合金の粉末並びにセラミック粉末とともにメカニカル
アロイングすることを特徴とする粒子分散合金粉末の製
造方法を提供する。
【0006】また、この出願の発明は、第2には、脆性
相がシグマ(σ)相である前記の製造方法をも提供す
る。そして、この出願の発明は、第3には、前記第1ま
たは第2の方法によることを特徴とするFe基粒子分散
合金粉末の製造方法を、さらに第4には、脆性相として
Fe,Cr,WおよびTiによるシグマ相を有する合金
粉末を、Fe粉およびセラミック粉とともに原料粉末と
してメカニカルアロイングするFe基粒子分散合金粉末
の製造方法も提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、前記のとおり
の特徴を有するものであるが、さらにその実施の形態に
ついて説明すると、この発明のメカニカルアロイングで
は、原料として、次の構成からなるものが用いられる。 (A)破砕容易な脆性相を含有する合金の粉末(混合金
粉) (B)必要に応じて配合されるFe粉等の他の金属もし
くは合金の粉末 (C)セラミック粉末 ここで(A)脆性相含有合金粉末については、たとえば
脆性相、つまり脆い性質を持つ相として、シグマ(σ)
相を有するものが示される。そのものはメカニカルアロ
イングの過程において短時間に微粒化されるため、合金
化とセラミック粒子の均一分散が顕著に促進される。
【0008】(B)他の金属もしくは合金の粉末として
は、より軟質のものであることが望ましい。たとえばF
e粉が示されるが、この軟らかなFe粉はメカニカルア
ロイングにおいて、容器、ボール、ロータ内壁に適度に
付着し、摩耗と汚染を防ぐ役割も示すことになる。
(C)セラミック粉末は、各種のものであってよい。た
とえば酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子、硼化物粒
子等である。
【0009】メカニカルアロイングによる付加エネルギ
ーの大きさや、粉末の組成等によっても異るが、一般的
な目安としては、各粉末の粒径は、(A)脆性相を有す
る合金粉末:1000〜1μm、(B)Fe粉等の他の
金属もしくは合金の粉末:150〜1μm、(C)セラ
ミック粉末:1〜0.01μmの範囲を考慮することが
できる。
【0010】前記の(A)脆性相含有合金の粉末は、た
とえば熱処理により脆性相を発生させ、その後粉砕する
ことにより製造することができる。そこで以下に実施例
を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。
【0011】
【実施例】(実施例1) <1> Fe−43Cr−10W−1.7Tiの組成と
なるように所要元素を添加して真空溶解し、合金を作成
した。次いで熱処理して脆性相としてのシグマ(σ)相
を生成させた。図1は、40時間熱処理した時の各温度
におけるシグマ(σ)相の生成量を示したものである。
【0012】この図1から、約1123K(850℃)
で熱処理した時が最もシグマ(σ)相の生成量が多いこ
とがわかる。また、図2は、前記Fe−43Cr−10
W−1.7Ti合金の1123K(850℃)での熱処
理時間に対するシグマ(σ)相生成量の関係を示したも
のである。約72ks(20時間)で80%以上がシグ
マ(σ)相となっており、この合金の粉砕は容易である
ことが確認された。
【0013】<2> 同様にしてFe−48Cr−1.
9Tiを一定とし、これにWを0〜20wt%加えて溶
解した合金を、温度1123K(850℃)において4
0時間熱処理した。図3は、Wの添加量とシグマ(σ)
相の生成量との関係を示した図である。Wが促進剤的役
割を果たし、10wt%W合金では、約96%がシグマ
(σ)相になっていることがわかる。
【0014】<3> 前記<1>により得られたシグマ
(σ)相処理したFe−43Cr−10W−1.7Ti
合金を200メッシュに粉砕した粉末と、市販のCr粉
(−200mesh)をそれぞれ遊星ボールミルで粉砕
(アルゴンガス雰囲気中)したときの平均粒子径とを比
較した。図4はその結果を示したものである。σ相合金
粉はおよそ2〜3kg(30〜50分)で6〜7μmに
達し,Cr粉に比べて粉砕特性に優れていることがわか
る。 (実施例2)鉄(Fe)粉に、実施例1<1>により得
たσ相含有の合金粉(31%)とY 2 3 粉(0.5
%)を混合し、遊星ボールミルでメカニカルアロイング
(MA)処理した。
【0015】各々の粉末の平均粒径は、次のとおりであ
る。 鉄(Fe)粉 44μm以下 σ相含有合金粉 840μm以下 Y2 2 粉 0.017μm 図5は、メカニカルアロイングの処理時間と生成したY
2 3 分散合金粉末における格子定数の変化を示した図
である。急速に合金化が進むことがわかる。
【0016】図6は、作製した粉末の内部組織を示した
電子顕微鏡写真である。内部は縞状の微細な組織となっ
ていることがわかる。合金化やセラミック粒子の均一分
散には縞状の組織が微細であればあるほど良い。この発
明ではこの組織に10時間以内の処理により到達する
が、従来の素粉末混合粉や合金粉を用いる方法では20
時間以上処理することが必要となる。 (実施例3)実施例2と同様にしてメカニカルアロイン
グにより作製したFe−13Cr−3W−0.5Ti−
0.5Y2 3 の粉末を用いて従来法に従い固形材を製
造した。
【0017】図7は、この材料の引張り強度と伸びとを
示した図である。Y2 3 の添加量が増加するに従って
合金固形材の引張り強度は増加し、延びは減少する。ま
た、合金化が十分である程、強度や延びに対するバラツ
キが少ない。
【0018】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、性能の優れたFe基粒子分散合金等を容
易に製造することができ、生産性の向上が期待できる。
また粉末製造には、従来のガス噴霧法、回転電極法等の
高価な方法は不要となり、製造コストの低減が期待でき
る。さらに、高エネルギーボールミル等のメカニカルア
ロイング装置の高寿命化と安全操業に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理温度とσ相生成量との関係を例示した図
である。
【図2】熱処理時間とσ相生成量との関係を例示した図
である。
【図3】Wの添加量とσ相生成量との関係を例示した図
である。
【図4】σ相含有合金粉と市販Cr粉の粉砕特性を比較
して示した図である。
【図5】メカニカルアロイングの処理時間と格子定数と
の関係を例示した図である。
【図6】この発明の粉末の内部組織を例示した図面に代
わる電子顕微鏡写真である。
【図7】固形材の引張り強度と伸びとを例示した図であ
る。
【図8】一般的な粒子分散合金の製造工程を示したブロ
ック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 1/00 B22F 9/02 B22F 9/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メカニカルアロイングによるセラミック
    粒子分散合金製造用の合金粉末の製造方法であって、破
    砕容易な脆性相含有合金の粉末を、必要に応じて配合さ
    れる軟質の他の金属または合金の粉末並びにセラミック
    粉末とともにメカニカルアロイングすることを特徴とす
    る粒子分散合金粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 脆性相がシグマ(σ)相である請求項1
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の方法によることを特
    徴とするFe基粒子分散合金粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 脆性相としてFe、Cr、WおよびTi
    によるシグマ相を有する合金粉末を、Fe粉およびセラ
    ミック粉とともに原料粉末としてメカニカルアロイング
    する請求項3のFe基粒子分散合金粉末の製造方法。
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