JP3054279U - 鼻当てパットの取着構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メガネのフロントフレームの中央部に設けら
れる鼻当てパットを取付ける構造において、簡単に構成
されて製作組立てコストも安く、鼻当てパットの交換も
自由に行い得る鼻当てパット取着構造の提供。 【解決手段】 鼻当てパット５の裏側には止着具８を突
出するとともに、止着具８には穴９を貫通し、フロント
部から延びる脚先端にはツメ４、４を設け、このツメ
４、４を穴９に遊嵌している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、メガネフレームのフロント部を鼻に当てて支えるための、鼻当てパ ットの取着構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メガネフレームはそのフロント部の両側にツルを折畳み出来るように取付けす るとともに、該フロント部の中央には鼻当てパットを取着している。すなわち、 鼻パットを鼻の両脇に当ててフロント部を支え、ツルは耳に掛けることでメガネ を着用することが出来る。

【０００３】 ところで、この鼻当てパットは鼻に当ってなじむように、また滑りにくいよう な樹脂材が一般に用いられていて、フロント部から延びる脚先端に取付けられて いる。勿論、鼻当てパットの材質としては上記樹脂に限らず、チタン等の金属質 が使用される場合もあり、そして鼻当てパットの取着形態は色々知られているが 、図６に示している取着構造は最も一般的な形態である。樹脂製の鼻当てパット (イ) には止着具(ロ) の基板(ハ) が埋着され、鼻当てパット(イ) の裏側へ上記止着 具(ロ) が突出してフロント部から延びる脚先端にロウ付けしている箱(ニ) に取付 けされている。止着具(ロ) には通し穴が貫通して箱(ニ) に嵌り、この通し穴には 箱(ニ) に螺合しているネジ(ホ) が挿通している。通し穴はネジ径よりも比較的大 きくなっているために、鼻当てパット(イ) はあがき（向きの変化）が与えられる ことになる。

【０００４】 そこで、このような構造にて鼻当てパット(イ) を取付けするには、小さな箱(ニ ) の成形、箱(ニ) のネジ穴加工、フロント部から延びる脚先端と箱(ニ) のロウ付 け加工、更に止着具(ロ) を箱(ニ) に嵌めた状態でのネジ止め作業等、その作業工 程は多くて複雑化しており、コスト高を招いている。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】

このように従来の鼻当てパットの取付けには上記のごとき問題がある。本考案 が解決しようとする課題はこれら問題点であり、より簡単に構成されて製作組立 てコストも安く、しかも鼻当てパットの交換も自由に行い得る鼻当てパット取着 構造を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の鼻当てパット取着構造では従来のような箱を使用せずに、フロント部 から延びる脚先端にツメを形成し、該ツメを鼻当てパット裏側へ突出した止着具 の穴に係止している。ツメの形状は特に限定しないが、止着具の穴に嵌った後は 独りでに外れないようにツメ先端が引っ掛かり、しかも穴に係止した状態で鼻当 てパットの向きが多少変化できるように「あがき」を与えている。

【０００７】

【考案の実施の形態】

鼻当てパットの形状は本考案の対象とするものではなく、いかなる形状の鼻当 てパットであっても、またその材質がどのようなものであってもよく、そして裏 側へ突出する止着具は、従来のように金属製として鼻当てパットの成形とともに 埋着する場合、または止着具も樹脂製として一体成形することも出来る。止着具 に形成される穴は鼻当てパットが自由に回転しないために、一般には角穴として おり、該穴に嵌るツメは多少のガタ付きをもってなじむ形状となっている。

【０００８】 一般には２本のツメを対向した状態で形成し、ツメは弾性変形によって撓むこ とが出来、両ツメは穴に嵌る際には撓まされる。ツメの先端には傾斜面を有して いて、穴に当てて押し込むことが出来、この際にツメは弾性変形で撓むことがで きる。そしてツメは金属製、特にバネ材で構成する場合に限らず、形状記憶合金 を使用したり、弾性変形に富む樹脂材を用いることも出来る。以下、本考案に係 る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】

【実施例】 図１は一般的なメガネフレームを表わしている。本考案ではメガネフレームの 形態は任意であって、メガネフレームの形態がいかなるものであってもその中央 部には鼻当てパットを備えている。同図のメガネフレームはレンズを嵌めるリム １、１、ブリッジ２、ヨロイ３、３、それにツル４、４、及び鼻当てパット５、 ５を有し、リム１、１はブリッジ２によって連結され、リム１、１の外側にはヨ ロイ３、３がロウ付けされ、このヨロイ３、３にツル４、４が折畳み出来るよう に蝶番を介して取付けされている。

【００１０】 本考案の対象となる鼻当てパット５は、リム１の内側にロウ付けされて延びる 脚の先端に取着されている。脚のロウ付け位置はメガネフレームの形態によって 異なり、リムを持たない縁なしメガネであれば、両レンズを連結するブリッジか ら延びている。勿論、同図に示すようなリムを備えるメガネフレームの場合であ っても、レンズの下側半分を水糸等の高張力糸にて保持するナイロールフレーム の場合であっても、ブリッジに脚をロウ付けすることもあり得る。一方、ロウ付 けではなく、ブリッジと共に脚を一体成形することもあり得る。

【００１１】 図２はこの脚６の具体例を示している。脚６は金属製でバネ性に優れた材質が 用いられ、丸線をスウェージング加工にて一部の線径を細くし、そして、所定形 状に曲げ加工した後で先端にツメ７ａ、７ｂを成形する。２本のツメ７ａ、７ｂ は対を成し、内側へ撓み変形することが出来るように厚みを薄くして成形されて いる。

【００１２】 図３は鼻当てパット５が脚６のツメ７ａ、７ｂに係止する前の状態であり、鼻 当てパット５の裏側には従来と同じように止着具８を突出している。この止着具 ８は鼻当てパット５と共に樹脂材でもって一体成形してもよく、別に製作した金 属製の止着具８を埋着することも出来るが、止着具８には穴９が貫通して設けら れている。又鼻当てパットの材質としてチタン等の金属質を使用し、その裏側へ 止着具８を突出する場合もある。そして穴９の形状は四角形の貫通穴となってい て、この穴９にツメ７ａ、７ｂが嵌って鼻当てパット５が取着される。

【００１３】 図４は鼻当てパット５の取着構造を示している本考案の実施例である。ツメ７ ａ、７ｂ先端の両側には傾斜面１０ａ、１０ｂが成形されていて、ツメ７ａ、７ ｂの傾斜面１０ａ、１０ｂを穴９に当てて押圧するならば、ツメ７ａ、７ｂは内 側へ撓んで穴９に押込まれる。穴９に嵌った状態では元の形に復元してツメ７ａ 、７ｂは穴９から外れることはないが、穴９には遊嵌された状態にあって、鼻当 てパット５の向きは多少変化することが出来る。すなわち、穴９に両ツメ７ａ、 ７ｂが嵌った状態の断面を図５に示すように穴寸法は両ツメ寸法より大きくなっ ていて、このクリアランスの範囲内で向きを変えて鼻になじむことが出来る。以 上述べたように、本考案の鼻当てパット取着構造は、止着具に形成した穴にフロ ント部から延びる脚先端のツメを嵌めたものであり、次のような効果を得ること が出来る。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の鼻当てパット取着構造は鼻当てパット裏側へ突出した止着具に貫通穴 を形成し、この穴に脚先端に設けたツメを嵌めたものであり、その構造は従来の 箱に嵌めてネジ止めした従来構造に比較して至って簡単である。そのために製作 工数は低下し、またツメを穴に押圧するだけでツメは撓み変形して嵌り込み、従 来のようなネジ止め作業に比べて極めて簡単となり、鼻当てパットの交換も自由 に出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般的なメガネフレーム。

【図２】先端にツメを備えた脚の具体例。

【図３】脚と鼻当てパットを分離した状態。

【図４】脚先端のツメに鼻当てパットを取着した本考案
の実施例。

【図５】止着具の穴にツメが嵌っている断面図。

【図６】従来の鼻当てパット取着構造。

【符号の説明】

１ リム ２ ブリッジ ３ ヨロイ ４ ツル ５ 鼻当てパット ６ 脚 ７ ツメ ８ 止着具 ９ 穴 10 傾斜面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントフレームの中央部に設けられる
   鼻当てパット取着構造において、鼻当てパットの裏側に
   は止着具を突出すると共に、止着具には穴を貫通して形
   成し、フロント部から延びる脚先端にはツメを設け、こ
   のツメを上記穴に遊嵌したことを特徴とする鼻当てパッ
   トの取着構造。
2. 【請求項２】 フロントフレームの中央部に設けられる
   鼻当てパット取着構造において、鼻当てパットの裏側に
   は止着具を突出すると共に、止着具には角形の穴を貫通
   し、フロント部から延びる脚先端には対を成すツメを設
   け、このツメは弾性により撓むことが出来ると共に、先
   端外側には傾斜面を形成し、このツメを上記穴に遊嵌し
   たことを特徴とする鼻当てパットの取着構造。