JP3053836B2 - ▲iii▼―v族化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents

▲iii▼―v族化合物半導体素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、III−V族化合物半導体素子の製造方法に
係り、より具体的には、マグネシウムがドープされたp
型III−V族化合物半導体層を有機金属気相成長により
形成する工程を含むIII−V族化合物半導体素子の製造
方法に関する。
(従来の技術) 有機金属気相成長(MOCVD)法によりp型III−V族化
合物半導体を作る場合、p型ドーパントとして、通常、
亜鉛が用いられている。亜鉛は、GaAs用のドーパントと
しては、ほぼ良好なドーピング特性を示すが、InP、GaI
nAlP等リンを含むIII−V族化合物半導体用のドーパン
トとして使用する場合には、取り込まれ率が低いばかり
でなく、活性化率も低い。その上、拡散速度が速すぎ、
制御性にも劣っている。
そこで、亜鉛に代わるp型ドーパントとして、ベリリ
ウムやマグネシウムを使用することが試みられている。
しかしながら、ベリリウムは、分子線エピタキシャル成
長法においては、p型ドーパントとして良好な特性を示
すものの、その有機化合物は、強い毒性を示すために、
MOCVD法への適用は、回避しなければならない。
マグネシウムの有機化合物は、有機ベリリウム化合物
のような毒性の問題は少ない。そのような有機マグネシ
ウムとして、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシ
ウム等のアルキルマグネシウム化合物が考えられるが、
これらアルキルマグネシウム化合物は、自己会合性が非
常に強く、MOCVD法に必要な有効な蒸気圧を持たない。
また、比較的蒸気圧の高いシクロペンタ環を有するビス
シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)が使用さ
れているが、装置内に残留するメモリー効果(反応管に
付着したドープ源が以降の処理中に再び反応系に入り込
む)のために、ドーピングの制御が非常に困難であり、
素子に通常要求される0.1μm内での3桁以上の濃度変
化を実現するような急峻性は確保できない。さらに、蒸
気圧を高めるために、シクロペンタ環にメチル基を導入
したビスメチルシクロペンタジエニルマグネシウム
((CH32Cp2Mg)を用いた例もあるが、濃度変化の充
分な急峻性は得られていない。
(発明が解決しようとする課題) 以上述べたように、マグネシウムのアルキル化合物は
蒸気圧が低く、またシクロペンタ環を有するマグネシウ
ム化合物はメモリー効果が高く、制御性のよいドーピン
グが困難であった。
従って、本発明は、有効な蒸気圧を持ち、メモリー効
果のない有機マグネシウム化合物をマグネシウムドープ
源として用いることによって、有機金属気相成長法によ
り制御性に優れたp型ドーピングをおこなうことができ
るIII−V族化合物半導体素子の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明によるIII−V族化合物半導体素子の製造方法
は、マグネシウムがドープされたp型III−V族化合物
半導体層を有機金属気相成長により形成するに際し、マ
グネシウムのドープ源として、マグネシウムを含有する
有機金属化合物(有機マグネシウム化合物)と他の化合
物との付加物を用いることを特徴とする。
(作用) 本発明者らが種々の有機マグネシウム化合物について
おこなった研究によれば、Cp2Mgのメモリー効果は、有
機マグネシウム化合物に共通の本質的な問題ではなく、
シクロペンタ環を有するマグネシウム化合物に特有の問
題であることが確認されている。すなわち、シクロペン
タ環を持たない有機マグネシウム化合物をドープ源とし
て用いることによりメモリー効果は回避できる。また、
蒸気圧の点に関しては、単独では充分有効な蒸気圧を持
たない有機マグネシウム化合物であっても、他の化合物
と付加物(アダクト)を形成させることによって、充分
な蒸気圧を持たせることができることが判明した。前述
のように、ジメチルマグネシウムは固体であり、自己会
合性が非常に強く、蒸気圧が低いためにマグネシウムの
ドープ源としては適さないが、これを他の化合物と付加
物を形成させることによって、自己会合性が飛躍的に抑
制され、蒸気圧が増加することがわかった。例えば、Al
(CH3との付加物であるMg(Al(CH3(オク
タメチルジアルミニウムモノマグネシウム)、さらには
CH3(MgAl(CH3(ペンタメチルアルミニウムマグネ
シウム)は、融点がそれぞれ39℃および54℃であり、充
分な蒸気圧を確保できる。なお、Mg(Al(CH3
およびCH3(MgAl(CH3)等アルミニウムを含む付加
物を用いた場合、その構成元素であるアルミニウムはマ
グネシウムと同時に半導体層中に取り込まれるが、アル
ミニウムを含むIII−V族半導体を成長させる際に使用
されるアルミニウム化合物に比較して、ドープ源はごく
わずかであるため、問題とならない。
かくして、本発明では、マグネシウムがドープされた
p型III−V族半導体層を形成する際に、マグネシウム
のドープ源として充分に高い蒸気圧を有しメモリー効果
の無い有機マグネシウム化合物と他の化合物との付加物
を用いることにより、急峻なドーピングを再現性よくお
こなうことができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
第1図は、本発明のIII−V族化合物半導体素子を製
造するために使用されるMOCVD装置を示している。この
装置は、石英製の反応管11,12および13を有し、それぞ
れの上部に位置するガス導入口から必要な原料ガスが取
り入れられる。これら反応管11,12および13は一つのチ
ャンバ14にその上蓋を貫通して垂直に取り付けられてい
る。基板15は、グラファイト製サセプタ16上に設置さ
れ、各反応管11,12,13の開口に対向するように配置され
て外部の高周波コイル17により高温に加熱される。サセ
プタ16は、石英製ホルダ18に取り付けられ、磁性流体シ
ールを介した駆動軸19により各反応管11,12,13の下を例
えば0.1秒程度の高速度で移動できるようになってい
る。駆動は、外部に設置したコンピュータ制御されたモ
ータによりおこなわれる。サセプタ16の中央部には、熱
電対20が置かれ、基板直下の温度をモニタする。そのコ
ード部分は、回転による捩れを防止するためにスリップ
リングが用いられている。反応ガスは、上部噴出口21か
らの水素ガスのダウンフローの速い流れにより押し出さ
れ、互いの混合が極力抑制されて排気口22からロータリ
ーポンプにより排気される。
このようなMOCVD装置を用いることにより、各反応管1
1,12,13を通して所望の原料ガスを流し、基板15をコン
ピュータ制御されたモータで移動させることにより、任
意の積層周期、任意の組成をもって多層構造を基板15上
に作製することができる。この方式では、ガス切り換え
方式では得られない鋭い濃度変化が容易に実現できる。
また、この方式では、急峻なヘテロ界面を作るために反
応ガスを高速で切り換える必要がないため、原料ガスで
あるNH3やPH3の分解速度が遅いという問題をガス流速を
低く設定することにより解決することができる。
さて、この第1図に示すMOCVD装置を用い、以下に示
すIII−V族化合物半導体素子を作製した。用いて原料
は、III族金属の有機化合物としてトリメチルガリウム
(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチル
ホウ素(TEB)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、
V族水素化物としてホスフィン(PH3)、アルシン(AsH
3)、アンモニア(NH3)を使用し、ドープ源としてはシ
ラン(SiH4)、Mg(Al(CH3)を使用した。
第2図は、上記方法により、基板温度750℃、反応管
内圧力25Torr、成長速度3μm/時、反応管内流速70cm/
秒で作製したIII−V族化合物半導体素子の概略断面図
である。この素子は、p型GaAs基板(1×1019cm-3)を
有し、その上に、p型GaAsバッファ層32(0.5μm、1
×1018cm-3)、p型In0.5(Ga1-xAlx0.5P層33(1μ
m、1×1018cm-3)、n型In0.5(Ga1-xAlx0.5P層34
(1μm、1×1018cm-3)が形成され、層34の上に、n
型GaAsコンタクト層35(2μm、1×1017cm-3)が形成
されている。素子両面にはそれぞれオーミック電極36お
よび37が形成されている。これらオーミック電極は、電
源38に接続されるものである。
得られたウエハをへき開し、ダイオードを作製したと
ころ、アイディアリティーファクターは1にほど近く、
良好なI−V特性を示した。また、pn接合界面付近のMg
のSIMS分析をおこなったところ、p層中では一定濃度で
あり、n層への拡散はみられず、接合界面では100Å中
に103以上の急峻な濃度変化が見られた。キャリア濃度
は、p層中で1×1018cm-3の一定値が確保できた。
第3図は、本発明の方法によって製造された半導体レ
ーザ装置の概略構造を示す断面図である。このレーザ装
置は、n型GaAs基板41を有し、この基板41上には、n型
GaAsバッファ層42およびn型InGaPバッファ層43が形成
されている。バッファ層43上には、n型InGaAlP系クラ
ッド層44、InGaP活性層45、およびp型InGaAlP系クラッ
ド層46,47,48からなるダブルヘテロ接合構造部が形成さ
れている。ここで、クラッド層47は、低Al組成であり、
エッチング停止層として作用する。また、クラッド層48
は、ストライプ状に加工されており、これによりp型ク
ラッド層にストライプ状リブが形成されている。クラッ
ド層48上には、p型InGaAlP系中間バンドギャップ層49
が形成されている。ダブルヘテロ接合部の側面には、n
型GaAs電流阻止層51が形成され、その上には、p型GaAs
コンタクト層52が形成されている。さらに、コンタクト
層52の上面に金属電極53が被着形成され、基板41の下面
に金属電極54が被着形成されている。この構造では、電
流狭窄は、中間バンドギャップ層49と電流阻止層51によ
りおこなわれ、光導波は、ストライプ状のメサに形成さ
れたクラッド層48によりおこなわれる。
こうして得られたウエハをへき開して共振器長250μ
mのレーザ素子を作製したところ、しきい値電流40mA、
微分量子効率片面当り20%と良好な特性が得られた。光
出力は、駆動電流にしたがって10mW以上まで直線的に増
大し、キンクのない良好な電流−光出力特性を示した。
また遠視野像、近視野像ともに単峰であり、良好なモー
ド制御が行なわれていることが分った。動作電圧は、2.
1Vと低く、さらに、10000時間というきわめて長寿命が
得られた。このように、良好なドーピングを制御性よく
行なうことにより、低しきい値、高出力および高信頼性
を同時に達成するような半導体レーザを再現性よく得る
ことができた。
第4図は、上記と同様、本発明の方法によって得た半
導体レーザ装置の断面図であり、電流狭窄をp型GaAsコ
ンタクト層50により行なっている点が第3図のレーザ装
置と異なっている。
また、本発明の方法によって第5図に示す構造のレー
ザ装置も同様に製造できる。
第6図ないし第8図は、本発明の方法により製造され
た他の化合物半導体素子の断面図を示すものである。こ
れら素子はGaAlBNP系材料で構成されている。これら素
子を作製するために、基板温度850ないし1150℃、圧力
0.3気圧、原料ガスの総流量1リットル/分、成長速度
1μm/時となるようにガス流量を調整した。具体的な各
原料ガスの流量は、TEB1×10-6モル/分、TMA5×10-7
ル/分、TEG5×10-7モル/分、ホスフィン5×10-4モル
/分、アンモニア1×10-3モル/分であった。なお、Ga
AlN/BP超格子層を作製する際の代表的な積層周期は20
Å、窒化物層とホウ化物層の厚さの比は1:1であり、以
下の実施例では、特段の指摘がない限り、この値に設定
した。これ以外の値でも実施できるが、発光量のBPに対
するGaAlNの層厚の比が1より小さくなると、バンド構
造が直接遷移型から間接遷移型に変化し、発光効率が低
下する。また、積層周期についても上記値に限るもので
はないが、50Åを越えると、電子、正孔の局在が顕著に
なり、導電性が低下するので、50Å以下の周期に設定す
ることが望ましい。
第6図のレーザ装置は、n型GaP基板71を有し、その
上に、n型GaPバッファ層72、n型BPバッファ層73が形
成されている。バッファ層73上にはn型GaxAl1-xN/BP多
層膜クラッド層74、アンドープGaxAl1-xN/BP多層膜活性
層75、およびp型GaxAl1-xN/BP多層膜クラッド層76から
なるダブルヘテロ接合部が形成されている。なお、クラ
ッド層76上にはその中央部にストライプ状部を残すよう
にn型BP電流阻止層77が形成されている。電流阻止層77
上およびクラッド層76のストライプ状露出面を覆ってp
型BPコンタクト層78が形成されている。さらに、コンタ
クト層78の上面には金属電極79が、基板71の下面には金
属電極80が、それぞれ被着形成されている。この構造で
は、コンタクト層78の下方凸部の周辺に電流阻止層77を
形成しているので、電流狭窄及び光導波が自己整合的に
実現できる。
第6図のレーザ装置のより具体的な製造工程は、次の
通りである。第1図のMOCVD装置を用いて、前述の条件
で、まず、n型GaP基板71(Siドープ、1×1018cm-3
上に、n型GaPバッファ層72(Siドープ、1×1018c
m-3、1μm)、n型BPバッファ層73(Siドープ、1×1
017cm-3、1μm)、n型Ga0.4Al0.6N/BP多層膜クラッ
ド層74(Siドープ、1×1018cm-3、1μm)、アンドー
プGa0.5Al0.5N/BP多層膜活性層75(0.1μm)、および
p型Ga0.4Al0.6N/BP多層膜クラッド層76(Mgドープ、1
×1018cm-3、1μm)のダブルヘテロウエハを成長させ
た。続いて、クラッド層76上に、シランガスの熱分解お
よび写真蝕刻により、幅5μmのストライプ状にSiO2
マスクを形成し、n型BP電流阻止層77(Siドープ、1×
1018cm-3、1μm)をクラッド層76の上面のみにMOCVD
法により選択成長させた後、SiO2膜を除去した。つい
で、電流阻止層77上およびストライプ状に残されたクラ
ッド層76上にp型BPコンタクト層78(Mgドープ、1×10
18cm-3、1μm)を成長させた。その後、通常の電極取
り付け方法により、コンタクト層78上にAu/Zn電極79
を、そして基板71の下面にAu/Ge電極80を被着形成する
ことによって第6図の構造のレーザ用ウエハを得た。
得られたウエハをへき開して共振器長300μmのレー
ザ素子を作製したところ、液体窒素温度で、パルス幅10
0μ秒のパルス動作にて緑色光レーザ発振を確認した。
発振しきい値電流密度は、約50kA/cm2を示した。また、
100時間以上安定に動作した。
第7図は、第6図の半導体素子の変形例である。第6
図と同様のダブルヘテロ接合部のクラッド層76は、凸型
に加工され、等価的に横方向の屈折率差を付けることに
より横モード制御を行なうものである。クラッド層76上
には、凸部の少なくとも一部を除いてn型BP電流阻止層
77が形成されている。その他の構造は、第6図のものと
同様である。第7図の構造では、第2導電型クラッド層
76凸部の周辺に電流阻止層77を形成しているので電流狭
窄および屈折率型光導波が自己整合的に実現できる。
第7図の素子を作製するには、第1図のMOCVD装置を
用い、第6図の素子作製条件と同じ条件で、同様のダブ
ルヘテロウエハを成長させた後、クラッド層76上に、シ
ランガスの熱分解と写真蝕刻により幅5μmのストライ
プ状にSiO2膜マスクを形成し、クラッド層76をエッチン
グして幅3μmのストライプ状メサを形成した。つい
で、n型BP電流阻止層77(Siドープ、1×1018cm-3、1
μm)をクッラド層76の上面のみにMOCVD法により選択
成長させた。しかる後、SiO2膜を除去し、p型BPコンタ
クト層78(Mgドープ、1×1018cm-3、1.5μm)を成長
させた。その後、電極取り付けをおこなって、第7図に
示す構造のレーザ用ウエハを得た。
得られたウエハをへき開して共振器長300μmのレー
ザ素子を作製したところ、液体窒素温度で、パルス幅10
0μ秒のパルス動作にて緑色光レーザ発振を確認した。
発振しきい値電流密度は、約70kA/cm2を示した。しきい
値電流密度はやや高いが、単一峰の遠視野像が確認さ
れ、良好な横モード制御がおこなわれていることが判明
した。また、100時間以上安定に動作した。
第8図は、本発明の方法によって製造される発光素子
(LED)の断面図である。p型GaP基板91上に、p型GaP
バッファ層92、p型BPバッファ層93が順次形成され、こ
の上にp型GaAlN/BP超格子層94、アンドープのGaAlN/BP
超格子層95、n型GaAlN/BP超格子層96が順次積層形成さ
れ、さらにこの上にn型GaNコンタクト層97が形成され
ている。素子ウエハの両面にオーミック電極98,99が形
成されている。このLEDも上記と同様に製造することが
できる。
Mgをドープした有機金属気相成長を施してp型III−
V族化合物半導体層を形成する際、Mgの原料としてMg
(Al(CH3、CH3(MgAl(CH3)を用いた場
合、構成元素であるAlはMgと同時に取り込まれる。従っ
てAlを含まないIII−V族化合物半導体を成長する際に
は注意を要する。本発明者らの研究によれば、ある温度
範囲で気相成長を行うことにより、Alの混入を効果的に
回避できることが判明した。そのデータを以下に説明す
る。
第9図にこれらの原料の分解率を調べるために行った
MgおよびAlの析出量の基板温度依存性を示す。Mg化合物
は分解温度が低く不安定であるため、比較的低温部にて
Mgが析出するのに対し、Al化合物は分解温度が高く安定
であるため、比較的高温部よりAlの析出が始まり飽和す
る。
第10図は、Mg(Al(CH3を原料としてMg添加I
nPを成長した場合のMgドーピング量に対するAl混入量の
成長温度依存性を示す。650℃以下でAl混入量が減少し
はじめ、570℃以下にて急激に減少した。特に、550℃で
は0.1%以下であり、通常の光・電子素子に問題なく用
いることができる。すなわち、650℃以下の低温で成長
を行えば、トリメチルアルミニウムの分解が抑えられ、
Alの混入はほとんど無視できるまでに減少する。この結
果は原料の分解温度に対応しており、GaAs等の成長にお
いても同様であった。
したがって先の実施例で説明したように、Alを含むMg
化合物によってp型III−V族化合物半導体層を気相成
長させる場合に、成長層へのAlの混入を抑制するには、
成長温度を650℃以下、好ましくは55℃以下に設定する
のがよい。特に、Alを含まないIII−V族化合物半導体
層を得たい場合にこの成長温度の限定は有効である。
第11図は本発明の実施例に係る半導体レーザ装置の概
略構造を示す構造図である。図中101はn型InP基板であ
り、このInP基板101上にバッファ層をかねたn型InPク
ラッド層102(Siドープ、1×1018cm-3、1μm)が形
成され、さらにクラッド層102上にはGaInAsP活性層103
(0.1μm)、およびp型InPクラッド層104(Mgドー
プ、1×1018cm-3、1μm)を積層してなるメサストラ
イプが形成されている。メサの両側は高抵抗InP埋込み
層105(1μm)で埋込まれており、メサの最上部であ
るクラッド層104および埋込み層105上には、p型GaInAs
Pコンタクト層106(Mgドープ、1×1018cm-3、0.5μ
m)が形成されている。そして、基板101の下面にn側
電極107としてAu/AuGeが、コンタクト層106上にp側電
極108としてAu/AuZnが設けられている。
以上のIII−V族化合物半導体層はすべてMOCVD法によ
りエピタキシャル成長した。原料としては、III族有機
金属(トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジ
ウム(TMI))とV族水素化物(ホスフィン(PH3)、ア
ルシン(AsH3))とを使用し、ドーピング用原料として
は、シラン(SiH4)、Mg(Al(CH3を使用し
た。成長条件は、基板温度620℃、反応管内圧力200Tor
r、成長速度3μm/h、反応管内流速70cm/secにて作成し
た。
得られたウエハをへき開し、共振器長250μmの半導
体レーザを作成したところ、発振波長は約1.54μmであ
り、単一モードの発振特性が得られた。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、
本発明はこれら実施例に限定されるべきものではない。
例えば、上記実施例では、Mgのドープ源としてMg(Al
(CH3を使用したが、一般に式 Mg(Al(R) (ここで、Rはアルキル基)で示されるオクタアルキル
アルミニウムマグネシウム(例えば、Mg(Al(C
2H5や式 RMg(Al(R)) (ここで、各Rはアルキル基)で示されるペンタアルキ
ルアルミニウムマグネシウム(例えば、CH3(MgAl(C
H3)、(C2H5)Mg(Al(C2H5)を用いても全く
同様に実施できる。さらには、Mgのドープ源として、Mg
(N(CH3、CH3(MgN(CH3)、また、有機
マグネシウム化合物とエチレンジアミンとの付加物も使
用できる。
また、本発明は、GaAs系、InP系、GaAl系、InGaAsP
系、InGaAlP系、InGaAlAs系、InGaAs系、InAlAs系その
他各種のIII−V族化合物半導体材料で構成される半導
体レーザ、LED、FET、HBT等種々の素子の作製に適用で
きる。
さらに、MOCVD原料としては、Ga原料としてトリエチ
ルガリウム(TGG)、Al原料としてトリエチルアルミニ
ウム(TEA)、B原料としてトリメチルホウ素(TMB)あ
るいはジボラン(B2H6)を使用しても全く同様に実施で
きる。またN原料としてもヒドラジンのほかに、Ga(C2
H5)・NH3、Ga(CH3・N・(CH3等窒素を含む
アダクトである有機金属化合物も利用できる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形
が可能である。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、MOCVD法により
マグネシウムがドープされたp型III−V族化合物半導
体層を有機金属気相成長により形成するに際し、マグネ
シウムのドープ源として有機マグネシウム化合物と他の
化合物との付加物を用いることにより、急峻なマグネシ
ウムドーピングが制御性よくおこなえ、低しきい値、高
出力、高信頼性を同時に達成するIII−V族化合物半導
体素子を再現性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施する上で好適な有機金属気相成
長装置を示す図、 第2図は一実施例によるダイオードを示す図、 第3図は他の実施例による半導体レーザを示す図、 第4図は第3図の素子を変形した他の実施例による半導
体レーザを示す図、 第5図は同じく第3図の素子を変形した他の実施例によ
る半導体レーザを示す図、 第6図は他の実施例による半導体レーザを示す図、 第7図は第6図の素子を変形した他の実施例の半導体レ
ーザを示す図、 第8図は他の実施例によるLEDを示す図、 第9図はMg原料からのMgおよびAlの析出量の基板温度依
存性を示す図、 第10図はMgドーピング量に対するAl混入量の成長温度依
存性を示す図、 第11図は他の実施例による半導体レーザを示す図であ
る。 11,12,13……反応管、15,31,41,71,91,101……基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 33/00 H01S 5/30 (56)参考文献 特開 昭63−304617(JP,A) 特開 昭63−207118(JP,A) 特開 昭58−103394(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネシウムがドープされたp型III−V
    族化合物半導体層を有機金属気相成長により形成する工
    程を含むIII−V族化合物半導体素子の製造方法におい
    て、マグネシウムのドープ源として、マグネシウムを含
    有する有機金属化合物と他の化合物との付加物を用いる
    ことを特徴とするIII−V族化合物半導体素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記付加物が式 Mg(Al(R) (ここで、Rはアルキル基)で示されるオクタアルキル
    アルミニウムマグネシウムである請求項1記載のIII−
    V族化合物半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】Rがメチル基である請求項2記載のIII−
    V族化合物半導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記付加物が RMg(Al(R)) (ここで、各Rはアルキル基)で示されるオクタアルキ
    ルアルミニウムマグネシウムである請求項1記載のIII
    −V族化合物半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記p型III−V族化合物半導体層を形成
    する工程を、650℃以下の成長温度で行う請求項1記載
    のIII−V化合物半導体素子の製造方法。
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