JP3053485B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JP3053485B2 JP4030835A JP3083592A JP3053485B2 JP 3053485 B2 JP3053485 B2 JP 3053485B2 JP 4030835 A JP4030835 A JP 4030835A JP 3083592 A JP3083592 A JP 3083592A JP 3053485 B2 JP3053485 B2 JP 3053485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、探針を用いて試料の
微視的な表面情報を得る走査型プーローブ顕微鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡としては、走査型
トンネル顕微鏡(Scanning TunnelingMicroscope:ST
M)や原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:A
FM)などが知られている。
【0003】STMは、1982年にビニッヒ(Binni
g)やローラー(Rohrer)らによって米国特許第4,343,9
93号において提案された微細表面形状計測装置で、導電
性試料の表面形状を原子レベルの分解能で測定できる。
【0004】鋭く尖った導電性の探針を導電性試料の表
面に数nm程度の距離まで近づけ、探針と試料の間にバ
イアス電圧を印加すると両者間にトンネル電流が流れ
る。このトンネル電流ITは次式で示される。
【0005】 IT=B(VT)exp(−Aφ1/2S) (1) ここでVTはバイアス電圧、B(VT)はバイアス電圧に依
存する係数、Aは約10.25(nm(eV)1/2)-1の数係数、
φはバリアハイト、Sは探針試料間距離である。清浄な
金属表面のバリアハイトφは約1〜5eVであるから、
探針試料間距離が0.1nm変化すると、トンネル電流
Tは1桁程度変化することが(1)式から分かる。S
TMの探針は、圧電体などの微動素子により、試料の表
面すなわちxy平面に沿って(例えばラスター)走査さ
れる。走査の間、探針または試料を微動素子を用いて試
料表面に垂直な方向(すなわちz方向)に相対的に移動
させ、トンネル電流を一定に保つように探針試料間距離
Sを0.1nm以下の精度で制御する。従って、探針先
端は試料表面から一定の距離だけ離れて試料の表面形状
を反映した曲面上を移動する。探針先端のxy面上の位
置とz方向の位置とを微動素子に印加した電圧から求め
て記録することにより、試料表面の微細な凹凸を示すS
TM像が得られる。
【0006】ところで、STMで検出されるトンネル電
流は(1)式から分かるように、試料探針間距離Sの他
に、試料の局所的な電子の状態を反映するバリアハイト
にも依存している。バリアハイトφは、試料と探針の間
の電気的なバリアを次式によって台形近似した値にな
る。
【0007】 φ=(φTIP+φS)/2 (2) ここに、φTIPとφSはそれぞれ探針先端と試料表面の局
所的な仕事関数で、一個の電子を表面から取り出すのに
必要なエネルギーを電圧で表したものである。試料表面
の局所的な仕事関数φSは表面の電荷密度や構成原子に
よって異なる。このため、同一の探針を用いればバリア
ハイトは試料表面の局所的な仕事関数φSの分布を反映
することになる。
【0008】STMで検出されるトンネル電流ITの値
からバリアハイトφを求める方法には、例えばフィジカ
ルレビューレターズ(Physical Review Letters),第
60巻,第12号,1988年,第1166頁から第1
169頁に記載されているものがある。この方法では、
表面凹凸の測定時に試料表面に対して垂直な方向の一定
の微小振動を探針に与えてトンネル電流の振動成分を検
出する。このようにしてトンネル電流の距離微分である
バリアハイトφを試料の凹凸情報と同時に得ている。な
お、この方法で検出されるトンネル電流は振動成分を持
つ信号となるが、このの微小振動の周波数はフィードバ
ック制御系のカットオフ周波数より高く設定されている
ため、通常のSTMと同様にフィードバック制御系の出
力から試料の凹凸情報を得ることができる。
【0009】また、AFMは特開昭62−130302
号公報等に開示されている。探針を試料に近づけると、
探針先端と試料表面の原子間に微小な力(原子間力)が
働く。原子間力は排他律に基づく斥力やファンデルワー
ルス力や共有結合力などを含み、図6のような引力域と
斥力域のあるLennard-Jonesポテンシャルで表される。
AFMは、カンチレバーのたわみ量または振動振幅に基
づいて、原子間力あるいはその微分に該当する信号を検
出し、この信号を一定に保つように探針試料間距離を制
御しながら探針を走査し、得られる探針の位置情報をS
TMと同様に処理することにより、試料の表面形状を原
子レベルの分解能で示す像が得られる。AFMは、ST
M装置の様に導電性試料に限らず、絶縁性試料も測定で
きる。このように、カンチレバーを用いて試料と探針の
間に働く力を検出して試料の測定を行なう走査型プロー
ブ顕微鏡を総称してSFM(Scanning Force Microscop
e)と呼び、AFMはSFMの一つの形である。
【0010】本発明者らは特願平2−313389号に
おいて、試料と導電性カンチレバー先端の間にバイアス
電圧を印加し、カンチレバーを振動させたときのカンチ
レバー先端の変位量と流れるトンネル電流の平均値と変
動量とを同時に測定することによって、試料と探針先端
との間のバリアハイトを検出する装置を提案した。
【0011】また仕事関数の異なる金属同士を接触させ
ると、それぞれの仕事関数φAとφBの差で与えられる電
位差φA−φBが生じ、等電位になろうとして両者間に電
流が流れる。そこで金属同士を対向させて配置し相互の
電位差を補償する電位差VIoをそれらの金属間に出来た
容量CABに与えれば次式のように電荷Qが溜らなくな
る。
【0012】Q=CAB(φA−φB−VI0)=0 すなわち、VI0=φA−φBとなり、この電位差VI0は2
つの金属間の仕事関数の差になる。このような金属間に
出来た容量にたまる電荷を検出して仕事関数の差を求め
る方法をケルビン法と言う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】STMあるいはAFM
を用いたバリアハイト測定では、探針と試料の間のトン
ネルバリアを台形近似することによって得られるバリア
ハイトを測定しているために、探針の仕事関数が分から
なければ試料の局所的な仕事関数は分からなかった。ま
た、ケルビン法を用いた仕事関数の差測定においても同
様の問題があり、さらに局所的な仕事関数の分布を測定
することは出来なかった。
【0014】本発明は、試料凹凸像と局所的な仕事関数
を同時に測定できる走査型プローブ顕微鏡を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型プローブ
顕微鏡は、導電性の探針を自由端部に有し、この探針と
試料の間に力が作用した際に変位するカンチレバーと、
試料表面に垂直な方向に探針を振動させる振動手段と、
カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、試料表
面に対するカンチレバーの振動の中心の位置を一定に保
つサーボ手段と、試料と探針の間にバイアス電圧を印加
する電圧印加手段と、探針と試料の間に流れるトンネル
電流を検出する電流検出手段と、バイアス電圧を変化さ
せた際にトンネル電流が流れなくなる電圧を記録する電
圧記録手段とを備えている。
【0016】本発明の別の走査型プローブ顕微鏡は、導
電性の探針を自由端部に有し、この探針と試料の間に力
が作用した際に変位するカンチレバーと、試料表面に垂
直な方向に探針を振動させる振動手段と、カンチレバー
の変位を検出する変位検出手段と、カンチレバーの自由
端の振動の振幅を一定に保つサーボ手段と、試料と探針
の間にバイアス電圧を印加する電圧印加手段と、探針と
試料の間に流れるトンネル電流を検出する電流検出手段
と、バイアス電圧を変化させた際にトンネル電流が流れ
なくなる電圧を記録する電圧記録手段とを備えている。
更に、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡及び本発明の
別の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーの変位とト
ンネル電流とからバリアハイトを演算する演算手段を備
える構成としてもよい。
【0017】
【作用】探針は振動手段によって特定の周波数でz方向
に振動されながら試料表面に沿って走査される。従っ
て、これを支持しているカンチレバーの自由端も振動し
ており、その変位は変位検出手段により常に検出されて
いる。このとき、カンチレバーの自由端の振動の中心や
振幅は、探針先端と試料表面の構成原子の間に原子間力
の強さに応じて変化する。また、探針と試料の間にバイ
アス電圧が印加され、両者の間に流れるトンネル電流が
電流検出手段により検出される。
【0018】サーボ手段は、変位検出手段で得られるカ
ンチレバーの変位に基づいて、カンチレバーの自由端の
振動の中心の試料表面に対する位置を検出し、この振動
の中心の位置が試料表面に対して常に一定となるように
探針と試料の相対位置を制御する。あるいは、カンチレ
バーの自由端の振動の振幅を検出し、この振動の振幅を
一定に保つように探針と試料の相対位置を制御する。い
ずれの場合にも、探針と試料の相対位置を制御する際の
サーボ信号が試料表面の凹凸を示す情報となる。
【0019】電圧記録手段は、電圧印加手段により探針
と試料の間に印加されるバイアス電圧を変化させ、トン
ネル電流が流れなくなる電圧を記録することにより、試
料の仕事関数φSと探針の仕事関数φTIPとの差(φTIP
−φS)を検出する。
【0020】更に、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡
及び本発明の別の走査型プローブ顕微鏡が、演算手段を
備えることで、電流検出手段で検出されたトンネル電流
と変位検出手段で検出されたカンチレバーの変位とが演
算手段に入力され、バリアハイトが算出される。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。
【0022】第一実施例の走査型プローブ顕微鏡は、図
1に示すように、自由端に導電性の探針14を有する導
電性材料で作られた薄膜状のカンチレバー12を備えて
いる。カンチレバー12は、その他端すなわち固定端は
圧電アクチュエーター16に固定されていて、xyzア
クチュエーター28の上に載置された試料26の近くに
探針14が位置するように支持されている。圧電アクチ
ュエーター16は、発振器18から角振動数ωcの交流
電圧が供給され、カンチレバー12すなわち探針14を
振動させる。この発振器18からの交流電圧は二つのロ
ックインアンプ20と22にも入力される。振動するカ
ンチレバー12の自由端の変位は変位検出器24により
光学的に検出され、その変位信号はロックインアンプ2
0とサーボ回路36に供給される。サーボ回路36は、
入力される変位信号に基づいてカンチレバーの自由端の
振動の中心の試料表面に対する位置を検出し、これを一
定に保つように探針14と試料26の間隔をxyzアク
チュエーター28を用いて制御する。また、試料26に
はバイアス電源30によりバイアス電圧が印加される。
これにより探針14と試料26の間に流れるトンネル電
流はトンネル電流検出回路34で検出され、ロックイン
アンプ22とデータサンプリング回路32に入力され
る。データサンプリング回路32にはトンネル電流の他
にバイアス電源30からバイアス電圧が入力される。変
位検出器24と二つのロックインアンプ20と22とト
ンネル電流検出回路34の出力は、バリアハイトφの平
方根を算出する演算装置38に入力されている。
【0023】次に試料表面の凹凸情報を得る動作につい
て説明する。カンチレバー12を支持している圧電アク
チュエーター16に発振器18から角振動数ωcの交流
電圧が印加されると、カンチレバー12の自由端は約
0.1nm程度の振幅で振動する。カンチレバー12の
自由端の変位ZTIPは、カンチレバー12の上方に設け
た光学式の変位検出器24で検出され、ロックインアン
プ20とサーボ回路36に入力される。ここで図示しな
いz方向微動機構を用いてカンチレバー12すなわち探
針14を試料26に近づけて行くと、探針と試料の間に
は図6に示すような相互の距離に応じた原子間力が作用
する。カンチレバー12の自由端の振動の中心すなわち
変位ZTIPの平均は、この原子間力に応じて変化する。
サーボ回路36は、変位ZTIPの平均を求め、これを一
定に保つように試料26をz方向(図の上下方向)に移
動させるためのサーボ信号ZFBをxyzアクチュエータ
ー28に供給する。このサーボ制御はカンチレバーの角
振動数ωcに比べて遅い時定数で行なわれる。この結
果、カンチレバー12の自由端の振動の中心は、試料2
6の表面の凹凸を反映した曲面上を移動する。従って、
サーボ信号ZFBを走査の際のxy位置情報と同期させて
図示しないデータ記録装置に記録することにより、試料
表面の凹凸像が得られる。
【0024】続いてバリアハイトの測定動作について説
明する。(1)式によれば、トンネル電流ITの距離微
分であるバリアハイトφの平方根は次式で与えられる。
【0025】
【数1】 ここに、<IT>はトンネル電流の平均値、ΔITはトンネ
ル電流の振幅、ΔZTIPはカンチレバーの自由端の振動
の振幅である。
【0026】試料26にはバイアス電源30からバイア
ス電圧VTが印加される。カンチレバー12は0電位に
あるので、探針14と試料26の間の電位差はVTとな
る。この電位差VTに応じて(1)式で示されるトンネ
ル電流ITが探針14と試料26の間に流れる。上述し
たようにカンチレバー12の自由端は角振動数ωcで約
0.1nm程度の振幅で振動しているので、検出される
トンネル電流ITもその平均値<IT>を中心として角振動
数ωcで振動する信号となる。このトンネル電流ITはロ
ックインアンプ22に入力される。ロックインアンプ2
2は、発振器18の出力信号を参照信号として、トンネ
ル電流の振幅ΔITを検出し出力する。また、変位検出
器24で検出されたカンチレバー12の変位ZTIPはロ
ックインアンプ20に入力される。ロックインアンプ2
0は、発振器18の出力信号を参照信号として、カンチ
レバー12の自由端の振幅ΔZTIPを検出し出力する。
これらのトンネル電流ITとその振幅ΔITとカンチレバ
ーの振幅ΔZTIPとが演算装置38に入力され、演算装
置38は(3)式の演算を行ない、バリアハイトの平方
根にあたる信号φ1/2を出力する。バイアハイトφはこ
の信号を二乗することにより得られる。φ1/2またはφ
の信号をxy走査信号と同期させて記録することによ
り、試料表面のバリアハイト像が得られる。
【0027】最後に試料表面と探針先端との間の接触電
位差の測定について説明する。試料探針間距離Sをサー
ボ回路36によって一定に保っている状態で、試料26
に印加しているバイアス電圧VTを図2(a)に示すよ
うに変化させると、検出されるトンネル電流ITは図2
(b)に示すようになる。ここで、トンネル電流が0に
なるときのバイアス電圧がちょうど、試料と探針先端の
接触電位差VI0=φTI P−φSに等しくなる。データサン
プリング回路32は、トンネル電流信号ITが0になる
タイミングでバイアス電圧をサンプリングして図2
(c)に示す信号、即ち各点における接触電位差に当た
る信号を出力する。この信号をXY走査信号と同期させ
て記録することにより、試料表面の接触電位差の分布が
得られる。
【0028】次に、本発明の第二実施例の走査型プロー
ブ顕微鏡について図3を参照しながら説明する。図にお
いて、上述の実施例と同じ部材は同一の符号で示し、そ
の説明は省略する。本実施例は、サーボ回路36への入
力信号に変位検出器24の出力信号でなく、ロックイン
アンプ20の出力信号を用いている点が第一実施例と異
なっている。従って、試料表面の凹凸像を得る動作が異
なるだけで、試料表面のバリアハイトの測定動作と、試
料表面と探針先端との間の接触電位差の測定動作は、上
述した第一実施例と全く同じである。このため、バリア
ハイトの測定動作と接触電位差の測定動作の説明は省略
し、試料表面の凹凸像を得る動作についてのみ以下に述
べる。
【0029】カンチレバー12の自由端は第一実施例と
同様に圧電アクチュエーター16により一定の角振動数
ωcで約0.1nm程度の振幅で振動する。変位検出器
24はカンチレバー12の自由端の変位ZTIPを検出し
出力する。この変位ZTIPはロックインアンプ20に入
力され、ロックインアンプ20はカンチレバー12の自
由端の振幅ΔZTIPを検出し出力する。カンチレバー1
2の振幅ΔZTIPは、探針試料間距離Sに依存して変化
する原子間力の強さに応じて変化する。サーボ回路36
は、この振幅ΔZTIPを一定に保つように、xyzアク
チュエーター28を用いて探針試料間距離を制御する。
この結果、探針(正確にはその振動の中心)は試料表面
の凹凸を反映した曲面上を移動する。従って、図示しな
いデータ記録装置を用いて、サーボ回路36からのサー
ボ信号ZFB(すなわち探針のz方向位置情報)をxy走
査信号(すなわち探針のxy方向の位置情報)に同期さ
せて記録することにより、試料表面の凹凸像が得られ
る。
【0030】なお、上述の実施例のおいて使用したロッ
クインアンプは信号に含まれる特定の角振動数の信号の
振幅を測定するために用いた。従って、同じ機能を果た
す物であれば他のものを用いてもよく、例えばバンドパ
スフィルタと検波器を使用してもよい。
【0031】続いて本発明の第三実施例について図4と
図5を参照しながら説明する。図において、第一実施例
と同じ部材は同一の符号で示し、その説明は省略する。
本実施例の基本的な構成は第一実施例と同じであり、バ
リアハイトの測定にロックインアンプを使用せずにアナ
ログ演算器40を用いている点が異なっている。従っ
て、試料表面の凹凸の測定動作と接触電位差の測定動作
は第一実施例と全く同じであるので、その説明は省略す
る。
【0032】アナログ演算器40は図5に示すように微
分演算器42を有し、この微分演算器42に変位検出器
24で検出されたカンチレバー12の変位ZTIPが入力
される。またアナログ演算器40は対数演算器44と微
分演算器46を有し、トンネル電流検出回路34で検出
されたトンネル電流ITがこれらの演算器44と46に
直列に入力される。さらにアナログ演算器40は、微分
演算器42の出力Xと微分演算器46の出力Yの割り算
すなわちY/Xを演算して出力する割算器48を有して
いる。従って、アナログ演算器40は全体として次式に
示す演算が行ない、その結果としてバリアハイトφの平
方根に比例した信号を出力する。
【0033】
【数2】 (4)式から分かるように、ロックインアンプを使用せ
ずにアナログ演算器を用いた場合でも、試料表面の凹凸
とバリアハイトと接触電位差を同時に測定することがで
きる。本実施例は、上述の実施例に比べて装置構成が簡
単になるという利点がある。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、試料の表面凹凸と局所
的な仕事関数を同時に測定できる走査型プローブ顕微鏡
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査型プローブ顕微鏡の第一実施例の
構成を示す。
【図2】接触電位差の測定を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図3】本発明の走査型プローブ顕微鏡の第二実施例の
構成を示す。
【図4】本発明の走査型プローブ顕微鏡の第三実施例の
構成を示す。
【図5】図4に示したアナログ演算回路40の構成を示
す。
【図6】探針試料間距離Sに対する原子間力の特性を示
すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の探針を自由端部に有し、この探
    針と試料の間に力が作用した際に変位するカンチレバー
    と、 試料表面に垂直な方向に探針を振動させる手段と、 カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、 試料表面に対するカンチレバーの振動の中心の位置を一
    定に保つサーボ手段と、試料と探針の間にバイアス電圧
    を印加する電圧印加手段と、 探針と試料の間に流れるトンネル電流を検出する電流検
    出手段と、 バイアス電圧を変化させた際にトンネル電流が流れなく
    なる電圧を記録する電圧記録手段とを備えている走査型
    プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 導電性の探針を自由端部に有し、この探
    針と試料の間に力が作用した際に変位するカンチレバー
    と、 試料表面に垂直な方向に探針を振動させる手段と、 カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、 カンチレバーの自由端の振動の振幅を一定に保つサーボ
    手段と、 試料と探針の間にバイアス電圧を印加する電圧印加手段
    と、 探針と試料の間に流れるトンネル電流を検出する電流検
    出手段と、 バイアス電圧を変化させた際にトンネル電流が流れなく
    なる電圧を記録する電圧記録手段とを備えている走査型
    プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 更に、カンチレバーの変位とトンネル電
    流とからバリアハイトを演算する演算手段を備えること
    を特徴とする請求項1又は2記載の走査型プローブ顕微
    鏡。
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