JP3052271B2 - X線ミラー作成法 - Google Patents

X線ミラー作成法

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JP3052271B2
JP3052271B2 JP4107427A JP10742792A JP3052271B2 JP 3052271 B2 JP3052271 B2 JP 3052271B2 JP 4107427 A JP4107427 A JP 4107427A JP 10742792 A JP10742792 A JP 10742792A JP 3052271 B2 JP3052271 B2 JP 3052271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロン装置で
発生するX線を含む放射光の反射、分光、集光等に使用
するX線ミラーの作成法に関する。
【0002】
【従来の技術】シンクロトロン放射光(以下、放射光と
呼ぶ)はシンクロトロン装置でほぼ光速まで加速された
電子を偏向電磁石で曲げたときに発生する硬X線から赤
外線まで幅広い波長域を含む指向性の高い光である。放
射光のX線や真空紫外線成分は他の光源と比較して光強
度が極めて高く、物質の構造解析や分析、光化学反応に
よる膜形成やエッチング、サブミクロンパタンを大量に
且つ高速に転写するX線露光などへの適用が検討されて
いる。
【0003】シンクロトロン装置から発生するX線は光
源点から水平方向にひろがった偏平なビームなので、こ
れを利用するには集光したり、平行光にしたりすること
が必要である。さらに像を結像したり波長域を分光した
りすることが行われる。これらを可能とする光学部品と
してX線ミラーが広く一般に使用されている。
【0004】図3は従来から使用されているX線ミラー
の構成を説明する概略図で、1はX線反射膜、2は付着
強化膜、3はミラー基板である。図1においてX線反射
膜1として、白金や金が、ミラー基板3として、石英ガ
ラス、SiC、あるいはアルミニウムや銅などまたはこ
れらに無電解ニッケルメッキしたものが用いられてい
る。付着強化膜2はX線反射膜1とミラー基板3との付
着性が不足する場合に用い、クロムなどが使用されてい
る。
【0005】なお、この種の技術が記載されている文献
として、例えば塚本、他;“軟X線反射ミラーの放射光
照射損傷”、1990,秋、第51回応用物理学会学術
講演会予稿集、第2分冊、501頁、28p‐Y‐5が
挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなX線ミラー
において、X線領域では反射膜の屈折率がほとんど1に
近く、可視光線の場合のような通常の入射角では反射率
はほとんど期待できない。このため反射膜の全反射特性
を利用し、斜入射角を1〜2度に設定してX線をミラー
に入射している。このため放射光を有効に取り込むには
大きなX線ミラーが必要になる。例えばX線ミラーを光
源点から3m付近に設置した場合、平面ミラーでは長さ
30〜40cm、曲面ミラーでは50〜70cm程度の大
きさが必要である。さらにX線の波長は可視光に比べて
極めて短いため、X線ミラーに高反射率で高い結像性能
をもたせるには、面粗さが極めて小さく面精度が優れて
いることが要求される。従ってX線ミラーの製作には求
められるその大きさや加工精度の点から高度な加工技術
を必要とし、製作に時間がかかり高価なものになった。
【0007】しかしこのようなX線ミラーを放射光利用
ビームラインなどで使用していると、強力な放射光の影
響を受け次第にその性能が劣化することが避けられな
い。例えば放射光の熱負荷により反射膜が剥離したり、
あるいは使用雰囲気中の残留ガスと放射光との反応によ
り反射膜表面にカーボンなどの汚染物質が付着したりし
て、反射率や結像性能の低下をひきおこす。このためX
線ミラーを使用する放射光利用装置では、その性能を一
定に維持させるためX線ミラーを定期的に交換する必要
があり、そのつど高価なX線ミラーを製作することが余
儀なくされてきた。
【0008】本発明の目的は、これらの問題点を解決
し、性能の低下したX線反射膜をX線ミラー基板から除
去し、新たにX線反射膜を形成し直す方法とすること
で、X線ミラーを安価にしかも短期に再生することので
きるX線ミラー作成法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、シンクロトロン装置で発生する
X線を含む放射光の反射、分光、集光等に使用し、基板
表面に形成する反射膜が重金属からなるX線ミラーの作
成法において、(イ)所定の形状に加工され、かつ、所
定の平滑度に平坦化された基板面に前記反射膜が形成さ
れたX線ミラーをシンクロトロン放射光に曝して使用し
たことで反射膜の性能が低下した際に、この反射膜を化
学薬品によるウェットエッチングにより、基板面の平滑
度を維持したまま、除去する工程と、(ロ)引き続き乾
燥処理し、基板面上に重金属からなる反射膜を、粒子エ
ネルギーが300eV以下の膜形成法により、基板面の
平滑度を維持したまま、形成する工程と、を含むX線ミ
ラー作成法とする。
【0010】
【作用】本発明は放射光を利用する装置に用いられてい
るX線ミラーにおいて、反射膜を一度除去し再び形成す
ることを特徴とし、X線ミラーの性能の維持を安価で短
期間に行えるようにしたもので、従来の性能が低下した
場合新たに作成するX線ミラーとは交換に要する費用や
期間の点で大きく異なる。
【0011】X線ミラーは、原子1個、2個オーダの平
滑度に平坦化された基板面に白金などの薄膜を形成して
反射ミラーとしている。シンクロトロン放射光に曝して
使用しているうちにこの反射膜が汚れて反射率が低下す
る。そこで、X線ミラーの再生のためには、反射膜を除
去することになるが、基板面の平滑性が原子1個、2個
オーダであることを要求されることから、この平滑性を
維持したまま反射膜だけを除去できるとは、従来、考え
られていなかった。
【0012】本発明では、化学薬品によるウェットエッ
チングを採用することで、基体面はまったくエッチング
せずにその平滑性を維持したまま、重金属からなる反射
膜だけを除去する。基体面の乾燥処理後、引き続いて行
う反射膜形成には粒子エネルギーが300eV以下の膜
形成法を採用する。この場合、粒子エネルギーが数kV
程度のイオンビーム・アシスト等による膜形成法では、
高エネルギーの粒子により基板表面が影響されエッチン
グされたり、基体と膜との界面において基体物質と膜物
質がまざり合ってしまい、基体面の平滑性を維持させる
ことは不可能である。これに対して、真空蒸着法など
の、粒子エネルギーが300eV以下の膜形成法によれ
ば、低エネルギーの粒子により基板面を活性化し、基体
面の平滑性を維持させたままでの良質の膜形成が可能と
なる。また、このような低エネルギー粒子により静かに
形成された反射膜は、ミラー再生時に、前記のウェット
エッチングによる反射膜だけの除去が、基体面の平滑性
を良好に維持したまま可能となり、したがって、反射膜
の除去と形成を何度も繰り返し行ってX線ミラーを再生
して使用する場合にも、良好なX線反射特性を保持させ
ることができる。
【0013】
【実施例】図1に本発明によるX線ミラー作成法の一実
施例を示す。4は石英ガラスよりなるミラー基板、5は
古い付着強化膜、6は古いX線反射膜、7は新しい付着
強化膜、8は新しいX線反射膜である。石英ガラスを精
密切削あるいは研削などにより形状加工し、最終的に研
磨してX線ミラー基板4とする。この段階でX線ミラー
として必要な面精度と面粗さが確保されている。次にX
線ミラー基板の反射面にX線反射膜6を形成してX線ミ
ラーとする。通常、付着性を向上させるためクロム膜を
付着強化膜5として基板に膜厚100Å程度形成する。
クロム膜の上にX線反射膜として白金膜を100〜30
0Å程度形成する。付着強化膜5及びX線反射膜6の形
成は真空蒸着法による。X線反射膜を形成した後の面精
度はX線反射膜などの膜厚が極めて薄いので形成前とほ
とんど変わらず、また面粗さはX線反射膜を条件よく形
成すれば形成前より向上させることができる。
【0014】放射光利用装置においてX線ミラーとして
使用を続けていると、放射光の熱負荷により反射膜が剥
離したり、あるいは使用雰囲気中の残留ガスと放射光と
の反応により反射膜表面にカーボンなどの汚染物質が付
着したりして、反射率や結像性能の低下が生じる場合が
ある。
【0015】性能が低下したX線ミラーはミラー反射面
からX線反射膜6と付着強化膜5を除去する。除去する
には王水などを利用したウェットエッチングによる。除
去後の面精度や面粗さは除去前とほとんど変わらない。
図2に白金反射膜の除去前後の石英ガラス基板のX線反
射特性を示す。9は白金形成前の基板のX線反射特性、
10は形成された白金を除去した後の基板のX線反射特
性である。一般にX線反射特性は反射面の面粗さや面精
度に敏感に影響を受け、この特性から反射面の状態を評
価、判断することが出来る。図2から白金形成前のX線
反射率特性9と白金除去後のX線反射特性10は通常使
用する斜入射角範囲1〜2度でほとんど変化が見られな
い。これからX線反射膜の白金を除去しても基板反射面
の面粗さや面精度はほとんどを影響を受けないことが分
かる。古い付着強化膜とX線反射膜を除去した面に新た
に付着強化膜7とX線反射膜8を再び形成しX線ミラー
として再び使用する。ここで除去後に形成する付着強化
膜やX線反射膜は古い膜と同じ材質である必要はなく別
の材質でもよい。
【0016】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲においてミラー基板やX
線反射膜の材質あるいは付着強化膜の有無、反射膜等の
除去に使用する化学薬品など種々変更可能であることは
勿論である。さらに上記実施例ではX線反射膜などの除
去を一度しか行っていないが、反射膜の形成と除去を何
度も繰り返し行うX線ミラーの再生に適用可能である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のX線ミラ
ーでは強力な放射光により劣化した場合、反射膜を一度
除去し再び反射膜を形成して再生するので、新たに作り
直す場合に比べて、X線ミラーを使用する放射光利用装
置の性能を維持することが安価にしかも短期に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線ミラー作成法の説明図。
【図2】本発明による反射膜形成前と、形成された反射
膜を除去した後の基板のX線反射特性を示す図。
【図3】従来使用されているX線ミラーの構成図。
【符号の説明】
1…X線反射膜 2…付着強化膜 3…ミラー基板 4…石英ガラスよりなるミラー基板 5…古い付着強化膜 6…古いX線反射膜 7…新しい付着強化膜 8…新しいX線反射膜 9…反射膜形成前の基板のX線反射特性 10…反射膜除去後の基板のX線反射特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−359197(JP,A) 特開 昭63−113504(JP,A) 特開 昭64−73087(JP,A) 特開 平2−5525(JP,A) 特開 平2−271625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 1/06 G02B 5/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シンクロトロン装置で発生するX線を含む
    放射光の反射、分光、集光等に使用し、基板表面に形成
    する反射膜が重金属からなるX線ミラーの作成法におい
    て、(イ)所定の形状に加工され、かつ、所定の平滑度
    に平坦化された基板面に前記反射膜が形成されたX線ミ
    ラーをシンクロトロン放射光に曝して使用したことで反
    射膜の性能が低下した際に、この反射膜を化学薬品によ
    るウェットエッチングにより、基板面の平滑度を維持し
    たまま、除去する工程と、(ロ)引き続き乾燥処理し、
    基板面上に重金属からなる反射膜を、粒子エネルギーが
    300eV以下の膜形成法により、基板面の平滑度を維
    持したまま、形成する工程と、 を含むことを特徴とするX線ミラー作成法。
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