JP3051006U - 包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質プラスチックシートで被包装物を入れる
凹部を形成したブリスターとそのブリスターの凹部を閉
鎖する台紙との組み合わせで構成されるブリスターパッ
クや、硬質プラスチックシートで平面状に折り畳み可能
な箱形構造に成形された折り畳み箱よりも、成形加工工
程が少なく、包装作業も簡易迅速に行える包装容器を提
供する。 【解決手段】 硬質プラスチックシートで方形に開口す
る凹部（２）を形成したブリスター（１）に、凹部
（２）の周辺部を裁断する型抜き加工によりその凹部
（２）の開口端を閉鎖する蓋部となる内フラップ（３，
３）と外フラップ（４）を形成して、台紙等を用いず、
ブリスター（１）それ単体で被包装物を簡易迅速に包装
できるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、硬質プラスチックシートで成形される包装容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の包装容器としては、図３に示すブリスターパック３０のように、硬質 プラスチックシートで成形されたブリスター３１と、紙シートで成形された台紙 ３２との組み合わせで構成されるものや、図４に示す折り畳み箱４０のように、 全体が硬質プラスチックシートで平面状に折り畳み可能な箱形構造に一体成形さ れるものがある。

【０００３】ブリスターパック３０は、硬質塩化ビニル樹脂やスチレン樹脂など で成る硬質プラスチックシートを真空成形又は圧空成形して被包装物を入れる凹 部３３が形成されたブリスター３１をカード状板紙などで成る台紙３２に取り付 け、その台紙３２でブリスター３１の凹部３３を閉鎖するようになっている。

【０００４】折り畳み箱４０は、硬質プラスチックシートをダイカットマシンな どで箱形の展開形状に型抜きした一枚のブランクで作られており、当該ブランク を箱の筒状本体４１を形成するように折り込んで、その筒状本体４１の接着代と なる折込片４２を熱接着して完成する。そして、これを輸送したり、保管する際 は、筒状本体４１を倒して折り畳み箱４０全体を平面状に折り畳んだ状態にし、 使用に際して、筒状本体４１を図４の如く立体状に起こすと共に、筒状本体４１ の一方の開口端に形成した底蓋４３となる左右一対の内フラップ４４，４４とそ の上から折り重ねる外フラップ４５を内側に折り曲げて底蓋４３を閉鎖し、その 状態で、筒状本体４１の他方の開口端から被包装物を挿入した後、その開口端に 形成した上蓋４６となる左右一対の内フラップ４７，４７とその上から折り重ね る外フラップ４８を内側に折り曲げて上蓋４６を閉鎖するようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、ブリスターパック３０は、素材の異なるブリスター３１と台紙３２ を夫々個別に成形しなければならない面倒があり、また、ブリスター３１を台紙 ３２に取り付ける際は、ブリスター３１を台紙３２の表面に熱接着するか、ある いはブリスター３１の周辺部に台紙３２をスライドさせながら差し込む左右一対 の折曲片を形成して、その折曲片に差し込んだ台紙３２にブリスター３１をホッ チキスで止めるようにしており、その取付作業も面倒で、包装コストが嵩むとい う問題があった。

【０００６】一方、折り畳み箱４０は、その成形に際して、硬質プラスチックシ ートを箱形の展開形状に裁断する型抜き加工と、その型抜き加工により作られた ブランクの一部を折り曲げて筒状本体４１を形成する折込加工と、筒状本体４１ の折込片４２を熱接着する接着加工との計三工程の加工が必要であるから、その 加工コストが嵩むという問題がある。また、折り畳み箱４０を使用する際は、事 前に筒状本体４１を立体状に折起こすと共に、底蓋４３となる内フラップ４４， ４４と外フラップ４５を折り曲げてその底蓋４３を閉鎖状態に組み立てておかな ければならないという面倒があった。

【０００７】そこで本考案は、ブリスターパックや折り畳み箱よりも成形加工の 工程が少なく、包装作業も簡易迅速に行える包装容器を提供することを技術的課 題としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案は、ブリスターパックと折り畳み箱の双 方の構成要素を折衷させた新規な構成の包装容器を提供するもので、当該包装容 器は、硬質プラスチックシートを真空成形又は圧空成形して方形に開口する凹部 が形成されたブリスターに、前記凹部の周辺部を裁断する型抜き加工により前記 凹部の開口端を閉鎖する蓋部が形成され、当該蓋部が、内側に折り曲げる左右一 対の内フラップと、その上から折り重ねる外フラップとで成り、当該外フラップ に、その先端部を折り曲げて前記凹部に差し込む差込片が形成されていることを 特徴としている。

【０００９】つまり、本考案の包装容器は、ブリスターとそれを取り付ける台紙 との組み合わせで構成されるブリスターパックとは異なり、ブリスター単体で構 成される点に特徴がある。また、ブリスターには、被包装物を入れる凹部のほか に、その凹部の開口端を閉鎖する蓋部が形成されており、当該蓋部が形成された 点で、ブリスターパックに用いられている従来のブリスターとは構成が明確に相 違する。そして、ブリスターに、凹部のみならずその凹部を閉鎖する蓋部が形成 されることにより、その凹部を台紙で閉鎖する必要がないので、ブリスターを台 紙に取り付ける面倒もない。

【００１０】また、本考案の包装容器は、折り畳み箱とは異なり、成形の際に面 倒な折込加工や接着加工を行う必要がなく、また、使用に際して事前に底蓋を閉 鎖状態に組み立てるなどの面倒もない。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態を図面によって具体的に説明する。 図１は本考案による包装容器の半製品状態から完成品に至るまでの過程を示す 斜視図、図２は本考案による包装容器の使用状態を示す斜視図である。

【００１２】本考案は、まず、硬質プラスチックシートを真空成形機又は圧空成 形機にかけて、図１に実線で示すように、方形に開口する凹部２が形成されたブ リスター１を成形する。次に、そのブリスター１を打ち抜き機にかけて、凹部２ の周辺部を図１鎖線図示の如く裁断する型抜き加工を施し、それにより凹部２の 開口端を閉鎖する蓋部となる左右一対の内フラップ３，３と、外フラップ４を形 成して、包装容器が完成する。

【００１３】なお、型抜き加工の際に、外フラップ４には、その先端部を一定幅 だけ直角に折り曲げて凹部２に差し込む差込片５が形成されると共に、当該差込 片５の折り曲げ箇所６を左右両側から一定長さずつ切り込んだ切込部７，７が設 けられ、また、内フラップ３，３には、外フラップ４の差込片５を凹部２に差し 込んだ際にその外フラップ４の切込部７に夫々食込む顎部８が形成される。

【００１４】この包装容器の使用に際しては、図２に示すように、ブリスター１ の凹部２に被包装物Ａ，Ａ及びＢを入れた後、内フラップ３，３を夫々内側に折 り曲げ、その上から外フラップ４を折り重ねて、当該外フラップ４の先端部に形 成された差込片５を凹部２に差し込むだけでよく、しかも、外フラップ４の差込 片５を凹部２に差し込んだときに、その外フラップ４に設けられた左右の切込部 ７，７に、内フラップ３，３に形成された各顎部８が食い込んで、外フラップ４ の差込片５が凹部２から抜け出ないように自動的にロックされるため、包装作業 の簡易迅速化が図れる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の包装容器は、被包装物を入れる凹部が形成されたブリスターに、その 凹部の開口端を閉鎖する蓋部も形成されているので、ブリスターパックとの比較 では、ブリスターの凹部を閉鎖する台紙が不要となり、その分だけ成形コストが 割安になると同時に、ブリスターを台紙に取り付ける面倒もないため、包装作業 が簡易迅速化されて、包装コストも低減されるという大変優れた効果がある。

【００１６】また、折り畳み箱との比較でも、成形の際に面倒な折込加工や接着 加工を行う必要がなく、また、使用に際して事前に底蓋を閉鎖状態に組み立てる 必要もないので、包装コストを大幅に低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による包装容器の半製品状態から完成品
に至るまでの過程を示す斜視図

【図２】本考案による包装容器の使用状態を示す斜視図

【図３】従来の包装容器としてブリスターパックの例を
示す斜視図

【図４】従来の包装容器として折り畳み箱の例を示す斜
視図

【符号の説明】

１・・・・・ブリスター ２・・・・・凹部 ３・・・・・内フラップ ４・・・・・外フラップ ５・・・・・差込片 ６・・・・・差込片の折り曲げ箇所 ７・・・・・切込部 ８・・・・・顎部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】硬質プラスチックシートを真空成形又は圧
   空成形して方形に開口する凹部（２）が形成されたブリ
   スター（１）に、前記凹部（２）の周辺部を裁断する型
   抜き加工により前記凹部（２）の開口端を閉鎖する蓋部
   が形成され、当該蓋部が、内側に折り曲げる左右一対の
   内フラップ（３，３）と、その上から折り重ねる外フラ
   ップ（４）とで成り、当該外フラップ（４）に、その先
   端部を折り曲げて前記凹部（２）に差し込む差込片
   （５）が形成されていることを特徴とする包装容器。
2. 【請求項２】前記外フラップ（４）に、前記差込片
   （５）の折り曲げ箇所（６）を左右両側から切り込んだ
   切込部（７，７）が形成され、前記内フラップ（３，
   ３）に、前記差込片（５）を前記凹部（２）に差し込ん
   だ際に前記切込部（７，７）に食込む顎部（８）が形成
   されている請求項１記載の包装容器。