JP3050487B2 - 農園芸用の殺菌剤組成物 - Google Patents
農園芸用の殺菌剤組成物Info
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Description
する新規な農園芸用の殺菌剤組成物に関するものであ
る。
菌剤は、特開平3−68573号公報に記載されてお
り、殺菌活性を有する化合物として知られている。他
方、マンネブ,マンゼブ,ジラム,チウラム(以下、
「本発明で使用できるチオカーバメイト系殺菌剤」とも
称する。)も、殺菌活性を有するチオカーバメイト系の
化合物として知られているものである。しかし、本発明
のようなオキサゾリジン系殺菌剤と「本発明で使用でき
るチオカーバメイト系殺菌剤」(マンネブ,マンゼブ,
ジラム,チウラム)の殺菌活性が、両者の共力作用によ
って、それぞれ単独で使用した場合よりも顕著に高まる
ことは知られていなかった。
ジン系殺菌剤とその殺菌効果を顕著に高めることができ
る「本発明で使用できるチオカーバメイト系殺菌剤」と
から、新規な農園芸用の殺菌剤組成物を提供することで
ある。
リジン系殺菌剤の殺菌活性が、「本発明で使用できるチ
オカーバメイト系殺菌剤」との共力作用によって顕著に
高まることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、次式(1):
ネブ,マンゼブ,ジラム,チウラムから選ばれたジチオ
カーバメイト系殺菌剤とを有効成分とする農園芸用の殺
菌剤組成物に関するものである。
発明における式(1)で示されるオキサゾリジン系殺菌
剤〔化合物(1)〕〔2,4,4−トリメチル−2−
(p−クロロフェニルプロピル)−3−イミダゾール−
1−イルカルボニルオキサゾリジン〕は、例えば、前記
の特開平3−68573号公報に記載の方法で合成する
ことができる。本発明で使用する化合物(1)として
は、その塩も含まれる。化合物(1)の塩は、化合物
(1)と酸とを溶媒中で攪拌することによって晶出・分
離して得ることができる。
酸,プロピオン酸,蓚酸,酒石酸,マレイン酸,クエン
酸,アジピン酸,ベンゼンスルホン酸,ドデシルベンゼ
ンスルホン酸などの有機酸;塩酸,硫酸,硝酸,リン
酸,過塩素酸などの無機酸などを挙げることができる。
次の表1に、「本発明で使用できるチオカーバメイト系
殺菌剤」のマンネブ,マンゼブ,ジラム,チウラムの化
学式を示す。
カーバメイト系殺菌剤」(マンネブ,マンゼブ,ジラ
ム,チウラム)との混合比率は、1重量部の化合物
(1)に対して「本発明で使用できるチオカーバメイト
系殺菌剤」が2〜50重量部であり、好ましくは5〜3
2重量部である。本発明の農園芸用の殺菌剤組成物に
は、化合物(1)と「本発明で使用できるチオカーバメ
イト系殺菌剤」の1種以上が含有されていてもよい。本
殺菌剤組成物は、化合物(1)又は「本発明で使用でき
るチオカーバメイト系殺菌剤」で防除効果が認められる
農園芸病害(例えば、ナシ赤星病,ナシ黒斑病,リンゴ
斑点落葉病,ビート褐斑病,キュウリ灰色かび病,ムギ
眼紋病,大麦うどんこ病,コムギ赤さび病,イネいもち
病,イネばか苗病,馬鈴薯疫病,リンゴ黒星病,カキ炭
そ病,花卉類の灰色かび病,炭そ病,さび病,べと病,
黒星病,黒斑病,褐色斑点病,枯葉病,柑橘の黒点病,
小黒点病,タバコ疫病)で優れた効果を示すが;特に、
ナシ赤星病,ナシ黒斑病,リンゴ斑点落葉病,ビート褐
斑病,キュウリ灰色かび病で顕著な防除効果を示すもの
である。
明で使用できるチオカーバメイト系殺菌剤」だけで使用
することもできるが、通常は常法によって、担体,界面
活性剤,分散剤,補助剤などを配合(例えば、粉剤,微
粒剤,粒剤,水和剤,油性の懸濁液などの組成物として
調製する)して使用することが好ましい。
イト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボ
ン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素な
どの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香
族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩
素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エー
テル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケト
ン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンな
ど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールア
セテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類
(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコール
など)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルス
ルホキシドなど)、水などの液体担体などを挙げること
ができる。
上,薬剤の分散,乳化,展着などの性能を向上させるた
めに使用できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、
アルキル硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグ
ニンスルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエー
テルなどを挙げることができる。そして、その製剤の性
状を改善するためには、例えば、カルボキシメチルセル
ロース,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを
補助剤として用いることができる。
界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じ
て、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することが
できる。本殺菌剤組成物における化合物(1)と「本発
明で使用できるチオカーバメイト系殺菌剤」との有効成
分濃度は、粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤で
は通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量
%,油剤では通常0.5〜5重量%である。これらの製
剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて、
植物茎葉,土壌,水田の水面に散布するか、又は直接施
用することによって各種の用途に供することができる。
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。 参考例1〔化合物(1)の合成〕 2−メチル−2−(p−クロロフェニルプロピル)−3
−クロロカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−オキ
サゾリジン(2.6g、0.01mol)、イミダゾー
ル(1.0g、0.015mol)及び炭酸カリウム
(2.1g、0.015mol)を、ジメチルホルムア
ミド(30ml)とともに50〜60℃で1時間攪拌し
た。反応終了後、水を加えた後にトルエンで抽出し、ト
ルエン層を水洗,乾燥,濃縮し、シリカゲルカラム(ワ
コーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=2:1
溶出)で精製することによって、淡黄色粘状の目的物を
2.2g得た。
l)をエタノール(3.6ml)に溶解し、これを35
〜40℃で攪拌しながら、フマール酸の粉末(東京化成
工業製、製品番号F−0067)(0.58g)を添加
した。これを30分間攪拌した後に室温に冷却し、n−
ヘキサン(10ml)を加えて10分間攪拌した。析出
した固体を吸引濾過した後に真空乾燥機を用いて50℃
で1時間乾燥し、次式(1-1) :
g得た。 (2) 酢酸塩〔化合物(1-2) 〕の合成 参考例1で得た化合物(1)(3.6g、0.01mo
l)をトルエン(5ml)に溶解し、これに酢酸(0.
7g、0.012mol)を加えた後、室温で1時間攪
拌した。これをエバポレーターを用いて蒸発乾個し、残
った化合物(1)をエタノール(3.6ml)に溶解
し、n−ヘキサン(10ml)を加えて室温で30分間
攪拌した。分離したエタノール・ヘキサン層を除去した
後、残った化合物(1)をエバポレーターを用いて処理
し、粘状の酢酸塩を3.7g得た。
l)をエタノール(3.6ml)に溶解し、これに10
%塩酸水(10ml)を加えた後、室温で1時間攪拌し
た。これをエバポレーターを用いてエタノール,水,過
剰の塩酸を除去するために蒸発乾個し、残った化合物
(1)をエタノール(3.6ml)に溶解し、n−ヘキ
サン(10ml)を加えて室温で30分間攪拌した。分
離したエタノール・ヘキサン層を除去した後、残った化
合物(1)をエバポレーターを用いて処理し、粘状の塩
酸塩を3.9g得た。
l)を80%エタノール水溶液(5ml)に溶解し、こ
れにグルコン酸粉末(2.0g、0.01mol)を加
えた後、40〜50℃で1時間攪拌した。これをエバポ
レーターを用いて蒸発乾個し、残った化合物(1)をエ
タノール(3.6ml)に溶解し、n−ヘキサン(10
ml)を加えて室温で30分間攪拌した。分離したエタ
ノール・ヘキサン層を除去した後、残った化合物(1)
をエバポレーターを用いて処理し、粘状のグルコン酸塩
を4.1g得た。
物(1-5) 〕の合成 参考例1で得た化合物(1)(3.6g、0.01mo
l)をエタノール(3.6ml)に溶解し、これにドデ
シルベンゼンスルホン酸(3.2g、0.01mol)
を加えた後、室温で1時間攪拌した。これをエバポレー
ターを用いて蒸発乾個し、残った化合物(1)をエタノ
ール(3.6ml)に溶解し、n−ヘキサン(10m
l)を加えて室温で30分間攪拌した。分離したエタノ
ール・ヘキサン層を除去した後、残った化合物(1)を
エバポレーターを用いて処理し、粘状のドデシルベンゼ
ンスルホン酸塩を4.5g得た。次の表2に、化合物
(1),化合物(1-1) 〜化合物(1-5) の物性値を示す。
ネブ(50重量部)、カオリン(40重量部)、デモー
ルSNB(花王株式会社製)(3重量部)及びエマール
10パウダー(花王株式会社製)(2重量部)を均一に
混合し、次いで粉砕して微粉末の水和剤を得た。
水和剤の調製 参考例2の(1) で得た化合物(1-1) (3重量部)、マン
ゼブ(60重量部)、カオリン(32重量部)、パール
レックスNP(日本製紙株式会社製)(3重量部)及び
ハイマール2024(松本油脂株式会社製)(2重量
部)を均一に混合し、次いで粉砕して微粉末の水和剤を
得た。
含有する水和剤の調製 参考例1で得た化合物(1)(5重量部)、ジラム(4
0重量部)、チウラム(20重量部)、カオリン(30
重量部)、ニューカルゲンSX−C(竹本油脂株式会社
製)(2重量部)及びパールレックス−DP(日本製紙
株式会社製)(3重量部)を均一に混合し、次いで粉砕
して微粉末の水和剤を得た。
水和剤の調製 参考例2の(1) で得た化合物(1-1) (5重量部)、マン
ゼブ(50重量部)、カオリン(37重量部)、パール
レックスNP(日本製紙株式会社製)(3重量部)及び
ハイマール2026(松本油脂株式会社製)(5重量
部)を均一に混合し、次いで粉砕して微粉末の水和剤を
得た。これに水(20重量部)を加えて十分に混練し、
目が0.35mmのスクリーンを用いて押し出し造粒
し、60℃で乾燥した後に粉砕し、篩で0.05〜0.
5mmの粒径の粒状の水和剤を得た。
(品種:20世紀)に、実施例1に準じて表3に示した
ような本殺菌剤の有効組成物とその所定濃度で調製した
薬液を、1ポット当たり50ml、それから7日後に5
0ml、それから更に7日後に100mlを散布した。
発病方法は自然発病とし、最後の薬液散布から7日後
に、全葉の病斑程度を調査した。
と比較して、6段階(0:全体が罹病、1:病斑面積が
60%程度、2:病斑面積が40%程度、3:病斑面積
が20%程度、4:病斑面積が10%以下、5:病斑無
し)で示した。薬害の程度の評価は、6段階(0:無
し、1:若干、2:少い、3:多い、4:甚大、5:激
甚)で示した。その結果を表3に示す。
験 直径50cmのポットを用いて土耕栽培したリンゴ苗木
(品種:国光)の新葉展開時に、実施例1に準じて表4
に示したような本殺菌剤の有効組成物とその所定濃度で
調製した薬液を、1ポット当たり100ml散布した。
その24時間後にリンゴ斑点落葉病菌の胞子懸濁液を噴
霧し、それから7日後に全葉の病斑程度を調査した。
果及び薬害の6段階の評価方法で、表4に示す。
(品種:20世紀)の新葉展開時に、実施例1に準じて
表5に示したような本殺菌剤の有効組成物とその所定濃
度で調製した薬液を、1ポット当たり100ml散布し
た。その24時間後にナシ黒斑病菌の胞子懸濁液を噴霧
し、それから7日後に全葉の病斑程度を調査した。
果及び薬害の6段階の評価方法で、表5に示す。
ト(品種:ハイラーベ)の4葉期に、実施例1に準じて
表6に示したような本殺菌剤の有効組成物とその所定濃
度で調製した薬液を、1ポット当たり10ml散布し
た。その24時間後にビート褐斑病菌の胞子懸濁液を噴
霧し、それから温暗室(湿度100%、温度25℃)に
2日間放置し、その後ガラス温室に移し、2週間放置し
て病斑程度を調査した。
果及び薬害の6段階の評価方法で、表6に示す。
試験 直径5cmのポットを用いて、温室で土耕栽培したキュ
ウリ(品種:相模半白)の子葉展開時に、実施例1に準
じて表7に示したような本殺菌剤の有効組成物とその所
定濃度で調製した薬液を、1ポット当たり5ml散布し
た。その1日後にキュウリ灰色かび病菌の胞子懸濁液を
噴霧し、発病庫内に20℃で保持した。接種3日後に発
病庫内から取り出して、キュウリ子葉の病斑程度を調査
した。
果及び薬害の6段階の評価方法で、表7に示す。
は、各殺菌剤組成物の共力作用によって、それぞれ単独
で使用する場合よりも非常に高い殺菌活性を有するもの
である。従って、本発明によって、これらの殺菌剤の使
用量を大幅に削減することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】次式(1): 【化1】 で示されるオキサゾリジン系殺菌剤とマンネブ,マンゼ
ブ,ジラム,チウラムから選ばれたジチオカーバメイト
系殺菌剤とを有効成分とする農園芸用の殺菌剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115162A JP3050487B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 農園芸用の殺菌剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115162A JP3050487B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 農園芸用の殺菌剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316151A JPH07316151A (ja) | 1995-12-05 |
JP3050487B2 true JP3050487B2 (ja) | 2000-06-12 |
Family
ID=14655875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6115162A Expired - Lifetime JP3050487B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 農園芸用の殺菌剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3050487B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4687193B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2011-05-25 | 宇部興産株式会社 | オキスポコナゾール銅塩及び木材保存剤 |
-
1994
- 1994-05-27 JP JP6115162A patent/JP3050487B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07316151A (ja) | 1995-12-05 |
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