JP3050475B2 - セラミックグリーンシートの加工方法 - Google Patents

セラミックグリーンシートの加工方法

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JP3050475B2
JP3050475B2 JP5332082A JP33208293A JP3050475B2 JP 3050475 B2 JP3050475 B2 JP 3050475B2 JP 5332082 A JP5332082 A JP 5332082A JP 33208293 A JP33208293 A JP 33208293A JP 3050475 B2 JP3050475 B2 JP 3050475B2
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green sheet
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睦士 中澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層チップインダクタ
等の積層型電子部品の製造に用いられるセラミックグリ
ーンシートにスルーホールや溝等を形成する加工方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】コイル導体を内蔵する積層チップインダ
クタ,積層トランス,LC複合部品等の積層型電子部品
は、その製造において、セラミックグリーンシート上の
コイル用導体パターンを相互に接続するためのスルーホ
ールを該シートに形成する工程を必要とする。
【0003】従来、上記の工程は、パンチを有する昇降
自在な上型と該パンチに対応するダイ穴を有する下型と
の間にセラミックグリーンシートを介装し、該シート或
いは上型及び下型を所定方向に移動,停止させ、該停止
状態で上型を降下させてセラミックグリーンシートに穴
開け加工を行うことで実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の加工方法で
は、上型の昇降に伴う機械的振動及び衝撃が加工対象と
なるセラミックグリーンに伝わり易く、しかも加工時に
上型及び下型が該シートに接触することから、これらを
原因として脆弱なセラミックグリーンシートに位置ずれ
や変形を生じ、スルーホールの形状精度及び位置精度に
悪影響を及ぼす問題点がある。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、脆弱なセラミックグリー
ンシートに高精度でスルーホール等を形成できる加工方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、レーザ光源と、所定の透光部を
有するマスクと、セラミックグリーンシートを支持する
テーブルとを配置し、レーザ光源からマスクに向けて透
光部よりも大径のレーザ光を照射して該透光部を通過し
た光をセラミックグリーンシートに所定形状で照射さ
せ、テーブルによってセラミックグリーンシートを所定
方向に移動させながら上記のレーザ光照射を繰り返すこ
とを特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、請求項1記載の加工方
法において、セラミックグリーンシートを所定方向に連
続的に移動させ、移動中の該シートにレーザ光を断続的
に照射することを特徴としている。
【0008】請求項3の発明は、レーザ光源と、所定の
透光部を有する有するマスクと、ガルバノミラーと、セ
ラミックグリーンシートを支持するテーブルとを配置
し、レーザ光源からマスクに向けて透光部よりも大径の
レーザ光を照射して該透光部を通過した光をガルバノミ
ラーで反射させてセラミックグリーンシートに所定形状
で照射させ、ガルバノミラーの反射角度を所定方向に変
化させながら上記のレーザ光照射を繰り返すことを特徴
としている。
【0009】請求項4の発明は、請求項3記載の加工方
法において、ガルバノミラーの反射角度を所定方向に連
続的に変化させ、該ミラーにレーザ光を断続的に入射す
ることを特徴としている。
【0010】請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れ
か1項記載の加工方法において、マスクの透光部を通過
した光をレンズで集光し、透光部形状よりも照射形状が
小さくなる結像比で該光をセラミックグリーンシートに
照射させたことを特徴としている。
【0011】請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れ
か1項記載の加工方法において、マスクに複数の透光部
を設け、レーザ光源から各透光部に対し同時にレーザ光
を照射して同数のスルーホールをセラミックグリーンシ
ートに一括で形成することを特徴としている。
【0012】請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れ
か1項記載の加工方法において、セラミックグリーンシ
ートのレーザ光照射部をレーザ光通過を許容する吸引カ
バーを覆い、レーザ光照射時に外部から吸引カバー内に
空気を供給して該空気を外部に吸引,排出することを特
徴としている。
【0013】
【作用】請求項1の発明では、レーザ光源からのレーザ
光をマスクに照射し該マスクの透光部を通過した光をセ
ラミックグリーンシートに所定形状で照射することが可
能で、テーブルによってセラミックグリーンシートを所
定方向に移動させながら上記のレーザ光照射を繰り返す
ことにより所定数のスルーホールや溝等をセラミックグ
リーンシートに形成することができる。加工がレーザ光
照射によって行われるので該加工時に従来のような機械
的振動及び衝撃がセラミックグリーンシートに加わるこ
とがなく、また接触を原因とした位置ずれや変形を該シ
ートに生じることがない。
【0014】請求項2の発明では、セラミックグリーン
シートを所定方向に連続的に移動させ、移動中の該シー
トにレーザ光を断続的に照射しているので、加工の度に
セラミックグリーンシートを停止させる必要がない。
【0015】請求項3の発明では、レーザ光源からのレ
ーザ光をマスクに照射し該マスクの透光部を通過した光
をガルバノミラーで反射させてセラミックグリーンシー
トに所定形状で照射することが可能で、ガルバノミラー
の反射角度を所定方向に変化させながら上記のレーザ光
照射を繰り返すことにより所定数のスルーホールや溝等
をセラミックグリーンシートに形成することができる。
請求項1の発明と同様に、加工がレーザ光照射によって
行われるので該加工時に従来のような機械的振動及び衝
撃がセラミックグリーンシートに加わることがなく、ま
た接触を原因とした位置ずれや変形を該シートに生じる
ことがない。
【0016】請求項4の発明では、ガルバノミラーの反
射角度を所定方向に連続的に変化させ、該ミラーにレー
ザ光を断続的に入射しているので、加工の度にガルバノ
ミラーを停止させる必要がない。
【0017】請求項5の発明では、マスクの透光部形状
よりも照射形状が小さくなる結像比でレーザ光をセラミ
ックグリーンシートに照射しているので、照射エネルギ
ーの密度を高めることができる。
【0018】請求項6の発明では、レーザ光源からマス
クの各透光部に対し同時にレーザ光を照射することによ
り、複数のスルーホール等をセラミックグリーンシート
に一括で形成することができ、加工時間の短縮が図れ
る。
【0019】請求項7の発明では、レーザ光照射時に外
部から吸引カバー内に空気を供給して該空気を外部に吸
引,排出することにより、加工時に生じるシート材料の
溶融残留物や浮遊物を空気と一緒に吸引カバー内から外
部に排出できる。
【0020】
【実施例】図1乃至図6は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は加工装置の概略構成図、図2はレーザ発振
形態を示す図、図3はレーザ光のマスク通過作用を示す
図、図4はレーザ光による穴開け作用を示す図、図5は
スルーホール形成経路を示す図、図6は加工制御のフロ
ーチャートである。
【0021】まず、図1乃至図4を参照して加工装置に
ついて説明する。図1において、1はレーザ光源、Rは
レーザ光、2はミラー、3はマスク、4は結像用レン
ズ、5はXYテーブル、GSはセラミックグリーンシー
ト(以下、実施例中は単にシートと言う)、6はレーザ
駆動回路、7はテーブル駆動回路、8は加工制御用プロ
グラムを内蔵したマイクロコンピュータ構成の制御回路
である。
【0022】レーザ光源1はパルス発振のYAGレーザ
から成り、駆動回路6からの駆動信号によって図2に示
すようなノーマルパルス発振をし該発振に伴って出力ピ
ーク値W1のレーザ光Rを出力する。レーザ光Rのパル
ス幅τ1はμsまたはmsのオーダーで対象となるシー
トGSの厚み及び材質等に応じて選択される。
【0023】マスク3はガラス質の板材から成り、図3
に示すように、スルーホールに対応する透光部3a、例
えば光通過を許容する透明或いは半透明部分や孔等を有
している。同図に1点鎖線で示すように上記レーザ光源
1からのレーザ光Rはマスク3の透光部3aよりも大径
であり、該透光部3aを通過した光のみがレンズ4に入
射する。透光部3aの形状は基本的には形成しようとす
るスルーホールと相似形であるが、該透光部3aの形状
はシートGSに対する実際の照射形状に基づいて決定し
てよい。
【0024】この加工装置では、図1中に1点鎖線で示
すように、レーザ光源1からのレーザ光Rをミラー2で
反射してマスク3に照射し、該マスク3の透光部3aを
通過した光をレンズ4で集光して所定の結像比でシート
GSに照射することが可能であり、該結像比(照射形状
の大きさ)をレンズ位置によって適宜調整することがで
きる。尚、同図に示したミラー2はレーザ光源1を下向
きに配置することで排除することも可能である。
【0025】図4に示すように、シートGSに照射され
るレーザ光Rの形状はエネルギー密度を高めるためにマ
スク3の透光部3a形状よりも小さくしてあり、該照射
によりシートGSの照射部分が溶融,気化して所期のス
ルーホールHが形成される。図4にはPET等のベース
フィルムBFで支持されたシートGSを示してあるが、
レーザ光Rの出力を適宜調整することにより下側のフィ
ルムBFに損傷を与えることなくシートGSのみに加工
を施すことができる。
【0026】XYテーブル5はシートGSを照射光の光
軸と直交する平面で支持し、駆動回路7からの駆動信号
によって該シートGSをXY方向に移動させることがで
きる。このXYテーブル5はX・Y夫々の方向に対応す
るモータ及び位置検出器を備えており、そのテーブル移
動位置を駆動回路7によって閉ループ制御される。
【0027】次に、図5及び図6を参照して加工手順に
ついて説明する。加工に際しては吸着ヘッド等を利用し
て別位置にある矩形状のシートGSを搬送し、XYテー
ブル5上に所定の向き(XYテーブル5のXY軸とシー
トGSの2辺が平行となる向き)で載置する。
【0028】シートGSを載置した後は、XYテーブル
5を適宜移動させて作業開始位置を決定する位置決めを
行う(図6のステップS1)。この位置決めはシートG
Sの辺或いは角をセンシングし、シートGSの所定部分
が照射光の光軸下に位置するようにXYテーブル5を移
動させることによって行われるが、該位置決めにθ方向
の補正が必要な場合には同方向の変位が可能なXYθテ
ーブルを利用すればよい。
【0029】位置決め後は、シートGSを図5の+X方
向に一定速度で移動させ(図6のステップS2)、同方
向の移動量が最初の穴開け位置に達したところで移動中
のシートGSに向かってノーマルパルスのレーザ光Rを
1ショットだけ照射して該シートGSにスルーホールH
を形成する(図6のステップS3,S4)。この後も所
定の移動量毎にレーザ光Rを1ショット宛断続的に照射
して、シートGSのX方向にN個(図5では5個)のス
ルーホールHを形成する(図6のステップS5,S
6)。
【0030】X方向にN個のスルーホールHが形成され
た後は、同位置からシートGSを図5の+Y方向に所定
距離移動させ(図6のステップS8)、今度は−X方向
に一定速度で移動させながら断続的にレーザ光Rを照射
して同方向にもN個のスルーホールHを形成し、上記手
順を繰り返して図5に2点鎖線で示す経路で所定数(図
5では20個)のスルーホールHをシートGSに形成す
る。勿論、シートGSの移動経路(=スルーホールHの
形成経路)は図示例の蛇行状のものに限らず他の経路で
あってもよい。
【0031】XYテーブル5上のシートGSに全てのス
ルーホールHを形成した後はテーブル移動を停止して一
連の加工を終了する(図6のステップS7,S9)。
【0032】上述の加工方法によれば、加工時に従来の
ような機械的振動及び衝撃がシートGSに加わることが
なく、また接触を原因とした位置ずれや変形を該シート
GSに生じることがないので、これらを原因とした精度
低下を未然に防止して所期のスルーホールHを極めて高
い形状精度及び位置精度で形成することができる。
【0033】また、透光部形状が異なるマスクや複数形
状の透光部を有するマスクを容易すれば、1台の装置で
各種形状のスルーホールを形成することができ汎用性が
極めて高い。
【0034】更に、レーザ光照射及びスルーホール形成
が瞬時に行われるため加工の度にシートGSを必ずしも
停止させる必要がなく、該シートGSを連続的に移動さ
せながら所定数のスルーホールHを順次形成することが
可能で、加工効率の向上と大幅な時間短縮を図ることが
できる。
【0035】仮にレーザ光Rのパルス幅τ1やシート移
動速度との関係でスルーホールHの形状がシート移動方
向に延びてしまうような場合でも、シート移動方向に沿
う透光部3aの寸法を補正、換言すればレーザ光の照射
形状を上記延び分だけシート移動方向に狭めれば同問題
は簡単に解消することができる。
【0036】更にまた、マスク3の透光部3a形状より
も照射形状が小さくなる結像比でレーザ光RをシートG
Sに照射しているので、照射エネルギーの密度を向上さ
せて加工を効率よく行うことができる。
【0037】更にまた、図2に示したパルス間隔τ2を
シートGSの移動時間に合わせて予め定めておけば、シ
ートGSを所定方向に一定速度で移動させながらレーザ
発振を行うだけで必要数のスルーホールHを形成するこ
とも可能であり、テーブル側における位置検出及び駆動
制御の負担を軽減して制御を容易化できる。
【0038】図7及び図8は本発明の第2実施例を示す
もので、図7は加工装置の概略構成図、図8は加工制御
のフローチャートである。
【0039】まず、図7を参照して加工装置について説
明する。同図において、11はレーザ光源、Rはレーザ
光、12はミラー、13はマスク、14は結像用レン
ズ、15はミラー、16はガルバノミラー、17は固定
テーブル、GSはシート、18はレーザ駆動回路、19
はミラー駆動回路、20は加工制御用プログラムを内蔵
したマイクロコンピュータ構成の制御回路である。本実
施例のレーザ光源11,マスク13,レーザ駆動回路1
8は上記の第1実施例と同様である。
【0040】この加工装置では、図7中に1点鎖線で示
すように、レーザ光源11からの光Rをミラー12で反
射してマスク13に照射し、該マスク13の透光部を通
過した光をレンズ14で集光してミラー15で反射し、
さらにガルバノミラー16で反射して所定の結像比でシ
ートGSに照射することが可能であり、該結像比(照射
形状の大きさ)をレンズ位置によって適宜調整すること
ができる。第1実施例と同様に、シートGSに照射され
るレーザ光Rの形状はエネルギー密度を高めるためにマ
スク13の透光部形状よりも小さくしてある。尚、同図
に示したミラー12,15はレーザ光源11の向き左向
きに配置することで排除することも可能であり、レンズ
14はガルバノミラー14とシートGSとの間に配置さ
れていてもよい。
【0041】ガルバノミラー16は2自由度を有し、駆
動回路19からの駆動信号によってその反射角度を変化
させシートGSに対するレーザ光照射位置を適宜変化さ
せることができる。このガルバノミラー16は直交する
2方向に対応するモータ及び位置検出器を備えており、
その反射角度を駆動回路19によって閉ループ制御され
る。
【0042】次に、図8及び第1実施例の図5を参照し
て加工手順について説明する。加工に際しては吸着ヘッ
ド等を利用して別位置にある矩形状のシートGSを搬送
し、固定テーブル17上に所定の向き(ガルバノミラー
16の変動方向に対応する向き)で載置する。
【0043】シートGSを載置した後は、ガルバノミラ
ー16を適宜動かして作業開始位置を決定する反射角度
の初期設定を行う(図8のステップS1)。この所期設
定は予め入力したデータに基づいてガルバノミラー16
を動かすことで行う他、微弱出力のレーザ光を発振しこ
れを垂直に照射してテーブル側でセンシングする等の方
法が採用できる。
【0044】初期設定後は、レーザ光照射位置が図5の
−X方向に変化するようにガルバノミラー16の反射角
度を一定速度で変位させ(図8のステップS2)、同方
向の変位量が最初の穴開け位置に達したところでシート
GSに向かってノーマルパルスのレーザ光Rを1ショッ
トだけ照射して該シートGSにスルーホールHを形成す
る(図8のステップS3,S4)。この後も所定の変位
量毎にレーザ光Rを1ショット宛断続的に照射して、シ
ートGSのX方向にN個のスルーホールHを形成する
(図8のステップS5,S6)。
【0045】X方向にN個のスルーホールHが形成され
た後は、同位置からレーザ光照射位置が図5の−Y方向
に所定距離変化するようにガルバノミラー16の反射角
度をY方向に変位させ(図8のステップS8)、今度は
レーザ光照射位置が図5の+X方向に変化するようにガ
ルバノミラー16の反射角度を一定速度で変位させなが
ら断続的にレーザ光Rを照射して同方向にN個のスルー
ホールHを形成し、上記手順を繰り返して図5に2点鎖
線で示す経路で所定数のスルーホールHを形成する。勿
論、ガルバノミラー16の変位方向(=スルーホールH
の形成経路)はレーザ光照射位置が蛇行状に変化するも
のに限らず他の経路であってもよい。
【0046】固定テーブル17上のシートGSに全ての
スルーホールHを形成した後は、ミラー変位を停止して
一連の加工を終了する(図8のステップS7,S9)。
【0047】上述の加工方法でも、第1実施例と同様
に、所期のスルーホールHを極めて高い形状精度及び位
置精度で形成することができる。
【0048】また、第1実施例と同様、透光部形状が異
なるマスクや複数形状の透光部を有するマスクを容易す
れば、1台の装置で各種形状のスルーホールを形成する
ことができ汎用性が極めて高い。
【0049】更に、レーザ光照射及びスルーホール形成
が瞬時に行われるため加工の度にガルバノミラー16を
必ずしも停止させる必要はなく、該ミラー16の反射角
度を連続的に変化させながら所定数のスルーホールHを
順次形成することが可能で、加工効率の向上と大幅な時
間短縮を図ることができる。
【0050】第1実施例と同様、仮にレーザ光Rのパル
ス幅τ1やシート移動速度との関係でスルーホールHの
形状がシート移動方向に延びてしまうような場合でも、
シート移動方向に沿う透光部の寸法を補正すれば同問題
は簡単に解消することができる。
【0051】更にまた、第1実施例と同様、マスク13
の透光部形状よりも照射形状が小さくなる結像比でレー
ザ光RをシートGSに照射しているので、照射エネルギ
ーの密度を向上させて加工を効率よく行うことができ
る。
【0052】更にまた、図2に示したパルス間隔τ2を
ガルバノミラー16の変位時間に合わせて予め定めてお
けば、ガルバノミラー16の反射角度を一定速度で所定
方向に変化させながらレーザ発振を行うだけで必要数の
スルーホールHを形成することも可能であり、ミラー側
における位置検出及び駆動制御の負担を軽減して制御を
容易化できる。
【0053】図9には本発明の第3実施例を示す加工装
置の概略構成図を示してある。同図において、21はレ
ーザ光源、Rはレーザ光、22はミラー、23はマス
ク、24は結像用レンズ、25はミラー、26はガルバ
ノミラー、27はXYテーブル、GSはシート、28は
レーザ駆動回路、29はミラー駆動回路、30はテーブ
ル駆動回路、31は加工制御用プログラムを内蔵したマ
イクロコンピュータ構成の制御回路である。この加工装
置は上記第1実施例と第2実施例の構成要素を組み合わ
せたもので、各実施例と同様の加工を選択的に実施でき
る。
【0054】尚、上記各実施例では、マスクに単一の透
光部を設けたものを示したが、複数の透光部を設け、複
数のレーザ光源から各透光部に対し同時にレーザ光を照
射するようにすれば、同数のスルーホールをセラミック
グリーンシートに一括で形成することが可能であり、ス
ルーホールを1個宛形成する場合に比べて加工時間を大
幅に短縮でき、多数の部品取りを必要とするシートへの
スルーホール形成や、長尺シートに複数枚分のスルーホ
ールを形成する場合に極めて有利である。
【0055】また、レーザ光照射による加工時には、加
工時に生じるシート材料の溶融残留物や浮遊物がシート
及びスルーホールに付着したり、浮遊物によってレーザ
光に散乱を生じたり、浮遊物によってクリーンルーム等
における雰囲気が汚損される等の問題がある。この様な
場合には、図10に示すように、レーザ光通過孔Ka1
を上面に有しエア吹込口Ka2を側面に有する内カバー
Kaと、レーザ光通過孔Kb1を上面に有しエア吸込口
Kb2を側面に有する外カバーKbとで構成された吸引
カバーKでシートGSのレーザ光照射部を覆い、レーザ
光照射時に内カバーKa内に空気を供給し該空気を外カ
バーKbを通じて外部に吸引,排出するようにするとよ
い。エア吹込口Ka2にチューブを介して給気用エアー
コンプレッサを接続しエア吸込口Kb2にチューブを介
して排気用エアーコンプレッサを接続して、エア吹込量
Qαとエア吸込量Qβとの関係をQα≦Qβの関係にす
れば、加工時に生じる上記の溶融残留物や浮遊物を空気
と一緒に作業室の外部に排出することができる。
【0056】更に、レーザ光源からマスクに向けてレー
ザ光を照射する際に、非通過光の一部が該マスクからレ
ーザ光源側に反射して温度上昇や光干渉等の問題を生じ
る虞れがある。この様な場合には、図11に示すよう
に、レーザ光源1(11,21)とマスク3(13,2
3)との間にレーザ光Rのみを通過させる遮光板41を
配置して反射光Raを遮断するとよい。
【0057】更にまた、レーザ光源からマスクに向けて
レーザ光を照射する際に、該マスクにレーザ光が吸収さ
れてその温度が上昇し歪みや孔変形を生じる虞れがあ
る。この様な場合には、図11に示すように、マスク3
(13,23)の照射側に金属板或いは金属膜等から成
る反射層HSを形成して非通過光を積極的に反射させる
ようにするとよく、この場合には上記の遮光板41を併
用して反射光による影響を防止することが望ましい。勿
論、反射層を設けずにマスク自体を送風手段や水循環手
段等で直接冷却してその温度上昇を防止するようにして
もよく、マスクにフィン等の放熱手段を設けることでも
効果がある。
【0058】更にまた、マスクを通過したレーザ光の一
部が通過側に拡散し、該拡散光がガルバノミラーに照
射,吸収されてその駆動源に温度上昇を生じ、ゲイン変
化を原因として照射位置に狂いが生じる虞れがある。こ
の様な場合には、図12に示すように、ガルバノミラー
16(26)の手前にレーザ光Rのみを通過させる遮光
板42を配置して拡散孔Rbを遮断するとよい。或い
は、温度上昇に伴うゲイン変化を予め計測しておき、実
際の検出温度に応じてゲインを補正するようにしてもよ
い。
【0059】更にまた、各実施例ではスルーホール形成
に適用した例を示したが、本発明はスルーホール以外の
加工、例えばセラミックグリーンシートに導体パターン
収容溝等を形成する場合にも適用でき同様の効果を得る
ことができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1及び3の
発明によれば、加工時に従来のような機械的振動及び衝
撃がセラミックグリーンシートに加わることがなく、ま
た接触を原因とした位置ずれや変形を該シートに生じる
ことがないので、これらを原因とした精度低下を未然に
防止して所期のスルーホールや溝等を極めて高い形状精
度及び位置精度で形成することができる。また、透光部
形状が異なるマスクや複数形状の透光部を有するマスク
を容易すれば、1台の装置で各種形状のスルーホールや
溝等を形成することができ汎用性が極めて高い。
【0061】請求項2及び4の発明によれば、加工の度
にシートを停止させたり、ガルバノミラーを停止させる
必要がなく、該シートを連続的に移動、またはガルバノ
ミラーの反射角度を連続的に変化させながら所定数のス
ルーホールや溝等を順次形成して加工効率の向上と大幅
な時間短縮を図ることができる。
【0062】請求項5の発明によれば、マスクの透光部
形状よりも照射形状が小さくなる結像比でレーザ光をシ
ートに照射しているので、照射エネルギーの密度を向上
させて上記の加工を効率よく行うことができる。
【0063】請求項6の発明によれば、複数のスルーホ
ールや溝等をセラミックグリーンシートに一括で形成す
ることができるので、1個宛形成する場合に比べて加工
時間を大幅に短縮でき、多数の部品取りを必要とするシ
ートへの加工や、長尺シートに複数枚分の加工を行う場
合に極めて有利である。
【0064】請求項7の発明によれば、加工時にシート
材料の溶融残留物や浮遊物を空気と一緒に吸引カバー内
から外部に排出できるので、これらがシート等に付着し
たり、浮遊物によってレーザ光に散乱を生じたり、浮遊
物によってクリーンルーム等における雰囲気が汚損され
る等の問題を確実に排除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す加工装置の概略構成
【図2】レーザ発振形態を示す図
【図3】レーザ光のマスク通過作用を示す図
【図4】レーザ光による穴開け作用を示す図
【図5】スルーホール形成経路を示す図
【図6】加工制御のフローチャート
【図7】本発明の第2実施例を示す加工装置の概略構成
【図8】加工制御のフローチャート
【図9】本発明の第3実施例を示す加工装置の概略構成
【図10】吸引カバーを示す図
【図11】遮光板を示す図
【図12】遮光板を示す図
【符号の説明】
1…レーザ光源、2…ミラー、3…マスク、3a…透光
部、4…レンズ、5…XYテーブル、6…レーザ駆動回
路、7…テーブル駆動回路、8…制御回路、11…レー
ザ光源、12…ミラー、13…マスク、14…レンズ、
15…ミラー、16…ガルバノミラー、17…固定テー
ブル、18…レーザ駆動回路、19…ミラー駆動回路、
20…制御回路、21…レーザ光源、22…ミラー、2
3…マスク、24…レンズ、25…ミラー、26…ガル
バノミラー、27…XYテーブル、28…レーザ駆動回
路、29…ミラー駆動回路、30…テーブル駆動回路、
31…制御回路、R…レーザ光、GS…セラミックグリ
ーンシート、H…スルーホール、K…吸引カバー、41
…遮光板、HS…反射層、42…遮光板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01F 17/00 H01F 17/00 D H05K 3/00 H05K 3/00 N 3/46 3/46 H N (56)参考文献 特開 平5−211398(JP,A) 特開 平5−277765(JP,A) 特開 平5−318160(JP,A) 特開 昭56−39190(JP,A) 特開 昭59−78793(JP,A) 特公 昭58−57277(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層型電子部品用のセラミックグリーン
    シートに所定数のスルーホールを形成する加工方法であ
    って、 レーザ光源と、透光部を有するマスクと、セラミックグ
    リーンシートを支持する支持体とを備え、支持体によってセラミックグリーンシートを所定方向に
    移動させながら、マスクに向けて透光部よりも大径のレ
    ーザ光を照射し、透光部を通過したレーザ光を移動中の
    セラミックグリーンシートに繰り返し照射する工程にお
    いて、 前記マスクとして、照射されたレーザ光によってセラミ
    ックグリーンシートに形成されるスルーホールが所定形
    状となるように、該セラミックグリーンシートの移動方
    向に対応する方向に透光部の寸法を補正したものを用い
    ことを特徴とするセラミックグリーンシートの加工方
  2. 【請求項2】 マスクの透光部を通過した光をレンズで
    集光し、透光部形状よりも照射形状が小さくなる結像比
    で該光をセラミックグリーンシートに照射することを特
    徴とする請求項1記載のセラミックグリーンシートの加
    工方法。
  3. 【請求項3】 マスクに複数の透光部を設け、各透光部
    に対して同時にレーザ光を照射して同数のスルーホール
    をセラミックグリーンシートに一括で形成することを特
    徴とする請求項1又は2何れか1項記載のセラミックグ
    リーンシートの加工方法。
  4. 【請求項4】 セラミックグリーンシートのレーザ光照
    射部をレーザ光通過を許容する吸引カバーで覆い、レー
    ザ光照射時に外部から吸引カバー内に空気を供給して該
    空気を外部に吸引,排出することを特徴とする請求項1
    乃至3何れか1項記載のセラミックグリーンシートの加
    工方法。
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