JP3049891U - インターロッキングブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】外観的に優れたインターロッキングブロックを
メッシュシートで連結することにより一枚のパネル状に
成形し現場での施工を容易にすると共に施工後表面が不
揃いになることを防止し、水に濡れても人が滑らない表
面層としたものである。 【解決手段】軽量コンクリートを基材として、この軽量
コンクリートの表面に天然砕石粒子、セラミック微細中
空粒子、補強繊維及び合成樹脂の混合物を表面化粧層と
し、複数個のインターロッキングブロックを下面又は中
間部において合成樹脂製メッシュシート又は金網で連結
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はインターロッキングブロックに係るもので特に公園内の歩道や広場、 アーケードのある歩道、屋上、住宅のガレージ、玄関回り、自宅の庭石、ベラン ダ等に使用する。

【０００２】

【従来の技術】

公園内の歩道や広場、アーケードのある歩道、住宅のガレージ、玄関回り等に はインターロッキングブロックが使用されている。インターロッキングブロクは 、超硬練りコンクリートを高振動加圧即時脱型方式で製造する。剪断に対する噛 み合わせ効果（インターロック）で重量物に耐えられ、種々の色、形状によりそ の組合せにより美しい模様を描くことができ景観的価値を有するものである。

【０００３】 インターロッキングブロックは路床の上に下層路盤及び上層路盤を施工しその 上にサンドクッションを作りここに敷設するのが一般的である。

【０００４】 インターロッキングブロックもコンクリート製の他、軽量コンクリート、れん が、タイル、天然石、ゴム状コンクリートなど種々の材質のものがある。又表面 材に天然石や擬石を使いコンクリートを裏打材としたものもある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来のインターロッキングブロックの施工方法は１個ずつ現場で並べ、その目 地に砂を充填するのである。このため表面を平坦に施工することがはなはだ困難 であり、又施工後表面が不揃いになるということもしばしば生じていた。

【０００６】 従来のインターロッキングブロックは雨が降り表面が水に濡れた時すべり易く なり、滑って怪我をする人もあった。本考案は外観的に優れたインターロッキン グブロックを一枚のパネル状に成形し現場での施工を容易にすると共に施工後表 面が不揃いになることを防止し、水に濡れても人が滑らない表面層としたインタ ーロッキングブロックを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は軽量コンクリートを基材としてこの軽量コンクリートの表面に天然砕 石、セラミック微細中空粒子、補強繊維及び合成樹脂の混合物で表面化粧層を形 成したインターロッキングブロックを複数個インターロッキングの下面又は中間 部で合成樹脂製メッシュシート又は金網で連結する。

【０００８】 インターロッキングブロックの表面層を形成する混合物に使用されているセラ ミック微細中空粒子は圧縮強度３００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上で嵩比重０．３〜０． ５ｇ／ｃｍ^３、融点１３００℃以上の物性のものを使用する。化粧層表面に使用 したセラミック微細中空粒子が表面に出ることにより滑り止めの効果を上げるこ とができるからである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

インターロッキングブロックを複数個連結してあたかも一枚のパネルのような 形態にすることによって施工性能を向上させることができるばかりか、どのよう な異形の形状を有するインターロッキングブロックでもこれらを自然な配列で施 工することができる。このため従来見られなかった種々の異形形状のインターロ ッキングブロックを作製することを可能とした。

【００１０】 本考案のインターロッキングブロックの基材となる軽量コンクリートは、軽量 骨材あるいは／または発泡剤を添加したものなどいずれでもよく、比重が０．６ 〜０．９ｇ／ｃｍ^３の範囲のものがより好適である。

【００１１】 インターロッキングブロックの表面側に積層する表面層は合成樹脂をバインダ ーとして圧縮強度３００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上で嵩比重０．３〜０．５ｇ／ｃｍ^３ 、融点１３００℃以上のセラミック微細中空粒子と天然砕石粒子及び補強繊維に 水を若干量混合する。

【００１２】 表面層に使用する合成樹脂はエマルジョンタイプが好適で例えばアクリル系樹 脂エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、 塩化ビニリデン系樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン系樹脂エマルジョン 、エポキシ系樹脂エマルジョン・ポリエステル系樹脂エマルジョンおよびアクリ ル酸エステル、スチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸ビニル、合成ゴム等 との共重合したものなどである。

【００１３】 例えばこれらの共重合したものとしてアクリル／酢酸ビニル共重合体、塩化ビ ニリデン／ブチルアクリレート共重合体、エチレン／酢酸ビニル共重合体等が挙 げられる。合成樹脂エマルジョン組成物の使用量は５〜３０重量％の範囲とする 。５重量％以下では表面層の物性が上がらず３０重量％以上では表面層の安定性 が低下する。

【００１４】 又必要に応じて合成樹脂エマルジョンの性状を向上させるため、分散剤として 各種の界面活性剤、エマルジョンを安定化させる乳化剤、エマルジョンのあわ立 て防止剤、増粘剤、たるみ防止剤、沈降防止剤、凍結防止剤などを添加しても良 い。さらに性能を向上させる目的でたわみ性を与える可塑剤、熱、光による劣化 防止を図る安定剤、かびの発生を防止するかび止め剤等を添加しても良い。

【００１５】 表面化粧層は、強度の高いセラミック微細中空粒子同士が接合し、固着され成 形時に加圧するため緻密になり強度も高く表面は多数のセラミック微細中空粒子 があり、この微細中空粒子面が滑り止めに大きな効果を示している。

【００１６】 強度の高いセラミック微細中空粒子は、表面層中に完全に中空体の形で存在す ることができるため、セラミック微細中空粒子間が点接合により固着することが でき、点接合以外に無数の毛細管状の空気流通孔が存在し、表面層の表面に現出 している空気流通孔によって水に濡れても滑り難くしている。

【００１７】 セラミック微細中空粒子は、従来の微細中空発泡体に比較して特に圧縮強度が 高いもを使用することにより製造過程で生ずる高い応力、剪断力に対して耐え得 ることができ、さらに加圧成形することによって軽量であるにもかかわらず緻密 な表面層とすることができる。

【００１８】 表面層に使用するセラミック微細中空粒子の融点は１３００℃以上とする。セ ラミクス微細中空粒子はその材質に起因するのは当然であるが一般的に融点の高 いもの程圧縮強度も高くなる。圧縮強度を３００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上とするなら ばその融点は１３００℃以上になるのである。

【００１９】 以上によりセラミック微細中空粒子はシリカ５０〜６０％、アルミナ４０〜４ ５％、その他１．５〜２．５％からなるセラミック組成物を発泡生成せしめたも のを使用する。その物性は圧縮強度３００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上、融点１３００℃ 以上、嵩比重０．３〜０．５ｇ／ｃｍ^３、熱伝導率０．１（ｋｃａｌ／ｍｈｒ℃ ）で完全な中空粒子のみで構成されている。セラミック微細中空粒子の粒径は、 ５〜３５０μｍの範囲のものを使用し、細目５〜７５μｍ、中目７５〜１５０μ ｍ、荒目１５０〜３５０μｍとして粒度調整は細目２０重量部、中目２０重量部 、荒目３０重量部を混合して使用する。嵩比重は粒度の細かいものは重く、荒い ものは軽くなる。このため嵩比重の範囲は０．３〜０．５ｇ／ｃｍ^３であるが、 粒度調整したものは０．３６ｇ／ｃｍ^３前後である。

【００２０】 合成樹脂エマルジョン１００重量部に対して、これに加えるセラミック微細中 空粒子は１０〜５０重量部とする。１０重量部以下では滑止め性、軽量化向上、 断熱性等が充分発現できず、５０重量部以上では物性の低下が大きくなるからで ある。所要物理的強度、比重等によってセラミック微細中空粒子の量を加減する 。

【００２１】 天然砕石粒子の原料となる天然石は、花崗岩、安山岩、大理石、蛇紋岩等いず れのものでも良く限定するものではない。天然砕石粒子は細目、中目、荒目とし それぞれ粒子の径を細目は０．１〜０．５ｍｍ、中目は０．５〜１．５ｍｍ、荒 目は１．５〜３．４ｍｍに調整して使用する。天然砕石粒子の他珪砂、珪石粉、 フライアッシュ、シリカヒューム、クレー、タルク、カオリン、陶磁器粉砕物、 徐冷高炉スラグ粉砕物、シリカ質ダスト等を添加しても良い。天然砕石粒子の粒 度調整は細目４０重量部、中目３０重量部、荒目１０重量部として混合使用する 。

【００２２】 補強繊維は直径１３μｍ以下で長さ１〜５ｍｍの短繊維である。補強繊維は直 径が細い程抗張力が高く直径１３μｍ以下とすることによって１００ｋｇｆ／ｃ ｍ^２以上の抗張力を得ることができるからである。又長さを１〜５ｍｍの短繊維 としたのは、攪拌・混練に際して繊維のからみが無く均一に分散させることがで きるからである。補強繊維の材質はガラス繊維、ポリプロピレン、ビニロン、ナ イロン、カーボン繊維などいずれでも良い。

【００２３】 インターロッキングブロックを複数個連結するためにインターロッキングブロ ックの下面又は中間部に入れる合成樹脂製メッシュシートの材質は、ポリプロピ レン、ナイロン、ビニロンなどがより好適に使用できる。又合成樹脂製メッシュ シートの代わりに金網を使用しても良い。これらの線径０．２〜０．９ｍｍで網 目は２．５〜３０ｍｍの範囲とする。インターロッキングブロックの大きさ寸法 によって線径及び網目の大きさを選択する。

【００２４】 インターロッキングブロックの形状及び寸法は任意に設計することが出来、そ の寸法は自由で多様性があり、正方形、矩形形状、三角形、丸形状、その他異形 の特殊形状のものが可能である。寸法も任意の大きさのものを形成することがで き、これらを複数個まとめて一枚のパネル状とする。

【００２５】 インターロッキングブロックの表面層に天然砕石粒子を配合するためその天然 砕石粒子の種類により各種の石目調模様を現出することができる。又この成形時 の金型の模様によって表面が天然石模様にして凹凸のあるもの、さらに表面を研 磨することによって表面に優れた光沢のある大理石調などを作製することができ る。

【００２６】

【実施例】

以下本考案の実施例について詳述する。

【００２７】 実施例１ 型枠の下面にポリプロピレン製メッシュシートを敷設しその上に目 地幅と同じ幅を有するポリスチレン発泡板からなる仕切り枠を配設して異形形状 のインターロッキングブロックの型を形成した。型枠の寸法は縦及び横が４００ ×４００ｍｍで高さを６０ｍｍとした。型枠内に仕切り枠によって型枠の縦及び 横各々６個ずつ計３６個の異形形状インターロッキングブロック型を形成した。

【００２８】 この型枠内に仕切り枠によって形成されたインターロッキングブロック型に軽 量コンクリートを高さ４０ｍｍ打設し、その上部に合成ゴム変性アクリル共重合 エマルジョン１００重量部に花崗岩を砕石した天然砕石粒子１１２５重量部とセ ラミック微細中空粒子２５重量部、これに補強繊維１．２５重量部及び水若干量 を充分混合した後打設した。

【００２９】 図１はこのように縦及び横各々６個ずつ下面でメッシュシートにより連結した インターロッキングブロックである。目地幅を通常のインターロッキングブロッ クの場合より多少大きめにしているため外観上メッシュシートは良く見える。

【００３０】 実施例２ 実施例１で使用したのと同じ型枠に高さ４０ｍｍで６０×１２０ｍ ｍの長方形状インターロッキングブロック型をポリスチレン発泡枠によって仕切 り枠を配設して軽量コンクリートを打設し、この上面にポリプロピレンメッシュ シートを敷設した。この軽量コンクリートの上部に長方形状インターロッキング ブロック型と同じ寸法のポリスチレン発泡板による仕切り枠を配設した。

【００３１】 軽量コンクリートの上部の長方形状インターロッキングブロック型にポリエス テル系合成樹脂エマルジョン１００重量部に蛇紋岩を粉砕した天然砕石粒子８８ ０重量部、セラミック微細中空粒子２０重量部、これに補強繊維を１重量部及び 水若干量を充分混合した後打設した。

【００３２】 図２はこのように中間部でメッシュシートにより連結したインターロッキング ブロックである。目地幅を通常のインターロッキングブロックと同じとしている ため外観上はメッシュシートは見え難い。

【００３３】

【考案の効果】

以上述べた如く本考案は、インターロッキングブロックをメッシュシートで連 結することによってあたかも一枚のパネルの如く取り扱うことができるため施工 時の手間を大幅に改善することができた。又表面を水に濡らしても全く滑る心配 のないことも確認できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の斜視図である。

【図２】実施例２の斜視図である。

【図３】実施例２型枠打設後の断面図である。

【符号の説明】

１．化粧層 ２．軽量コンクリート ３．メッシュシート ４．型枠 ５．下部仕切り枠 ６．上部仕切り枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項 １】 軽量コンクリートを基材として天然砕
   石粒子とセラミック微細中空粒子、補強繊維及び合成樹
   脂の混合物を表面化粧層とし、複数個のインターロッキ
   ングブロックが下面又は中間部において合成樹脂製メッ
   シュシート又は金網で連結されていることを特徴とする
   イターロッキングブロック。