JP3049681U - 射出成形機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出装置における溶融樹脂の色替え・樹脂替
えに伴うパージを、従来方法によって行うには多くの時
間を要するのみならず、完全に置換するには数百ショッ
トも要することもあった。 【解決手段】 二の射出装置を並設した架台を射出軸に
直角の方向に摺動自在になし、各々の射出装置が射出成
形位置とパージ位置とを採り得るようになすとともに、
各々の射出装置のパージ位置には射出装置と対向するパ
ージステージを設け、射出装置を交互に成形に供するよ
うにし、その間他の射出装置はパージを行うとともに、
次の成形用の樹脂に置換するようにしたのである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

射出成形機の射出装置における溶融樹脂の色替え・樹脂替えに伴うパージを完 璧に実施し得る射出成形機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の射出装置における溶融樹脂の色替え・樹脂替えは、スクリュを回転して 加熱筒内に残留した樹脂原料や溶融樹脂を加熱筒前方へ搬送し、さらにノズルか ら排出するため適宜スクリュを前後進させることにより実行していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来方法におけるパージはかなりの時間を要し、しかも完 璧に行うことは困難であった。その理由は、スクリュのリード側壁に付着した樹 脂や加熱筒先端部からノズルにいたる樹脂通路の凹部に付着した樹脂は、樹脂搬 送の圧力が弱く容易に除去されず、次の樹脂による成形中に時偶剥がれるような こともあって、次の樹脂に置き替わるための成形数は数十ショットから数百ショ ットに及ぶことがある。かかる事情により、従来のパージ方法では所要時間とそ の結果が極めて不安定であり、成形の生産計画が立てにくく、生産効率が低下し たのである。

【０００４】 また、射出装置はその使用条件が苛酷であるため、スクリュ関連の事故が多く 、一旦事故が発生すると長時間の機械停止が強いられ、射出成形機の稼働率の低 下を招くのである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、二の射出装置を並設した架台を射出軸に直角の方向に摺動自在になし て、各々の射出装置が射出成形位置とパージ位置とをとり得るようになすととも に、各々の射出装置のパージ位置には射出装置と対向するパージステージを設け 、射出装置を交互に成形に供するようにし、その間他の射出装置はパージを行う とともに、次の成形用の樹脂に置換するようにしたのである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

１ａおよび１ｂは同一諸元の射出装置であり、架台２上に並設してある。架台 ２は、射出成形機の基台３の上面に射出装置１ａおよび１ｂの加熱筒の中心軸で ある射出軸と直角に設置したレール４、４上を摺動自在となっている。５は、架 台２を摺動させる搬送シリンダであり、その本体側を基台３に固定し、そのロッ ドを架台２に固定している。レール４の長さは少なくとも、両射出軸間隔の二倍 以上とし、型締装置８の中心軸である型締軸を中心に振り分ける。

【０００７】 図示したのは、射出装置１ｂがその射出軸を型締軸に一致せしめるように架台 ２を位置決めした状態であり、射出装置１ｂの射出成形位置である。該射出成形 位置において、射出装置１ｂと架台２との間に備えた移動装置により射出装置１ ｂを射出軸に添って移動せしめ、射出装置１ｂのノズル９ｂを固定金型１０に押 圧可能となしている。

【０００８】 上記のように図１は射出装置１ｂにより成形運転する状況を示し、このとき射 出装置１ａは型締軸から離隔されてパージステージ６ａに対向するパージ位置に ある。パージステージ６ａは、射出装置１ａのノズル９ａから排出されたパージ 樹脂が周囲に離散するのを防止しつつそれを下方のコンベア７に案内する平面形 状がコ字状の衝立部材であって、基台３の上面に固着する。

【０００９】 射出装置１ａのスクリュ回転と前後動駆動は射出装置１ｂとはそれぞれ個別に 設定可能であり、成形運転とは異なるパージに適した運転条件が設定出来る。か かる射出装置１ａのパージ作業は射出装置１ｂが成形運転中に実行するので、十 分な時間的余裕があり、スクリュの回転と前後動駆動のみならず加熱筒の温度を 変化させることも含めて、理想的なパージが実現出来る。パージに使用する樹脂 は、次に成形する予定の樹脂であるため、射出装置１ｂにおける成形生産が完了 した時点で射出装置１ａを型締軸に搬送することにより、直ちに次の成形運転を 開始することが出来る。

【００１０】 射出装置１ａが射出成形位置にあって成形運転に供されているときには、前記 とは逆に、射出装置１ｂが他のパージステージ６ｂに対向するパージ位置にある 。パージステージ６ｂはパージステージ６ａと同一形状であり、射出装置１ｂの ノズル９ｂから排出されたパージ樹脂が周囲に離散するのを防止しつつそれを下 方のコンベア７に案内する平面形状がコ字状の衝立部材であって、基台３の上面 に固着する。コンベア７はパージステージ６ａ、６ｂの下方の基台３上に、架台 ２の移動方向に設置されており、パージステージで排出されたパージ樹脂を射出 装置の後方へ搬送する。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は上記のように構成したので、成形樹脂の色替え・樹脂替えに伴うパー ジや射出装置特にはスクリュに関わる問題によって成形の生産計画が阻害される ことなく、射出成形機の極めて高い生産効率が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の射出成形機の平面図である。

【図２】本考案の射出成形機の側面図である。

【符号の説明】 １ａ、１ｂ ‥‥ 射出装置 ２ ‥‥‥‥‥‥ 架台 ３ ‥‥‥‥‥‥ 基台 ４ ‥‥‥‥‥‥ レール ５ ‥‥‥‥‥‥ 搬送シリンダ ６ａ、６ｂ ‥‥ パージステージ ７ ‥‥‥‥‥‥ コンベア ８ ‥‥‥‥‥‥ 型締装置 ９ａ、９ｂ ‥‥ ノズル １０ ‥‥‥‥‥ 固定金型

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二の射出装置を並設した架台を射出軸に
   直角の方向に摺動自在になした射出成形機において、 各々の射出装置が射出成形位置とパージ位置とをとり得
   るようになすとともに、各々の射出装置のパージ位置に
   射出装置と対向するパージステージを設けたことを特徴
   とする射出成形機。