JP3049568U - 振動ローラ積載型路面補修車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】アスファルト舖装道路の路面補修車において、
車両後方部に、上下昇降出来るローラ乗せ台を設け、補
修工事現場における振動ローラの積み降ろしを容易にす
る。 【解決手段】路面補修車の車輌後方部に、油圧を動力源
とするシリンダ（１）にて、上下昇降出来る振動ローラ
乗せ台（２）を装備し、そのローラ乗せ台の床部に振動
ローラ（３）の車輪（４）がはまりこむ横長長方形の空
間があり、その空間には床板がある事で、ローラ乗せ台
が地上面まで下降していてるときは、ローラ乗せ台の床
面が平坦になり、ローラ乗せ台が地上面より上昇したと
きは、床板が自重にてローラ乗せ台床面より下がり、横
長長方形の空間が出来、その空間に振動ローラ（３）の
車輪（４）がはまりこむことにより、振動ローラ（３）
の積載時の固定を容易に行うことが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、アスファルト舗装道路の維持メンテナンス工事の中で特に舗装表層 の一部欠損による穴あき状態の穴埋め補修工事をする際に、アスファルト合材及 び、補修工事に必要な機械と道具を積載運搬し、ホッパ内に積載されているアス ファルト合材を舗装道路の補修箇所に排出し、敷均し後、転圧して路面補修工事 の出来る、路面補修車に関するものである。

【従来の技術】

アスファルト舗装道路の穴埋め補修工事をする際は、補修用アスファルト合材 と、アスファルト溶液、そして補修工事に必要な道具及び転圧仕上げ用の振動ロ ーラが必要で、それらを穴埋め補修工事現場まで運搬して補修工事を行うために は、従来は第１図に示すようにトラックにアスファルト合材（７）と、アスファ ルト溶液（８）、そして補修工事に必要な道具（９）及び振動ローラ（３）を積 載し、補修工事現場まで運搬し、人力によりアスファルト合材（７）を補修箇所 に排出し、振動ローラ（３）により転圧仕上げを行うか、又は第２図に示すよう に、従来型の路面補修車に、アスファルト合材（７）、アスファルト溶液（８） 、補修工事に必要な道具（９）を積載して、振動ローラ（３）は別のトラックに て補修工事現場まで運搬し、路面補修車に装備されている油圧モータにより回転 するスクリュコンベア（１０）にて直接補修箇所にアスファルト合材（７）を排 出し別のトラックにて運搬された振動ローラ（３）にて転圧仕上げを行い、補修 工事を行っていた。

【考案が解決しようとする課題】

第１図に示すように、トラックに積載して運搬する場合、振動ローラ（３）の 積み降ろしが人力では不可能なため、補修工事現場では、振動ローラ（３）の積 み降ろしを行うためのクレーン（１１）付トラックが必要であった。又アスファ ルト舗装の表層の一部欠損による穴埋め補修は、道路上一カ所に集中する事はま ずなく、広く分布するため点々工事となることが多い。その為移動の度に振動ロ ーラ（３）の積み降ろし作業が必要で、荷締めロープによる振動ローラ（３）の 固定又は固定の解除、そしてクレーン（１１）による振動ローラ（３）の積み降 ろしと、煩わしい作業を頻繁に行わねばならず、面倒で時間もかかるという問題 があった。 第２図に示すように、従来型の路面補修車においては、上記クレーン付のトラ ックによる方法と比べアスファルト合材の排出は人力でなくスクリュコンベア（ １０）により直接補修箇所に排出出来、省力化が図られているが、振動ローラ（ ３）の積み降ろしに関する問題点は解決されておらず、振動ローラ（３）運搬用 のトラックを別に用意する必要があるという問題があった。

【課題を解決するための手段】

上記問題点を解決するために、第２図に示す、路面補修車のスクリュコンベア （１０）を短くし排出ゲート（１２）を後輪直後まで前方に移動させる事で車両 後方部の空間を確保し、そこに、油圧を動力源とするシリンダ（１）にて、上下 昇降出来るローラ乗せ台（２）を設けた。振動ローラ（３）を積載したローラ乗 せ台（２）を上昇させると、床板（６）と振動ローラ（３）の自重により床板（ ６）が遅れて上昇して出来る空間（５）に車輪（４）がはまり、振動ローラ（３ ）が固定出来、逆に下降させると床板（６）が先に接地し振動ローラ（３）の荷 重を受けることで空間（５）での車輪（４）のはまりが解除され、続きローラ乗 せ台（２）が接地し床部表面が平坦になるようにした。

【作用】

路面補修車の後方部に装備されたローラ乗せ台（２）を下降させた時、ローラ 乗せ台（２）の空間（５）に備えられた床板（６）が、最初に接地し（第１２図 ）、続きローラ乗せ台（２）が地上面まで下降することにより（第１１図）、床 部表面が平坦になり、振動ローラ（３）の乗せ降ろしが、振動ローラ（３）の自 走により作業者一人で容易に行え、振動ローラ（３）を床板（６）に乗せた状態 でローラ乗せ台（２）を地上面より上昇させれば（第１３図）、床板（６）と振 動ローラ（３）の自重により床板（６）がローラ乗せ台（２）より遅れて上昇す ることにより出来るローラ乗せ台（２）床部の空間（５）に、振動ローラ（３） の前後両車輪（４）がはまり、地上面より十分な高さまで上昇させれば、それだ けで振動ローラ（３）のローラ乗せ台（２）への固定が出来、振動ローラ（３） の運搬が可能となる。

【実施例】

以下、本考案の実施例について説明する。 第３図に示すように本考案実施例では、第２図に示す、従来型の路面補修車の スクリュコンベア（１０）を短くし排出ゲート（１２）を後輪直後まで前方に移 動させることで車両後方部の空間を確保し、そこに第４図に示す、 Ａ，路面補修車に装備され構造物に固定された、上下に位置する回転可能なガ イドローラ（１３）に沿って、上下にスライド出来る断面がコの字型をしたガイ ドレール（１４）を反対側にも設け、等間隔に固定することで安定した上下スラ イドが可能である。 Ｂ，ローラ乗せ台（２）の前辺にはシリンダ（１）の先端が取り付けられる金 具（１５）が取り付けてある。 Ｃ，金具（１５）には、シリンダ（１）の先端が取り付けられており、シリン ダ（１）の他端は路面補修車に造られた構造物に取り付けられている。 Ｄ，床面に振動ローラ（３）の車輪（４）がはまる大きさの横長長方形で、前 後の二辺は振動ローラ（３）の車輪（４）が傷付かないように傾斜面（１６）を 設けた空間（５）が、振動ローラ（３）の前後両車輪（４）と同じ距離で前後に 位置してある。 Ｅ，空間（５）には振動ローラ（３）の車輪（４）が乗る床板（６）がはめて あり、その左右両辺には、振動ローラ（３）の車輪（４）が十分はまる空間（５ ）を設ける迄下がると、それ以上下がらないようにローラ乗せ台（２）に掛かる ツメ（１７）がある。 Ｆ，床板（６）の厚みは床面の厚みと同じで、床面が地上面まで下降した状態 では、床板（６）が最初に接地し、続きローラ乗せ台（２）が地上面まで下降す ることにより、床面の表面は平坦になる。 以上Ａ〜Ｆの構造を有した振動ローラ乗せ台（２）を装備した。 ローラ乗せ台（２）が地上面まで下降した状態（第１１図）では、ローラ乗せ 台（２）の床部表面が平坦になり、振動ローラ（３）の積み降ろしが、振動ロー ラ（３）の自走により容易に行える。又床板（６）に振動ローラ（３）を乗せた 、ローラ乗せ台（２）を油圧を動力源としたシリンダ（１）によって上昇させ、 地上面から離れた状態（第１３図）にすると、床板（６）が床板（６）と振動ロ ーラ（３）の自重で下がることにより出来た空間（５）に、振動ローラ（３）の 車輪（４）がはまり込み、振動ローラ（３）の固定が出来る様にした。 尚本考案実施例では、ローラ乗せ台（２）の上下昇降に、油圧を動力源とする シリンダ（１）を利用したが、手動または電動ウィンチによる上下昇降、ラック ，ピニオンもしくはボールネジによる電動または油圧モータを利用した上下昇降 機構等を採用しても同じ効果が得られる。

【考案の効果】

以上、説明したように本考案は、従来の路面補修車に比べ、振動ローラ（３） を車体後部に搭載出来るローラ乗せ台（２）を設けたことにより、振動ローラ（ ３）の積み降ろし及び固定又は固定の解除が短時間で容易に作業者一人で行え、 点点工事が多い一部欠損による穴理め補修工事で効率良く作業することを可能と する。また、振動ローラ（３）運搬の為のクレーン（１１）付トラックを別に用 意する必要がなく、補修車１台で現場に向かうことが可能となり経済的にも効果 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 アスファルト合材、アスファルト溶液、そ
して穴埋め補修工事に必要な道具及び仕上げ用の振動ロ
ーラを積載した従来のトラックの左側面図である。

【図２】 従来の路面補修車の左側面図である。

【図３】 本考案実施例で示した路面補修車の左側面
図である。

【図４】 本考案実施例で示した路面補修車に装備さ
れたローラ乗せ台の斜視図である。

【図５】 本考案実施例で示したローラ乗せ台のガイ
ドローラ及びガイドレールの上面図である。

【図６】 本考案実施例で示したローラ乗せ台のガイ
ドローラ及びガイドレールの側面図である。

【図７】 本考案実施例で示したローラ乗せ台のガイ
ドローラ及びガイドレールの背面図である。

【図８】 本考案実施例で示したローラ乗せ台の床面
の縦断面図である。

【図９】 本考案実施例で示したローラ乗せ台の床面
が地上面まで下降した時の横断面図である。

【図１０】 本考案実施例で示したローラ乗せ台の床面
が地上面から上昇した時の横断面図である。

【図１１】 本考案実施例で示したローラ乗せ台が地上
面まで下降して振動ローラが積載された時の縦断面図で
ある。

【図１２】 本考案実施例で示したローラ乗せ台に振動
ローラを積載して床板が地上面に接地した時の縦断面図
である。

【図１３】 本考案実施例で示したローラ乗せ台に振動
ローラを積載して地上面から上昇した時の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１．油圧を動力源とするシリンダ １０．スクリユコン
ベア ２．ローラ乗せ台 １１．クレーン ３．振動ローラ １２．排出ゲート ４．振動ローラ車輪 １３．ガイドローラ ５．空間 １４．ガイドレール ６．床板 １５．金具 ７．アスファルト合材 １６．傾斜面 ８．アスファルト溶液 １７．ツメ ９．補修工事に必要な道具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両後方部に、油圧を動力源とするシリ
   ンダ（１）にて上下昇降出来るローラ乗せ台（２）を有
   し、そのローラ乗せ台（２）に振動ローラ（３）を積載
   し、ローラ乗せ台（２）を上昇させた時、振動ローラ
   （３）の車輪（４）に合わせローラ乗せ台（２）の床部
   に空間（５）を設け、そこに車輪（４）がはまり、振動
   ローラ（３）が固定出来、逆にローラ乗せ台（２）を地
   上面まで下降させた時には、まず床板（６）が接地し、
   振動ローラ（３）の荷重を受けることにより、空間
   （５）での車輪（４）のはまりが解除され、ローラ乗せ
   台（２）が地上面まで下降し、床部表面が平坦になり振
   動ローラ（３）の自走で容易に振動ローラ（３）の積み
   降ろしが出来る構造を有する、舗装道路用の路面補修
   車。