JP3049189B2 - 高周波電力用スイッチ装置およびその製造方法 - Google Patents

高周波電力用スイッチ装置およびその製造方法

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JP3049189B2
JP3049189B2 JP6138537A JP13853794A JP3049189B2 JP 3049189 B2 JP3049189 B2 JP 3049189B2 JP 6138537 A JP6138537 A JP 6138537A JP 13853794 A JP13853794 A JP 13853794A JP 3049189 B2 JP3049189 B2 JP 3049189B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界効果型のスルート
ランジスタとシャントトランジスタとからなる高周波電
力用スイッチ装置及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電界効果型トランジスタ、特にガリウム
砒素(GaAs)よりなる半導体基板上に形成されたM
ESFET(以下、FETと称する。)を用いた高周波
電力用スイッチ装置は、その低消費電力・高アイソレー
ション等の高性能により、携帯電話を中心とする通信機
器の発達と共に近年需要が大幅に伸びている。
【0003】図4は、高周波電力用スイッチ装置の基本
回路を示しており、図4に示すように、高周波電力用ス
イッチ装置は、ソース端子及びドレイン端子のうちの一
方が第1の高周波端子1に接続されていると共に他方が
第2の高周波端子2に接続されており、ゲート端子に負
のしきい値電圧よりも正側の電圧が印加されるとオン状
態になる一方ゲート端子に負のしきい値電圧よりも負側
の電圧が印加されるとオフ状態になる電界効果型トラン
ジスタよりなるスルートランジスタAと、ドレイン端子
が第1の高周波端子1に接続されていると共にソース端
子が接地端子3に接続されており、ゲート端子に負のし
きい値電圧よりも正側の電圧が印加されるとオン状態に
なる一方ゲート端子に負のしきい値電圧よりも負側の電
圧が印加されるとオフ状態になる電界効果型トランジス
タよりなるシャントトランジスタBとを備えている。図
4において、4はシャントトランジスタBのゲート抵
抗、5はシャントトランジスタBのゲート端子、6はス
ルートランジスタAのゲート抵抗、7はスルートランジ
スタAのゲート端子である。
【0004】ゲート端子5に負電圧を印加してシャント
トランジスタBをオフにし、ゲート端子7に零電圧を印
加してスルートランジスタAをオンにすると、第1の高
周波端子1から入ってきた高周波信号はオン状態のスル
ートランジスタAを通って第2の高周波端子8に到達す
る。この状態が高周波電力用スイッチ装置がオンしてい
る状態である。
【0005】逆に、ゲート端子5に零電圧を印加してシ
ャントトランジスタBをオンにし、ゲート端子7に負電
圧を印加してスルートランジスタをオフにすると、第1
の高周波端子1から入ってきた高周波信号はオフ状態の
スルートランジスタAに阻止され、オン状態のシャント
トランジスタBを通って接地端子3へ抜け、第2の高周
波端子2には到達しない。この状態が高周波電力用スイ
ッチ装置がオフしている状態である。
【0006】高周波電力用スイッチがオンしているとき
に、入力信号の電力を増加させると、出力信号の電力も
増加する。しかしながら、入力信号の電力がある程度大
きくなると、出力信号の電力の増加量は入力信号の電力
の増加量に追随せず、最終的には出力信号の電力が飽和
してしまう。
【0007】この原因は2つあり、第1の原因はシャン
トトランジスタBが遮断できる最大電力よりも入力信号
の電力が大きくなったときである。このシャントトラン
ジスタBが遮断できる最大電力を増やすには、より大き
な負電圧をゲート端子5に印加する必要がある。ゲート
電圧が一定であるという条件下では、シャントトランジ
スタBのしきい値電圧を浅くして、シャントトランジス
タBのゲート端子5に加わる電圧を相対的に大きくしな
ければならない。
【0008】第2の原因は、スルートランジスタAを通
過できる最大電力よりも入力信号の電力が大きくなった
ときである。このスルートランジスタAを通過する最大
電力を増やすには、スルートランジスタAの飽和電流を
増やす必要がある。ゲート幅が一定であるという条件下
では、スルートランジスタAのしきい値電圧を深くし
て、飽和電流を増やさなければならない。
【0009】以上の理由により、高周波電力用スイッチ
装置を通過する最大電力をより大きくするには、シャン
トトランジスタBのしきい値電圧を浅くすると共に、ス
ルートランジスタAのしきい値電圧を深くする必要があ
る。従来は、高周波電力用スイッチ装置の特性を犠牲に
し、1回のイオン注入によりスルートランジスタA及び
シャントトランジスタBの各チャネル領域を同時に形成
してスルートランジスタAのしきい値電圧とシャントト
ランジスタBのしきい値電圧とが等しい高周波電力用ス
イッチを作製するか、又は、スルートランジスタAのチ
ャネル領域とシャントトランジスタBのチャネル領域と
を別々のイオン注入工程により形成していた。
【0010】以下、後者の製造方法により高周波電力用
スイッチ装置を製造する方法について図面を参照しなが
ら説明する。
【0011】図5は、2つのGaAsMESFETが用
いられた従来の高周波電力用スイッチ装置の構成を示し
ており、図5において、10は半絶縁性のGaAsより
なる半導体基板である。図5において、21,22はシ
ャントトランジスタBのソース端子又はドレイン端子に
なるオーミック電極、23はシャントトランジスタBの
ゲート端子になるショットキ電極、24はショットキ電
極23の引き出し部分に接続されたゲート配線、25は
シャントトランジスタBのゲート電圧をコントロールす
るゲート抵抗であり、該ゲート抵抗25としては通常数
キロΩのものが用いられる。また、26はシャントトラ
ンジスタBをオン・オフするための電圧が印加されるゲ
ートパッドである。
【0012】また、図5において、31,32はスルー
トランジスタAのソース端子又はドレイン端子になるオ
ーミック電極、33はスルートランジスタAのゲート端
子になるショットキ電極、34はショットキ電極33の
引き出し部分に接続されたゲート配線、35はスルーシ
ャントトランジスタAのゲート電圧をコントロールする
ゲート抵抗であり、該ゲート抵抗35としては通常数キ
ロΩのものが用いられる。また、36はスルートランジ
スタAをオン・オフするための電圧が印加されるゲート
パッドである。
【0013】また、図5において、11は第1の高周波
端子1となる高周波パッド、12は第2の高周波端子2
となる高周波パッドであり、該第1及び第2の高周波パ
ッド11,12はそれぞれ高周波信号の入力及び出力が
なされ、13はシャントトランジスタBの接地端子3と
なる接地パッドである。
【0014】前記構成の高周波用電力スイッチ装置の製
造工程においては、シャントトランジスタBのチャネル
領域は浅いイオン注入により形成され、スルートランジ
スタAのチャネル領域は深いイオン注入により形成され
る。この結果、シャントトランジスタBのしきい値電圧
は浅くなり、スルートランジスタAのしきい値電圧は深
くなると共に該スルートランジスタAの飽和電流は大き
くなる。
【0015】尚、特性を犠牲にして1回のイオン注入に
よりスルートランジスタA及びシャントトランジスタB
の各チャネル領域を形成する前者の方法により製造され
る高周波電力用スイッチ装置の外観構成は、図5に示す
スイッチ装置の外観構成と同様である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法により製造される高周波電力用スイッチ装置におい
ては特性が犠牲にされ、後者の方法により製造される高
周波電力用スイッチ装置においては、優れた特性を得る
ことができるが、製造工程においてチャンネル領域への
イオン注入を2工程に分けて行なう必要があるために製
造工程が複雑になり製造コストが増加するという問題が
あった。
【0017】前記に鑑み、本発明は、通過する最大電力
が大きくて高性能な高周波電力用スイッチ装置をチャネ
ル領域への1回のイオン注入により得られるようにする
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明が講じた解決手段は、半導体基板
と、該半導体基板上に形成されソース端子及びドレイン
端子のうちの一方が第1の高周波端子に接続されている
と共に他方が第2の高周波端子に接続されておりゲート
端子に負のしきい値電圧よりも正側の電圧が印加される
とオン状態になる一方ゲート端子に負のしきい値電圧よ
りも負側の電圧が印加されるとオフ状態になりゲート端
子に接続されたゲート電極直下の空乏層よりも十分に深
い領域にチャネル領域が形成されているデプレッション
型の電界効果型トランジスタよりなるスルートランジス
タと、前記半導体基板上に形成されドレイン端子が前記
第1の高周波端子に接続されていると共にソース端子が
接地端子に接続されておりゲート端子に負のしきい値電
圧よりも正側の電圧が印加されるとオン状態になる一方
ゲート端子に負のしきい値電圧よりも負側の電圧が印加
されるとオフ状態になりゲート端子に接続されたゲート
電極直下の空乏層よりも十分に深い領域にチャネル領域
が形成されているデプレッション型の電界効果型トラン
ジスタよりなるシャントトランジスタとを備え、前記ス
ルートランジスタはそのゲート方位が前記半導体基板に
おける電界効果型トランジスタのしきい値電圧が深くな
る第1の方位と一致するように形成されており、前記シ
ャントトランジスタはそのゲート方位が前記半導体基板
における電界効果型トランジスタのしきい値電圧が浅く
なる第2の方位と一致するように形成されている構成と
するものである。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の構成に、前
記半導体基板は基板面方位が(100)面である半絶縁
性のガリウム砒素より、前記第1の方位は前記半導体基
板の[0-1-1]方位であり、前記第2の方位は前記半導
体基板の[0-11]方位であるという構成を付加するも
のである。
【0020】請求項3の発明は、請求項1の発明に係る
高周波電力用スイッチ装置の製造方法であって、ソース
端子及びドレイン端子のうちの一方が第1の高周波端子
に接続されていると共に他方が第2の高周波端子に接続
されておりゲート端子に負のしきい値電圧よりも正側の
電圧が印加されるとオン状態になる一方ゲート端子に負
のしきい値電圧よりも負側の電圧が印加されるとオフ状
態になるデプレッション型の電界効果型トランジスタよ
りなるスルートランジスタのチャネル領域を半導体基板
上におけるゲート端子に接続されたゲート電極直下の空
乏層よりも十分に深い領域に該スルートランジスタのゲ
ート方位が前記半導体基板における電界効果型トランジ
スタのしきい値電圧が深くなる第1の方位と一致するよ
うにイオン注入することにより形成するスルートランジ
スタのチャネル領域形成工程と、ドレイン端子が第1の
高周波端子に接続されていると共にソース端子が接地端
子に接続されておりゲート端子に負のしきい値電圧より
も正側の電圧が印加されるとオン状態になる一方ゲート
端子に負のしきい値電圧よりも負側の電圧が印加される
とオフ状態になるデプレッション型の電界効果型トラン
ジスタよりなるシャントトランジスタのチャネル領域を
前記半導体基板上におけるゲート端子に接続されたゲー
ト電極直下の空乏層よりも十分に深い領域に該シャント
トランジスタのゲート方位が前記半導体基板における電
界効果型トランジスタのしきい値電圧が浅くなる第2の
方位と一致するように形成するシャントトランジスタの
チャネル領域形成工程とを備え、前記スルートランジス
タのチャネル領域と前記シャントトランジスタのチャネ
ル領域とは前記半導体基板に1回のイオン注入を行なう
ことにより同時に形成するという構成である。
【0021】請求項4の発明は、請求項3の構成に、前
記半導体基板は基板面方位が(100)面である半絶縁
性のガリウム砒素よりなり、前記第1の方位は前記半導
体基板の[0-1-1]方位であり、前記第2の方位は前記
半導体基板の[0-11]方位であるという構成を付加す
るものである。
【0022】
【作用】請求項1の構成により、半導体基板として結晶
方位により電界効果型トランジスタのしきい値電圧が変
化する半導体基板が用いられ、スルートランジスタ及び
シャントトランジスタとしてゲート端子に接続されたゲ
ート電極直下の空乏層よりも十分に深い領域にチャネル
領域が形成されているデプレッション型の電界効果型ト
ランジスタが用いられ、スルートランジスタはそのゲー
ト方位が前記半導体基板における電界効果型トランジス
タのしきい値電圧が深くなる第1の方位と一致するよう
に形成され、シャントトランジスタをそのゲート方位が
前記半導体基板における電界効果型トランジスタのしき
い値電圧が浅くなる第2の方位と一致するように形成さ
れているため、シャントトランジスタのしきい値電圧は
浅く、スルートランジスタのしきい値電圧は深く且つ飽
和電流は大きくなる。
【0023】また、スルートランジスタ及びシャントト
ランジスタのしきい値電圧はゲート方位を互いに異なら
せるだけで実現できるため、スルートランジスタ及びシ
ャントトランジスタの各チャネル領域を1回のイオン注
入により形成することができる。
【0024】請求項2の構成により、半導体基板は基板
面方位が(100)面である半絶縁性のガリウム砒素よ
りなり、前記第1の方位は半導体基板の[0-1-1]方位
であり、前記第2の方位は半導体基板の[0-11]方位
であるため、スルートランジスタのゲート方位を半導体
基板における電界効果型トランジスタのしきい値電圧が
深くなる方位と一致させ、シャントトランジスタのゲー
ト方位を半導体基板における電界効果型トランジスタの
しきい値電圧が浅くなる方位と一致させることを容易且
つ確実に実現できる。
【0025】請求項3の構成により、スルートランジス
タのチャネル領域を結晶方位により電界効果型トランジ
スタのしきい値電圧が変化する半導体基板上に該スルー
トランジスタのゲート方位が半導体基板における電界効
果型トランジスタのしきい値電圧が深くなる第1の方位
と一致すると共に、シャントトランジスタのチャネル領
域を前記半導体基板上に該シャントトランジスタのゲー
ト方位が半導体基板における電界効果型トランジスタの
しきい値電圧が浅くなる第2の方位と一致するように、
1回のイオン注入により同時に形成することができる。
【0026】請求項4の構成により、半導体基板は基板
面方位が(100)面である半絶縁性のガリウム砒素よ
りなり、前記第1の方位は半導体基板の[0-1-1]方位
であり、前記第2の方位は半導体基板の[0-11]方位
であるため、請求項2の構成と同様、スルートランジス
タのゲート方位を半導体基板における電界効果型トラン
ジスタのしきい値電圧が深くなる方位と一致させ、シャ
ントトランジスタのゲート方位を半導体基板における電
界効果型トランジスタのしきい値電圧が浅くなる方位と
一致させることを容易且つ確実に実現できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る高周波電力用
スイッチ装置について図面を参照しながら説明する。
【0028】図1は、GaAsMESFETが用いられ
た本発明の一実施例に係る高周波電力用スイッチ装置の
構成を示しており、40は半絶縁性のGaAsよりなる
半導体基板である。図1において、51,52はシャン
トトランジスタBのソース端子又はドレイン端子になる
オーミック電極、53はシャントトランジスタBのゲー
ト端子になるショットキ電極、54はショットキ電極5
3の引き出し部分に接続されたゲート配線、55はシャ
ントトランジスタBのゲート電圧をコントロールするゲ
ート抵抗であり、該ゲート抵抗55としては通常数キロ
Ωのものが用いられる。また、56はシャントトランジ
スタBをオン・オフするための電圧が印加されるゲート
パッドである。
【0029】また、図1において、61,62はスルー
トランジスタAのソース端子又はドレイン端子になるオ
ーミック電極、63はスルートランジスタAのゲート端
子になるショットキ電極、64はショットキ電極33の
引き出し部分に接続されたゲート配線、65はスルーシ
ャントトランジスタAのゲート電圧をコントロールする
ゲート抵抗であり、該ゲート抵抗65としては通常数キ
ロΩのものが用いられる。また、66はスルートランジ
スタAをオン・オフするための電圧が印加されるゲート
パッドである。
【0030】また、図1において、41は第1の高周波
端子1となる高周波パッド、42は第2の高周波端子2
となる高周波パッドであり、これらの高周波パッド4
1,42はそれぞれ高周波信号の入力及び出力がなさ
れ、43はシャントトランジスタBの接地端子3となる
接地パッドである。
【0031】GaAsよりなる半導体基板を用いると、
結晶方位によりFETのしきい値電圧及び飽和電流が変
化することがある。例えば、(100)面の基板方位を
有するGaAsよりなる半導体基板40上に、ゲート方
位が半導体基板40の[0-1-1]方位と一致するように
ゲートが形成されたFETは、ゲート方位が半導体基板
40の[0-11]方位と一致するようにゲートが形成さ
れたFETよりも、しきい値電圧が深くなり且つ飽和電
流が大きくなる。従って、シャントトランジスタBのゲ
ート方位を半導体基板40の[0-11]方位と一致さ
せ、スルートランジスタAのゲート方位を半導体基板4
0の[0-1-1]方位と一致させることにより、チャネル
領域形成を形成するための1回のイオン注入により、シ
ャントトランジスタBのしきい値電圧は浅くなり、スル
ートランジスタAのしきい値電圧は深くなり且つ飽和電
流は大きくなる。
【0032】図2は、前記の構成を有するシャントトラ
ンジスタBとスルートランジスタAの電流−電圧特性を
示しており、同図から明らかなように、それぞれのゲー
ト方位を90°異ならせるだけで、飽和電流が170m
Aから200mAへと約18%増加し、しきい値電圧も
−2.3Vから−2.8Vへと約22%増加する。
【0033】図3は、図2の電気特性を有する高周波電
力用スイッチ装置のオン状態における入力電力−出力電
力の特性を示している。本実施例に係る高周波電力用ス
イッチ装置の特性の向上を明らかにするために、本実施
例に係る高周波電力用スイッチ装置と、前述した1回の
イオン注入により各チャネル領域が形成され同じしきい
値電圧を有するシャントトランジスタBとスルートラン
ジスタAとを備え特性が犠牲にされた高周波電力用スイ
ッチ装置とにおける入力電力−出力電力の特性を示して
いる。図3のグラフより明らかなように、本実施例に係
る高周波電力用スイッチ装置は従来の高周波電力用スイ
ッチ装置に比べて約6dBも最大通過電力が改善されて
いる。
【0034】以上説明したように、本実施例によると、
チャネル領域形成のための1回のイオン注入により、シ
ャントトランジスタBのしきい値電圧を浅く、スルート
ランジスタAのしきい値電圧を深くし且つ飽和電流を大
きくことができるので、高周波電力用スイッチ装置を通
過する最大電力が向上し、より高性能な特性を得ること
ができる。
【0035】尚、本発明においては、半導体基板40と
しては、GaAsのみならず結晶方位によりFETのし
きい値電圧が変化する全ての半導体材料を用いることが
できる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明に係る高周波電力用スイ
ッチ装置によると、スルートランジスタはそのゲート方
位が電界効果型トランジスタのしきい値電圧が深くなる
第1の方位と一致するように形成され、シャントトラン
ジスタをそのゲート方位が電界効果型トランジスタのし
きい値電圧が浅くなる第2の方位と一致するように形成
されているため、シャントトランジスタのしきい値電圧
は浅く、スルートランジスタのしきい値電圧は深く且つ
飽和電流は大きくなるので、通過する最大電力が向上
し、より高性能な高周波電力用スイッチ装置を得ること
ができる。この場合、スルートランジスタ及びシャント
トランジスタのしきい値電圧はゲート方位を互いに異な
らせるだけで実現できるため、スルートランジスタ及び
シャントトランジスタのチャネル領域は1回のイオン注
入により形成できるので、製造工程が簡単になり製造コ
ストの増加を招くことがない。
【0037】請求項2の発明に係る高周波電力用スイッ
チ装置によると、半導体基板は基板面方位が(100)
面である半絶縁性のガリウム砒素よりなり、前記第1の
方位は半導体基板の[0-1-1]方位であり、前記第2の
方位は半導体基板の[0-11]方位であるため、スルー
トランジスタのゲート方位を電界効果型トランジスタの
しきい値電圧が深くなる方位と一致させ、シャントトラ
ンジスタのゲート方位を電界効果型トランジスタのしき
い値電圧が浅くなる方位と一致させることを容易且つ確
実に実現できる。
【0038】請求項3の発明に係る高周波電力用スイッ
チ装置の製造方法によると、スルートランジスタ及びシ
ャントトランジスタのチャネル領域を、シャントトラン
ジスタのゲート方位が電界効果型トランジスタのしきい
値電圧が深くなる第1の方位と一致すると共にシャント
トランジスタのゲート方位が電界効果型トランジスタの
しきい値電圧が浅くなる第2の方位と一致するように、
1回のイオン注入により同時に形成するため、簡単な製
造工程及び低コストで通過電力が大きく高性能な高周波
電力用スイッチを製造することが可能になる。
【0039】請求項4の発明に係る高周波電力用スイッ
チ装置の製造方法によると、請求項2の発明と同様、ス
ルートランジスタのゲート方位を電界効果型トランジス
タのしきい値電圧が深くなる方位と一致させると共にシ
ャントトランジスタのゲート方位を電界効果型トランジ
スタのしきい値電圧が浅くなる方位と一致させることを
容易且つ確実に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る高周波電力用スイッチ
装置の平面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る高周波電力用スイッチ
装置のシャントトランジスタ及びスルートランジスタに
おける電流−電圧の特性図である。
【図3】本発明の一実施例に係る高周波電力用スイッチ
装置及び従来の高周波電力用スイッチ装置における入力
電力−出力電力の特性図である。
【図4】従来及び本発明の一実施例に係る高周波電力用
スイッチ装置の基本回路図である。
【図5】従来の高周波電力用スイッチ装置の平面図であ
る。
【符号の説明】
A スルートランジスタ B シャントトランジスタ 40 半導体基板 41 高周波パッド(第1の高周波端子) 42 高周波パッド(第2の高周波端子) 43 接地パッド(接地端子) 51,52,61,62 オーミック電極(ソース端子
又はドレイン端子) 53,63 ショットキ電極(ゲート端子) 54,64 ゲート配線 55,65 ゲート抵抗 56,66 ゲートパッド
フロントページの続き (72)発明者 山本 真司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−188378(JP,A) 特開 昭61−202470(JP,A) 特開 平1−74763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 21/06 H01L 21/822 H01L 21/8232 H01L 27/04 H01L 27/095 H01L 29/812

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶方位により電界効果型トランジスタ
    のしきい値電圧が変化する半導体基板と、 該半導体基板上に形成され、ソース端子及びドレイン端
    子のうちの一方が第1の高周波端子に接続されていると
    共に他方が第2の高周波端子に接続されており、ゲート
    端子に負のしきい値電圧よりも正側の電圧が印加される
    とオン状態になる一方ゲート端子に負のしきい値電圧よ
    りも負側の電圧が印加されるとオフ状態になり、ゲート
    端子に接続されたゲート電極直下の空乏層よりも十分に
    深い領域にチャネル領域が形成されているデプレッショ
    ン型の電界効果型トランジスタよりなるスルートランジ
    スタと、 前記半導体基板上に形成され、ドレイン端子が前記第1
    の高周波端子に接続されていると共にソース端子が接地
    端子に接続されており、ゲート端子に負のしきい値電圧
    よりも正側の電圧が印加されるとオン状態になる一方ゲ
    ート端子に負のしきい値電圧よりも負側の電圧が印加さ
    れるとオフ状態になり、ゲート端子に接続されたゲート
    電極直下の空乏層よりも十分に深い領域にチャネル領域
    が形成されているデプレッション型の電界効果型トラン
    ジスタよりなるシャントトランジスタとを備え、 前記スルートランジスタは、そのゲート方位が前記半導
    体基板における電界効果型トランジスタのしきい値電圧
    が深くなる第1の方位と一致するように形成されてお
    り、 前記シャントトランジスタは、そのゲート方位が前記半
    導体基板における電界効果型トランジスタのしきい値電
    圧が浅くなる第2の方位と一致するように形成されてい
    ることを特徴とする高周波電力用スイッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板は基板面方位が(10
    0)面である半絶縁性のガリウム砒素よりなり、前記第
    1の方位は前記半導体基板の[0-1-1]方位であり、前
    記第2の方位は前記半導体基板の[0-11]方位である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波電力用スイッ
    チ装置。
  3. 【請求項3】 ソース端子及びドレイン端子のうちの一
    方が第1の高周波端子に接続されていると共に他方が第
    2の高周波端子に接続されており、ゲート端子に負のし
    きい値電圧よりも正側の電圧が印加されるとオン状態に
    なる一方ゲート端子に負のしきい値電圧よりも負側の電
    圧が印加されるとオフ状態になるデプレッション型の電
    界効果型トランジスタよりなるスルートランジスタのチ
    ャネル領域を、結晶方位により電界効果型トランジスタ
    のしきい値電圧が変化する半導体基板上におけるゲート
    端子に接続されたゲート電極直下の空乏層よりも十分に
    深い領域に、該スルートランジスタのゲート方位が前記
    半導体基板における電界効果型トランジスタのしきい値
    電圧が深くなる第1の方位と一致するようにイオン注入
    することにより形成するスルートランジスタのチャネル
    領域形成工程と、 ドレイン端子が第1の高周波端子に接続されていると共
    にソース端子が接地端子に接続されており、ゲート端子
    に負のしきい値電圧よりも正側の電圧が印加されるとオ
    ン状態になる一方ゲート端子に負のしきい値電圧よりも
    負側の電圧が印加されるとオフ状態になるデプレッショ
    ン型の電界効果型トランジスタよりなるシャントトラン
    ジスタのチャネル領域を、前記半導体基板上におけるゲ
    ート端子に接続されたゲート電極直下の空乏層よりも十
    分に深い領域に、該シャントトランジスタのゲート方位
    が前記半導体基板における電界効果型トランジスタのし
    きい値電圧が浅くなる第2の方位と一致するように形成
    するシャントトランジスタのチャネル領域形成工程とを
    備え、 前記スルートランジスタのチャネル領域と前記シャント
    トランジスタのチャネル領域とを前記半導体基板に1回
    のイオン注入を行なうことにより同時に形成することを
    特徴とする高周波電力用スイッチ装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板は基板面方位が(10
    0)面である半絶縁性のガリウム砒素よりなり、前記第
    1の方位は前記半導体基板の[0-1-1]方位であり、前
    記第2の方位は前記半導体基板の[0-11]方位である
    ことを特徴とする請求項3に記載の高周波電力用スイッ
    チ装置の製造方法。
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