JP3046644B2 - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents

光起電力素子の製造方法

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JP3046644B2 JP3138559A JP13855991A JP3046644B2 JP 3046644 B2 JP3046644 B2 JP 3046644B2 JP 3138559 A JP3138559 A JP 3138559A JP 13855991 A JP13855991 A JP 13855991A JP 3046644 B2 JP3046644 B2 JP 3046644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光を電気エネルギ
ーに変換する光電変換素子である光起電力素子の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光起電力素子は、電卓、腕時計など民生
用の小電力用電源として広く応用されており、また、将
来、石油、石炭などのいわゆる化石燃料の代替用電力と
しての実用化可能な技術として注目されている。光起電
力素子は半導体のpn接合の光起電力を利用した技術で
あり、シリコンなどの半導体が太陽光を吸収し電子と正
孔の光キャリアーが生成し、該光キャリアーをpn接合
部の内部電界によりドリフトさせ、外部に取り出すもの
である。このような光起電力素子の作製方法としては多
くの場合半導体プロセスが用いられる。具体的には、チ
ョクラルスキー(CZ)法などの結晶成長法により、p
型、またはn型に価電子制御したシリコンの単結晶また
は多結晶を作製し、該単結晶または多結晶をスライスし
て約300μmの厚さのシリコンウエハーとする。さら
に前記ウエハーの導電型と反対の導電型となるよう価電
子制御剤を、例えば、拡散などの適当な手段を用いるこ
とによって相異なる導電型の層を形成しpn接合とす
る。
【0003】ところで、信頼性や変換効率が高いことか
ら、現在、実用化されている光起電力素子には主に単結
晶シリコンまたは多結晶シリコンが用いられているが、
上述のように作製方法に半導体プロセスを用いるため一
般に単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いる結晶
系光起電力素子は生産コストが高いという欠点がある。
【0004】さらに結晶系シリコンは光吸収係数が比較
的小さいため光起電力素子として用いる場合少なくとも
50μmの厚さが必要なこと、バンド・ギャップ・エネ
ルギーが約1.1eVであり、光起電力素子に適する
1.5eVより狭く、入射光の長波長成分を有効に利用
できないことなどの欠点がある。多結晶シリコンには他
に粒界の問題もある。
【0005】さらに結晶系シリコンは大面積化が困難で
あり大電力を取り出す場合には単位素子の直列・並列化
が必要となり複雑な配線が要求されること、また、屋外
での使用時の外的機械的損傷からの光起電力素子の保護
のために高価な実装が必要となることなどの理由から、
単位発電量に対する生産コストが他の既存の発電方法に
比して割高になるという問題がある。
【0006】このような事情から光起電力素子の電力用
としての実用化に際しての重要な技術的課題は生産の低
コスト化および素子の大面積化の実現であり、様々な検
討がなされている。その結果、例えば低コストの材料、
素子の変換効率の高い材料として、非結晶シリコン、非
晶質シリコン・ゲルマニウム、非晶質炭化珪素などのテ
トラヘドラル系非晶質半導体や、CdS,Cu2Sなど
のII−IV族や、GaAs,GaAlAsなどの化合物半
導体などが見いだされている。なかでも非晶質半導体、
とりわけ非晶質シリコンを用いた薄膜光起電力素子は、
大面積化が容易なこと、吸収係数が結晶系シリコンに比
して大きく厚さが薄くて済むこと、薄膜を堆積する基板
材質、形状の限定が少ないなどの長所があり有望視され
ている。しかしながら、上記の非晶質シリコンを用いた
光起電力素子は光電変換効率が低いこと、信頼性が低い
ことなどの欠点も合わせもっており、これらを解決する
ために様々な試みがなされている。
【0007】上記の非晶質シリコンの光電変換効率の低
いことは以下のことが一つの理由とされている。すなわ
ち非晶質シリコンのバンド・ギャップ・エネルギーは約
1.7eVであり、700nm以上の長波長域の光を吸
収しない。これはこの領域の光が有効利用されないから
である。これに対してこの長波長領域にも感度のあるバ
ンド・ギャップ・エネルギーの小さな材料が検討されて
いる。非晶質シリコン・ゲルマニウムはその一例であ
る。薄膜堆積時に用いられるシリコンを含有する原料ガ
スとゲルマニウムを含有する原料ガスの比によってバン
ド・ギャップ・エネルギーを約1.3eVから約1.7
eVまでの任意の値に制御できる。
【0008】また、光電変換効率を向上する手法として
単位光起電力素子構造を複数積層するいわゆるスタック
構造を用いることが、米国特許2,949,498号明
細書に開示されている。上記特許においてはpn接合結
晶半導体が用いられているが、バンド・ギャップ・エネ
ルギーの異なる単位光起電力素子構造に入射光の吸収波
長域を分担させることによって入射光を広波長域にわた
って有効利用するというその思想は結晶系および非晶質
半導体のいずれにも共通するものである。この手法を用
いることによって光起電力素子特性の開回路電圧Voc
は増大し、光電変換効率が向上する。
【0009】上記のスタック構造を用いる手法では、光
入射側の単位光起電力素子構造から順にそのバンド・ギ
ャップ・エネルギーが小さくなるように設計される。こ
の点で非晶質シリコンに比してバンド・ギャップ・エネ
ルギーが小さく、また、そのバンド・ギャップ・エネル
ギーの制御が容易な非晶質シリコン・ゲルマニウムは材
料として適している。
【0010】一方、同じバンド・ギャップ・エネルギー
をもつ複数の非晶質シリコンの単位光起電力素子構造を
それらの間に絶縁層をもたずに積層し光起電力素子全体
のVocを増大させる手法が提案されている。
【0011】ところで非晶質シリコン・ゲルマニウムは
一般に膜質に関しては非晶質シリコンに比して劣る。ま
た、単位光起電力素子として比較した場合にも光電変換
効率は非晶質シリコンの方が高い。これは非晶質シリコ
ン・ゲルマニウムの空乏層内の局在準位が非晶質シリコ
ンのそれに比して多いことに起因するといわれており、
上記局在準位を減少させる試みがなされており、例え
ば、特公昭63−48197号公報においては、活性化
したフッ素原子によって非晶質シリコン・ゲルマニウム
中のダングリングボンドを補償し局在準位の数を減少す
ることが開示されている。
【0012】一方、上記のような膜質向上以外の方法で
非晶質シリコン・ゲルマニウム光起電力素子の特性向上
の検討がなされている。例えば、p型半導体層および/
またはn型半導体層とi型半導体層との接合界面におい
てバンド幅の傾斜をもたせるいわゆるバッファ層を用い
る方法が米国特許4,254,429号、米国特許4,
377,723号に開示されている。該バッファ層の役
割は内部電界を増加させVocを増大することにある。
【0013】さらに、別の方法として含有するシリコン
とゲルマニウムの組成比を膜厚方向に変化させることに
よりi層中に組成分布、いわゆる、傾斜層を設けること
によって光起電力素子特性を向上させる方法がある。
【0014】例えば、米国特許第4,816,082号
によれば、光入射側の第一の面の価電子制御された半導
体層に接する部分のi層のバンド・ギャップ・エネルギ
ーを大きくし、中央部に向かうにしたがい徐々にバンド
・ギャップ・エネルギーを小さくし、さらに第二の価電
子制御された半導体層に向かうにしたがいバンド・ギャ
ップ・エネルギーを大きくしていく方法が開示されてい
る、。該方法によれば光によって発生したキャリアーは
内部電界の働きによって効率よく分離され膜特性が向上
する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記非晶
質シリコンをはじめとする非晶質光起電力素子は結晶系
シリコン光起電力素子に比して光電変換効率が低く、ま
た1Wあたりの発電コストは既存の火力、水力、原子力
発電に比して高い。よって非晶質光起電力素子は、結晶
系光起電力素子、および既存の発電手段と対等に一般に
未だ普及していないのが実状である。
【0016】本発明は、上述した問題点を解決し、光変
換効率が高く、かつ原料ガスの使用量が比較的少なくて
済む非晶質光起電力素子の製造方法を提供するものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性表面を有
する基板上に少なくとも一組のp,i,n型半導体が堆
積され、i型半導体膜は非晶質シリコン・ゲルマニウム
であり、i型半導体膜中でゲルマニウムの含有量が膜厚
方向に変化することによってバンド・ギャップ・エネル
ギーが膜厚方向に一旦単調に減少し再び単調に増加する
構造を有する光起電力素子の製造方法であって、i型半
導体膜を堆積する工程において、ゲルマニウムを含有す
る原料ガスの供給量をまず0から時間に対して直線的に
増加させ、i型半導体膜の堆積開始から終了までの総堆
積時間の0.75以上0.8以下の時点で所定の流量と
し、該所定の流量に達した時点からは該供給流量を時間
に対して直線的に0まで減少させる光起電力素子の製造
方法である。
【0018】かかる構成とすることによって、光電変換
効率が高い光起電力素子が得られ、かつ原料ガスの使用
量が比較的少なくて済む光起電力素子の製造方法を提供
することができる。
【0019】前記所定の流量に達する時点に堆積する膜
のバンド・ギャップ・エネルギーを1.3eV以上1.
4eV以下にすることも変換効率がさらに高くなるので
好ましい。
【0020】本発明者らは検討の結果、まず、以下の知
見を得た。すなわちi型半導体薄膜中の膜厚方向のバン
ド・ギャップ・エネルギーの変化を、ゲルマニウムを含
有する原料ガスを上記i型半導体薄膜の堆積開始時の0
SCCMから該原料ガスの最大流量まで時間とともに直
線的に増加させ、その後該原料ガスの最大流量から上記
i層半導体薄膜の堆積終了時の0SCCMまで時間とと
もに直線的に減少させることによって制御した光起電力
素子と、上記とトータルで等しい量のゲルマニウムを含
有する原料ガスをi型半導体薄膜の堆積開始時から堆積
終了時まで一定流量導入してバンド・ギャップ・エネル
ギーを減少させた光起電力素子を比較すると前者の方が
光電変換効率が高いことである。本発明はこの知見に基
づきさらなる検討を行ない、完成するに至った。
【0021】本発明は単位光起電力素子構造を複数積層
する光起電力素子に応用することも可能であり、その場
合少なくとも一つ以上の単位光起電力素子構造のi型半
導体薄膜に本発明を適用することで効果が得られる。
【0022】図6〜9は、本発明を適用するに好適なp
in型非晶質太陽電池の例を模式的的に表したものであ
る。図6は光が図の上部から入射する構造の太陽電池で
あり、図において1は基板、2は下部電極、3はn型半
導体層、4はi型半導体層、5はp型半導体層、6は上
部電極、7は集電電極を表す。
【0023】図7は基板1が透明であり、光が図の下部
から入射する構造の太陽電池を示す。図8は図6の太陽
電池のpin構造を2層積層した構造の太陽電池であ
り、図において10および11は太陽電池の単位素子を
表し13はn型半導体層、14はi型半導体層、15は
p型半導体層を表す。図9は図6の太陽電池のpin構
造を3層積層した構造の太陽電池であり、図において1
2は太陽電池の単位素子を表し、23はn型半導体層、
24はi型半導体層、25はp型半導体層を表す。なお
いずれの光起電力素子においてもn型半導体層とp型半
導体層とは目的に応じて各相の積層順を入れかえて使用
することもできる。以下、これらの光起電力素子の構成
について説明する。
【0024】基板 p,iおよびn型の半導体層3,4,5はたかだか1μ
m程度の薄膜であるため適当な基板上に堆積される。こ
のような基板1としては、単結晶もしくは、非単結晶質
のものであってもよく、さらにそれらは導電性のもので
あっても、また電気絶縁性のものであってもよい。さら
にそれらは透光性のものであっても、また非透光性のも
のであってもよいが、変形、歪が少なく、所望の強度を
有するものであることが好ましい。具体的にはFe,N
i,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,
Pt,Pbなどの金属またはこれらの合金、例えば真ち
ゅう、ステンレス鋼などの薄板およびその複合体、およ
びポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セ
ルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、
ポリイミド、エポキシなどの耐熱性合成樹脂のフィルム
またはシートまたはこれらとガラスファイバー、カーボ
ンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維などとの複
合体、およびこれらの金属の薄板、樹脂シートなどの表
面に異種材質の金属薄膜および/またはSiO2,Si3
4,Al23,AlNなどの絶縁性薄膜をスパッタ
法、蒸着法、鍍金法などにより表面コーティング処理を
行なったものおよびガラス、セラミックスなどが挙げら
れる。
【0025】基板が金属などの電気導電性である場合に
は基板を直接電流取り出し用の電極としてもよいし、合
成樹脂などの電気絶縁性である場合には堆積膜の形成さ
れる側の表面にAl,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,
Mo,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅ
う,ニクロム,SnO2,In23,ZnO,ITOな
どのいわゆる金属単体または合金、および透明導電性酸
化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッタなどの方法であ
らかじめ表面処理を行なって電流取り出し用の電極を形
成しておくことが望ましい。
【0026】勿論、前記基板が金属などの電気導電性の
ものであっても、長波長光の基板表面上での反射率を向
上させたり、基板材質と堆積膜との間での構成元素の相
互拡散を防止するなどの目的で異種の金属層などを前記
基板上の堆積膜が形成される側に設けてもよい。また、
前記基板が比較的透明であって、該基板の側から光入射
を行なう層構成の太陽電池とする場合には前記透明導電
性酸化物や金属薄膜などの導電性薄膜をあらかじめ堆積
形成しておくことが望ましい。
【0027】また、前記基板の表面性としてはいわゆる
平滑面であっても、微小の凹凸面であってもよい。
【0028】微小の凹凸面とする場合にはその凹凸形状
は球状、円錐状、角錐状などであって、かつその最大高
さ(Rmax)が好ましくは500乃至5000オングス
トロームとすることにより、該表面での光反射が乱反射
となり、該表面での反射光の光路長の増大をもたらす。
基板の形状は、用途により平滑表面あるいは凸凹表面の
板状、長尺ベルト状、円筒状などであることができ、そ
の厚さは、所望の通りの光起電力素子を形成し得るよう
に適宜決定するが、光起電力素子として可撓性が要求さ
れる場合、または基板の側より光入射がなされる場合に
は、基板としての機能が充分発揮される範囲内で可能な
限り薄くすることができる。しかしながら、基板の製造
上および取り扱い上、機械的強度などの点から、通常
は、10μm以上とされる。
【0029】本発明の光起電力素子においては、当該素
子の構成形態により適宜の電極が選択使用される。それ
らの電極としては、下部電極、上部電極(透明電極)、
集電電極を挙げることができる。(ただし、ここでいう
上部電極とは光の入射側に設けられたものを示し、下部
電極とは半導体層を挟んで上部電極に対向して設けられ
たものを示すこととする。)これらの電極について以下
に詳しく説明する。
【0030】下部電極 本発明において用いられる下部電極2としては、上述し
た基板1の材料が透光性であるか否かによって、光起電
力発生用の光を照射する面が異なる故(例えば基板1が
金属などの非透光性の材料である場合には、図6で示し
たごとく上部電極6側から光起電力発生用の光を照射す
る。)その設置される場所が異なる。
【0031】具体的には、図6,8および9のような層
構成の場合には基板1とn型半導体層2との間に設けら
れる。しかし、基板1が導電性である場合には、該基板
が下部電極を兼ねることができる。ただし、基板1が導
電性であってもシート抵抗値が高い場合には、電流取り
出し用の低抵抗の電極として、あるいは基板面での反射
率を高め入射光の有効利用を図る目的で下部電極2を設
置してもよい。
【0032】図7の場合には透光性の基板1が用いられ
ており、基板1の側から光が入射されるので、電流取り
出しおよび当該電極での光反射用の目的で、下部電極2
が基板1と対向して半導体層を挟んで設けられている。
【0033】また、基板1として電気絶縁性のものを用
いる場合には電流取り出し用の電極として、基板1とn
型半導体層3との間に下部電極2が設けられる。
【0034】電極材料としては、Ag,Au,Pt,N
i,Cr,Cu,Al,Ti,Zn,Mo,Wなどの金
属またはこれらの合金が挙げられ、これらの金属の薄膜
を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリングなどで形
成する。また、形成された金属薄膜は光起電力素子の出
力に対して抵抗成分とならぬように配慮されねばなら
ず、シート抵抗値として好ましくは50Ω以下、より好
ましくは10Ω以下であることが望ましい。
【0035】下部電極2とn型半導体層3との間に、図
中には示されていないが、導電性酸化亜鉛などの拡散防
止層を設けてもよい。該拡散防止層の効果としては下部
電極2を構成する金属元素がn型半導体層中へ拡散する
のを防止するのみならず、若干の抵抗値をもたせること
で半導体層を挟んで設けられた下部電極2と透明電極6
との間にピンホールなどの欠陥で発生するショートを防
止すること、および薄膜による多重干渉を発生させ入射
された光を光起電力素子内に閉じ込めるなどの効果を挙
げることができる。
【0036】上部電極(透明電極)本発明において用い
られる上部電極(透明電極)6としては太陽や白色蛍光
灯などからの光を半導体層内に効率よく吸収させるため
に光の透過率が85%以上であることが望ましく、さら
に、電気的には光起電力素子の出力に対して抵抗成分と
ならぬようにシート抵抗値は100Ω以下であることが
望ましい。このような特性を備えた材料としてSn
2,In23,ZnO,CdO,CdSnO4,ITO
(In23+SnO2)などの金属酸化物や、Au,A
l,Cuなどの金属を極めて薄く半透明状に成膜した金
属薄膜などが挙げられる。上部電極6は図6,8および
9においてはp型半導体層5層の上に積層され、図7に
おいては基板1の上に積層されるものであるため、互い
に密着性のよいものを選ぶことが必要である。上部電極
の作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱
蒸着法、スパッタリング法、スプレー法などを用いるこ
とができ所望に応じて適宜選択される。
【0037】集電電極 本発明において用いられる集電電極7は、上部電極6の
表面抵抗値を低減させる目的で上部電極6上に設けられ
る。電極材料としてはAg,Cr,Ni,Al,Au,
Ti,Pt,Cu,Mo,Wなどの金属またはこれらの
合金の薄膜が挙げられる。これらの薄膜は積層させて用
いることができる。また、半導体層への光入射光量が充
分に確保されるよう、その形状および面積が適宜設計さ
れる。
【0038】例えば、その形状は光起電力素子の受光面
に対して一様に広がり、かつ受光面積に対してその面積
は好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下で
あることが望ましい。
【0039】また、シート抵抗値としては、好ましくは
50Ω以下、より好ましくは10Ω以下であることが望
ましい。
【0040】半導体層3,4,5は通常の薄膜作製プロ
セスによって作製されるもので、蒸着法、スパッタ法、
高周波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD
法、ECR法、熱CVD法、LPCVD法など公知の方
法を所望に応じて用いることにより作製できる。工業的
に採用されている方法としては、原料ガスをプラズマで
分解し、基板上に堆積させるプラズマCVD法が好んで
用いられる。また、反応装置としては、バッチ式の装置
や連続成膜装置などが所望に応じて使用できる。価電子
制御された半導体を作製する場合は、リン、ボロンなど
を構成原子として含むPH3、B26ガスなどを同時に
分解することにより行なわれる。
【0041】i型半導体層 本光起電力素子において好適に用いられるi型半導体層
を構成する半導体材料としては、非晶質シリコン・ゲル
マニウムのi層を作製する場合はa−SiGe:H,a
−SiGe:F,a−SiGe:H:Fなどのいわゆる
周期律表第IV族合金系半導体材料が挙げられる。また、
単位素子構成を積層したスタックセル構造において非晶
質シリコン・ゲルマニウム以外のi型半導体層を構成す
る半導体材料としては、a−Si:H,a−Si:F,
a−Si:H:F,a−SiC:H,a−SiC:F,
a−SiC:H:F,poly−Si:H,poly−
Si:F,poly−Si:H:Fなどいわゆる周期律
表第IV族およびIV族合金系半導体材料の他、周期律表第
III−V族およびII−VI族のいわゆる化合物半導体材料
などが挙げられる。
【0042】CVD法に用いる原料ガスとしては、シリ
コン元素を含む化合物として鎖状または環状シラン化合
物が用いられ、具体的には、例えば、SiH4,Si
4,(SiF25,(SiF26,(SiF24,S
26,Si38,SiHF3,SiH22,Si22
4,Si233,SiCl4,(SiCl25,Si
Br4,(SiBr25,SiCl6,SiHCl3,S
iHBr2,SiH2Cl2,SiCl33などのガス状
態のまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。
【0043】また、ゲルマニウム元素を含む化合物とし
て、鎖状のゲルマンまたはハロゲン化ゲルマニウム、環
状のゲルマンまたはハロゲン化ゲルマニウム、鎖状また
は環状ゲルマニウム化合物およびアルキル基などを有す
る有機ゲルマニウム化合物、具体的にはGeH4,Ge2
6,Ge33,n−Ge410,t−Ge410,Ge
6,Ge510,GeH3Cl,GeH22,Ge(C
34,Ge(C254,Ge(C654,Ge(C
322,GeF2,GeF4などが挙げられる。
【0044】p型半導体層およびn型半導体層 好適に用いられるp型またはn型半導体層を構成する半
導体材料としては、前述したi型半導体層を構成する半
導体材料に価電子制御剤をドーピングすることによって
得られる。作製方法は、前述したi型半導体層の作製方
法と同様の方法が好適に利用できる。また原料として
は、周期律表第IV族の堆積膜を得る場合、p型半導体を
得るための価電子制御剤としては周期律表第III族の元
素を含む化合物が用いられる。第III族の元素として
は、B,Al,Ga,Inが挙げられる。第III族元素
を含む化合物としては、具体的には、BF3,B26
410,B59,B511,B610,B(CH33
B(C253,B612,AlX3,Al(CH32
l,Al(CH33,Al(OCH32Cl,Al(C
3)Cl2,Al(C253,A(OC253,Al
(CH33Cl3,Al(i−C495,Al(C
373,Al(OC493,GaX3,Ga(OC
33,Ga(OC253,Ga(OC373,Ga
(CH33,Ga26,GaH(C252,Ga(O
25),(C252,In(CH33,In(C3
73,In(C493などが挙げられる。
【0045】n型半導体を得るための価電子制御剤とし
ては周期律表第V族の元素を含む化合物が用いられる。
第V族の元素としては、P,N,As,Sbが挙げられ
る。第V族の元素を含む化合物としては、具体的には、
NH3HN3,N253,N24,NH43,PX3,P
(OCH33,P(OC253,P(C373,P
(OC493,P(CH33,P(C253,P(C
373,P(C493,P(OCH33,P(OC2
53,P(OC373,P(OC493,P(SC
N)3,P24,PH3,AsH3,AsX3,As(OC
33,As(OC253,As(OC373,As
(OC493,AS(CH33,As(CH33,A
s(C253,As(C653,SbX3,Sb(O
CH33,Sb(OC253,Sb(OC373,S
b(OC493,Sb(CH33,Sb(C373
Sb(C493などが挙げられる。
【0046】勿論、これらの原料ガスは1種であっても
よいが、2種またはそれ以上を併用してもよい。
【0047】前記した原料物質が常温、常圧下で気体状
態である場合にはマスフローコントローラー(以下MF
Cを称す)などによって成膜空間への導入量を制御し、
液体状態である場合には、Ar,Heなどの希ガスまた
は水素ガスをキャリアーガスとして、必要に応じ温度制
御が可能なバブラーを用いてガス化し、また固体状態で
ある場合には、Ar,Heなどの希ガスまたは水素ガス
をキャリアーガスとして加熱昇華炉を用いてガス化し
て、主にキャリアーガス流量と炉温度により導入量を制
御する。
【0048】
【実施例】非晶質シリコン・ゲルマニウムの薄膜の性質
を調べるために予備試験を行なった後、実施例および比
較例の試験を行なった。まず成膜の手順について説明す
る。図10に示す公知のRF放電プラズマCVD成膜装
置を用いて、以下のようにして非晶質シリコン・ゲマニ
ウム膜を作製した。
【0049】図10において100は反応チャンバー、
101は基板、102はアノード電極、103はカソー
ド電極、104は基板加熱用ヒーター、105は接地用
端子、106はマッチングボックス、107はRF電
源、108は排気管、109は排気ポンプ、110は成
膜ガス導入管、120および122はバルブ、121は
マスフローコントローラーを示す。
【0050】まず、5cm角の基板101を反応チャン
バー100の中のカソードに取り付け、排気ポンプ10
9により充分排気し、不図示のイオンゲージで反応チャ
ンバー100の中の真空度が10-6Torrとなるよう
にした。次に基板加熱用ヒーター104で基板101を
300℃に加熱した。基板温度が一定になった後、バル
ブ120,122を開け、マスフローコントローラー1
21を制御して不図示のSiH4ガスボンベからSiH4
ガスをガス導入管110を介して反応チャンバー100
の中に導入した。同様にしてマスフローコントローラー
を制御してH2ガス、GeH4ガスを導入した。反応チャ
ンバー100の内圧を1.5Torrに保つように不図
示の圧力コントローラーを調整した後、RF電源107
からパワーを投入し、マッチングボックス106を調整
することにより反射波を最小にしながらプラズマ放電を
60分間行ない、非晶質シリコン・ゲルマニウム膜を堆
積した。ガス供給をやめ反応チャンバー100から試料
を取り出した。
【0051】以上が、本実験で用いられた非晶質シリコ
ン・ゲルマニウムの薄膜堆積の一般的な堆積過程であ
る。金属基板を用いる場合も同様の方法を用いた。
【0052】予備試験 この実験ではi層堆積時に導入するGeH4量と膜堆積
速度の関係、導入するGeH4量と成膜された膜のバン
ド・ギャップ・エネルギーの関係を調べた。
【0053】まず、i層膜堆積開始時から終了時まで一
定量のSi26ガス、H2ガス、GeH4ガスを導入して
ガラス基板上にi層膜に対応するSiGe:H膜のみを
堆積させた試料を作製した。ただし、GeH4量とi層
のバンド・ギャップ・エネルギーの関係を調べるため、
導入するGeH4量の異なる試料を複数種作製した。
【0054】用いたガラス基板は市販の約1mmの厚さ
のコーニング社製7059ガラス板である。導入した原
料ガス量はどの試料もSi26 10SCCM,H2
100SCCMとした。そしてGeH4は、1,5,1
0,20SCCMの4種類とした。印加したRF電力は
10W、ガラス基板の温度は350℃、チャンバー内の
圧力は2Torrである。膜堆積時間は、いずれの試料
も1時間とした。
【0055】作製した試料について各々、以下のように
膜の堆積速度、バンド・ギャップ・エネルギー、膜中の
Geの組成量を測定した。膜の堆積速度は、アルファ・
ステップ(商品名、TENCOR INSTRUMEN
TS社製)を用いてガラス基板上の堆積膜の膜厚を測定
し、その値を膜堆積時間で除して求めた、また、バンド
・ギャップ・エネルギーとはここでは光学的バンド・ギ
ャップ・エネルギーのことを指すが、紫外・可視光域の
吸収率および上記のガラス基板上の堆積膜の膜厚の測定
値を用いて求めた。
【0056】以上のように作製した4種類の試料につい
て、GeH4導入量と膜堆積速度の関係、GeH4導入量
とバンド・ギャップ・エネルギーの関係を各々図4およ
び5に示した。
【0057】その結果、図4より膜堆積速度はGeH4
導入量の増加とともに直線的に増加すること、また図5
よりバンド・ギャップ・エネルギーはGeH4導入量の
増加とともに下に凸に減少することが解った。
【0058】実施例1および比較例1 実施例1では、i型半導体膜形成時に図1に示すGeH
4導入プロファイルとし、比較例1ではGeH4を一定流
量導入し続けて光起電力素子を作製し、素子のエネルギ
ー変換効率を調べた。図1中、Tは総堆積時間であり、
tはGeH4の導入量が最大になる時点を示す。ここで
は、金属基板上にn,i,p層の順にアモルファスS
i:H薄膜をグロー放電法によって堆積しその上に透明
電極、グリッド状金属電極を真空蒸着して光起電力素子
とした。
【0059】本実施例は特にi層に関するものであるの
で、まず金属基板、n,p層、透明電極(上部電極)、
グリッド状電極(集電電極)について簡単に説明し、そ
の後i層について詳しく説明する。
【0060】基板としては、厚さ約1mmのステンレス
スチールSUS304を表裏面研磨したものを用いた。
【0061】n層薄膜は、Si26,H2、PH3/H2
1%希釈ガスを各々10SCCM,300SCCM,1
2SCCM、チャンバー内に導入し、RF電力20Wを
電極間に印加して、圧力1.5Torrで堆積した。n
層の膜厚は200オングストロームとした。
【0062】また、p層薄膜は、SiH4,H2,BF3
/H22%希釈ガスを各々5.0SCCM、300SC
CM、5.0SCCM、チャンバー内に導入し、RF電
力150Wを電極間に印加して、圧力1.5Torrで
堆積した。膜厚は100オングストロームとした。
【0063】透明電極として酸化インジウム・錫を用い
た。またグリッド状電極としては、Cr,Ag,Crを
順にグリッド状のマスクを用いて真空蒸着した。
【0064】次にi層について説明する。i層膜堆積時
に導入するGeH4は、膜堆積開始時の0SCCMから
最大GeH4量まで直線的に増加させ、その後膜堆積終
了時の0SCCMまで直線的に減少させた。
【0065】導入する原料ガス量はSi2610CC
M,H2100SCCM,最大GeH4導入量は10SC
CMとした。印加したRF電力は10Wである。膜厚は
堆積時間を調節することにより2000オングストロー
ムとした。またGeH4導入量最大となる膜厚方向の位
置は膜堆積時間の2/3のところに設定した。
【0066】比較例1としては次のi層作製条件を設定
した。すなわち、i層堆積時に導入するGeH4量は膜
堆積開始時から終了まで10SCCMで一定とした。
【0067】導入する原料ガス量はSi2610SCC
M,H2100SCCMとした。印加したRF電力は1
0Wである。膜厚は堆積時間を調節することにより20
00オングストロームとした。膜厚を2000オングス
トロームに揃えた理由は、i層の膜厚が変換効率に影響
し、i層の膜厚の増加とともに変換効率が減少する傾向
があるからである。膜厚を揃えたことによって膜厚の違
いによる変換効率の変化は避けることができる。
【0068】以上の各々の条件で光起電力素子を作製
し、素子温度を25℃に保ち、AM1.5,100mW
の疑似太陽光を照射して電流・電圧曲線を測定し変換効
率を求めた。
【0069】その結果、変換効率はGeH4を一定量導
入した方に比して、本発明のGeH4導入プロファイル
によって作製したi層をもつ方が約40%高く、本発明
の効果が示された。
【0070】実施例2 i層のバンド・ギャップ・エネルギーが最小となる膜厚
方向の位置の最適値を求める実験を行なった。
【0071】i層の膜厚は変換効率に影響し、i層の膜
厚の増加とともに変換効率が減少する傾向にあるので、
本実験においてはi層のバンド・ギャップ・エネルギー
が最小となる膜厚方向の位置(GeH4供給流量最大位
置)を変化させても膜厚が変化しないように、i層膜の
堆積時間を一定という条件を設定した。これは、以下の
知見に基づくものである。
【0072】予備試験によりSi26ガス導入量一定の
ときi層膜の堆積速度はGeH4ガス導入量に比例して
増加することが解った(図4)。
【0073】この結果より、GeH4ガス導入量を膜堆
積開始時の0SCCMから膜堆積時間とともに直線的に
一旦最大GeH4導入量まで増加させその後直線的に膜
堆積終了時の0SCCMまで減少させる場合、i層の膜
厚は膜の堆積時間を底辺とし、最大GeH4導入量を高
さとする三角形の面積になる。よって最大GeH4導入
量とi層の膜堆積時間を一定とすれば、例え最大GeH
4量となるi層膜堆積開始からの時間、即ちi層のバン
ド・ギャップ・エネルギーの最小となる位置を膜厚方向
のどこに設定しても、i層の膜厚を一定とすることがで
きる。そのため、i層の膜厚が変換効率に与える影響を
除いた上で、i層のバンド・ギャップ・エネルギーの最
小となる膜厚方向の位置の最適値を求めることができ
る。
【0074】実験は上記の知見を考慮し以下の条件で行
なわれた。
【0075】導入する原料ガス量はSi2610SCC
M,H2100SCCM,最大GeH4導入量を10SC
CMとした。印加したRF電力は10Wである。i層膜
の堆積時間は一定とし、最大GeH4導入量となるi層
膜堆積開始からの時間tの異なるi層膜をもつ光起電力
素子を複数種作製した。装置は実施例1と同じものを用
いた。
【0076】以上のように作製した光起電力素子の各々
について実施例1と同様の条件で変換効率を測定した。
図2は横軸にtをi層の総堆積時間Tで除した値(t/
T)、縦軸に変換効率をとりデータをプロットしたもの
である。ただし変換効率は、t/Tが0.78である素
子の変換効率の値を1として相対値をプロットした。結
果としてt/Tが0.73から0.78に増加するとと
もに変換効率は一旦増加して約0.77のとき最大とな
り、その後横軸の値が0.77から1.00に増加する
とともに減少することが解った。
【0077】すなわちi層膜中のバンド・ギャップ・エ
ネルギーが最小となる膜厚方向の位置の最適値はi層膜
の総堆積時間を1とすると堆積開始から0.75から
0.80のときであることが解った。
【0078】実施例3 本実施例はi型半導体層以外は実施例1と同様に光起電
力素子を作製しその変換効率を測定比較した。金属基
板、n,p層、透明電極、グリッド状基板のそれぞれの
材質、作製条件は実施例1と同様であり、i層の作製条
件は次のとおりとした。
【0079】本実験例においてはバンド・ギャップ・エ
ネルギーの最適値、すなわち導入する最大GeH4量の
最適値を求める実験を行なった。
【0080】本実施例においてもi層の膜厚の変化によ
って変換効率が変化することを避ける目的で次のような
手順で作製条件を設定した。
【0081】まず、i層の膜厚を2000オングストロ
ームに設定し導入する原料ガス量はSi2610SCC
M,H2100SCCM,最大GeH4導入量はそれぞれ
1.5,10および20SCCMとした。各最大GeH
4導入量に対応するi層堆積膜速度を図4から求めた。
この値をもとに設定した膜厚となるように各々のi層の
膜堆積時間を決定した。
【0082】以上のようにi層の膜堆積時間を各々の最
大GeH4導入量に適した長さとすることによってi層
の膜厚は一定に保たれ、i層の膜厚の影響を受けずに最
大GeH4導入量の最適値を求めることができる。
【0083】また本実験例においてバンド・ギャップ・
エネルギーが最小となる膜厚方向の位置は実施例2の結
果を考慮しi層の膜堆積時間を1として膜堆積開始から
0.78となるように各々の膜堆積時間に対してそれぞ
れ決定した。印加したRF電力は10Wである。
【0084】以上のように作製した光起電力素子の各々
について変換効率を測定した。また、各々のバンド・ギ
ャップ・エネルギーおよびi層膜中のGeの組成比は最
大GeH4導入量に対応する値を求めた。
【0085】図3は横軸にバンド・ギャップ・エネルギ
ーを、縦軸に変換効率をとり測定データをプロットした
ものである。ただし変換効率は最大GeH4供給時に堆
積された部分のバンド・ギャップ・エネルギーが1.4
2eVだった素子の変換効率を1として相対値で表し
た。この図より最大GeH4供給時のバンド・ギャップ
・エネルギーが約1.3eVから1.4eVの領域では
変換効率はほぼ一定値であること。また、約1.4eV
から約1.7eVの領域では最大GeH4供給時のバン
ド・ギャップ・エネルギーの増加とともに変換効率が減
少する傾向が見られる。
【0086】以上の結果より上記バンド・ギャップ・エ
ネルギーの最適値は1.3eVから1.4eVであるこ
とが解った。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば光
変換効率が高く、かつ原料ガスが比較的少なくて済む光
起電力素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法におけるゲルマニウム含有ガスの
導入方法を示す模式図である。
【図2】本発明の方法におけるゲルマニウム含有ガスの
最大導入時点を表す相対時間と製造された光起電力素子
の変換効率との関係を示す図である。
【図3】本発明の方法における、ゲルマニウム含有ガス
の最大導入時に堆積された部分のバンドギャップエネル
ギーと製造された光起電力素子の変換効率との関係を示
す図である。
【図4】予備試験における、ゲルマニウム含有ガス導入
量と膜堆積速度との関係を示す図である。
【図5】予備試験におけるゲルマニウム含有ガス導入量
と堆積された膜のバンド・ギャップ・エネルギーとの関
係を示す図である。
【図6】本発明の方法により製造される光起電力素子の
一例を示す模式図である。
【図7】本発明の方法により製造される光起電力素子の
一例を示す模式図である。
【図8】本発明の方法により製造される光起電力素子の
一例を示す模式図である。
【図9】本発明の方法により製造される光起電力素子の
一例を示す模式図である。
【図10】実施例で用いた堆積膜形成装置の概略を示す
模式図である。
【符号の説明】
1,101 基板 2 下部電極 3,13,23 n型半導体層 4,14,24 i型半導体層 5,15,25 p型半導体層 6 上部電極 7 集電電極 10,11,12 単位素子 100 反応チャンバー 102 アノード電極 103 カソード電極 104 基板加熱用ヒーター 105 接地用端子 106 マッチングボックス 107 RF電源 108 排気管 109 排気ポンプ 110 成膜ガス導入管 120 バルブ 121 マスフローコントローラー 122 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 高一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山下 敏裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−71182(JP,A) 特開 平3−208376(JP,A) 特開 平4−44366(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性表面を有する基板上に少なくとも
    一組のp,i,n型半導体が堆積され、i型半導体膜は
    非晶質シリコン・ゲルマニウムであり、i型半導体膜中
    でゲルマニウムの含有量が膜厚方向に変化することによ
    ってバンド・ギャップ・エネルギーが膜厚方向に一旦単
    調に減少し再び単調に増加する構造を有する光起電力素
    子の製造方法であって、i型半導体膜を堆積する工程に
    おいて、ゲルマニウムを含有する原料ガスの供給量をま
    ず0から時間に対して直線的に増加させ、i型半導体膜
    の堆積開始から終了までの総堆積時間の0.75以上
    0.8以下の時点で所定の流量とし、該所定の流量に達
    した時点からは該供給流量を時間に対して直線的に0ま
    で減少させる光起電力素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の流量に達する時点に堆積する
    膜のバンド・ギャップ・エネルギーを1.3eV以上
    1.4eV以下にする請求項1記載の光起電力素子の製
    方法。
  3. 【請求項3】 前記p,i,n型半導体膜を、n型半導
    体膜、i型半導体膜、p型半導体膜の順に堆積する請求
    項1又は2記載の光起電力素子の製造方法。
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