JP3044212B2 - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents
高負荷伝動用vベルトInfo
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description
ルトに関する技術分野に属する。
号、実開平6―69490号、特開平5―272595
号の各公報等に示されるように、多数のブロックを張力
帯にブロック及び張力帯の凹凸噛合構造を利用して係止
固定した高負荷伝動用Vベルトがよく知られており、例
えば無段変速機の分野で使用されている。この種のVベ
ルトでは、その曲易さを確保するために、各ブロックの
張力帯への固定を接着ではなく、物理的な係合状態(噛
合状態)により行うようになされている。このベルト
は、例えば図2に示すように、ベルト幅方向に並んだ左
右1対の張力帯1,1を備えており、この各張力帯1の
上下面にそれぞれベルト長さ方向に並ぶ多数の被噛合部
としての上側凹部2,2,…及び下側凹部3,3,…が
上下に対応して設けられている。一方、各ブロック7の
ベルト幅方向側部にはそれぞれ張力帯1,1を嵌合する
ための切欠き溝状の左右1対の嵌合部8,8が形成さ
れ、この各嵌合部8の上面に上側噛合部としての上側凸
部9が、また下面に下側噛合部としての下側凸部10が
それぞれ設けられている。そして、上記各ブロック7の
左右の嵌合部8,8にそれぞれ張力帯1,1を圧入して
嵌合することにより、各ブロック7が両張力帯1,1に
係合固定されている。
に、左右1対の張力帯1,1を多数のブロック7,7,
…の各々に圧入して一体化したブロックタイプの高負荷
伝動用Vベルトにおいては以下の問題があった。すなわ
ち、ブロック7における嵌合部8の奥部と、この嵌合部
8に嵌合される張力帯1のベルト幅方向中央側の端部と
の間の奥突当て構造として、ブロック7への応力集中を
避けるために、図11に示すように、嵌合部8の奥突当
て面(奥底面)の上下の隅角部と、張力帯1の端部の奥
突当て部の上下隅角部とをそれぞれ斜めに形成し、応力
集中を軽減するために、通常、その各々の隅角部の角度
である上側及び下側の奥突当て角度をいずれも上下方向
の平面に対し略45°に設定することが行われている。
と、図11に仮想線にて示すように、張力帯1のブロッ
ク7との噛合部が、嵌合部8外側の張力帯1上面と嵌合
部8奥側の張力帯1下面とで偏摩耗し、この偏摩耗の発
生による寸法変化に伴い、張力帯1の保形層1a内の心
線1bの荷重分担が張力帯1の幅方向で嵌合部8の奥側
が外側よりも小さくなるように不均一となって、1本の
心線1bにかかる荷重が大きくなり、その疲労が促進さ
れて心線1bの切断までの時間が短くなり、ベルトの耐
久性が低下する。
ロックベルトには、ゴムベルトである張力帯1の側面を
ブロック7の側面に対し適量突出させて出代を形成し
(上記実開平6―69490号及び特開平5―2725
95号の各公報参照)、この出代により張力帯1の側面
をブロック7の側面と共にプーリ溝面への接触面とする
ことによって、ブロック7がプーリに突入する際の衝撃
を緩和し、騒音を低減することが行われているが、上記
張力帯1の偏摩耗が生ずると、その側面がブロック7の
側面に対し没入して出代がマイナスになり、ベルト騒音
が大きくなる。
帯1を1本のVベルトと考えたとき、その張力帯1がプ
ーリ溝面から受ける力Fとブロック7の嵌合部8の奥突
当て面から受ける力との間の方向のアンバランスによ
り、張力帯1のプーリ溝面側の部分を上側に押す一方、
プーリ溝面と反対側部分(嵌合部8の奥部側)を下側に
押すようなモーメント力Mが生じることによるものと考
えられる。
ロック7とが凹凸噛合いによって固定されているが、ベ
ルトの走行過程で張力帯1の噛合部分のへたり、摩耗、
ブロック7の噛合部分の摩耗等に起因して上記張力帯1
とブロック7との噛合いがルーズになり、ブロック7の
ガタを生じて、これが張力帯1の心線1bの疲労を促進
したり、ブロック7の揺動によってベルト騒音が大きく
なったりするという問題がある。
トに上記の如き出代と共に、張力帯1の噛合厚さをブロ
ック7の噛合隙間よりも大きく設定して、張力帯1が圧
縮状態でブロック7の嵌合部8に挿入嵌合されるように
する締め代(実開平1―55344号公報参照)をも設
け、ブロック7と張力帯1との間に生ずるガタの発生時
間を延ばすことがなされるが、これら締め代及び出代を
大きくすると、ベルトの発熱が大きくなるという問題が
ある。
寸法精度を上げ、出代及び締め代を最適の水準に設定す
ることによって、ベルトの耐久性を向上することも可能
であるが、締め代がある程度のレベルまでルーズになる
と、張力帯1の偏摩耗が起こり、ベルトの耐久性の向上
に限界があった。そして、ベルトの使用条件が過酷にな
ると(例えば小さなプーリ径、大きなトルク、高温雰囲
気下での使用)、上記の手段のみでは、もはやベルトの
耐久性の向上が望めず、偏摩耗の抑制手段が必要であっ
た。
で、その目的とするところは、ベルトのブロックにおけ
る嵌合部の奥部と、この嵌合部に嵌合される張力帯の奥
側端部との間の奥突当て構造を改良することにより、張
力帯の偏摩耗の発生を抑制してベルトの耐久性を高める
とともに、ベルトの発熱を低減しつつ、締め代及び出代
を大に確保して長期間の使用時でもベルトの騒音を低減
できるようにすることにある。
めに、この発明では、ブロックの嵌合部の奥部と張力帯
の端部との間の奥突当て構造のうち、その嵌合部の下側
の奥突当て面の角度に着目し、その下奥突当て面の角度
をベルト側面の角度(ブロック側面の角度=ベルト角度
の1/2)に対し関連付けることにより、張力帯に偏摩
耗が発生せずに耐久性に優れるとともに、締め代と出代
とをある程度大きくしても、ベルト発熱が著しく大きく
ならず、長期間使用してもベルト騒音が低く保たれるよ
うにした。
背面側の上面及び底面側の下面にそれぞれベルト長さ方
向に並ぶ多数の上側被噛合部及び下側被噛合部が上下に
対応して設けられたエンドレスの張力帯と、この張力帯
が圧入して嵌合される嵌合部を有し、該嵌合部の上面に
張力帯の上側被噛合部と噛合する上側噛合部が、また下
面に張力帯の下側被噛合部と噛合する下側噛合部がそれ
ぞれ形成され、ベルト幅方向の側面にプーリ溝面と接触
する接触部が設けられた多数のブロックとを備え、この
各ブロックの嵌合部に張力帯を嵌合することにより、各
ブロックが張力帯に対しベルトの幅方向側面におけるブ
ロック側面の接触部と張力帯側面との両方がプーリ溝面
と接触するように係合固定され、ブロックの噛合部と張
力帯の被噛合部との噛合によって動力授受が行われる高
負荷伝動用Vベルトが対象である。
張力帯圧入方向奥部の下側隅角部に、上側に向かって嵌
合部の奥部に向かうように傾斜する下奥突当て面がピッ
チラインの位置又はピッチラインよりも上側位置から下
側に向かう範囲に形成されており(下奥突当て面の上端
がベルトのピッチライン位置又はそれよりも上側に位置
している)、この下奥突当て面と上下方向の平面とのな
す下奥突当て面角度α(単位°)が、ブロックの左右側
面の接触部と上記上下方向の平面とのなすベルト側面角
度β(単位°)に対し、β−3<α<β+3であること
を特徴としている。
て面の下奥突当て面角度αがβ−3以下又はβ+3以上
であると、下奥突当て面角度αとベルト側面角度βとの
差が大きくなり過ぎ、ベルトの走行時の発熱が大きくな
って偏摩耗が発生することから、α=β±3の範囲に設
定される。
嵌合部における奥突当て面のうちの下奥突当て面の突当
て面角度αがベルト側面角度βに対しα=β±3の範囲
にあるので、張力帯の下奥突当て部の角度とブロックの
下奥突当て面の角度との関係が適正になり、このこと
で、ブロックの嵌合部内で張力帯に働くモーメント力が
軽減される。その結果、張力帯の偏摩耗が抑制されて、
その心線の疲労速度が遅くなり、心線が切断するまでの
ベルトの耐久性を優れたものとすることができる。
ント力が小さくなるということは、ブロックと張力帯と
の接触面に生ずる力も均一化することを意味しており、
ベルトの走行時の発熱を低減することができる。すなわ
ち、このベルトの発熱要因としては、ベルトがプーリに
繰り返し巻き付く際のゴムの曲げ、圧縮、剪断変形によ
る発熱や、プーリ溝面との摩擦発熱があるが、その他、
張力帯が偏摩耗を起こした場合、その張力帯の幅方向の
動きが生じて張力帯のブロックとの噛合面で摩擦発熱が
発生し、このこともベルト発熱の要因になる。しかし、
本発明のように偏摩耗を起こさないベルトは、斯かる張
力帯とブロックとの噛合面での摩擦発熱は小さくなる。
動用Vベルトにおいて、α=βとする。こうすると、下
奥突当て面角度αのベルト側面角度βに対するさらに望
ましい関係が得られる。
と同様の高負荷伝動用Vベルトにおいて、同様の下奥突
当て面がベルトのピッチラインの位置よりも下側位置か
ら下側に向かう範囲に形成されており(下奥突当て面の
上端がベルトのピッチラインよりも下側に位置してい
る)、この下奥突当て面と上記上下方向の平面とのなす
下奥突当て面角度α(単位°)が、ブロックの左右側面
の接触部と上記上下方向の平面とのなすベルト側面角度
β(単位°)に対し、α≦βとされている。
当て面の下奥突当て面角度αがベルト側面角度β以上で
あると、力のバランスが取れず、上記請求項1の発明と
同様の効果が有効に得られない。つまり、嵌合部の下奥
突当て面がベルトピッチライン位置よりも下側位置から
形成されている場合には、張力帯の心線からブロックの
噛合部に対し下向きの力がかかるが、張力帯にモーメン
ト力が働かないようにするには、下奥突当て面が心線位
置よりも下側にあるために、下奥突当て面角度α(楔角
度)をより一層小さくしないと、力のバランスが取れな
くなる。従って、ベルト側面角度βと下奥突当て面角度
αとの関係は0<α≦βとなり、下奥突当て面角度αは
ベルト側面角度βと同じかそれよりもやや小さな角度で
最適なバランスとなる。こうすると、上記請求項1の発
明と同様の作用効果が得られる。
荷伝動用Vベルトにおいて、β−6<αとする。こうす
ると、嵌合部の下奥突当て面がベルトピッチラインより
も下側位置から形成されている構造において、その下奥
突当て面角度αのベルト側面角度βに対するさらに望ま
しい関係が得られる。
いずれかの高負荷伝動用Vベルトにおいて、そのブロッ
クの嵌合部の奥部に臨む張力帯端部の下側に、上側に向
かって嵌合部の奥部に向かうように傾斜する面取り状の
下奥突当て部が形成され、その下奥突当て部と上下方向
の平面とのなす下奥突当て角度α′が上記下奥突当て面
角度αに対し、α−1≦α′≦α+3とされている構成
とする。
当て角度α′がα+3よりも大きいと、その下奥突当て
角度α′が大きくなり過ぎ、この張力帯の下奥突当て部
がブロックの下奥突当て面と接触しなくなって、張力帯
の奥部下面によりブロックの下側噛合部が押されて窪み
を生じ、この窪み部を起点に力のアンバランスが生じて
左右の力のバランスが崩れ、ベルトの発熱上昇及び偏摩
耗が生ずる。一方、逆に、下奥突当て角度α′がα−1
よりも小さいと、下奥突当て角度α′が小さくなり過
ぎ、張力帯がブロックの嵌合部に圧入されたときにその
嵌合部の上下両側部分を押し広げるようになり、この嵌
合部の上下両側部分の端部に過大な応力が発生してブロ
ックが破損し易くなる。よって、張力帯の下奥突当て部
の下奥突当て角度α′はα−1≦α′≦α+3の範囲と
されている。
れかの高負荷伝動用Vベルトにおいて、ベルト幅方向側
面における張力帯側面がブロック側面の接触部から突出
していて出代が設けられ、かつ、張力帯の上下被噛合部
間の噛合厚さがブロックの上下噛合部間の噛合隙間より
も大きくて締め代が設けられている構成とする。
設定されたベルトに、出代(プーリ溝面との接触面たる
ブロック側面からの張力帯の突出量)及び締め代(張力
帯の噛合厚さ−ブロックの噛合隙間)の双方が設けられ
ることとなり、斯かるベルトにおいては、上記の如き張
力帯の偏摩耗抑制効果により出代及び締め代の経時変化
が小さくなり、ベルトの低騒音を長期間に亘って維持す
ることができる。
設けられていても、締め代又は出代のいずれかが設けら
れていないベルトと比較して、耐久性を著しく高めるこ
とができる。すなわち、出代を設けることで、初期の騒
音が低減され、締め代を設けることで噛合いがルーズに
なることが抑えられ、奥突当て形状の適正化により張力
帯の偏摩耗がなくなり、締め代は長期間維持され、かつ
偏摩耗による張力帯の噛合厚さの低下も遅くなることに
なる。
発熱が大きいために、出代及び締め代を大きくするのに
限度があったが、本発明の奥突当て形状によりで出代及
び締め代をかなり大きくしてもベルト発熱を抑えること
ができ、低騒音の高負荷伝動用Vベルトの実現が可能と
なる。また、従来のベルトでは、張力帯とブロックとの
噛合部の寸法精度を厳しくして造り込む必要があった
が、本発明の奥突当て形状(関係)を適用すると、締め
代及び出代の公差を大きく取ることができる。
れかの高負荷伝動用Vベルトにおいて、ブロックの嵌合
部における張力帯圧入方向奥部の上側隅角部に、下側に
向かって嵌合部の奥部に向かうように傾斜する上奥突当
て面が設けられているものとする。このことで、ブロッ
クへの応力集中を防止してベルトの寿命を延ばすことが
できる。
Bを示し、このベルトBは、左右1対のエンドレスの張
力帯1,1と、この張力帯1,1にベルト長手方向に連
続的に係合固定された多数のブロック7,7,…とから
なる。図4にも示すように、各張力帯1は、硬質ゴムか
らなる保形層1aの内部にアラミド繊維等の高強度高弾
性率の複数の心線1b,1b,…(心体)がスパイラル
状に配置されて埋設されたもので、この各張力帯1の上
面には各ブロック7に対応してベルト幅方向に延びる一
定ピッチの上側被噛合部としての溝状の上側凹部2,
2,…が、また下面には上記上側凹部2,2,…に対応
してベルト幅方向に延びる一定ピッチの下側被噛合部と
しての下側凹部3,3,…がそれぞれ形成されている。
また、張力帯1の上下表面には、その耐摩耗性を向上さ
せる等の目的で帆布4,4が接着されている。
メタクリル酸亜鉛を強化されたH−NBRゴムに、さら
にアラミド繊維、ナイロン繊維等の短繊維を強化するこ
とで、耐熱性に優れかつ永久変形し難い硬質ゴムが用い
られる。この硬質ゴムの硬さは、JIS−C硬度計で測
定したときに75°以上のゴム硬度が必要である。
は、ベルト幅方向左右側部に上記各張力帯1を幅方向か
ら着脱可能に嵌装せしめる切欠き溝状の嵌合部8,8を
有する。この嵌合部8を除いた左右側面はVプーリのプ
ーリ溝面(図示せず)に接触する接触部11,11に構
成され、このブロック7の左右の接触部11,11同士
がなすベルト角度は、プーリ溝面の角度と同じとされて
いる。そして、各ブロック7の嵌合部8,8にそれぞれ
張力帯1,1を圧入して嵌合することで、ブロック7,
7,…が張力帯1,1にベルト長手方向に連続的に固定
されている。
合部8の上壁面には上記張力帯1上面の各上側凹部2に
噛合する上側噛合部としての凸条からなる上側凸部9
が、また嵌合部8の下壁面には張力帯1下面の各下側凹
部3に噛合する下側噛合部としての凸条からなる下側凸
部10がそれぞれ互いに平行に配置されて形成されてお
り、この各ブロック7の上下の凸部9,10をそれぞれ
張力帯1の上下の凹部2,3に噛合せしめることで、ブ
ロック7,7,…を張力帯1,1にベルト長手方向に圧
入により係合固定し、この係合状態で各張力帯1の外側
側面と各ブロック7の側面である接触部11との双方が
プーリ溝面に接触するとともに、ブロック7の上下の凸
部9,10(噛合部)と各張力帯1の上下の凹部2,3
(被噛合部)との噛合によって動力授受が行われるよう
になされている。
り、その内部にはブロック7の略中央に位置するように
軽量アルミニウム合金等からなる補強部材12が埋設さ
れている。この補強部材12は、例えば上下の凸部9,
10(張力帯1との噛合部分)や左右側面の接触部1
1,11(プーリ溝面との摺動接触部)では硬質樹脂中
に埋め込まれてブロック7表面に顕れないが(つまり、
これらの部分は硬質樹脂からなっている)、その他の部
分ではブロック7表面に露出していてもよい。そして、
補強部材12は、ベルト幅方向(左右方向)に延びる上
側及び下側ビーム12a,12bと、該両ビーム12
a,12bの左右中央部同士を上下に接続するピラー1
2cとからなっていて、略H字状に形成されている。
ように、上記各ブロック7の左右の嵌合部8,8の各々
における張力帯圧入方向奥部のうちの下側隅角部には、
上側に向かって嵌合部8の奥部(ベルト幅方向中央側)
へ向かうように傾斜する下奥突当て面16が形成され、
この下奥突当て面16はベルトBのピッチラインLpの
位置(張力帯1の心線1bの位置)よりも上側位置から
切り欠かれている(下奥突当て面16の上端がベルトの
ピッチラインLpの位置よりも上側に位置している)。
の平面P(ベルトBの幅方向中央を通る面と平行な平
面)とのなす下奥突当て面角度αは、ベルトBの左右側
面つまり各ブロック7の左右接触部11,11と上記平
面Pとのなすベルト側面角度β(ベルト角度の半分)に
対しβ−3<α<β+3とされている。
αがベルト側面角度βに対し、α≦β−3であるか又は
α≧β+3であると、下奥突当て面角度αとベルト側面
角度βとの差が大きくなり過ぎる。この差が大きくなる
と、走行時のベルトBの発熱が大きくなり、張力帯1の
偏摩耗が発生する。従って、β−3<α<β+3に設定
されている。特に、α=βであることが望ましい。
ち、ブロック7の嵌合部8の奥部に臨む端部の下側に、
上側に向かって嵌合部8の奥部に向かうように傾斜する
面取り状の下奥突当て部20が形成されている。そし
て、この下奥突当て部20の下奥突当て角度α′(下奥
突当て部20と上下方向の平面Pとのなす角度)と上記
ブロック7側の下奥突当て面角度αとの関係は、α−1
≦α′≦α+3とされている。
当て角度α′と下奥突当て面角度αとの関係がα′>α
+3であると、その下奥突当て角度α′が大きくなり過
ぎ、張力帯1の下奥突当て部20がブロック7の下奥突
当て面16と接触しなくなって、張力帯1の奥部下面に
よりブロック7の下側噛合部が押されて窪みを生じ、こ
の窪み部を起点に力のアンバランスが生じて左右の力の
バランスが崩れ、ベルトBの発熱上昇や偏摩耗が生ず
る。一方、α′<α−1であると、下奥突当て角度α′
が小さくなり過ぎ、張力帯1がブロック7の嵌合部8に
圧入されたときに張力帯1がブロック7内の補強部材1
2の上下ビーム12a,12bを上下に股裂き状態に押
し広げるようになり、上下ビーム12a,12bの付根
部分に過大な応力が発生して補強部材12が破損し易く
なる。よって、張力帯1の下奥突当て部20の下奥突当
て角度α′はα−1≦α′≦α+3の範囲とされてい
る。
張力帯圧入方向奥部の上側隅角部に、下側に向かって嵌
合部8の奥部側に向かうように傾斜する上奥突当て面1
7が設けられている。
上下の凹部2,3間の噛合厚さTt、つまり図4に示す
如く上側凹部2の底面(詳しくは上側帆布4の上表面)
と該上側凹部2に対応する下側凹部3の底面(同下側帆
布4の下表面)との間の距離が、ブロック7の噛合隙間
Tb、つまり図3に示すように各ブロック7の上側凸部
9下端と下側凸部10上端との間の距離よりも例えば
0.03〜0.15mm程度だけ若干大きく(Tt>T
b)設定されており、各ブロック7の張力帯1への組付
時に張力帯1がブロック7により厚さ方向に圧縮されて
組み付けられ、このことで締め代Tt−Tb(>0)が
設けられている。
両側面において、張力帯1の外側端面が各ブロック7の
樹脂からなる接触部11,11の面よりも若干(例えば
0.03〜0.15mm)突出しており、このことで出
代Δdが設けられている。この出代Δdは張力帯1のピ
ッチ幅(心線1b,1b,…での幅)をブロック7の噛
合部たる嵌合部8の挿入ピッチ幅(嵌合部8に嵌合され
た張力帯1の心線1bの位置での溝深さ)に対して調整
することで自由に変えられる。各張力帯1は各ブロック
7の嵌合部8に対し圧入して挿入され、この圧入を完全
にするためには、ベルトBが実際の使用時にプーリ溝面
から受ける力以上の力で張力帯1を圧入する必要があ
る。この出代Δdは、組立後にベルトBの左右側面をコ
ントレーサ(輪郭形状測定器)で走査すれば容易に測定
することができる。
ルトBの各ブロック7の各嵌合部8における下奥突当て
面16の下奥突当て面角度αがベルトBのベルト側面角
度βに対し、α=β±3の範囲にあるので、張力帯1の
下奥突当て部20の角度とブロック7の下奥突当て面1
6の角度との関係が適正になり、ブロック7の嵌合部8
内で張力帯1に働くモーメント力が軽減される。このた
め、張力帯1の偏摩耗が抑制されて、その心線1bの疲
労速度が遅くなり、心線1bが切断するまでのベルトB
の耐久性を高めることができる。
ーメント力が小さくなることで、ブロック7と張力帯1
との接触面に生ずる力も均一化し、ベルトBの走行時の
発熱を低減することができる。すなわち、このベルトB
の発熱要因の1つとして、張力帯1が偏摩耗を起こし、
張力帯1の幅方向の動きが生じて張力帯1のブロック7
との噛合面で摩擦発熱が発生することがあるが、上記の
ように張力帯1の偏摩耗を起こさないベルトBは、上記
張力帯1とブロック7との噛合面での摩擦発熱は小さく
なる。
下奥突当て部20の角度とブロック7の下奥突当て面1
6の角度との関係が適正になっていて張力帯1の偏摩耗
が抑制されるので、出代Δdと締め代Tt−Tbとの経
時変化は小さくなり、長期間に亘りベルトBの低騒音を
維持することができるとともに、締め代Tt−Tb又は
出代Δdのない場合に比較してベルトBの耐久性を高め
ることができる。すなわち、出代Δdを設けることで初
期のベルト騒音が低減され、締め代Tt−Tbを設ける
ことで張力帯1とブロック7との噛合いがルーズになる
ことが抑えられ、これらに加えて、奥突当て形状の適正
化により張力帯1の偏摩耗がなくなり、締め代Tt−T
bは長期間維持され、かつ偏摩耗による張力帯1の噛合
厚さTtの低下も遅くなるのである。
ば、出代Δd及び締め代Tt−Tbをかなり大きくして
もベルトBの発熱を抑えることができ、ベルトBの低騒
音化を図ることができる。また、従来のように、張力帯
1とブロック7との噛合部分の寸法精度を厳しく造り込
む必要がなくなり、締め代Tt−Tb及び出代Δdの公
差を大きくすることができる。
力帯圧入方向奥部のうちの上側に上奥突当て面17が設
けられているので、ブロック7への応力集中を防止して
ベルトBの寿命を延ばすことができる。
態では、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付
してその詳細な説明は省略する)、各ブロック7の各嵌
合部8における下奥突当て面16を、ベルトBのピッチ
ラインLpの位置から切り欠いたもの(下奥突当て面1
6の上端がベルトBのピッチラインLpと同じ位置にあ
る)である。その他の構成は上記実施形態1と同様であ
り、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏
することができる。
ブロック7の各嵌合部8における下奥突当て面16が、
ベルトBのピッチラインLpの位置よりも下側位置から
切り欠かれている(下奥突当て面16の上端がベルトB
のピッチラインLpよりも下側の位置にある)。
ける下奥突当て面16と上下方向の平面Pとのなす下奥
突当て面角度α(単位°)は、ベルトBの左右側面と上
記平面Pとのなすベルト側面角度β(単位°)に対し、
0<α≦βとされている。
ベルトBのピッチラインLpよりも下側位置から形成さ
れている場合には、張力帯1の心線1bからブロック7
の噛合部に対し下向きの力がかかるが、張力帯1にモー
メント力が働かないようにするには、下奥突当て面16
が心線1bの位置よりも下側にあるために、下奥突当て
面16の楔角度αをより一層小さくしないと、力のバラ
ンスが取れなくなる。このブロック7の嵌合部8奥部に
おける下奥突当て面16の下奥突当て面角度αがベルト
側面角度β以上であると、力のバランスが取れず、効果
が有効に得られない。従って、ベルト側面角度βと下奥
突当て面角度αとの関係は0<α≦βとなり、下奥突当
て面角度αはベルト側面角度βよりもやや小さな角度で
最適なバランスとなる。そして、β−6<αとすると、
嵌合部8の下奥突当て面16がベルトBピッチラインL
pよりも下側位置から形成されている構造において、そ
の下奥突当て面角度αのベルト側面角度βに対するより
一層望ましい関係が得られる。
り、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果が得
られる。
は、張力帯1の上面に被噛合部としての上側凹部2を、
また各ブロック7の嵌合部8の上面に上記張力帯1の上
側凹部2に噛合する噛合部としての上側凸部9をそれぞ
れ形成しているのに対し、この実施形態では、張力帯1
の上面に被噛合部としての上側凸部23が、また各ブロ
ック7の嵌合部8の上面に上記張力帯1上面の上側凸部
23に噛合する噛合部としての上側凹部24がそれぞれ
設けられている。
まり図8に示す如く上側凸部23の頂面(上側帆布4の
上表面)と該上側凸部23に対応する下側凹部3の底面
(下側帆布4の下表面)との間の距離が、ブロック7の
噛合隙間Tb、つまり図7に示すように各ブロック7の
上側凹部24の底面と下側凸部10上端との間の距離よ
りも若干大きく(Tt>Tb)設定されており、各ブロ
ック7の張力帯1への組付時に張力帯1がブロック7に
より厚さ方向に圧縮されて組み付けられて締め代Tt−
Tbが設けられている。その他は上記実施形態1と同様
の構成である。
態1と同様の作用効果を奏することができる。
しての下側凸部を、また各ブロック7の嵌合部8の下面
に張力帯1下面の下側凸部に噛合する噛合部としての下
側凹部をそれぞれ設けることもできる。要は、張力帯1
の上下面にそれぞれベルト長さ方向に並ぶ多数の上側被
噛合部及び下側被噛合部を上下に対応して設ける一方、
各ブロック7に上記張力帯1が圧入して嵌合される嵌合
部を設け、この嵌合部の上面に張力帯1の上側被噛合部
と噛合する上側噛合部を、また下面に張力帯1の下側被
噛合部と噛合する下側噛合部をそれぞれ形成し、ブロッ
ク7と張力帯1とを噛合部と被噛合部との噛合いにより
一体化すればよい。
する。
26°(従ってベルト側面角度β=13°)、ブロック
のベルトラインでの幅25mm、ブロックのベルト長さ
方向のピッチ間隔3mm、ブロックの厚さ2.95m
m、ベルト長さ612mmのブロックベルトを作製し
た。各ブロックは、厚さ2mmの軽量高強度アルミニウ
ム合金からなる補強部材をフェノール樹脂中にインサー
ト成形したものである。
ロックの嵌合部における下奥突当て面と上下方向の平面
とのなす下奥突当て面角度α(単位°)、張力帯の下奥
突当て部の下奥突当て角度α′、出代及び締め代をそれ
ぞれ変量して、嵌合部の下奥突当て面がピッチラインの
位置(張力帯心線の位置)よりも下側位置から形成され
ているタイプの実施例1〜4及び比較例1〜6と、嵌合
部の下奥突当て面がピッチラインの位置又はピッチライ
ンよりも上側位置から形成されているタイプの実施例5
〜8及び比較例7〜10との2つのタイプの各ベルトを
作製した。
い、その走行初期と所定時間が経過した走行経時との双
方でベルト温度及びベルト騒音を測定した。ベルトの耐
久走行試験条件は以下のとおりである。すなわち、図9
に示すように、直径120mmの駆動プーリ27と直径
60mmの従動プーリ28との間に各例のベルトBを巻
き掛け、雰囲気温度90℃の条件下で駆動プーリ27を
73N・mの駆動トルク及び6000rpmの回転数で
回転させたときの耐久性を評価した。ベルト温度につい
ては非接触面温度計を用い、ベルト側面(張力帯の側
面)の温度を測定した。
時間で走行試験装置からベルトを取り外し、騒音計を用
いて行った。つまり、図10に示すように、直径60m
mの駆動プーリ27と直径120mmの従動プーリ28
との間に各例のベルトBを巻き掛け、室温下で従動プー
リ28を無負荷として駆動プーリ27を2500rpm
の回転数で回転させ、駆動及び従動プーリ27,28の
回転軸線を通る平面上で、駆動プーリ27から従動プー
リ28側寄りに50mmの位置でかつ駆動プーリ27か
ら100mm離れた位置にマイクロフォンを設置して、
騒音を測定した。得られた結果を表1(実施例1〜4及
び比較例1〜6)及び表2(実施例5〜8及び比較例7
〜10)に示す。
実施例1〜8はいずれも走行時のベルト発熱が低く、張
力帯の偏摩耗も認められず、500時間までベルトの破
損は起こらなかった。
7及び比較例10は下奥突当て面角度αとベルト側面角
度βとの関係が本発明の設定範囲から外れており、これ
らの比較例では偏摩耗が発生し、500時間以内にベル
ト切断が発生した。比較例4及び比較例10は、張力帯
の噛合厚さを大きくして締め代を大としたものである
が、初期のベルト発熱が大きく、ベルト(張力帯)の切
断が500時間以内に起こったし、騒音も経時で大きく
なった。
比較例9は下奥突当て面角度αと下奥突当て角度α′と
の関係が本発明の範囲から外れている。この場合、下奥
突当て角度α′が下奥突当て面角度αよりも大き過ぎる
と、張力帯の偏摩耗が生じ、下奥突当て面角度αとベル
ト側面角度βとの関係による効果が小さくなり、ベルト
の耐久性が悪くなる。一方、下奥突当て角度α′が下奥
突当て面角度αよりも小さ過ぎると、張力帯のブロック
圧入による楔効果が大きくなり、ブロックのビームの根
元部分に股裂き力が大きくなり、ブロックが早期破損し
た。
であるが、この場合、初期の騒音が他の実施例に比較し
て大きいことを除いて良好な結果が得られた。また、実
施例3及び実施例7は、出代及び締め代を大きく設定し
た例であるが、他の実施例と比較して初期の発熱が大き
い点を除き良好な結果を示した。これらの実施例3及び
実施例7を、出代及び締め代を同様に大きく取った比較
例4及び10と比較すると、初期発熱はかなり小さくな
っている。また実施例2及び実施例6は走行後の騒音が
最も低い結果となった。
く、下奥突当て形状をベルト側面角度に対し最適化する
ことによって、さらにはブロックの下奥突当て面角度に
対し張力帯の下奥突当て角度を本発明の範囲に設定する
ことによって、張力帯の偏摩耗がなく、走行時の発熱が
小さく耐久性に優れ、かつ出代が長期間維持されて騒音
の小さいベルトが提供できることが判る。
しても、ベルトの発熱が増大し難く、出代及び締め代の
騒音低減効果を積極的に利用でき、騒音の小さいベルト
が得られることが裏付けられた。
は、上下面にそれぞれ上側及び下側被噛合部が設けられ
たエンドレスの張力帯と、この張力帯が嵌合される嵌合
部の上面に上側噛合部が、また下面に下側噛合部がそれ
ぞれ形成され、ベルト幅方向の側面にプーリ溝面と接触
する接触部が設けられた多数のブロックとを備え、各ブ
ロックの嵌合部に張力帯を圧入して嵌合することによ
り、各ブロックが張力帯に対しブロック側面と張力帯側
面との両方がプーリ溝面と接触するように係合固定され
た高負荷伝動用Vベルトに対し、各ブロックの嵌合部の
奥部に下奥突当て面をピッチラインの位置又はピッチラ
インよりも上側位置から形成し、この下奥突当て面と上
下方向の平面とのなす下奥突当て面角度αをブロックの
左右側面の接触部と同平面とのなすベルト側面角度βに
対し、β−3<α<β+3とした。
伝動用Vベルトに対し、各ブロックの嵌合部の奥部に下
奥突当て面をピッチラインの位置よりも下側位置から形
成し、この下奥突当て面のなす下奥突当て面角度αをベ
ルト側面角度βに対し、α≦βとした。従って、これら
の発明によると、張力帯の下奥突当て部の角度とブロッ
クの下奥突当て面の角度との関係を適正にし、ブロック
の嵌合部内で張力帯に働くモーメント力を軽減して張力
帯の偏摩耗を抑制し、その心線の疲労速度を遅くすると
ともに、ブロックと張力帯との接触面に生ずる力も均一
化して、ベルトの走行時の発熱を低減でき、よって高負
荷伝動用Vベルトの耐久性を向上させることができる。
発明においてα=βとしたことにより、嵌合部の下奥突
当て面がベルトピッチライン又はそれよりも上側位置か
ら形成されている構造における下奥突当て面角度αのベ
ルト側面角度βに対する望ましい関係が得られる。
発明においてβ−6<αとしたことにより、嵌合部の下
奥突当て面がベルトピッチラインよりも下側位置から形
成されている構造における下奥突当て面角度αのベルト
側面角度βに対する望ましい関係が得られる。
いて、ブロックの嵌合部奥部の下側に面取り状の下奥突
当て部を形成し、その下奥突当て部の下奥突当て角度
α′を下奥突当て面角度αに対し、α−1≦α′≦α+
3としたことにより、ベルトの発熱上昇及び偏摩耗の防
止と、ブロックの破損防止とを図ることができる。
いずれかの高負荷伝動用Vベルトにおいて、ベルト幅方
向側面における張力帯側面をブロック側面から突出させ
て出代を設けるとともに、張力帯の上下被噛合部間の噛
合厚さをブロックの上下噛合部間の噛合隙間よりも大き
くして締め代を設けたことにより、上記の如き偏摩耗抑
制効果により出代及び締め代の経時変化を小さくして、
長期間に亘ってベルトの低騒音を維持するとともに、ベ
ルトの耐久性を向上させることができ、低騒音の高負荷
伝動用Vベルトの実現が可能となる。
部における張力帯圧入方向奥部の上側隅角部に上奥突当
て面を設けたことにより、ブロックへの応力集中を防止
してベルトの寿命を延ばすことができる。
示す拡大断面図である。
相当図である。
相当図である。
を示す図3相当図である。
示す図4相当図である。
明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 ベルト背面側の上面及び底面側の下面に
それぞれベルト長さ方向に並ぶ多数の上側被噛合部及び
下側被噛合部が上下に対応して設けられたエンドレスの
張力帯と、 上記張力帯が圧入して嵌合される嵌合部を有し、該嵌合
部の上面に張力帯の上側被噛合部と噛合する上側噛合部
が、また下面に張力帯の下側被噛合部と噛合する下側噛
合部がそれぞれ形成され、ベルト幅方向の側面にプーリ
溝面と接触する接触部が設けられた多数のブロックとを
備え、 上記各ブロックの嵌合部に張力帯を嵌合することによ
り、各ブロックが張力帯に対しベルトの幅方向側面にお
けるブロック側面の接触部と張力帯側面との両方がプー
リ溝面と接触するように係合固定され、ブロックの噛合
部と張力帯の被噛合部との噛合によって動力授受が行わ
れる高負荷伝動用Vベルトであって、 上記各ブロックの嵌合部における張力帯圧入方向奥部の
下側隅角部に、上側に向かって嵌合部の奥部に向かうよ
うに傾斜する下奥突当て面がピッチラインの位置又はピ
ッチラインよりも上側位置から下側に向かう範囲に形成
されており、 上記下奥突当て面と上下方向の平面とのなす下奥突当て
面角度α(単位°)が、ブロックの左右側面の接触部と
上記上下方向の平面とのなすベルト側面角度β(単位
°)に対し、β−3<α<β+3であることを特徴とす
る高負荷伝動用Vベルト。 - 【請求項2】 請求項1の高負荷伝動用Vベルトにおい
て、 α=βであることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。 - 【請求項3】 ベルト背面側の上面及び底面側の下面に
それぞれベルト長さ方向に並ぶ多数の上側被噛合部及び
下側被噛合部が上下に対応して設けられたエンドレスの
張力帯と、 上記張力帯が圧入して嵌合される嵌合部を有し、該嵌合
部の上面に張力帯の上側被噛合部と噛合する上側噛合部
が、また下面に張力帯の下側被噛合部と噛合する下側噛
合部がそれぞれ形成され、ベルト幅方向の側面にプーリ
溝面と接触する接触部が設けられた多数のブロックとを
備え、 上記各ブロックの嵌合部に張力帯を嵌合することによ
り、各ブロックが張力帯に対しベルトの幅方向側面にお
けるブロック側面の接触部と張力帯側面との両方がプー
リ溝面と接触するように係合固定され、ブロックの噛合
部と張力帯の被噛合部との噛合によって動力授受が行わ
れる高負荷伝動用Vベルトであって、 上記各ブロックの嵌合部における張力帯圧入方向奥部の
下側隅角部に、上側に向かって嵌合部の奥部に向かうよ
うに傾斜する下奥突当て面がピッチラインの位置よりも
下側位置から下側に向かう範囲に形成されており、 上記下奥突当て面と上下方向の平面とのなす下奥突当て
面角度α(単位°)が、ブロックの左右側面の接触部と
上記上下方向の平面とのなすベルト側面角度β(単位
°)に対し、α≦βであることを特徴とする高負荷伝動
用Vベルト。 - 【請求項4】 請求項3の高負荷伝動用Vベルトにおい
て、 β−6<αであることを特徴とする高負荷伝動用Vベル
ト。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの高負荷伝動用
Vベルトにおいて、 ブロックの嵌合部の奥部に臨む張力帯端部の下側に、上
側に向かって嵌合部の奥部に向かうように傾斜する面取
り状の下奥突当て部が形成されており、 上記下奥突当て部と上下方向の平面とのなす下奥突当て
角度α′が下奥突当て面角度αに対し、α−1≦α′≦
α+3であることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの高負荷伝動用
Vベルトにおいて、 ベルト幅方向側面における張力帯側面がブロック側面の
接触部から突出していて出代が設けられ、 かつ、張力帯の上下被噛合部間の噛合厚さがブロックの
上下噛合部間の噛合隙間よりも大きくて締め代が設けら
れていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの高負荷伝動用
Vベルトにおいて、 ブロックの嵌合部における張力帯圧入方向奥部の上側隅
角部に、下側に向かって嵌合部の奥部に向かうように傾
斜する上奥突当て面が設けられていることを特徴とする
高負荷伝動用Vベルト。
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