JP3042956B2 - コーティング剤及び被覆方法 - Google Patents

コーティング剤及び被覆方法

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JP3042956B2
JP3042956B2 JP6025944A JP2594494A JP3042956B2 JP 3042956 B2 JP3042956 B2 JP 3042956B2 JP 6025944 A JP6025944 A JP 6025944A JP 2594494 A JP2594494 A JP 2594494A JP 3042956 B2 JP3042956 B2 JP 3042956B2
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和行 花田
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種フィルム、皮膜、
その他の樹脂成形品及び無機質表面に優れた表面性質を
付与することが出来る一液硬化可能な含弗素樹脂化合
含有するコーティング剤及び被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種フィルム、皮膜、その他の種
々の樹脂成形品の表面は、耐汚染性、耐水性、耐摩耗性
及び耐粘着性等に優れていることが要求され、又、用途
によっては低い表面摩擦係数が要求される。
【0003】この様な要求に対しては、各種樹脂成形品
に滑性や撥水性等を与えるシリコーンオイル、ワックス
或いは脂肪酸等の潤滑剤を添加する方法又はシリコーン
系や弗素系の機能性樹脂を塗布する方法等が行われてい
る。この方法によれば、ある程度の目的は達成される
が、成形物中に添加した潤滑剤が経時的に成形物の表面
にブリードアウトし種々の問題を生じる為、潤滑剤はせ
いぜい数%程度の添加量に限定され、所望の性能を十分
には発揮し得ない。以上の如き欠点を解消する方法とし
ては、樹脂自体として摩擦係数の低い樹脂、例えば、シ
リコーン変性樹脂や弗素変性樹脂を用いる方法が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
これらの樹脂は耐久性という観点からして殆ど各種の硬
化剤を使用する熱硬化性樹脂である為、皮膜形成時に硬
化の為に加熱工程を要し、皮膜形成工程が煩雑であると
いう問題がある。更に形成されたこれらの皮膜の融点は
高いものの、硬化反応が不十分であると、耐溶剤性、基
材への接着性及び耐熱性等の硬化不良による問題が生じ
易い。従って本発明の目的は、皮膜の形成工程が簡略
で、且つ優れた性能を有する皮膜を形成することが出来
る一液硬化可能な含弗素樹脂化合物を被膜形成成分とし
て含むコーティング剤を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、反応性有機官能
基を有する含弗素化合物と低級アルコキシシリル基及び
反応性有機官能基を有するシランカップリング剤と有機
ポリイソシアネートとを反応させて得られる、少なくと
も1個の遊離イソシアネート基を有し、且つ加水分解性
シリル基を有する一液硬化可能な含弗素樹脂化合物を
膜形成成分として含有することを特徴とするコーティン
グ剤及び該コーティング剤を使用する基材の被覆方法で
ある。
【0006】
【作用】コーティング剤の皮膜形成成分として、反応性
有機官能基を有する含弗素化合物と反応性有機官能基を
有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネート
との反応生成物であって、少なくとも1個の遊離イソシ
アネート基を有する樹脂を使用ることによって、該皮膜
形成成分が空気中の水分や湿気により架橋する為、コー
ティング剤の一液硬化が可能となり、皮膜の形成工程が
著しく簡略化される。更に皮膜形成成分中に存在する遊
離イソシアネート基と加水分解性シリル基によって、皮
膜の基材への接着性が向上し、優れた各種性能を有する
皮膜が形成される。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明で使用する反応性有
機官能基を有する含弗素化合物の好ましい例としては、
例えば、下記の如き化合物が挙げられる。
【0008】(1)アルコールタイプ
【0009】(2)エポキシタイプ 上記のエポキシ化合物はポリオール、ポリアミド及びポ
リカルボン酸等と反応させて末端活性水素を有する様に
して使用することが出来る。
【0010】(3)アミンタイプ
【0011】(4)カルボン酸タイプ
【0012】(5)片末端ジオールタイプ
【0013】以上列記した反応性有機官能基を有する含
弗素化合物は、本発明において使用する好ましい化合物
の例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるも
のではない。従って、上述の例示の化合物のみならず、
その他現在市販されており、市場から容易に入手し得る
化合物は、いずれも本発明において使用することが出来
る。
【0014】本発明で使用する低級アルコキシシリル基
及び反応性有機官能基を有するシランカップリング剤と
しては、例えば、次の如き化合物が挙げられる。 (1)少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有する
シランカップリング剤。
【0015】
【0016】(Rは低級アルキル基、R2は低級アル
キル基又は低級アルコキシ基を、Xは2価の有機基であ
り、好ましいものはC0〜C50の脂肪族、芳香族又は脂
肪芳香族基であり、これらの基はその中に連結基として
O、N又はS等の各原子を有するものであってもよい。
又、m=0〜3の整数、n=3−mである)
【0017】上記遊離イソシアネート基を有するシラン
カップリング剤の好ましい具体例は下記の通りである。
【0018】(2)遊離イソシアネート基以外の反応性
有機官能基を有するシランカップリング剤としては、
下記一般式で表わされる化合物が挙げられる。
【0019】(Yは、例えば、アミノ基、エポキシ基、
水酸基、チオール基等の如くイソシアネート基と反応し
得る基、特に好ましくはアミノ基、チオール基及び水酸
基である。R、R2、X、m及びnは前記定義の通り
である。)上記反応性有機官能基を有するシランカップ
リング剤の好ましい具体例は下記の通りである。
【0020】
【0021】以上列記したシランカップリング剤は、本
発明において使用する好ましい化合物の例示であって、
本発明はこれらの例示に限定されるものではない。従っ
て、上述の例示の化合物のみならず、その他現在市販さ
れており市場から容易に入手し得る化合物は、いずれも
本発明において使用することが出来る。
【0022】本発明で使用する上記含弗素化合物及びシ
ランカップリング剤と反応させる有機ポリイソシアネー
トとしては、従来公知のいずれのものも使用することが
出来るが、例えば好ましいものとしては、 トルエン−2,4−ジイソシアネート 4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート 4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネー
ト 4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート 4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート 2,4−ジイソシアネート−ジフェニルエーテル メチレンジイソシアネート 4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート) ジュリレンジイソシアネート 1,5−ナフタレンジイソシアネート ベンジジンジイソシアネート o−ニトロベンジジンジイソシアネート 4,4−ジイソシアネートジベンジル 1,4−テトラメチレンジイソシアネート 1,6−テトラメチレンジイソシアネート 1,10−デカメチレンジイソシアネート 1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート キシリレンジイソシアネート 4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト) 1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート 等が挙げられる。
【0023】更に、これらの有機ポリイソシアネートと
他の化合物との付加体、例えば、下記構造式のものが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】又、これらの有機ポリイソシアネートと低
分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネー
トとなる様に反応させて得られるウレタンプレポリマー
等も、本発明に当然使用することが出来る。本発明によ
る樹脂化合物は、前記の如き反応性有機官能基を有する
含弗素化合物と反応性有機官能基を有するシランカップ
リング剤と上記の如き有機ポリイソシアネートとを、そ
れらの反応性有機官能基とイソシアネート基とが、1分
子中でイソシアネート基が1個以上過剰になる官能基比
で、無溶剤下又は有機溶剤下で、通常のウレタン触媒の
存在又は不存在下で、約0〜150℃、好ましくは20
〜80℃の温度で約10〜4時間反応させることによっ
て容易に得ることが出来る。
【0029】本発明による樹脂化合物コーティング剤の
皮膜形成成分として使用する場合には、該化合物は単独
で使用することが出来るが、基材等に対するコーティン
グ適性や成膜性等を向上させる為に、従来公知の各種樹
脂を混合して使用することも出来る。この各種樹脂とし
ては、本発明による樹脂化合物の遊離のイソシアネート
と化学的に反応し得るものが好ましいが、反応性を有し
ないものでも本発明では使用することが出来る。
【0030】これらの樹脂としては、アクリル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹
脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、アルキッド樹脂、変性セル
ロース樹脂、弗素樹脂或いはポリアミド樹脂等を使用す
ることが出来る。又、各種樹脂をシリコーン化合物や弗
素化合物で変性した樹脂等も使用することが出来る。こ
れら各種樹脂を併用する場合、その使用量は本発明によ
る樹脂化合物に対し、固型分比で0.1重量%〜100
重量%程度である。
【0031】本発明によるコーティング剤は、前記本発
明による含弗素樹脂化合物と溶剤とを必須成分とする。
溶剤の使用量はコーティング剤の全固形分が5〜50重
量%になる範囲であることが好ましい。
【0032】本発明において使用するコーティング剤用
の溶剤としては、通常のコーティング剤に使用されてい
る溶剤であり、例えば、メチルエチルケトン、メチル−
n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチ
ルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、シクロ
ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエ
チレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びセロ
ソルブアセテート等が挙げられる。更に本発明によるコ
ーティング剤は、他の一般的コーティング剤と同様に、
体質顔料、有機顔料、無機顔料、可塑剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、レベリング剤等を夫々必要に応じて包
含させることが出来る。
【0033】本発明によるコーティング剤の製造方法自
体は、従来技術のコーティング剤組成物の製造方法と全
く同様でよく、特に限定されない。本発明によるコーテ
ィング剤は、空気中の水分、水或いはスチーム等に接触
させることにより、含弗素樹脂化合物中の加水分解性シ
リル基が架橋反応、つまりシラノール縮合を起こし硬化
すると共に、遊離のイソシアネートも反応して硬化する
為、硬化の為に特別な加熱装置や処理は必要としない。
【0034】本発明では、このシラノール縮合を促進さ
せる為に、コーティング剤中に触媒を添加することが好
ましい。かかる触媒としては、一般にアルキルチタン酸
塩、オクチル酸錫塩、ジブチルチンジラウレート等のカ
ルボン酸塩、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート
等のアミノ塩、並びに他の酸性触媒及び塩基性触媒が好
ましい。その使用量としては、本発明による樹脂化合物
の0.0001重量%〜10重量%の範囲が好ましい。
又、一部の遊離イソシアネート基及び加水分解性シリル
基は、基材表面の界面との相互作用により、基材に対す
る皮膜の接着性を向上させると共に、パーフロロアルキ
ル基の部分が皮膜の表面に配向するので、本発明による
コーティング剤によれば、耐熱性、滑り性、撥水性及び
耐薬品性等の優れた性能を兼ね備えた表面性質を基材表
面に付与することが出来る。
【0035】
【実施例】次に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」又は「%」
とあるのは特に断りのない限り重量基準である。製造 例1 ヘキサメチレンジイソシアネートと水との付加体[ジュ
ラネート24A−100、旭化成(株)製、NCO%=
23.5%]150部と酢酸エチル100部とを80℃
でよく撹拌しながら、この中に上記の構造を有する末端
水酸基の含弗素化合物(水酸基価:119KOHmg/
g)65部を徐々に滴下して4時間反応させた。
【0036】その後40℃迄冷却し、よく撹拌しなが
ら、この中に3−アミノプロピルトリエトキシシラン9
3部を徐々に滴下して反応させて反応生成物(1)を得
た。得られた反応生成物(1)は、赤外吸収スペクトル
によれば、2,270cm-1に遊離イソシアネート基によ
る吸収が認められ、又、1,190cm-1に−CF2−基
に基づく吸収帯を示していた。又、この反応生成物
(1)の遊離イソシアネート基を定量したところ、理論
値が3.85%であるのに対して、実測値は3.46%
であった(純分として)。最終的に酢酸エチルを加え
て、固型分50%の本発明の樹脂化合物の溶液(A)と
した。
【0037】製造例2 トリメチロールプロパン1モルと3モルのトルエン−
2,4−ジイソシアネートとの付加体(コロネートL、
日本ポリウレタン社製、NCO%=13.0%、固型分
75%)200部と酢酸エチル100部とを80℃でよ
く撹拌しながら、この中に上記の構造を有する片末端水
酸基の含弗素化合物(水酸基価:110KOHmg/
g)53部を徐々に滴下して反応させた。
【0038】その後40℃迄冷却しよく撹拌しながら、
この中にN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン53部を徐々に滴下して反応させて反応生成物
(2)を得た。得られた反応生成物(2)は、赤外吸収
スペクトルによれば、2,270cm-1に遊離イソシアネ
ート基による吸収が認められ、又、1,190cm-1に−
CF2−基に基づく吸収帯を示していた。又、この反応
生成物(2)の遊離イソシアネート基を定量したとこ
ろ、理論値が2.83%であるのに対して、実測値は
2.48%であった(純分として)。最終的に酢酸エチ
ルを加えて、固型分50%の本発明の樹脂化合物の溶液
(B)とした。
【0039】製造例3 ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(コロネート
EH、日本ポリウレタン社製、NCO%=21.3%)
150部と酢酸エチル100部とを40℃でよく撹拌し
ながら、この中に上記の構造を有する含弗素化合物(ア
ミン当量:141g/mol)50部を徐々に滴下して
反応させた。次いで、40℃でよく撹拌しながらγ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン50部を徐々に滴
下して反応させて反応生成物(3)を得た。
【0040】得られた反応生成物(3)は、赤外吸収ス
ペクトルによれば、2,270cm-1に遊離イソシアネー
ト基による吸収が認められ、又、1,190cm-1に−C
2−基に基づく吸収帯を示していた。又、この反応生
成物(3)の遊離イソシアネート基を定量したところ、
理論値が7.98%であるのに対して、実測値は7.1
5%であった(純分として)。最終的に酢酸エチルを加
えて、固型分50%の本発明の樹脂化合物の溶液(C)
とした。
【0041】実施例 製造 例1の樹脂化合物溶液(A)100部、メチルエチ
ルケトン300部及びオクチル酸錫0.01部を配合
し、よく撹拌して本発明のコーティング剤を得た。 実施例 製造例2の樹脂化合物溶液(B)100部、メチルエチ
ルケトン300部及びオクチル酸錫0.01部を配合
し、よく撹拌して本発明のコーティング剤を得た。 実施例 製造 例3の樹脂化合物溶液(C)100部、メチルエチ
ルケトン300部及びオクチル酸錫0.01部を配合
し、よく撹拌して本発明のコーティング剤を得た。
【0042】比較例1 下記構造式で表わされる弗素系のシランカップリング剤
の溶液(固型分50%)100部、メチルエチルケトン
300部、水0.5部及びオクチル酸錫0.01部を配
合し、よく撹拌して比較試験用のコーティング剤を得
た。
【0043】コーティング剤としての評価 実施例及び比較例1で夫々調製したコーティング
剤を精密搬送用ポリウレタンベルト(日本ジークリング
社製)の片面に、乾燥後の厚みが夫々2〜3μmになる
様に塗布した。但し、乾燥は自然乾燥(23℃、湿度4
6%)で行ない、3日間放置後、形成された皮膜につい
て下記各種物性を測定した。その結果を下記表1に示
す。
【0044】接着性;碁盤目セロテープ剥離試験(クロ
スカット法、1mm角碁盤目)を行って評価した。ラビング試験 ;キシレンを含浸させた布で10回擦り、
塗膜の状態を観察した。 耐摩耗性;テーバー摩耗試験(条件:摩耗輪CS−1
0、荷重1kg、回転数70rpm)にて耐摩耗試験を
行った(1,000回)。撥水性 ;塗布面の水滴による接触角を測定した。撥油性 ;AATCC法 118−1966に準じて測定
した。
【0045】
【表1】 ※1:未塗布ベルト ※2:ハガレ発生上記表1に示す如く、比較例1のコー
ティング剤は、撥水性及び撥油性には優れているが、成
膜性がない為、接着性、ラビング性及び耐摩耗性に劣
る。
【0046】ガラス用コーティング剤としての評価 実施例及び比較例1で調製した4種のコーティン
グ剤を、夫々布に含浸させて、自動車フロントガラス
(トヨタ、カローラSE)に薄く塗布し、自然乾燥(2
3℃、湿度48%)で二日間放置後、形成された皮膜に
ついて下記各物性を測定した。結果を下記表2に示す。走行試験 ;フロントガラスの表面に水をかけたまま自動
車を走行させ、付着した水滴が弾き飛ばされる初期速度
を測定した。ラビング試験 ;フロントガラスの表面に水をかけワイパ
ーで水を拭き、水が完全に無くなったら再度水をかけ、
同じ操作を繰り返し、水の弾きとワイパーの動きを観察
した。
【0047】
【表2】
【0048】シリカの疎水処理へ応用した場合の評価 シリカ[アエロジル300、日本アエロジル(株)製]
をヘンシルミキサー(回転数:1880rpm)中で撹
拌しながら、製造例1〜3及び比較例1の各溶液を均一
にスプレーし、115℃で30分間高速攪拌後、130
℃で10時間乾燥処理して4種の樹脂処理シリカを得
た。尚、シリカの処理は処理比は、シリカ/処理剤(純
分比)=100/15で行った。これらの樹脂処理シリ
カを用いて下記配合の4種の撥水性コーティング剤を作
成した。
【0049】実施例 ダイアロマーFF−5201[大日精化工業(株)製、
シリコーン・弗素共重合樹脂](40%)
100部製造 例1の樹脂で処理したシリカ
16部(40HPR) 上記分散液(個型分15%)100部に架橋剤としての
ポリイソシアネート(コロネートXH、日本ポリウレタ
ン製)3部を加えて本発明の撥水性コーティング剤とし
た。尚、分散はサンドミルにて行った。 実施例 実施例における樹脂処理シリカに代えて製造例2の樹
脂で処理したシリカを同量使用し、他は実施例7と同様
にして本発明の撥水性コーティング剤とした。
【0050】実施例 実施例における樹脂処理シリカに代えて製造例3の樹
脂で処理したシリカを同量使用し、他は実施例と同様
にして本発明の撥水性コーティング剤とした。 比較例2 実施例における樹脂処理シリカに代えて比較例1の樹
脂で処理したシリカを同量使用し、他は実施例4と同様
にして比較例の撥水性コーティング剤とした。りん酸亜
鉛処理後にエポキシ樹脂系プライマーを焼き付けた鋼板
に、上記各撥水性コーティング剤を乾燥後の膜厚が20
μmとなる様に塗装し130℃で5分焼き付け、塗装板
を作製した。得られた各塗装板について下記各種物性を
測定した。その結果を下記表3に示す。
【0051】接着性;碁盤目セロテープ剥離試験(クロ
スカット法、1mm角碁盤目)を行って評価した。デュポン衝撃 :デュポン衝撃試験機により、1/2イン
チ、落錘重り500g及 び落錘高さ50cmの条件で、裏方向から衝撃を与え、
衝撃部にセロテープを付着させた後素早く剥し、塗膜の
残存状態を評価した。撥水性 ;塗布面の水滴の接触角を測定した。
【0052】
【表3】 上記表3に示す如く、本発明による樹脂化合物をシリカ
の疎水処理へ応用した場合には、接着性、衝撃強度及び
撥水性に優れた皮膜が形成されたが、比較例2の撥水性
コーティング剤の場合には、形成された皮膜は接着性が
低く、デュポン衝撃でも塗膜が剥離を起こした。
【0053】
【効果】本発明によれば、空気中の水分や湿気により架
橋させることが出来、一液硬化が可能なコーティング剤
の皮膜形成成分として有用な含弗素樹脂化合物が提供さ
れる。従って、本発明による含弗素樹脂化合物を含むコ
ーティング剤はその皮膜形成工程を簡略化することが出
来る。又、本発明による含弗素樹脂化合物は、反応性に
優れた加水分解性シリル基及び遊離イソシアネート基、
更に含弗素セグメントを有している為に、該樹脂を含む
コーティング剤は、基材の表面に対して優れた密着性を
有すると共に、撥水性、耐汚染性、耐摩耗性、耐粘着性
等の優れた表面物性を有する皮膜を形成することが出来
る。従って本発明によれば、磁気記録或いは感熱記録用
のバインダーやバックコート剤、剥離性処理剤、ガラス
等の無機質表面の処理剤、各種オーバーコート剤及びハ
ードコート剤等を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 勝美 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−286761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/06 - 18/81 C09D 175/04 - 175/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 応性有機官能基を有する含弗素化合物
    低級アルコキシシリル基及び反応性有機官能基を有す
    るシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートと
    反応させて得られる、少なくとも1個の遊離イソシアネ
    ート基を有し、且つ加水分解性シリル基を有する一液硬
    化可能な含弗素樹脂化合物を被膜形成成分として含有す
    ることを特徴とするコーティング剤
  2. 【請求項2】 任意の基材表面に請求項に記載のコー
    ティング剤を塗布し、乾燥及び硬化する基材の被覆方法
    において、硬化剤として水分を使用することを特徴とす
    る被覆方法。
JP6025944A 1994-01-31 1994-01-31 コーティング剤及び被覆方法 Expired - Lifetime JP3042956B2 (ja)

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