JP3042382U - 複数円筒形容器支持用カセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直径が任意に相違する円筒形容器群（Ｃ１−
Ｃ４）を共通平面上で平行且つ離間配位の関係で以て受
容、支持出来るカセットの実現。 【解決手段】 カセットは横並び配位した容器心出し構
成体（１６）群を支持するフレーム（１０）を含み，各
構成体は: 容器を受容する貫通開口（２０）を規定した
ハウジング（１８）; 該フレームに互いに相手に対して
滑動的遠近動可能に装着された協労する１対のカラー部
材（２２）であって、両部材がその滑動の際に受容容器
の側壁に接触させるようにした円弧状面（２２Ａ）を夫
々有している斯ゝる１対カラー部材; 及び当該カラー部
材を互いに相手の方へ容器側壁と係合させるために偏倚
させ、それによって該円弧状面を容器支持のために協力
させる偏倚手段（２４）を含んで成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は異なる直径及び／或いは長さを有する試験管等の複数の円筒形容器を 支持するためのカセットの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

複数の血液サンプルを分析に供するために自動血液分析器で使用するように企 図された積重ね可能な試験管支持カセット或いはラックが開示されている。試験 管支持カセットは横並びの１列に配置された複数の平行なコンパートメント或い はチャンネルを規定する長方形のフレームを含んで成る。各チャンネルは試験管 を受け入れるようになっていて、その中にある可撓性プレートが受容した試験管 と係合し、そしてフレームの前壁或いは端縁の方向等の共通の方向へ偏倚させる ように働く。カセットが異なる直径（所定範囲の）の試験管を収容し且つ支承す ることが出来るという観点から有利であるが、この特殊なカセットは異なる直径 の試験管の夫々の中心が共通な平面上に整合していないという観点から不利であ る。更に、夫々のコンパートメントに試験管を確保し且つ偏倚させるために使わ れるバネ偏倚形式の手段（可撓性プレート）の故に、試験管がこれに係わるコン パートメントの軸線に対して傾き、それによって血液分析器の１部を構成する自 動血液吸引器に対して試験管の不整合を引き起こすきらいがある。

【０００３】 異なる直径の試験管を収容するように設計されたもう１つの先行技術の試験管 カセットはCoulter Corporation によってこの会社のMAXM（登録商標）血液分析 器と共に使用するために販売されている。このカセットは複数の平行な管コンパ ートメントを規定する長方形のフレームと、同じ数の管保持構成体として各々が 個々のコンパートメントの前、後壁の間にスナップ連結子を介して解除可能に連 結されている斯ゝる管保持構成体とを含んで成る。各管保持構成体は管を受容す る概して円筒形の開口を有するハウジングと、その円筒規定壁の１側に配置され た１対の剛性パッドと受容された試験管を接触させるための当該円筒規定壁の他 側から外方へ延在する複数の内位メタルフィンガー或いはリーフスプリングとを 含む。上述の試験管支持カセットと同じように、この特定の試験管は共通平面に 異なる直径の試験管の夫々の縦軸線を配位させるように機能しないことから、有 利とは言えない。メタルフインガー・パッド構成体は試験管を保留し且つコンパ ートメント軸線との実質的に平行な整合関係を維持するために有効であるが、こ れはメタルフインガーが曲折、破断、或いは疲労する結果として、受容された試 験管に対する把持力が緩み、この容器を軸方向へ滑らせてしまうか、１方の側に 倒してしまう事態の生じるきらいがある。更に、メタルフインガーがきしみ、そ れによって試験管に使用する、例えば患者同定目的の、バーコードラベルを損な う傾向が見られる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記の事項に鑑み、本考案の目的は上述のタイプの改良カセットととして、（ ａ）カセットが直径の異なる試験管等の複数の容器を夫々の縦軸線が互いに平行 で、等間隔に離間し、且つ共通平面に配位している状態で以て支持するように機 能し、そして（ｂ）カセットの容器係合要素を構造上頑丈にすると、これらの要 素が破断、疲労、及び／或いは損傷する傾向は度合的に低くなるという見地から 改良されている斯ゝる改良カセットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、直径が無作為に変化している複数の円筒形容器を平行離間配 位で以て支持するために用いるカセットであって、これが横並び配位した複数の 容器心出し構成体を支持するフレームを含んで成り、当該複数容器心出し構成体 の各々は該フレーム上の所望個所に該容器の縦軸線を配位させるものであって、 各構成体が： （ｉ）該容器を受容する貫通開口を規定したハウジング； （ii）該フレームに互いに相手に対して滑動的遠近動可能に装着された協労す る１対のカラー部材であって、両部材がその滑動の際に受容容器の側壁に接触さ せるようにした円弧状面を夫々有している斯ゝる１対カラー部材；及び (iii）該カラー部材を互いに相手の方へ該容器側壁と係合させるために偏倚さ せ、それによって該カラー部材の夫々の該円弧状面を両者間に配位する該容器の 支持のために協力させる偏倚手段を含んで成る、斯ゝる構成の複数円筒形容器支 持用カセットが提供される。該偏倚手段の好適例はばねクリップであって、これ は該カラー部材をハウジング内に保留し、そして前記偏倚機能を発揮するもので ある。好ましくは、該カラー部材は接着性プラスチック材製であり、従って該容 器壁と該カラー部材との間の相対的滑動が該容器の外側壁によって担持されるラ ベル、その他の情報を劣化させない。

【０００６】

【実施例】

図面を参照していえば、図１は概して長方形の形態のカセット・フレーム１０ を説明している。フレーム１０はCoulter Corporation のMAXM血液分析器で用い るために、この会社によって製造、販売されている上記管カセットにおいて用い る形式のものである。フレーム１０は複数の開端付き長方形のコンパートメント １２を併せて規定する複数の相互に直交する壁部１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃであっ て、各コンパートメントが長尺の円筒形容器、例えば血液サンプルを容れた管（ チューブ）、或いはガラス瓶を少なくとも部分的に取り囲むことによってこれを 保護するように企図されている斯ゝる壁部を含んで成る。

【０００７】 図２において、図１のフレームは図１０の分解図に構造が最も良く示されてい る複数の容器心出し構成体１６を具備している。各構成体はフレーム・コンパー トメント１２の１つの入口に装着されていて、構成体が内部に位置付けられてい るコンパートメントの中心軸線に対し構成体が支持する円筒形容器の縦軸線を整 合させるように機能する。 各容器心出し構成体１６は円形開口２０を規定する ハウジング１８（図１０）であって、これに１対のカラー部材２２が滑動可能に 装着されている斯ゝるハウジングと、ばねクリップ２４として当該カラー部材を その間で容器を保持するように協労させるべくカラー部材を偏倚させるように機 能する斯ゝるばねクリップとを含んで成る。ハウジング１８は概してＵ字形の断 面を有し、それによってスロットＳがハウジングの前壁１８Ａに規定されている 。各スロットＳはカセット・フレームの前壁部１０Ｃに形成された類似寸法のス ロットＳ′と整合され、それによってカセットに支持された容器を観察するため の監視スロットを提供している。

【０００８】 図３、４には、本考案のカセットが４種の異なるタイプの容器Ｃ１〜Ｃ４を支 持するものとして示されている。図示の容器は10.25mm （容器Ｃ４）から15mm（ 容器Ｃ1)まで変化している夫々の直径を有している異なるる長さの試験管である 。各試験管はカッセトを使用する血液分析機器の１部を構成する吸出針或いはカ ニューレによって刺し通し得るキャップ３０を具備している。

【０００９】 ハウジング１８の構造の子細が図示されている図５〜７において、ハウジング 側壁１８Ｂ、１８Ｃは、円形開口２０に対して直角にハウジングを貫通した軸線 Ａを有する孔を規定するように連通している概して長方形の開口３４を具備して いる。１対の対立するトラック３６はハウジングの頂、底壁１８Ｅ，１８Ｆの内 側にカラー部材２２（図１４〜１６）を受け入れるように形成されている。カラ ー部材２２はトラック３６に沿って、ハウジングにその前、後壁１８Ａ、１８Ｄ の内側において中央配位した１対のストッパ３８と衝突するまでの限られた距離 だけ、ハウジング内部へ向けて滑動可能になっている。ハウジング後壁１８Ｄの 外面はばねクリップ２４の基部２４Ｂを受け入れて適正に位置付けるためのノッ チ４０を具備している。後壁１８Ｄの基面に沿って延在するリブ４１並びに前壁 の底面から外方へ延在する１対のタブ４２はハウジングをカセット・フレーム１ ０にスナップ嵌合させるための構造を提供する。ハウジング１８は好ましくは、 カラー部材２２やフレーム１０のように射出成形プラスチック製である。

【００１０】 図１１〜１３には、好適なばねクリップ２４が示されており、これは両カラー 部材２２がその間に配位する容器の側壁を捕捉するように当該カラー部材を付勢 するための手段である。クリップ２４は基部２４Ｂと１対の脚部２４Ａ，２４Ｃ とを有する概してＵ字形メタルリーフばねを含んで成る。上記したように、ばね 基部はハウジング壁１８Ｄの外面にあるノッチ４０によって位置付けられる。ば ねクリップの各脚部の末端は１対のタブ爪（プロング）として、各カラー部材２ ２に対しその後面に向けて外側からばね力を与えるように曲げられている斯ゝる １対のタブ爪４４を形成するように分岐している。

【００１１】 図１４〜１６には、カラー部材２２として各々が円筒形容器の円弧状面と係合 させるための円弧状前面２２Ａを有する概して長方形構造体を含んで成る斯ゝる カラー部材が図示されている。円弧状前面２２Ａの形状は異なる直径の容器の湾 曲特性を表す曲率半径に適合するように選定される。円弧状前面２２Ａの長さＬ は好ましは少なくとも約8mm に設定し、それによって容器がその軸線をハウジン グ軸線に対して平行に維持出来るだけの十分な距離に亘って支持されるようにす る。カラー部材２２の後壁２２Ｂはばねクリップ２４のタブ爪４４を受け入れる ノッチ４６を具備している。カラー部材２２はその４コーナに夫々タブ４８とし て、当該タブがハウジング１８のトラック３６と協労してハウジングの中のカラ ーの滑動作を案内する斯ゝるタブを規定している。図示はしていないが、カセッ トに入るときの容器が先ずカラー部材と接触することになる方向から考えたとき の各カラーの頂、底端縁２２Ｃは、容器がカセットに挿置されるときに容器受容 を容易にするために面取りされている。

【００１２】 図８、９において、カラー部材２２は異なる直径の容器Ｃ１、Ｃ2 を捕捉する 異なる２つの位置で示してある。容器の中心が容器直径に関係なくハウジングに 対して位置変化しないことは留意すべき重要な事項である。この事項は利用機器 による収容液の吸い出しを容易にする。更に、円弧状面２２Ａの長さＬの故に、 全ての容器は夫々の縦軸線が互いに平行な関係にあるように支持される。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、直径が無作為、即ちランダムに相違する複数の、例えば試験 管等の、円筒形容器群に対し、これらを共通平面上において平行且つ離間配位の 関係で以て受容、支持することが許容される実用上極めて便利な位置精度と自由 度の高いカセットが簡単な機構で以て実現される。

【図面の簡単な説明】

【図１】複数の容器を受容するための好適なカセットフ
レームの斜視図である。

【図２】本考案の好適態様に従って組立てられた複数の
容器心出し構成体を支持している図１のフレームの斜視
図である。

【図３】図２に示すカセットの平面図（頂面図）であ
る。

【図４】図２に示すカセットの側面図である。

【図５】図２に示す容器心出し構成体ハウジングの１つ
の正面図である。

【図６】図２に示す容器心出し構成体ハウジングの１つ
の頂面図である。

【図７】図２に示す容器心出し構成体ハウジングの１つ
の側面図である。

【図８】好適例の容器心出し構成体の頂面図であって、
この構成体の１部分を成すばねクリップの１の位置を示
している。

【図９】好適例の容器心出し構成体の頂面図であって、
この構成体の１部分を成すばねクリップの図８とは異な
る位置を示している。

【図１０】好適例の容器心出し構成体の分解図である。

【図１１】容器心出し構成体の容器係合要素を偏倚する
ために用いる好適ばねクリップの正面図である。

【図１２】容器心出し構成体の容器係合要素を偏倚する
ために用いる好適ばねクリップの側面図であって、図１
１における方向１２−１２から見たものである。

【図１３】容器心出し構成体の容器係合要素を偏倚する
ために用いる好適ばねクリップの側面図であって、図１
１における方向１３−１３から見たものである。

【図１４】図２のカセットの容器心出し構成体の好適カ
ラー部材の背面図である。

【図１５】図２のカセットの容器心出し構成体の好適カ
ラー部材の側面図であって、図１４における方向１５−
１５から見たものである。

【図１６】図２のカセットの容器心出し構成体の好適カ
ラー部材の正面図であって、図１５における方向１６−
１６から見たものである。

【符号の説明】

Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３，Ｃ４…容器 １０…フレーム １０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ…フレーム壁部 １２…コンパートメント １６…容器心出し構成体（アッセンブリ） １８…ハウジング １８Ａ…ハウジング前壁 １８Ｂ，１８Ｃ…ハウジング側壁 １８Ｄ…ハウジング後壁 １８Ｅ…ハウジング頂壁 １８Ｆ…ハウジング底壁 ２０…円形開口 ２２…カラー部材 ２２Ａ…円弧状前面 ２２Ｂ…円弧状後面 ２２Ｃ…頂、底端縁 ２４…ばねクリップ ２４Ａ，２４Ｃ…クリップ脚部 ２４Ｂ…クリップ基部 ３４…長方形開口 ３６…トラック ３８…ストッパ ４０…ノッチ ４１…リブ ４２…タブ ４４…タブ爪 ４６…ノッチ ４８…タブ Ｓ，Ｓ′…スロット Ａ…軸線 Ｌ…長さ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 キリアコス クリストウ アメリカ合衆国，フロリダ 33016，マイ アミ レイクス，ブレックネス プレイス 14744 (72)考案者 ニコラス パーカー アメリカ合衆国，フロリダ 33326，サン ライズ，サウスウエスト 13 コート 15027 (72)考案者 ジョン ケー．シエ アメリカ合衆国，フロリダ 33196，マイ アミ，ナンバー 1018，サウスウエスト 107 レーン 15295

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直径が無作為に変化している複数の円筒
   形容器を平行離間配位で以て支持するために用いるカセ
   ットであって、これが横並び配位した複数の容器心出し
   構成体を支持するフレームを含んで成り、当該複数容器
   心出し構成体の各々は該フレーム上の所望個所に該容器
   の縦軸線を配位させるものであって、各構成体は： （ｉ）該容器を受容する貫通開口を規定したハウジン
   グ； （ii）該フレームに互いに相手に対して滑動的遠近動可
   能に装着された協労する１対のカラー部材であって、両
   部材がその滑動の際に受容容器の側壁に接触させるよう
   にした円弧状面を夫々有している斯ゝる１対カラー部
   材；及び (iii）該カラー部材を互いに相手の方へ該容器側壁と係
   合させるために偏倚させ、それによって該カラー部材の
   夫々の該円弧状面を両者間に配位する該容器の支持のた
   めに協力させる偏倚手段を含んで成る、斯ゝる構成の複
   数円筒形容器支持用カセット。
2. 【請求項２】 該ハウジングが該フレームに着脱可能に
   付設されるようになっている、請求項１に記載の複数円
   筒形容器支持用カセット。
3. 【請求項３】 該フレームは複数の離間チャンバとし
   て、部分的に取り囲まれることによって該容器心出し構
   成体によって支持された該容器を物理的に保護する斯ゝ
   る複数チャンバを規定している、請求項１に記載の複数
   円筒形容器支持用カセット。
4. 【請求項４】 該カラー部材の該円弧状面は該容器とそ
   の長さの実質的部分に沿って係合し、それによって該容
   器の夫々の縦軸線が該フレーム内で互いに平行を維持出
   来るようにした、請求項１に記載の複数円筒形容器支持
   用カセット。