JP3038770B2 - 診断薬用担体用ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

診断薬用担体用ポリマー粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、診断薬用担体用ポリマー粒子の製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
抗体または抗原などの免疫学的物質を担体に担持さ
せ、特異反応によって対応する抗原または抗体などの被
検査物質を検出測定することは、臨床検査の重要な主題
のひとつとなっている。
例えば、免疫学的物質を担体させた担体粒子の分散液
(以下、これを「感作ラテックス」という)を用いて特
異反応を行い、これによる感作ラテックスの状態変化、
すなわち感作ラテックスの凝集状態、沈降状態あるいは
分散状態などを観測することにより、対応する被検査物
質についての診断を行うことができる。
この原理を用いた検査方法にマイクロタイター法があ
り、この方法は、比較的高感度で、多量の検体を簡便に
検査することができるので、広く利用されている。この
マイクロタイター法は、検体中の抗原または抗体と、担
体上の抗体または抗原との反応をマイクロウエルズの沈
降像によって判定する方法である。そして、このマイク
ロタイター法に用いられる担体としては、従来、粒径が
大で、比重も比較的高い動物血球が使用されていたが、
この動物血球は、抗原性がある、ロット差や個体差があ
る、長期間にわたる保存に耐えない、などの問題があ
り、動物血球に代わる担体粒子の提供が要請されてい
た。
免疫学的物質を担持させるための担体粒子に要求され
る特性としては、(イ)蛋白の吸着能が高い、(ロ)非
特異凝集を起こさない、(ハ)感度が高い、(ニ)測定
時間が短い、などがある。そして、高感度でしかも測定
時間が短いという要求に応えるためには、担体粒子は、
粒径が適正な範囲内で比較的大きく、かつ単分散であ
り、比重が高いことが重要である。これは、比重が高く
て粒径が大きい担体粒子は、反応液中での沈降速度が大
きく、また凝集に伴う状態の変化が大きいために、その
変化を検出することが容易となって高い信頼性が得ら
れ、しかも迅速な測定が可能となるからである。
マイクロタイター試薬用担体粒子は、沈降速度が大き
いことが好ましいけれども、沈降速度が大き過ぎる場合
には、抗原−抗体反応が十分に進行しないために、結
局、感度が低いものとなる。このような観点から、マイ
クロタイター法には、数十分間乃至300分間程度の間に
沈降像の判定を行い得るポリマー粒子が望ましい。そし
て、粒子の沈降速度は、ストークスの式より明らかなよ
うに粒子の粒径の2乗と比重とに比例するので、粒径お
よび比重が大きい粒子が望ましいことが判る。具体的に
は、粒径が1.2μm以上、好ましくは1.4〜3μm、比重
は1.2〜2、好ましくは1.3〜1.8であるようなポリマー
粒子を用いることが適当である。
従来、以上のような目的に使用される担体粒子として
は、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−トリ
ブロモフェニルアクリレート共重合体などの重合体の粒
子が知られている(特開昭58−209984号、特開昭62−11
8256号、特開昭62−200264号)。そして、トリブロモフ
ェニルアクリレートのようなハロゲン原子の含有割合が
大きいモノマー成分を用いることにより、比較的比重の
大きいポリマー粒子が得られることが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ポリマー粒子は、通常、乳化重合法によって好適に製
造される。しかしながら、トリブロモフェニルアクリレ
ートのようなハロゲン原子で置換されたフェニル基を有
するモノマーを含有するモノマー組成物を通常の乳化重
合法で重合させる場合には、重合安定性が低くて多量の
凝集物が生じ、その結果、固形分を分離するための濾過
処理が困難となり、また生成するポリマー粒子が粒径分
布の非常にブロードなものとなるため、所要の粒径のポ
リマー粒子の収率がきわめて低くてコストが高いものと
なる、という問題点がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたものである。すなわち、本発明は、ハロゲン原子で
置換されたフェニル基を有するモノマーを成分とするモ
ノマー組成物を重合させる方法であって、重合安定性が
高くて生ずる凝集物の量が少なく、また生成するポリマ
ー粒子の粒径分布がシャープであって高い収率で所要の
粒径のポリマー粒子を得ることのできる診断薬用担体用
ポリマー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明においては、下記一般式(I)で表わされるハ
ロゲン原子で置換されたフェニル基を有するモノマーI
を油性のモノマーIIに溶解し、ここに得られるモノマー
溶液を、炭素数が1〜4の低級アルコール30〜80容量%
と水70〜20容量%とからなる特定の媒体を用いて撹拌下
に重合させ、これによって診断薬用担体用ポリマー粒子
を製造する。
一般式(I) (式中、R1およびR2は同一または異なり、水素原子また
は低級アルキル基を示し、R3は炭素数2または3の直鎖
状または分岐状のアルキレン基であってヒドロキシル基
で置換されていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、m
は0または1〜10の整数、nは1〜5の整数を示し、n
は2以上のときのXは互いに異なるものであってもよ
い。) 上記一般式(I)において、R1およびR2としては水素
原子またはメチル基が好ましく、R3としてはエチレン基
またはプロピレン基が好ましく、またXとしては塩素原
子または臭素原子が好ましく、mは0または1であるこ
とが好ましく、nは3〜5であることが好ましい。
モノマーIの具体例としては、モノフルオロフェニル
(メタ)アクリレート、モノクロロフェニル(メタ)ア
クリレート、トリクロロフェニル(メタ)アクリレー
ト、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、モノ
ブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェ
ニル(メタ)アクリレート、モノイオドフェニル(メ
タ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アク
リレート、2−(トリブロモフェノキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、2−(トリブロモフェノキシエトキ
シ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペンタクロロ
フェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(ト
リブロモフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、その他を挙げることができる。
モノマーIとして特に好ましいものは、ペンタクロロ
フェニルアクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリ
レート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2,
4,6−トリブロモフェニルメタクリレート、α−クロロ
フェニルアクリレート、α−クロロフェニルメタクリレ
ートである。
以上のモノマーは、その1種のみでなく、2種以上の
ものを組合せてモノマーIとして使用することもでき
る。
このモノマーIと共にモノマー溶液を形成するモノマ
ーIIとしては、モノマーIを溶解する油性のモノマーで
あればよく、その具体例としては、例えばスチレン、α
−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイ
ン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリ
ジン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、臭化ビニルなどの芳香族ビニル化合物、α,β−
不飽和カルボン酸またはそのエステル類もしくはアミド
類、α,β−不飽和ニトリル化合物、ハロゲン化ビニル
化合物、共役ジエン化合物、低級脂肪酸ビニルエステル
化合物などを挙げることができる。
モノマーIIとして特に好ましいものは、スチレン、α
−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチ
レンである。
以上のモノマーは、その1種のみでなく、2種以上の
ものを組合せてモノマーIIとして使用することもでき
る。
本発明において、モノマー溶液におけるモノマーIと
モノマーIIの割合は、均一な溶液が形成される範囲であ
れば特に制限されるものではないが、モノマー溶液中、
モノマーIの割合は30〜70重量%であることが好まし
い。
モノマー溶液には、他のモノマーを含有させることが
でき、適宜のモノマーを用いることによって、最終的に
得られるポリマー粒子に好適な特性を得ることが可能で
ある。この他のモノマーは、モノマーIおよびモノマー
IIと共重合可能なモノマーであればよく、ジビニルベン
ゼンのような架橋性のモノマーを用いることもできる。
このような他のモノマーは、モノマーIとモノマーII
の合計100重量部に対して0.1〜20重量部の割合で使用さ
れ、1〜10重量部の範囲であることが好ましい。
診断薬用担体として用いられるポリマー粒子を得る観
点から、モノマーIIの一部または全部として、あるいは
当該他のモノマーとして不飽和カルボン酸を用いること
が好ましく、これにより、ポリマー粒子に官能性や分散
安定性を付与することができる。不飽和カルボン酸の具
体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができ
る。この不飽和カルボン酸は、モノマー溶液の0.5〜15
重量%の範囲内で用いることが好ましい。この不飽和カ
ルボン酸の使用量が過多であると、最終的に得られるポ
リマー粒子の粒径分布が広いものとなり、また当該ポリ
マー粒子による担体粒子は、非特異反応を生ずる可能性
は低いが低感度のものとなり、一方、不飽和カルボン酸
の使用量が過少であると、後続の重合反応における重合
安定性が低くなり、得られるポリマー粒子は、高感度で
あるが非特異反応を生ずる可能性の高いものとなる。
本発明においては、上記のようなモノマー溶液を重合
させるための媒体として、水と親和性を有する低級アル
コールと、水とからなる溶液が用いられる。ここに用い
られる低級アルコールは炭素数が1〜4のものであり、
例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコールなどがあるが、特にエチルアルコールが好ま
しい。
この低級アルコールは、媒体の全体における30〜80容
量%となる割合で用いられる。低級アルコールの割合が
この範囲を外れる場合には、重合における重合安定性が
低くなり、多量の凝集物が生成する。そして、低級アル
コールの割合が大きいほど、得られるポリマー粒子の粒
径が小さくなる傾向がある。
本発明における重合の方法は、乳化剤を用いる乳化重
合法および乳化剤を使用しないソープフリー(乳化)重
合法のいずれでもよい。しかし、特に診断薬用担体とし
て用いられるポリマー粒子を得るためには、ポリマー粒
子に良好な表面特性が得られること、本来的に生成する
凝集物が少ないこと、得られるポリマー粒子の粒径分布
が狭いこと、得られるポリマー粒子の形状が一定である
などの利点を有することなどから、乳化剤を使用しない
ソープフリー(乳化)重合法が好ましい。
本発明の重合工程において、乳化剤を用いる場合は、
モノマー溶液100重量部に対して0.5重量部以下の割合で
用いられる。特に診断薬用担体として用いられるポリマ
ー粒子を得る場合には、ポリマー粒子の表面に多量の乳
化剤が残存すると蛋白などの生物学的物質の吸着が阻害
されるため、乳化剤の使用量は少ないことが好ましい。
乳化剤としては、通常の乳化重合法において使用され
ているアニオン性界面活性剤および/またはノニオン性
界面活性剤が使用される。
本発明のにおて、重合開始剤としては、水溶性ラジカ
ル重合開始剤が用いられる。このような重合開始剤の具
体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過
硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が好ましい。また、こ
れらの過硫酸塩と塩化第一鉄、アスコルビン酸、重亜硫
酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどを組み合わせた
レドックス開始剤も使用することができる。この重合開
始剤は、モノマー溶液100重量部に対し、0.2〜5重量部
の範囲で用いられる。
本発明の重合を実施するためには、上記の低級アルコ
ールと水との混合物よりなる媒体を用意し、この媒体中
に重合開始剤とモノマー溶液を加え、撹拌して乳化状態
を保ちながら加熱して重合させればよい。
モノマー溶液を媒体に添加するための方法としては、
一括添加方式、分割添加方式あるいは連続添加方式があ
るが、特にモノマー溶液を媒体に滴下することによる連
続添加方式が好ましい。また、モノマー溶液を水性媒体
によってエマルジョンとし、このエマルジョンを、例え
ば連続添加方式により、媒体に添加することも可能であ
る。この場合において、モノマー溶液のエマルジョンを
調製するための水性媒体としては、重合工程のための媒
体の一部を用いることができる。
そして、重合開始剤および乳化剤を用いる場合の当該
乳化剤についても、モノマー溶液の添加の態様に応じた
適宜の態様で使用し、あるいは添加すればよい。特にモ
ノマー溶液を蓮束添加方式で添加する場合には、重合開
始剤はその一部を予め媒体に添加しておき、その後、モ
ノマー溶液の添加と共に残余の重合開始剤を分割してあ
るいは連続して添加する態様によることができる。モノ
マー溶液をエマルジョンとして用いる場合には、重合開
始剤をエマルジョンのための水性媒体中に溶解させてお
くこともできる。また、媒体についても、その全部を当
初から使用せずに、媒体の一部を反応の途中で加えるこ
ともできる。
本発明の重合工程における重合温度は、重合開始剤の
種類によっても異なるが、過硫酸塩を単独で使用する場
合には通常60〜90℃、好ましくは65〜85℃であり、重合
に要する時間は通常、2〜10時間程度である。
粒径が一層大きいポリマー粒子を得る場合には重合系
に食塩などの電解質を加えることが有効である。こうし
て得られるポリマー粒子の平均粒径は0.5〜1.5μmであ
る。
重合反応が終了した後、濾過によって固形分を分離
し、ポリマー粒子を回収すればよい。
本発明のポリマー粒子の製造方法においては、上記の
ように、ハロゲン原子で置換されたフェニル基を有する
モノマーIが共重合成分として用いられるが、このモノ
マーIが油性のモノマーIIに溶解されたモノマー溶液が
重合に供されると共に、重合工程のための媒体が、特定
の割合の低級アルコールと水とからなる特定の媒体であ
るため、乳化剤を用いないソープフリー(乳化)重合法
による場合であっても、高い重合安定性が得られて生成
する凝集物の量が少なく、しかも得られるポリマー粒子
が比較的粒径の大きい範囲で粒径分布のシャープなもの
となる。そして、本発明の方法によれば、モノマー溶液
を順次に滴下する連続添加方式による場合にも、このよ
うな優れた効果が得られることは、きわめて特筆すべき
ことであり、それは、連続添加方式による場合には、通
常、得られるポリマー粒子の粒径分布は相当に広いもの
となるからである。
また、本発明の方法によるポリマー粒子は、ハロゲン
原子で置換されたフェニル基を有するモノマーIが含有
されたものとなるため、その比重が大きく、例えば1.5
以上のポリマー粒子が得られる。これは、ポリスチレン
の比重が1.05であることを考慮するとき、きわめて大き
い比重のものであることが理解される。
本発明の方法によるポリマー粒子は、その粒径が0.5
〜1.5μmであるが、大粒径のものは比較的製造しにく
い。大粒径のポリマー粒子を製造するためには、本発明
の方法によるポリマー粒子をシード粒子とし、さらにモ
ノマーを加えて重合させる方法が有効である。
本発明の方法によるポリマー粒子は、上記のように粒
径分布がシャープである上、良好な表面特性を有するた
め、診断薬用担体として有用なポリマー粒子である。
すなわち、このポリマー粒子は、比重が大きいので水
などの液体媒体からの分離が容易であり、沈降処理を伴
う被検出物の検出や測定のための感作試薬の担体粒子と
してきわめて有利である。例えば、本発明の方法による
ポリマー粒子よりなる担体を感作試薬としてマイクロタ
イター法に用いれば、従来では数時間から数十時間もの
長時間を要する測定を、数十分間から360分間程度の短
時間で行うことが可能となり、遠心分離処理などによる
粒子の分離もきわめて確実でしかも要する時間も短くな
る。
本発明の方法によるポリマー粒子よりなる診断薬用担
体の使用において、当該担体に担持される生物学的物質
の例としては、B型肝炎表面抗原(HBs抗原)、抗HBs抗
体、人絨毛性ゴナドトロピン(HCG抗原)、抗HCG抗体、
イムノグロブリンG、マイコプラズマ抗原、核酸、核蛋
白、エストロゲン、抗エストロゲン抗体などの免疫学的
反応性物質、グリコースイソメラーゼ、グリコースオキ
シターゼ、α−アミラーゼ、パパイン、アミノアシラー
ゼなどの酵素、胎児肺細胞、腎細胞、繊維芽細胞などの
生育に固定表面を必要とする細胞などが挙げられるが、
目的に応じて適宜選択することができる。
〔効果〕
以上のように、本発明によれば、ハロゲン原子で置換
されたフェニル基を有するモノマーを成分とするモノマ
ー組成物を重合させる方法であって、重合安定性が高く
て生ずる凝集物の量が少なく、また生成するポリマー粒
子の粒径分布が狭くて高い収率で所要の粒径のポリマー
粒子を得ることができる。そして、得られたポリマー粒
子は診断薬用担体としてきわめて好適である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。以下の記載において
「部」および「%」は各々重量部および重量%を表わ
す。
実施例1 トリブロモフェニルアクリレート 58g スチレン 36g メタクリル酸 6g 以上のモノマーを混合してモノマー溶液を調製した。
また、重合開始剤である過硫酸アンモニウム2gを水200m
lとエチルアルコール20mlからなる溶液に加えて溶解さ
せて重合開始剤溶液を調製した。
一方、容量1の3つ口フラスコに水280mlとエチル
アルコール280mlとを入れ、撹拌しながら75℃に昇温さ
せた。これに上記モノマー溶液と、重合開始剤溶液を別
個に8時間にわたって等しい速度で滴下した。モノマー
溶液と重合開始剤溶液の滴下が完了した後さらに2時間
重合反応を行って球形のポリマー粒子を得た。
この重合反応における重合転化率は95%、重合反応に
供されたモノマー全量に対する凝集物の割合は3.5%、
得られたポリマー粒子の平均粒径は1.0μmで標準偏差
は0.03μmであった。
実施例2 重合反応のための媒体として水130mlとエチルアルコ
ール430mlとを用いたほかは、実施例1と同様にして重
合反応を行い、球形のポリマー粒子を得た。
この重合反応における重合転化率は96%、重合反応に
供されたモノマー全量に対する凝集物の割合は6.5%、
得られたポリマー粒子の平均粒径は1.12μmで標準偏差
は0.05μmであった。
実施例3 重合反応のための媒体として水340mlとエチルアルコ
ール220mlとを用いたほかは、実施例1と同様にして重
合反応を行い、球形のポリマー粒子を得た。
この重合反応における重合転化率は92%、重合反応に
供されたモノマー全量に対する凝集物の割合は15%、得
られたポリマー粒子の平均粒径は0.93μmで標準偏差は
0.07μmであった。
比較例1 重合反応のための媒体として水460mlとエチルアルコ
ール100mlとを用いたほかは、実施例1と同様にして重
合反応を行い、ポリマー粒子を得た。
この重合反応において、重合反応に供されたモノマー
全量に対する凝集物の割合は35%、得られたポリマー粒
子の平均粒径は0.43μmであった。
実施例4 重合反応のための媒体として水400mlとメチルアルコ
ール160mlとを用い、重合開始剤を水20mlとメチルアル
コール20mlとに溶解させて重合開始剤溶液を調製したほ
かは、実施例1と同様にして重合反応を行い、球形のを
ポリマー粒子を得た。
この重合反応における重合転化率は97%、重合反応に
供されたモノマー全量に対する凝集物の割合は25%、得
られたポリマー粒子の平均粒径は0.75μmで標準偏差は
0.06μmであった。
〔適用例〕
以上の実施例1〜実施例4で得られたポリマー粒子の
各々を常法に従って精製し、このポリマー粒子の割合が
1%の分散液1容量部に、抗HBsウマ抗体20μgを含有
する溶液1容量部を混合して2時間撹拌し、この混合物
を遠心分離処理してその上澄み液を除去した。そして、
ここに得られたポリマー粒子について、リン酸緩衝液
(PBS(−))100部と、非働化したウサギ血清1部と、
界面活性剤ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオ
レート「トウィーン80」の1%水溶液0.5部とよりなる
分散液3容量部を用いて、粒子の分散後遠心分離処理す
ることによる洗浄操作を合計3回行い、これにより感作
ラテックスを得た。
得られた感作ラテックスの各々について、その感度を
マイクロタイター法によって調べた。すなわち、V底マ
イクロタイタープレート(豊島製作所製)を用い、その
各ウエルにHBsAg陽性血清を25μづつ採ってダイリュ
ーターにより倍々希釈を行い、その後各ウエルに感作ラ
テックスを滴下して混合し、ラテックス粒子の沈降像を
観察することにより、陽性像が現れる最大希釈倍率を求
めた。また、測定に要する時間を求めた。結果は第2表
に示すとおりである。
以上のことから、本発明によるポリマー粒子は診断薬
用担体としてきわめて有用であることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/30 C08F 2/18 C08F 2/22 A61K 47/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされるモノマーI
    を油性のモノマーIIに溶解させてなるモノマー溶液を、
    低級アルコール30〜80容量%と水70〜20容量%とからな
    る媒体中において撹拌下に重合することを特徴とする診
    断薬用担体用ポリマー粒子の製造方法。 一般式(I) (式中、R1およびR2は同一または異なり、水素原子また
    は低級アルキル基を示し、R3は炭素数2または3の直鎖
    状または分岐状のアルキレン基であってヒドロキシル基
    で置換されていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、m
    は0または1〜10の整数、nは1〜5の整数を示し、n
    が2以上のときのXは互いに異なるものであってもよ
    い。)
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