JP3038348B2 - ヒト顆粒状、マクロファージおよび好酸球の細胞増殖因子活性を示すポリペプチドをコードするcDNAクローン - Google Patents

ヒト顆粒状、マクロファージおよび好酸球の細胞増殖因子活性を示すポリペプチドをコードするcDNAクローン

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般に、組換えDNA技術を使用して哺乳動物
の免疫応答の防御機構を解明することに関し、より詳細
には、ヒト顆粒球/マクロフアージ増殖因子活性(好酸
球増殖因子活性を含む)を示すポリペプチドをコードす
る核酸クローンの単離に関する。 一般に、組換えDNA技術は供与源からの遺伝情報をそ
の後のプロセツシング(例えば宿主への導入)のために
ベクター内に挿入し、それにより伝達された遺伝情報を
新しい環境において複製および/または発現させる技術
に関する。通常、遺伝情報は目的とするタンパク質産物
をコードするメツセンジヤーRNA(mRNA)から誘導され
た相補的DNA(cDNA)の形で存在する。キヤリアーはし
ばしばプラスミドであつて、それは宿主内でその後の複
製のためにcDNAを組み込むことができ、いくつかの場合
には、実際にcDNAの発現を制御し、それにより宿主内で
のゴード化産物の合成を支配することができる。 この技術は近年非常に速いテンポで発展をとげ、いろ
いろな外因性タンパク質が種々の宿主内で発現された。
しかしながら、意図する新規cDNAクローンを単離するこ
とは依然として不確かなままである。組換えDNA技術に
よつて生産された真核生物のタンパク質のいくつかを例
に挙げると、プロインシユリン〔ネーバー(Naber,S.)
らのGene 21:95−104(1983)を参照〕;インターフエ
ロン類〔シモン(Simon,L.)らのProc.Nat.Acad.Sci.US
A,80:2059−2062(1983)およびデリンク(Derynck,
R.)らのNucl.Acids Res.1:1819−1837(1983)を参
照〕;成長ホルモン〔ゴーデル(Goeddel,D.)らのNatu
re 281:544−548(1979)を参照〕;および肥満細胞増
殖因子〔ヨコタ(Yokota,T.)らのProc.Nat.Acad.Sci.U
SA,81:1070−1074(1984)を参照〕などが含まれる。
(これらの刊行物および以後に引用する他の文献は関連
分野ならびに特定の場合には本発明の実施の背景をより
詳しく説明するためのものであつて、参照によりすべて
ここに挿入される。) しばらくの間、哺乳動物の免疫応答は主に“免疫ネツ
トワーク”と呼ばれる一連の複雑な細胞間相互作用によ
るというのが定説であつた。実際に、大部分の免疫応答
はリンパ球マクロフアージ、顆粒球およびその他の細胞
のネツトワーク様相互作用が中心をなすものであること
ははつきりしているが、今や、免疫学者達は一般に可溶
性タンパク質(例えば、いわゆるリンフオカイン)がこ
れらの細胞の相互作用の制御に対して重要な役割を果た
すという意見を固守している。 リンフオカインは明らかにいろいろな方法で細胞の活
動を仲介する。それらは各種の造血細胞の増殖および生
長を維持する能力をもつことがわかつており、実際、多
分可能性造血幹細胞が免疫応答に関与する様々な細胞系
統の前駆細胞へ分化する際に重要な役割を演ずると考え
られている。この応答において重要な細胞系統には2種
類のリンパ球:すなわち免疫グロブリン(外来物質を認
識し、それと結合してそれを排除することができるタン
パク質)を産生および分泌するB細胞;および種々の機
構によつてB細胞や免疫ネツトワークを作り上げる他の
細胞(他のT細胞を含む)のいくつかを誘導もしくは抑
制する各種のサブセツトのT細胞;が含まれる。 もう一つの重要な白血球形態は食細胞、すなわち多形
核白血球と単核白血球である。これらの細胞は掃去を専
門に行い、侵入する微生物の排除および老化細胞や細胞
外の死んだ組織片の除去に欠くことのできない能力を有
すると考えられている。 好中球および好酸球を含めた顆粒球はこれらの白血球
形態に含まれる。好中球は末梢血液、多くの組織および
外界と直接に接触する身体部分(例えば口腔、気管支気
管および子宮頸管)に見出される。微生物の侵入に対し
て応答するそれらの食細胞はよく研究されており〔クレ
バノツフ(Klebanoff,S.)およびクラーク(Clark,R.)
の好酸球:その機能および臨床疾患(The Neutrophil:F
unction and Clinical Disorders),エルスビール/北
オランダ・バイオメデイカル・プレパレーシヨン,アム
ステルダム(1978)を参照〕、取り込まれた微生物の破
壊は主として種々の抗菌剤(例えば酸素ラジカル、H2O2
およびハライドイオン)の液胞内への制御された放出に
より達成される。好酸球についてはあまり知られていな
いが、それらは非常に特徴的な顆粒形成パターンにより
容易に同定することができ、アレルギー性疾患やある種
の寄生虫病(例えば旋毛虫症)と関連することが実証さ
れている。 マクロフアージは周囲の組織に応じて異なる性質を呈
するという点で顆粒球と相違している。こうして、組織
マクロフアージには結合組織の組織球、肝臓のクツパー
細胞、肺臓の肺胞マクロフアージ、骨の破骨細胞、神経
系の抗菌細胞、皮膚のランゲルハウス細胞、およびその
他の器官の遊離または固着細胞が含まれる。マクロフア
ージは食作用のほかに、多くの非常に重要な生物活性物
質例えばリソチーム、プラスミノーゲン活性化因子、コ
ラゲナーゼ、エラスターゼ、酸性ヒドロラーゼ、補体成
分、プロスタグランジン、内因性発熱物質、数種のリン
フオカイン、および酸素中間代謝物を分泌することがで
きる。さらに、マクロフアージはBおよびTリンパ球へ
の抗原情報の供給および提示を調節すると考えられてい
る〔クリン(Cline,M.)の白血球(The White Cell),
ハーバード大学出版所、ケンブリツジ、マサチユーセツ
ツ州(1975)を参照〕。 マクロフアージ、顆粒球、T細胞および免疫応答に関
与するその他の細胞の研究を介して、好中球減少症、リ
ンパ球減少症、単球減少症、白血病または類白血病反
応、ならびにその他の免疫疾患をよりよく理解する(そ
れにより治療する)研究は、これらの細胞をin vitroで
維持することが一般に不可能であつたため困難であつ
た。しかしながら、最近何人かろ免疫学者達は、多くの
この種の細胞を単離して、いくつかの場合には、他の細
胞からの分泌物〔例えばコンカナバリンA(Con A)で
刺激した脾臓リンパ球からのならし培地〕上でそれらを
増殖させることにより培養しうることを見出した。この
研究から、今や、細胞クローンの発生は特定の因子(例
えばリンフオカイン)に依存するということが明らかに
なつた。 ほとんど全ての血球形態は、明らかに造血前駆細胞の
段階の増殖および分化により、成熟背椎動物の骨髄にお
いて連続して形成される。この段階の頂上に多分化性能
幹細胞が存在し、この細胞は全部ではないにしても大部
分の血液学的細胞型(例えば赤血球、血小板、リンパ
球、種々の顆粒球および単球/マクロフアージ)を致死
的に照射された動物において再生することができる。こ
の多分化性能細胞は多分化能性幹細胞を再生できる(自
己再生)ばかりでなく、ある特定の細胞系能の経路に沿
つて分化される前駆細胞を生ずることができる。特定の
前駆細胞の子孫は親細胞と同じ系統に連なると考えられ
る〔メツトカーフ(Metcalf,D.)の造血コロニー(Hemo
poietic Colonies),スプリンガー・パブリツシング・
カンパニー,ニユーヨーク(1977)を参照〕。 造血についてのiv vitro研究は、多くの可溶性因子が
これらの種々の前駆細胞の増殖および分化を調節し得る
ことを示した。これらの因子のいくつかは部分精製さ
れ、そして特定の細胞系統に属する幹細胞に特異的に作
用することが見出された。例えば、腎臓で主に産生され
るエリスロポエチンは赤芽段階のより分化した細胞を刺
激し〔ミヤケ(Miyake,T.)らのJ.Biol.Chem.252:5558
(1977)を参照〕、T細胞およびマクロフアージで産生
されるコロニー刺激活性化因子は骨髄細胞の半固形培養
物中での顆粒球およびマクロフアージの増殖を優先的に
促進する〔スタンレー(Stanley,E.)およびハード(He
ard,P.)のJ.Biol.Chem.252:4305(1977)を参照〕。し
かし、別のタイプの増殖因子は単一の細胞型と細胞混合
物から成る造血コロニーを促進しうると思われる。この
第2のタイプの1つの因子に明らかに応答する細胞の範
囲(例えば前赤芽球、巨核球、顆粒球、肥満細胞および
単球/マクロフアージ)は、それを多重系統細胞増殖因
子と名づける原因となり〔イスコフ(Iscove,N.)らの
J.Cell.Physiol.Suppl.,1:65−78(1982)を参照〕、こ
の名称はそれが多くの前駆細胞に、さらに多分化性能幹
細胞にも作用し得ることを示すものである。 コロニー刺激活性化因子は数種の分子形態で存在する
ことが知られており、それらの形体は集合的にコロニー
刺激因子(CSF)とも呼ばれる。CSFは分子量が約20000
〜70000ダルトンの糖タンパク質に属し、血液や尿中を
循環することがわかつている。半固形培養物中での顆粒
球とマクロフアージの両方のコロニー形成〔メツトカー
フ(Metcalf,D.)の造血コロニー:正常細胞および白血
病細胞のクローニング,スプリンガー・パブリツシング
・カンパニー,ニユーヨーク(1977)を参照〕を促進し
得る一組の因子は“GM−CSF"として知られている。 マウスとヒトのGM−CSFが少なくとも部分的に精製さ
れて、生化学的に性状決定されたが、種内部でさえ分子
量と活性スペクトルとの両方に大きな相違があると報告
された〔メツトカーフの“造血コロニー刺激因子”、実
験薬理学ハンドブツク,57:343−384,スプリンガー−フ
エアラーグ,ニユーヨーク(1978)を参照〕。ネズミGM
−CSF活性をコードするcDNAの好結果のクローニングは
ネズミGM−CSFをとりまく事前の疑問の多くを解決する
のに役立つたが、ヒトGM−CSFにおいては疑問が今だ多
く残されたままである。少なくとも2つの研究者グルー
プが2種のヒトGM−CSFを報告した〔ダス(Das,S)らの
Blood 58:630−641(1981)およびニコラ(Nicola,N.)
らのBlood 54:614−627(1979)を参照〕。実際、ヒトG
M−CSFをコードするmRNA(ATCC寄託番号CRL8066のTリ
ンパ球細胞系列から単離;米国特許第4438032号を参
照)のin vitro翻訳によつて生物学的に活性なタンパク
質を得たと報告された〔ルーシス(Lusis,A.)らのNatu
re 298:75−77(1982)を参照〕が、ヒトCSFをとりまく
不確かさは依然として非常に多く残されたままである
〔バーゲス(Burgess,A.)の増殖因子および幹細胞,第
4章,93−124頁,アカデミツク・プレス,ニユーヨーク
(1984)を参照〕。 分子量の相違は恐らく可変量のグリコシル化によつて
説明しうるが、この問題の解明および1つの分子により
示される活性スペクトルには、それ以上の構造データ
(例えば、問題とする分子の実質的に全長のアミノ酸配
列分析)が必要となる。もちろん、タンパク質のアミノ
酸配列決定はその問題を解明しうる手段を提供するが、
それは実験的に非常に困難な仕事であり、しかも往々に
して完全に正確な全長アミノ酸配列をもたらし得ない。
さらに、ヒトGM−CSF活性を示すポリペプチドを大量に
生産し得ることは、例えば細胞増殖を促進するConA−な
らし培地に頼る必要性を最小限に抑えることにより、顆
粒球、マイクロフアージおよび免疫応答に関与する他の
細胞の生物学の研究を大いに促進するであろう。ヒトCS
Fに関与する正確かつ完全なアミノ酸配列データはまた
他の免疫学的因子の研究を単純化するのに役立つであろ
う。最後に、リンフオカインに関する今まで以上の情報
は種々の増殖因子および免疫ネツトワークの細胞の役割
を評価する上で役立ち、こうして全免疫系を洞察し、そ
れに付随する治療上の利益を得ることができるであろ
う。 従つて、ヒトGM−CSF活性を示すタンパク質をコード
するDNAの広範囲なヌクレオチド配列データ、およびそ
のタンパク質のアミノ酸配列データを提供する必要性、
ならびにこの種の物質を実質的量でしかも本質的に純粋
な量で生産する簡単かつ経済的方法を提供する必要性が
存在する。本発明はこれらの必要性を満たすものであ
る。 本発明はヒトGM−CSF活性を示すポリペプチドをコー
ドするcDNAクローンを提供する。cDNAのヌクレオチド配
列および関連するポリペプチドの推定上のアミノ酸配列
は第1図に示す。そのcDNA配列を種々のベクター内に組
み込み、哺乳動物の細胞培養物のような真核細胞を含め
た種々の宿主内で対応するポリペプチドを合成すること
ができる。 さらに詳しくは、本発明はヒトGM−CSF活性を示すポ
リペプチドの生産方法を提供し、その方法は a) 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含むベクターを作成し、その際該ヌクレオチド配列は
該ベクターを含む宿主によつて発現可能であり; b) 該ベクターを宿主に挿入し;そして c) 該ベクターを含む宿主を、該ヌクレオチド配列の
前記ポリペプチドへの発現に通した条件下で保持する; 各工程から成つている。 好ましくは、cDNA配列は該ポリペプチドをコードする
非形質転換ヒトT細胞のmRNA配列から誘導され、宿主は
該ベクターによりトランスフエクシヨンまたは形質転換
される真核生物(例えば哺乳動物)の細胞のような生物
である。さらに、ベクターは好ましくは該ポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列の発現を制御しうる第二
のヌクレオチド配列を含む。この第二のヌクレオチド配
列にはポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に転
写、スプライシングおよびポリA付加(polyadenylatio
n)をそれぞれ可能にするプロモーター配列、1つまた
はそれ以上のイントロン配列およびポリA配列が含まれ
る。特に、宿主がCOS−7サル(腎臓)細胞のような哺
乳動物細胞である場合、ベクターはサルウイルス40(SV
40)初期領域プロモーターのプロモーター配列およびSV
40後期領域ポリA配列のポリ配列を含む。 第1図のヒトcDNA配列は、cDNAまたはゲノムライブラ
リーから他の哺乳動物の増殖因子をコードするDNAのよ
うな、他のDNA配列とハイブリダイゼーシヨンを行うこ
とができる。上記cDNA配列がリーダー配列の情報を含む
らしいことは注目に値する。 本発明のポリペプチドはヒト好中球、マクロフアージ
および他の細胞(例えば好酸球)の増殖を、特にin vit
ro培養において促進しうる。適当な医薬組成物はそのポ
リペプチド(本質的に他のヒト増殖因子を含まない)を
治療上適合しうる担体に添加することにより調製でき
る。 本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面およ
び実施例と共に、本発明について詳述する以下の説明に
より明らかになるであろう。 第1図はヒトGM−CSF活性を示すcDNAクローンのヌク
レオチド配列および推定上の対応するアミノ酸配列を示
し; 第2A図はヒトGM−CSF活性を示す。cDNAクローンを保
有するプラスミド,pcD−ヒトGM−CSFを示し; 第2B図は第2A図のcDNA挿入物の制限エンドヌクレアー
ゼ切断地図であり; 第3図はネズミGM−CSFとヒトGM−CSFのそれぞれの推
定上のアミノ酸配列の比較を示す。 本発明によれば、ヒトGM−CSF活性を示すポリペプチ
ドをコードするcDNAクローンが提供される。そのcDNA配
列を複製可能な発現ベクター内に挿入し、そのベクター
を適当な宿主(例えば哺乳動物の細胞培養物)にトラン
スフエクシヨンすると、発現されたポリペプチドは好中
球性顆粒球、マクロフアージおよび他の造血細胞系統
(例えば好酸球)の増殖を促進することができる。 単離されたヌクレオチド配列に基づく推定上のアミノ
酸配列は第1図に示す。ヒトGM−CSF cDNAは144のコド
ンから成る単一のオープン・リーデイング・フレーム
(読み枠)を有する。推定上の開始コドンの下流には疎
水性アミノ酸に富む領域が存在する。それ故、分泌され
たヒトGM−CSFの成熟体はセリン残基から始まり、先行
する23個のアミノ酸はタンパク質加水分解のプロセツシ
ングにより除かれるリーダー領域を構成すると思われ
る。従つて、1つの実施態様において、ヒトGM−CSFは
約121個のアミノ酸から成り、その計算上の分子量は約1
3500ダルトン(非グリコシル化体)となるだろう。2つ
のN−グリコシル化部位(Asn−X−Ser/Thr)〔ノイバ
ーガー(Neuberger,A.)らの糖タンパク質(Glycoprote
ins)5,450−490,エルスビアー・パブリツシング・カン
パニー,米国(1972)を参照〕が44−46位と54−56位に
存在すると思われ、これにより文献に示された分子量と
の不一致の説明がつくであろう。 COS−7サル細胞または他の適当な発現系内にトラン
スフエクシヨンされると、本発明のcDNAクローンは生物
学的に活性なヒトGM−CSFを合成することができる。こ
の発現されたクローン化遺伝子産物を造血前駆細胞の培
養物に添加すると、受容細胞の増殖および/またはそれ
らの培養維持が可能となる。発現されたポリペプチドは
ヒトGM−CSFに関連した生物活性を示す。 本発明のcDNAを調製するために、いろいろな手法が使
用できる。例えば、ヒトGM−CSF活性を示すポリペプチ
ドを生産する細胞(例えば非形質転換ヒトT細胞源)か
ら全mRNAを抽出する〔例えばバーガー(Berger,S.)ら
のBiochemistry 18:5143−5149(1979)を参照〕。この
全mRNAから、プライマー開始逆転写〔ベルマ(Verma,
I.)のBiochem.Biophys,Acta,473:1−38(1977)を参
照〕により、最初に各mRNA配列に相補鎖を作り、次に第
二鎖合成〔ランド(Land,H.)らのNucleic Acids Res.,
9:2251−2266(1981)を参照〕を開始することにより二
本鎖cDNAを作成する。続いて、cDNAを適当なプラスミド
またはバクテリオフアージベクター〔ルージヨン(Roug
eon,F)らのNucleic Acids Res.2:2365−2378(1975)
またはシエラー(Scherer,G.)らのDev.Biol.86:438−4
47(1981)を参照〕へ相補的ホモポリマー尾部〔エスト
ラチアジス(Efstratiadis,A.)らのCell 10:571−585
(1977)を参照〕または適当な制限部位を含むリンカー
セグメントにより作られた接着末端〔シーバーグ(Seeb
urg,P.)らのNature 270:486−494(1977)またはシン
(Shine,I.)らのNature 270:494−499(1977)を参
照〕を介して連結し、その後適当な宿主を形質転換する
ことによりcDNAをクローニングすることができる。〔一
般的には、エストラチアジスおよびビラーコマロフ(Vi
lla−Komaroff,L.)の“二本鎖cDNAのクローニング",
(Genetic Engineering,1巻,セツトロー(Setlow.J.)
およびホレンダー(Hollaender,A.)編集,プレニユー
ム・パブリツシング・コーポレーシヨン,ニユーヨー
ク,米国(1982)を参照されたい。〕 本発明の全長クローン化cDNAの好適な作成方法は岡山
とベルグ(P.Berg)が開発した方法である〔Mol.and Ce
ll.Biol.,2:161−170(1982)を参照〕。この方法はcDN
A挿入物を細菌のクローニングベクターの一箇所に挿入
することにより、そのcDNAを哺乳動物細胞内でただちに
翻訳およびプロセツシングすることができるという利点
を有している。簡単に述べれば、第一のcDNA鎖が線状プ
ラスミドベクターDNAの一端に共有結合されたポリデオ
キシチミジル酸により結合される。次いで、このプラス
ミドベクターはプラスミドの一端をcDNAコーデイング配
列の5′末端へ連結するリンカーDNAセグメントにより
環化される。サルウイルス40(SV40)初期領域プロモー
ターを含むDNAフラグメントおよび修飾SV40後期領域イ
ントロンを含むリンカーを使用することにより、cDNAは
COS−7サル(腎臓)細胞内でこれ以上修飾することな
くin vitroで発現できる。〔一般には、岡山およびベル
グのMol.and Cell.Biol.,3:280−289(1983)およびジ
ヨリー(Jolly,D.)らのProc.Nat.Acad.Sci.USA,80:477
−481(1983)を参照されたい。〕 ひとたび岡山/ベルグのプラスミドベクター中にcDNA
ライブラリーが完成すると、cDNAクローンを集めて、ハ
イブリツド選択、翻訳および検定(例えば、細胞培養物
に対するヒトGM−CSF活性、抗原決定基の存在およびそ
の他の生物活性の測定)により、目的とするcDNAの存在
について無作為プールをスクリーニングする。これらの
判定基準により陽性のプールは適当なプローブ(例え
ば、B細胞系列および/または非誘導T細胞系列に由来
するcDNA)を用いて検索する。その後、陽性の検索プー
ルを適当な宿主(例えば哺乳動物の細胞培養物)中へト
ランスフエクシヨンすることにより、試験されるべき個
々のクローンに分割し、そして意図する活性について宿
主上清を検定する。陽性クローンはその後塩基配列の決
定を行う。 また、目的とするcDNAクローンは適当なmRNA試料を用
いるハイブリダイゼーシヨンスクリーニングにより検出
し、単離することができる〔ハインドル(Heindell,
H.)らのCell,15:43−54(1978)を参照〕。さらに、別
法として、cDNAライブラリーはハイブリツド選択〔ハー
ポルド(Harpold,M.)らのNucleic Acid Res.,5:2039−
2053(1978)またはパーネス(Parnes,J.)らのProc.Na
t.Acad.Sci.USA,78:2253−2257(1981)を参照〕または
アフリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞〔オードン
(Aurdon,J.)のNature,233:177−182(1971)参照〕に
おいてスクリーニングできる。〔一般的には、ビラ−コ
マロフ(Villa−Komaroff,L.)らのProc.Nat.Acad.Sci.
USA,75:3727−3731(1978)を参照されたい。〕 本発明のcDNAクローンの調製方法をさらに説明する
が、その際、まず第一に、T細胞源と他の細胞系列が考
慮され、続いてヒトGM−CSF活性を示すタンパク質をコ
ードするmRNAの単離方法;cDNA配列を含むcDNAライブラ
リーの作成;プラスミドベクター中の全長cDNAクローン
の単離およびその後の哺乳動物細胞における発現;細菌
および酵母でのサブクローニングおよび発現;そして精
製および処方例が一般的に説明されるであろう。全実験
方法のさらに詳しい説明がその後に続くであろう。 T細胞およびその他の系列 非常に多くの、異なる細胞がヒトGM−CSF活性の細胞
源として、またはその検定において使用できる〔例え
ば、バーゲスの増殖因子および幹細胞,アカデミツク・
プレス,43−124頁,ニユーヨーク(1984)を参照〕。好
適な源はT細胞ヘルパー系列であるが、ヒトGM−CSF活
性を示すヒト末梢血液〔ベルマ(Verma,D.)らのBrit.
J.of Haemat.57:505−520(1984)およびハスケス(Has
keth,P.)らのBlood 63:1141−1146(1984)を参照〕、
マクロフアージまたは他の細胞〔ボードカー(Bodeker,
B.)らのImmunobiol.166:12−23(1984)を参照〕も受
容される。これにはハイブリドーマや形質転換細胞系
列〕ガツソン(Gasson,I)らの“リンフオカインおよび
造血”、正常造血および腫瘍性造血,アランR.リス社,
ニユーヨーク(1983)を参照〕も含まれる。 ヒトGM−CSF活性検定において使用される好適な源
は、血液学的疾患のない提供者から採取されるヒト骨髄
である。しかし、ヒトコード血液(cord blood)および
脾臓も、摘出後約12〜48時間以内に使用する限り、適当
な源となり得る。 CSF活性を測定するために、造血細胞源を単一の細胞
懸濁液とする。次に、個々の細胞を、栄養素と一般にウ
シ胎児血清を含む半固形(寒天)または粘稠な(メチル
セルロース)培地中に固定する。適当な刺激因子の存在
下において、個々の細胞は増殖し、分化するであろう。
初めの細胞が固定されるので、コロニーは細胞が増殖し
て成熟するにつれて発生する。これらのコロニーは7〜
14日後に評価される〔バーゲス(Burgess,A.)の増殖因
子および幹細胞,52−55頁,アカデミツク・プレス,ニ
ユーヨーク(1984)を参照〕。〔顆粒球およびマクロフ
アージの増殖に特に適用するためには、ブレードリー
(Bradely,T.)およびメツトカーフ(Metcalf,D.)のAu
st.J.Exp.Biol.Med.Sci.44:287−300(1966)を参照さ
れたい。一般的にはメツトカーフの造血コロニー,スプ
リンガー−フエアラーグ,ベルリン(1977)を参照され
たい。〕所望により、個々のコロニーを採取し、顕微鏡
用スライドガラス上に置き、固定してライト/ギームザ
(Wright/Geimsa)で染色することができる〔トツド−
サンフオード(Todd−Sanford),実験方法による臨床
診断,15版,デビツドソンおよびヘンリー編集(1974)
を参照〕。その後、単一コロニーあたりの細胞型を形態
学的に分析する。 mRNAの単離およびcDNAライブラリーの作成 全細胞mRNAは多くのよく知られた方法〔例えばプルジ
ブラ(Przybla,A.)らのJ.Biol.Chem.254:2154−2158
(1979)を参照〕により単離できるが、好適な方法はチ
ヤーウイン(Chirgwin)らのグアニジニウム−チオシア
ネート抽出法〔Biochemistry,18:5294−5299(1979)を
参照〕である。この方法を使用する場合、1〜2×108
個の活性化ヒトヘルパーT細胞から約10μgのポリA+mR
NAがオリゴ(dT)セルロースカラムにかけることにより
得られる。 ポリA+mRNAからのcDNAライブラリーは、mRNA転写物の
全長コピーを非常に豊富にもたらす方法〔例えば岡山お
よびベルグのMol.Cull Biol.,2:161−170(1982)なら
びにMol.Cell.Biol.3:280−289(1983)を参照〕に従つ
て、pcDV1ベクター−プライマーおよびpL1リンカーフラ
グメント(ウイスコンシン州ミルウオーキー,P−Lバイ
オケミカル社から入手可能)を用いることにより最もよ
く作成できる。SV40初期プロモーターとSV40RNAプロセ
ツシングシグナルを含むプラスミドベクターは、クロー
ン化cDNAセグメントの哺乳動物細胞内での発現を促進す
るようにデザインされている。 岡山/ベルグ法により、環化ベクター−cDNA調製物で
大腸菌MC1061細胞〔カサダバン(Casadaban,M.)および
コーエン(Cohen,S.)のJ.Mol.Biol.,138:179−207(19
80)を参照〕のようなコンピテント細菌細胞を、塩化カ
ルシウム法を用いて形質転換する〔コーエンらのProc.N
at.Acad.Sci.USA,69:2110−2114(1972)を参照〕。Con
A刺激T細胞由来のポリA+RNA 5μgから出発して、約
1.5×106個の独立した形質転換細胞を得ることができ
る。通常、約104個のクローンを別個に取り出して、200
μのL−ブロス、50μg/mlのアンピシリンおよび7%
DMSOを含むマイクロタイタープレート(microtiter pla
te;パージニア州マツクリーン,フロー・ラボラトリー
ズ社)のウエル(凹所)に接種する。所望により、cDNA
挿入物の大きさに基づくサブライブラリーを岡山/ベル
グ法〔Mol.Cell Biol.,3:280−289(1983)〕により全c
DNAライブラリーから作成する。簡単に述べれば、プラ
スミドDNAをSal I、Cla IおよびHind IIIで別々に消化
し、1%アガロースゲルによる電気泳動を行う。エチジ
ウムブロミドで染色後、0〜1,1〜2,2〜3,3〜4,4〜5,5
〜6および6キロ塩基(Kb)以上のcDNA挿入物の大きさ
に対応する7つの部分にゲルを切り取る。各ゲル切片か
らDNAを抽出し、T4DNAリガーゼ再び環化し、そしてMC10
61を形質転換すべく使用する。全てのヌクレオチドの塩
基配列決定マクサム(Maxam,A.)およびギルバード(Gi
lbert,W.)の方法〔Methods Enzymol.65:499−560(198
0)を参照〕に従つて行われる。 サル細胞へのDNAトランスフエクシヨン トランスフエクシヨンの前日の約1×106個のCOS−7
サル腎臓細胞を60mmプレート上に播種する。トランスフ
エクシヨンは50mMトリス・HCl(pH7.4)および400μg/m
lDEAE−デキストラン(スウエーデン国ウプサラ,フア
ルマシア・フアイン・ケミカルズ)を含むDEM 1.5ml中
のプラスミドDNA 15μgを用いることにより最もよく行
われる。4時間後この溶液を除き、2.0mlDME+4%ウシ
胎児血清を加える。培地を72時間後に集め、上記のよう
にしてヒトGM−CSF IL−2活性について検定する。DNA
トランスフエクシヨンはL−細胞や各種の他の細胞源に
おいても実施しうる(下記参照)。 関連遺伝子の単離 本発明のcDNAクローンは関連遺伝子をコードする核酸
配列を同定および単離する際に使用できる。相同遺伝子
間の相同性の程度がしばしば低いので、ハイブリダイゼ
ーシヨン条件のストリンジエンシー(stringency)は70
〜80%が相同であるにすぎない配列間の交差ハイブリダ
イゼーシヨンを考慮して調整されねばならない。 関連遺伝子を捜すために、いくつかの異なる実験手法
が使用できる。例えば、ヒトCk免疫グロブリン軽鎖遺伝
子はプローブとして対応するマウスCk遺伝子を使用して
単離され〔ハイター(Heiter,P.)らのCell 22:197−20
7(1981)を参照〕、そしてマウス移植抗原遺伝子はそ
れらのヒト対応遺伝子をコードするDNAクローンとハイ
ブリダイゼーシヨンを行うことにより単離された〔スタ
インネツツ(Steinnetz,T)らのCell 24:125−134(198
1)を参照〕。 ゲノムDNAにとつて、好適な方法は相同遺伝子を含むD
NAライブラリーからのフアージクローンを150mmプレー
トあたり2×104〜5×104プラークの密度で適当な宿主
菌株(例えば大腸菌LE392)上にまくことを伴う〔マニ
アチス(Maniatis,T.)らの“モレキユラー・クローニ
ング,実験室マニユアル",コールド・スプリング・ハー
バー研究所,米国(1982)を参照〕。一般に10〜20個の
プレートで十分である。 37℃で10〜12時間インキユベーシヨン後プレートを2
時間冷却し、次に132mmのニトロセルロースフイルター
を各プレートの寒天表面にのせる。そのフイルターは少
なくとも5分間プレートと接触したままにしておき、そ
の間インクを充填した22ゲージ針で刺すことによりフイ
ルターとプレートに目印をつける。次いで、プレートか
らフイルターをはがし、初めに250mlの0.1N NaOH、0.5
M NaCl中で、その後250mlの0.5M トリス・HCl(pH7.
5)1.5M NaCl中で少なくとも2分間インキユベートす
る。そのフイルターをペーパータオル上で乾かし、80℃
で4〜8時間ベーキングする。 ハイブリダイゼーシヨンのために、フイルターを1×
SET(0.15M NaCl,30mM トリス・HCl(pH8.0)、1mM N
a2EDTA)中で湿らせ、次に3×SET、5×Denhardt溶液
〔デンハート,D.T.のB.B.R.C.23:641−646(1966)を参
照〕、10%デキストラン硫黄、0.1%ドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)、および50μg/mlずつのポリ(rA)、ポ
リ(rC)、ポリ(rG)の溶液中で65℃、2時間絶えず攪
拌しながらインキユベートする。その後、この溶液を捨
て、フイルターは0.5μg(108cpm)のニツクトラン
スレーシヨンされたプローブ(GM−CSF cDNAから作
成)を用いて新鮮な同一溶液(1.5〜2ml/フイルター)
中で65℃、1時間次に55℃、12〜20時間ハイブリダイゼ
ーシヨンを行う。その後、フイルターを順次3×SET;1
×Denhardt溶液;0.1%SDS;および1×SET、0.1%SDS(1
0〜15ml/フイルター)中穏やかに攪拌しながら55℃で1
時間洗浄する。フイルターをペーパータオル上で乾か
し、適当なフイルムと増感紙を用いて12〜24時間オート
ラジオグラフイーを行う。ハイブリダイズするプラーク
を滅菌パスツールピペツトで寒天プレートから採取し、
それぞれ1mlの0.1M NaCl、0.01M トリス・HCl(pH7.
5)、10mM MgCl2、100μg/mlゼラチンの中へ排出し50
μのCHCl3を加える。少なくとも4〜8時間冷却した
後、各プラークからのフアージを上記の方法と同じ方法
により低密度(2000〜4000プラーク/150mmプレート)で
再度スクリーニングする。 大腸菌、酵母および細胞培養物内での発現 大腸菌のような原核生物は本発明のポリペプチドの発
現に非常に適している(例えば米国特許第4338397号お
よび同第4411994号を参照されたい)が、ただしグリコ
シル化は望めない。 高い発現レベルを得るために、β−ラクタマーゼ(ペ
ニシリナーゼ)およびラクト−スプロモーター系〔チエ
ン(Chang)らのNature、275:615(1978);板倉らのSc
ience,198:1056(1977);ゴーデル(Goeddel)らのNat
ure,281:544(1979)を参照〕またはトリプトフアン(t
rp)プロモーター系〔ゴーデルらのNucleic Acids Re
s.,8:4057(1980)を参照〕をシヤイン−ダルガルノ配
列(Shine−Dalgarno Sequence)と共に利用すべきであ
る。 当分野で習熟した者は、原核生物ばかりでなく酵母の
ような真核微生物もまたタンパク質の生産に使用しうる
ことを認めるであろう。サツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)は好適な真核微生物であ
る。酵母ベクター中の適当なプロモーター配列には3−
ホスホグリセリン酸キナーゼのプロモーター〔ヒツツマ
ン(Hitzeman)らのJ.Biol.Chem.,255:12073−12080(1
980)を参照〕または他の解糖系酵素のプロモーター
〔ヘス(Hess)らのAdv.Enzyme Reg.,7:149−167(196
9);ホランド(Holland)らのBiochemistry,17:4900−
4907(1978)を参照〕が含まれる。転写が増殖条件によ
つて制御されるという別の利点を有するその他のプロモ
ーターも使用できる。基本的には、酵母−適合性プロモ
ーター、複製開始点および終止配列を含むプラスミドベ
クターはどれも適している。 本発明のcDNAを使用してヒトGM−CSFを生産する好適
な方法は、酵母交配フエロモンα因子の分泌経路を利用
する〔ジユリウス(Julius,D.)らのCell 32:839−852
(1983)を参照〕。S.セレビシエは交配型に特異的なオ
リゴペプチドフエロモンを分泌する。MATα細胞はα因
子を分泌し、このα因子は細胞周期のG1期においてMAT
α細胞の増殖を阻止する〔トーナー(Thorner,J.)の酵
母サツカロミセス属の分子生物学コールド・スプリング
・ハーバー研究所,ニユーヨーク(1981);特に143−1
80を参照されたい〕。α因子は最初に約20個のアミノ酸
のNH2末端シグナル配列、その後の60個のアミノ酸のリ
ーダー配列を有し且つ成熟α因子配列の4つの同一配列
のタンデム繰返しで終わる比較的大きな前駆体分子とし
て合成される。その繰返しは6個または8個のアミノ酸
のスペーサー(Lys−Arg−Glu−Ala−Glu−AlaおよびLy
s−Arg−Glu−Ala−Glu−(またはAsp−)−Ala−Glu−
Ala)によつて互いから分離されている。このプレプロ
α因子はいくつかの特定部位で切断される。第一のプロ
セツシングはKEX2産物によつて触媒されるスペーサー配
列のLys−Arg対のCOOH末端側の切断である〔ジユリウス
らのCell 37:1075:1089(1984)を参照〕。カルボキシ
ペプチダーゼB様酵素はLys−Arg対のNH2末端側を切断
する。最終段階はSTE13によつてコードされるジアミノ
ペプチダーゼによるGlu−AlaまたはAsp−Alaの除去であ
る。ブレイク(Brake,J)らは、成熟ヒトタンパク質を
コードする配列を第一のプロセツシング部位に融合する
と、この種のタンパク質の分泌が生じることを見出した
〔Proc.Nat.Acad.Sci.USA,81:4642−4646(1984)を参
照〕。 pMF−アルフアー8と命名された一般的な酵母発現ベ
クターはα因子プロモーターおよび下流のリーダー配列
をその他の要素と共に含有し、それはATCC(寄託番号40
140)に寄託された。このベクターは次のようにして作
成される: MFα1遺伝子〔カージヤン(Kurjan,J.)およびハー
シヨビツツ(Hershowitz,I.)のCell30:933−943(198
2)を参照〕を保有する1.7KbのEcoR IフラグメントをM1
3mp8〔ビーラ(Viera,J.)およびメツシング(Messing,
J.)のGene 19:259−268(1982)を参照〕のEcoR I制限
部位内でクローン化する。第一スペーサー領域のリシン
コドンの後にHind III部位を導入するために、合成オリ
ゴヌクレオチドTCTTTTATCCAAAGATACCCを一本鎖M13−MF
α1 DNAとハイブリダイズさせ、そのオリゴヌクレオチ
ドプライマーをDNAポリメラーゼIクレノウフラグメン
トにより伸長する。S1ヌクレアーゼ処理後、このDNAをE
coR Iで切断し、MFα1プロモーターとリーダー配列を
有するフラグメントをpUC8のEcoR Iと修復されたHind I
II制限部位内でクローンする(ビーラおよびメツシング
の上記文献参照)。意図する構造をもつ1つのプラスミ
ド(pMFα4Δ1と命名)が単離できた。このpMFα4Δ
1をHin IIIで切断し、dATPおよびdGTPの存在下DNAポリ
メラーゼIクレノウフラグメントで部分的に修復する。
このDNAをヤエナリ(mung bean)ヌクレアーゼで処理
し、オリゴヌクレオチドリンカーGCCTCGAGGCを結合させ
る。得られるプラスミド(pMFα5と命名)はアルギニ
ンコドンのすぐ後ろにStu I切断部位を有し、その後ろ
にXho I制限部位が続くであろう。S.セレビシエ−大腸
菌シヤトルベクター(pTRP584)は次のようにして作成
される:2μmプラスミドの複製開始点(ブローチ,J.の
上記文献参照)を保有するPst I−Xba Iフラグメントを
pTRP56〔ミヤジマらのMol.Cell.Biol.4:407−414(198
4)を参照〕のCla I制限部位内でクローン化し、TRP1−
ARS1フラグメント内のStu I制限部位をPvu IIリンカー
の挿入によりPvu II制限部位に変換する。もとのpTRP56
内のKpn I制限部位をXho Iリンカーの挿入によりXho I
に変換する。一般的な分泌ベクターpMFα8は、pMFα5
のBgl II−Xho IフラグメントをpTRP584のBamH I−Xho
I制限部位内に挿入することにより得られる。 当分野で習熟した者は、ヒトGM−CSFをコードするcDN
AクローンをpMFα8ベクター内に挿入し、そのベクター
で酵母を形質転換し、それによりヒトGM−CSFを生産し
うることを認めるのであろう。例えば、全ヒトGM−CSF
cDNAを保有する1.0kbのBamH Iフラグメントを、M13mp8
のBamH I制限部位内でクローン化する〔ビーラおよびメ
ツシングのGene 19:259−268(1982)を参照〕。成熟タ
ンパク質コーデイング配列を保有する二本鎖フラグメン
トを作成するために、オリゴヌクレオチドプライマーAG
CCCCAGCACGCAGCCCTGGGAGCATを合成する。次に、このプ
ライマーをヒトGM−CSF cDNAを保有する一本鎖M13mp8
とハイブリダイズさせ、DNAポリメラーゼIクレノウフ
ラグメントで伸長する。この二本鎖DNAはBamH Iで切断
し、一本鎖領域をヤエナリヌクレアーゼで除去する。そ
の後、ヒトGM−CSF成熟タンパク質のコーデイング配列
を保有する二本鎖フラグメントを単離し、分泌ベクター
pMFα8のStu I制限部位内でクローン化する。このプラ
スミドDNA(TRP1遺伝子を保有)は酢酸リチウム法によ
り酵母細胞内に導入することができ〔イトー(Ito,H.)
らのJ.Bacteriol.153:163−168(1983)を参照〕、形質
転換細胞はトリプトフアンを欠く合成培地において選択
できる。その後形質転換細胞は0.5%カザミノ酸を補充
した普通培地中で増殖させる。酵母細胞を収穫するため
に、最初にそれらを1mM PMSF含有リン酸緩衝溶液(PB
S)中に懸濁し、その後酸洗浄ガラスビーズと共に激し
く振とうして細胞を破壊する。10000rpmで15分遠心する
ことにより澄んだ上清を得る。 微生物のほかに、多細胞生物(特に哺乳動物)由来の
細胞培養物も宿主として使用でる。この種の有用な宿主
細胞系列の例にはHeLa細胞、チヤイニーズハムスター卵
巣細胞系列およびベイビーハムスター腎臓細胞系列があ
る。この種の細胞用の発現ベクターは一般に必要とされ
るリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリA部
位および転写終止部位と共に必要に応じて複製開始点、
発現されるべき遺伝子の前に位置するプロモーターを含
む。発現ベクターは、哺乳動物細胞中で使用される場
合、しばしばウイルス物質によつて提供される制御機能
を有する。例えば、一般に使用されるプロモーターはポ
リオーマウイルス、アデノウイルス2および最も頻繁に
はSV40に由来するプロモーターである。〔例えば米国特
許第4399216号;ゲイセン(Gheysen,D.)およびフアイ
アース(Fiers,W.)のJ.of Mol.and Appl.Genetics 1:3
85−394(1982)を参照されたい。〕 精製および処方例 大腸菌、酵母または他の細胞中で発現されたヒトGM−
CSFポリペプチドは当分野の標準的方法に従つて精製す
ることができ、例えば硫酸アンモニウム沈殿、分別カラ
ムクロマトグラフイー(例えばイオン交換、ゲル過、
電気泳動、アフイニテイクロマトグラフイーなど)およ
び極限的結晶化などが含まれる〔一般的には、Methode
in Enzymology,22:233−577(1977)中の“酵素精製と
関連手法”、およびスコープス(Scopes,R.)のタンパ
ク質精製:原理と実際,スプリンガー−フエアラーグ,
ニユーヨーク(1982)を参照された〕。本発明のポリペ
プチドは、ひとたび部分的にまたは均一に精製される
と、いろいろな研究目的のために使用でき、例えば細胞
増殖培地(例えばイーグルの最少必須培地、イスコフの
修飾ダルベコ培地またはPRMI 1640;ミズーリ州セントル
イス,ジグマケミカル社およびオハイオ州チヤーグリン
フオールズ,ギブコ・デイビジヨンから入手可能)の補
充物として、および免疫検定、免疫−螢光染色などに有
用な特定の免疫グロブリンを誘発するための抗原物質と
して使用される。〔一般的には、免疫学的方法第I & I
I巻,レフコビツツ(Lefkovits,I.)およびパーニス(P
ernis,B.)編集,アカデミツクプレス,ニユーヨーク
(1979&1981);および実験免疫学ハンドブツク,ワイ
ア(Weir,D.)編集,ブラツクウエル・サイエンテイフ
イツク・パブリケーシヨンズ,セントルイス(1978)を
参照されたい。〕 本発明のポリペプチドはまた医薬組成物において使用
され、例えば種々の腫瘍性疾患や伝染病に対する自然防
御の促進剤として、また骨髄抑制を克服する化学療法の
補助剤として使用できる〔ガツソン(Gasson,J.)らの
“リンフオカインおよび造血”、正常造血および腫瘍性
造血,129−139頁,アランR.リス社,ニユーヨーク(198
3)を参照〕。 本発明ポリペプチドを含む医薬組成物を調製する場
合、これらのポリペプチドは好ましくは薬学的に受容さ
れる不活性担体と混合される。適当な担体ならびにそれ
らの調製方法は当分野でよく知られている〔例えば、レ
ミントンのフアーマシユーチカルサイエンス(Remingto
n's Pharmaceutical Sciences)および米国薬局方:国
民医薬品集,マツク・パブリツシング・カンパニー,イ
ーストン,ペンシルバニア州(1980)を参照さたい〕。
好適な投与経路は非経口投与であり、機械的放出器具の
使用も含まれる。 好ましくは、医薬組成物は単位投与形体をしている。
このような形体において、製剤は適当な量の活性成分を
含む単位用量に再分割される。単位用量の製剤に含まれ
る活性成分の量は、特定の用途および活性成分の効力に
応じて、1μg〜100mgの範囲で変化し、調整しうる。
所望により、組成物は他の治療薬剤を含んでいてもよ
い。 投与量は患者の必要条件、治療すべき症状の程度およ
び使用する特定化合物の効力により変化する。それぞれ
の場合における適当な投与量の決定は当分野の技術の範
囲内である。一般には、その化合物の最適用量よりも少
ない用量から治療が開始される。便宜上、一日分の全投
与量を分割して、その日のうちに数回に分けて投与する
ことができる。 次の実験情報およびデータは例示目的のものであつ
て、何ら本発明を限定するものではない。 実 験 A.クローン化ヒトヘルパーT細胞 1)T−7と呼ばれるヒトT細胞のクローンはTリンパ
球クローンの単離、同定および利用,36および37章,フ
アスマン(Fathman,C.)およびフイツチ(Fitch,F.)編
集,アカデミツクプレス,ニユーヨーク(1982)に記載
の方法に従つて単離した。この細胞系列は植物編集素
(フアイトヘマグルチニン;PHA)で刺激したヒト末梢白
血球からの30%上清で調整されたダルベコ(Dulbecco)
の修飾イーグル(DME)培地(10%熱不活性化ウシ胎児
血清、5×10-5M 2−ME、2mM グルタミン、非必須ア
ミノ酸および必須ビタミンを含有)中に約0.5×105細胞
/mlで連続的に維持した。 2)T−7細胞のPHA活性化:細胞は40%熱不活化ウシ
胎児血清、5×10-5M 2−ME、2mMグルタミン、非必須
アミノ酸、必須ビタミン、および4μg/ml ConAを含むD
ME中に5×105/mlで培養した。10%CO2中37℃で4〜6
時間インキユベーシヨンした後、細胞懸濁液を1500rpm
で10分遠心した。細胞沈殿物を集めて直ちに−70℃で凍
結した。上清は過(ナルゲン−0.22ミクロン)し、増
殖因子源として−80℃で保存した。上清のアリコートを
SCF活性(以下参照)について検定して、PHA処理による
この細胞系列の活性化を確かめた。 B.骨髄およびコード血液検定 血液学的疾患をもたない患者から採取した骨髄細胞を
フイコール(400型,シグマ・ケミカル社)の上に層状
にのせ、遠心(2000rpm,20分)し、界面に存在する細胞
を取り出した。これらの細胞は10%ウシ胎児血清(FC
S)を含むイスコフ(Iscove)の修飾ダルベコ培地中で
2回洗浄し、同じ培地に際懸濁し、そして付着細胞をプ
ラスチツク製ペトリ皿への付着により除いた。非付着細
胞は20%FCS、50μM 2−メルカプトエタノール、0.9
%メチルセルロースおよび可変濃度のコロニー刺激活性
化因子を含む上清または試験上清を含有するイスコフの
培地に105細胞/mlで加えた。1mlアリコートを35mmペト
リ皿に採置し、空気中6%CO2の十分に加湿した雰囲気
において37℃で培養した。培養開始後3日目に、1単位
のエリスロポエチン(ブリテイツシユコロンビア州バン
クーバー,ブリテイツシユコロンビア癌研究センター)
を各プレートに加えた。10〜14日目に倒立顕微鏡を使つ
て顆粒球−マクロフアージコロニーおよび赤血球破裂を
評価した。 ヘパリン中に採集したコード血液細胞は2000rpmで6
分遠心した。血漿と赤血球ピークとの間の界面に存在す
る白血球を、0.17N塩化アンモニウムおよび6%FCSを含
む試験管に移した。氷上で5分後、懸濁液の下に4mlFCS
を加え、2000rpmで6分遠心した。細胞沈殿物をダルベ
コのリン酸緩衝溶液で洗い、骨髄細胞のところで述べた
フイコールおよびプラスチツク付着工程を行つた。低密
度の非付着細胞を集め、上記の半固形寒天系中に105
胞/培養物でまいた。 検定の終わりに、個々のコロニーをスライドガラスに
塗りつけてライト−ギームザで染色した後細胞組成を決
定した。好酸球はルクソール・フアースト・ブルー(Lu
xol Fast Blue)で染色することにより決定した〔ジヨ
ンソン(Johnson,G.)およびメツトカーフ(Metcalf,
D.)のExp.Hematol.8:549−561(1980)を参照〕。 C.ヒト細胞からのmRNAの単離 1)全細胞RNAはチヤーウイン(Chirgwin,J.)らのグア
ニジンイソチオシアネート法により細胞から単離した
〔Biochemistry,18:5294−5299(1979)を参照〕。 非誘導またはConA誘導ヒトヘルパー細胞(刺激の4時
間後)からの凍結細胞沈殿物をグアニジンイソチオシア
ネート溶液中に懸濁した。1.5×108個の細胞に対してこ
の溶液を12ml使用した。沈殿物をピペツトで取り出し再
懸濁し、その後16ゲージ注射針を4回通してDNAを分断
した。この細胞溶解液を40mlのポリアロマー遠心分離管
中の20mlの5.7M CsCl、10mM EDTAの上面に重層した。
この溶液をベツクマンSW28ローター(カリフオルニア州
パロアルト,ベツクマン・インスツルメント社)を使つ
て15℃,25000rpmで40時間遠心した。上面から界面まで
のDNA含有グアニジンイソチオシアネート相をピペツト
で除いた。遠心管の壁と界面を2〜3mlのグアニジンイ
ソチオシアネート溶液で洗つた。遠心管は界面より下を
はさみで切断し、CsCl溶液をデカントした。RNA沈殿物
は冷70%エタノールで2回洗つた。次に、その沈殿物を
500μの10mMトリス・HCl(pH7.4)、1mM EDTA、0.05
%SDSに再懸濁した。50μの3M酢酸ナトリウムを加
え、1mlエタノールでRNAを沈殿させた。遠心により約0.
3mgの全RNAを回収し、冷エタノールで1回洗つた。 2)ポリA+mRNAの単離: 洗浄して乾燥して全RNA沈殿物を900μのオリゴ(d
T)溶離緩衝液(10mMトリス・HCl(pH7.4)、1mM EDT
A、0.5%SDS)に再懸濁した。RNAを68℃で3分加熱し、
その後氷上で冷やした。100μの5M NaClを加えた。
結合緩衝液(10mMトリス・HCl(pH7.4)、1mM EDTA、
0.5 NaCl、0.5%SDS)で平衡化した1.0mlのオリゴ(d
T)セルロースカラム(3型;マサチユーセツツ州ウオ
ルサム,コラボレーテイブ・リサーチ)にRNA試料を装
填した。カラムからの通り抜け画分を2回以上カラムに
かけた。その後、20mlの結合緩衝液でカラムを洗つた。
ポリA+mRNAは溶離緩衝液で洗つた回収した。RNAは一般
に初めの2mlの溶離緩衝液中に溶出する。0.1容量の3M酢
酸ナトリウム(pH6)および2容量のエタノールでRNAを
沈殿させた。そのRNA沈殿物を遠心により回収し、冷エ
タノールで2回洗い、乾燥した。その後、RNAを水に再
懸濁した。アリコートを希釈して260nmでの吸光度を測
定した。 D.cDNA ライブラリーの作成 1)ベクタープライマーおよびオリゴdG付加リンカーDN
Aの調製: 岡山/ベルグ法〔Mol.and Ccell.Biol.2:161−170(1
982)を参照〕をほんの少し修飾して使用し、岡山およ
びベルグにより示されたpcDV1およびpL1〔Mol.and Cel
l.Biol.3:380−389(1983)を参照〕に適合させた。 pcDV1 DNAの80μg試料を6mMトリス・HCl(pH7.5)、
6mM MgCl2、6mM NaCl、6mM 2−ME、および0.1mg/ml
のウシ血清アルブミン(BSA)を含む450μの反応混合
物中30℃で20単位のKpn Iエンドヌクレアーゼにより消
化した。16時間後、40μの0.25M EDTA(pH8.0)およ
び20μの10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加え
て消化を停止させた。水飽和フエノール−CHCl31:1混液
(以後フエノール−CHCl3と記す)で抽出後エタノール
沈殿することによりDNAを回収した。平均60(しかし80
より多くない)のデオキシチミジル酸(dT)残基/末端
のホモポリマー尾部を、子ウシ胸腺ターミナルトランス
フエラーゼを用いて、Kpn Iエンドヌクレアーゼ生成末
端に次のようにして付加した:反応混合物(38μ)は
緩衝液としてのカコジル酸ナトリウム−30mMトリス・HC
l(pH6.8)、1mM CoCl2、0.1mM ジチオトレイトー
ル、0.25mM dTTP、Kpn Iエンドヌクレアーゼ消化DNA、
および68単位のターミナルデオキシヌクレオチジルトラ
ンスフエラーゼ(ウイスコンシン州ミルウオーキー,P−
Lバイオケミカル社)を含んでいた。37℃で30分後、20
μの0.25M EDTA(pH8.0)および10μの10%SDSを
加えて反応を停止させ、フェノール−CHCl3で数回抽出
した後エタノール沈殿させてDNAを回収した。その後、
このDNAは10mMトリス・HCl(pH7.4)、10mM MgCl2、1m
Mジチオトレイトールおよび0.1mg/mlのBSAを含む50μ
の混合物中37℃15単位のEcoR Iエンドヌクレアーゼによ
り5時間消化した。SV40ポリA部位、pBR322複製開始点
およびアンピシリン耐性遺伝子を含む大きなフラグメン
トをアガロース(1%)ゲル電気泳動により精製し、ガ
ラス粉末法の変法によりゲルから回収した〔ボーゲルス
タイン(Vogelstein,B.)およびジレスピー(Gillespi
e,D.)のProc.Nat.Acad.Sci.76:615−619(1979)を参
照〕。dT付加DNAはオリゴ(dA)セルロースカラムへの
吸着および溶離により次のようにしてさらに精製した:1
mM EDTAおよび1M NaClを含む10mMトリス・HCl(pH7.
3)緩衝液1ml中にDNAを溶解し、0℃に冷却して、同じ
緩衝液で平衡化したオリゴ(dA)セルロースカラム(0.
6×2.5cm)に0℃に装填した。このカラムを0℃の同じ
緩衝液で洗浄し、室温に戻してから水でDNAを溶離し
た。溶離したDNAはエタノール沈殿させ、10mMトリス・H
Cl(pH7.3)および1mM EDTAに溶解した。 オリゴ(dG)付加リンカーDNAは75μgのpL1 DNAを、
6mMトリス・HCl(pH7.4)、6mM MgCl2、6mM 2−ME、5
0mM NaClおよび0.01mg/mlのBSAを含む450μの混合物
中で20単位のPst Iエンドヌクレアーゼにより消化して
調製した。30℃で16時間後、この反応混合物をフエノー
ル−CHCl3で抽出し、アルコールでDNA沈殿させた。その
後、上記と同じ反応混合物(38μ)(ただしdTTPの代
わりに0.1mM dGTPを使用)中で46単位のターミナルデオ
キシヌクレオチジルトランスフエラーゼを用いて、末端
あたり10〜15デオキシグアニル酸(dG)残基の尾部を付
加した。37℃で20分後、混合物をフエノール−CHCl3
抽出し、DNAをエタノールで沈殿させた後20mMトリス・H
Cl(pH7.4)、7mM MgCl2、60mM NaClおよび0.1mg/ml
BSAを含む50μの混合物中35単位のHind IIIエンドヌ
クレアーゼを用いて37℃で4時間消化した。小さなオリ
ゴ(dG)付加リンカーDNAはアガロースゲル(1.8%)電
気泳動により精製し、上記のごとく回収した。 2)cDNAライブラリーの調製: 工程1:cDNAの合成。反応混合物(10μ)は50mMトリス
・HCl(pH8.3)、8mM MgCl2、30mM KCl、0.3mMジチオ
トレイトール、2mMずつのdATP、dTTP、dGTPおよびdCT
P、20μCi32P−dCTP(3000Ci/ミリモル)、3μgポリA
+RNA(ConA誘発T細胞由来)、60単位のRNアーゼ(リボ
ヌクレアーゼ;ウイスコンシン州マジソン,バイオテク
社)、2μgのベクタープライマーDNA(15ピコモルの
プライマー末端)、および45単位の逆転写酵素を含んで
いた。42℃で60分インキユベーシヨン後、1μの0.25
M EDTA(pH8.0)と0.5μの10%SDSを加えて反応を停
止させ、40μのフエノール−CHCl3を加え、この溶液
をボルテツクスミキサーで激しく混合し、その後遠心し
た。水相に40μの4M酢酸アンモニウムと160μのエ
タノールを加えた後、この溶液をドライアイスで15分冷
やし、穏やかに振とうしながら室温まで温めて冷却中に
沈殿した未反応のデオキシヌクレオシド三リン酸を溶解
し、エツペンドルフ遠心機(Eppendorf microfuge)で1
0分遠心した。沈殿物は10μの10mMトリス・HCl(pH7.
3)および1mM EDTAに溶解し、10μの4M酢酸アンモニ
ウムと混合し、40μのエタノールで再沈殿させた。こ
の方法は99%以上の未反応デオキシヌクレオシド三リン
酸を除く。沈殿物はエタノールで洗浄した。 工程2:オリゴデオキシシチジル酸〔オリゴ(dC)〕の付
加。プラスミド−cDNA:mRNAを含む沈殿物を、1mM CoCl
2、0.1mM ジチオトレイトール、0.2μgのポリ
(A)、70μM dCTP、5μCi32P−dCTP(3000Ci/ミリ
モル)および60単位のターミナルデオキシヌクレオチジ
ルトランスフエラーゼを含む20μの140mMコカジル酸
ナトリウム−30mMトリス・HCl(pH6.8)緩衝液に溶解し
た。37℃で5分間反応させて10〜15残基/末端を取り込
ませ、その後2μの0.25M EDTA(pH8.0)と1μの
10%SDSを加えて反応を停止させた。20μのフエノー
ル−CHCl3で抽出後、水相を20μの4M酢酸アンモニウ
ムと混合し、80μのエタノールを加えてDNAを沈殿お
よび再沈殿させた。採集沈殿物はエタノールで洗浄し
た。 工程3:Hind IIIエンドヌクレアーゼ消化。沈殿物を20mM
トリス・HCl(pH7.4)、7mM MgCl2、60mM NaClおよび
0.1mg/mlのBSAを含む30μの緩衝液に溶解し、10単位
のHind IIIエンドヌクレアーゼを用いて37℃で2時間消
化した。3μの0.25M EDTA(pH8.0)と1.5μの10
%SDSを加えて反応を停止し、フエノール−CHCl3で抽出
後30μの4M酢酸アンモニウムを加え、120μのエタ
ノールでDNAを沈殿させた。沈殿物をエタノールで洗
い、次に10μの10mMトリス・HCl(pH7.3)および1mM
EDTAに溶解し、−20℃での保存中の凍結を防ぐために
3μのエタノールを加えた。 工程4:オリゴ(dG)付加リンカーDNAにより仲介される
環化。Hind IIIエンドヌクレアーゼ消化オリゴ(dC)付
加cDNA:mRNAプラスミドの9μ試料(試料の約90%)
を、10mMトリス・HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.1M NaC
lおよび1.8ピコモルのオリゴ(dG)付加リンカーDNAを
含む混合物(90μ)中65℃で5分、次に42℃で60分イ
ンキユベートし、その後0℃に冷却した。この混合物
(90μ)は20mM トリス・HCl(pH7.5)、4mM MgC
l2、10mM(NH42SO4、0.1M KCl、50μg/mlのBSAおよ
び0.1mM β−NADを含む900μの容量となし、6μg
の大腸菌DNAリガーゼを加えて、この溶液を12℃で一晩
インキユベートした。 工程5:RNA鎖のDNAによる置換。挿入物のRNA鎖を置換す
るために、連結混合物は40μMずつの4種のデオキシヌ
クレオシド三リン酸、0.15mM6−NAD、4μgの追加大腸
菌DNAリガーゼ、16単位の大腸菌DNAポリメラーゼI(Po
l I)、および9単位の大腸菌RNアーゼHを含むべく調
製した。この混合物(60μ)を順次12℃で1時間、室
温で1時間インキユベートして最適な修復合成とPol I
によるニツクトランスレーシヨンを促進させた。 工程6:大腸菌の形質転換。形質転換はコーエン(Cohe
n)らの方法をわずかに変更して実施した〔Proc.Nat.Ac
ad.Sci.USA,69:2110−2114(1972)を参照〕。大腸菌K
−12株MC1061〔カサダバン(Casadaban,M.)およびコー
エン(Cohen,S.)のJ.Mol.Biol.,138:179−207(1980)
を参照〕を20mlのL−ブロス中37℃で培養して、600nm
で吸光単位0.5へと増殖させた。この細胞を遠心により
集め、50mM CaCl2を含む10mlの10mMトリス・HCl(pH7.
3)中に懸濁し、0℃で5分遠心した。細胞を2mlの上記
緩衝液中に再懸濁し、0℃で5分再度インキユベートし
た。その後、0.2mlの細胞懸濁液を0.1mlのDNA溶液(工
程5)と混合して0℃で15分インキユベートした。次に
細胞を37℃で2分間、その後室温で10分間放置した。次
に0.5mlのL−ブロスを加えて37℃で30分インキユベー
トし、2.5mlのL−ブロス軟寒天と42℃で混合し、50μg
/mlのアンピシリンを含むL−ブロス寒天上に塗り付け
た。37℃で12〜24時間インキユベーシヨン後、個々のコ
ロニーを無菌のつまようじで採取した。全部で約5×10
4個の独立cDNAクローンが発生した。 E.DNAトランスフエクシヨンによるヒトT細胞cDNAライ
ブラリーのスクリーニング 104個の独立クローンをT細胞cDNAライブラリーから
無作為に抽出し、50μg/mlのアンピシリンと7%のジメ
チルスルホキシドを含む200μのL−ブロスを加えた
マイクロタイター皿のウエル内でそれぞれ増殖させた。
48個のcDNAクローンを含むプールをマイクロタイター培
養物から調製した。40個のこの種のプールを100μg/ml
アンピシリンを含むL−ブロスの1培地中で増殖させ
た。各培養物からプラスミドDNAを単離し、CaCl密度勾
配遠心を2回行うことにより精製した。それぞれのプー
ルのDNAをCOS−7サル細胞内に次のようにしてトランス
フエクシヨンした。 トランスフエクシヨンの1日前に、約106個のCOS−7
サル細胞を、10%ウシ胎児血清と2Mグルタミンを含むDM
Eの60mmプレート上に播種した。トランスフエクシヨン
行うために、各プレートから培地をアスピレーターによ
り除き、50mMトリス・HCl(pH7.4)、400μg/ml DEAE−
デキストランおよび15μgのプラスミドDNAを含む1.5ml
のDMEと取り換えた。プレートを37℃で4時間インキユ
ベートし、その後DNAを含む培地を除き、プレートを2ml
の血清不含DMEで2回洗つた。150μMクロロキンを含む
DMEをプレートに加え、その後37℃でさらに3時間イン
キユベートした。プレートをDMEで1回洗い、4%ウシ
胎児血清、2mMグルタミン、ペニシリンおよびストレプ
トマイシンを含むDMEを加えた。プレートを37℃で72時
間インキユベートし、増殖培地を集めて上記のようにヒ
トGM−CSF活性について検定した。 4つのプール(グループ1A,3B,74および14A)がヒトG
M−CSF活性を示した(下記の表Iを参照)。各グループ
はさらに6個のサブプール(各サブプールはもとのプー
ルしたクローンのうち8個のクローンを含む)に再分割
した。各プールからの1つのサブプールがトランスフエ
クシヨン検定において陽性であつたが、7Aだけは2つの
陽性サブプールを生じた。5つの陽性サブプールのうち
4つのサブプールのプラスミドのそれぞれを別個にCOS
−7細胞にトランスフエクシヨンした。3−8a,7−1a,7
−4dおよび14−1eと名づけた4つの単一のクローンがGM
−CSF活性を示した。制限エンドヌクレアーゼ分析は、
これらのクローンの全てが本質的に同じ構造を共有する
ことを明らかにした。 表Iは二通りのコード血液検定において各トランスフ
エクシヨン試料により刺激された造血コロニーの数を示
す。クラスターは20〜50個の細胞を表わし、小コロニー
は51〜150個の細胞であり、コロニーは150個以上の細胞
である。 実質的に全長cDNA挿入物を保有するプラスミド(pcD
−ヒトGM−CSF)は第2図に示され、またこのプラスミ
ドを挿入した大腸菌(MC1061)はATCC(寄託番号3992
3)に寄託された。第2図において、pcD発現ベクター内
に含まれる776pbのcDNA挿入物のSV40初期プロモーター
からの転写は矢印によつて表わされる。スプライス供与
部位およびスプライス受容部位も示される。SV40から誘
導されるポリAシグナルはcDNA挿入物の3′末端に位置
する。cDNA挿入物中のGM−CSFコーデイング領域は濃い
色で示されており、非コーデイング領域は薄い色で示さ
れている。β−ラクタマーゼ遺伝子(AmpR)および複製
開始点を含めて、ベクター配列の残りの部分はpBR322か
ら誘導される。 M13ジデオキシチエインターミネーター法〔サンガー
(Sanger,F.)らのProc.Natl.Acad.Sci.USA,74:5463−5
467(1977)を参照〕および修飾マクサム/ギルバート
法〔ルービン(Rubin,C.)およびシユミツト(Schmid,
C.)のNucleic Acid Res.8:4613−4619(1981)を参
照〕の両方を用いて、3−8aの塩基配列を決定した。cD
NA挿入物は単一のオープン・リーデイング・フレームを
有する。最初のATGは5′末端から33−35ヌクレオチド
に存在し、ヌクレオチド位置465−467の終止トリプレツ
ト(TGA)までの間に144のコドンが存在する。 表IIは個々のクローン−3−8a,7−1a,7−4dおよび14
−1eの影響下で増殖した約60個のヒト骨髄およびコード
血液コロニーの細胞組成の百分率を示す。好酸球と他の
細胞型との混合コロニーの存在は、一緒に増殖するコロ
ニーが原因であるだろう。 ネズミGM−CSFをコードする全長cDNA(シグナル配列
を含む)もまた単離され、ネズミcDNAを含むpcDプラス
ミドを保有する大腸菌(MC1061)はATCC(寄託番号3992
4)に寄託された。マウスcDNA由来のPet I/Ala IIIフラ
グメントの32P標識プローブは、本発明のヒトGM−CSF
cDNAの1つと低いストリンジエンジ−条件(42℃)下で
ハイブリダイズした〔マニアチス(Maniatis,T.)らの
モレキユラー・クローニング,実験マニユアル,コール
ド・スプリング・ハーバー研究所(1982)を参照〕。 第3図は推定上のマウスとヒトのGM−CSFタンパク質
配列間の比較である。整列後同一のアミノ酸残基には下
線が施されており、ヒトのタンパク質に存在するがマウ
スのタンパク質に存在しない残基には星印がつけてあ
り、またマウスのみ存在する残基(すなわち57−58位の
Ser+Asnおよび65位のLys−Lys)は短い垂直線で示され
ている。マウスとヒトのGM−CSF cDNA間の相同性は驚
くほどである。結局、2つのGM−CSF配列間の相同性は
約70%である〔ブルートラーグ(Brutlag,D.)らのNucl
eic Acids Res.10:279−294(1981)を参照〕。しかし
ながら、本発明のヒトGM−CSFはマウスの造血幹細胞の
増殖をin vitroにおいて有意に促進しない。 pcD発現ベクター中のクローンライブラリーは、哺乳
動物細胞での直接発現による完全cDNAクローンの同定を
可能にした。さらに詳しくは、完全ヒトGM−CSF cDNA
クローンは無作為に抽出したcDNAクローンでCOS−7細
胞をトランスフエクシヨンし、次に細胞上清に分泌され
たGM−CSF活性を測定することにより、直接同定され
た。これらの結果は、リンフオカインやホルモンの全長
cDNAクローンの同定が単に機能的ポリペプチドの検出に
基づいて真核細胞において達成し得ることを立証した。 前述のことから、本発明のcDNAクローンは正確かつ完
全なヒトGM−CSF配列データを提供するものであること
を認めるであろう。本発明はまた当分野で習熟した者
に、顆粒球およびマクロフアージならびに他の造血細胞
(例えば好酸球)の改良されたin vitro維持のための
因子(本質的に他の造血因子を含まない)を有意量で生
産する手段を提供する。さらに、cDNAクローンから収集
された情報は哺乳動物の免疫応答の理解を深め、実験研
究の可能性を高めるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レニツク,ドナ・メイ アメリカ合衆国カリフオルニア州94022, ロス・アルトス,アーモンド・アベニユ ー 601 (72)発明者 新井 賢一 アメリカ合衆国カリフオルニア州94306, パロ・アルト,ジヨージア・アベニユー 648 (56)参考文献 特開 昭61−199787(JP,A) 特表 昭61−502682(JP,A) 米国特許4438032(US,A) Nature,Vol.309(1984. 6)P.763−767 Nature,Vol.298(1982) P.75−77 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/535 C12P 21/02 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG) CA(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.以下のアミノ酸配列を有する、ヒト好中球性顆粒
    球、マクロファージ、および好酸球に対してコロニー刺
    激因子活性を示す組換えヒト顆粒球マクロファージコロ
    ニー刺激因子:2.シグナル配列をもたない、請求項1に記載のヒト顆
    粒球マクロファージコロニー刺激因子。 3.グリコシル化されている、請求項1または2に記載
    のヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子。 4.グリコシル化されていない、請求項1または2に記
    載のヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子。 5.実質的に純粋形であり、かつ実質的に他の哺乳動物
    造血細胞タンパク質を含まない、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激
    因子。 6.請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト顆粒球マ
    クロファージコロニー刺激因子の生産方法であって、 (a)前記ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
    をコードするヌクレオチド配列を含むベクターを作成
    し、その際該ヌクレオチド配列は該ベクターを含む宿主
    によって発現可能であり; (b)該ベクターを宿主に挿入し;そして (c)該ヌクレオチド配列の前記ヒト顆粒球マクロファ
    ージコロニー刺激因子への発現に適する条件下で、該ベ
    クターを含む宿主を維持する; 各工程からなる方法。 7.ヌクレオチド配列が以下の配列からなる、請求項6
    に記載の方法: 8.請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト顆粒球マ
    クロファージコロニー刺激因子を、薬学的に受容される
    担体と共に含有してなる、腫瘍性疾患および伝染病に対
    する自然防御の促進剤、ならびに骨髄抑制を克服する化
    学療法の補助剤用医薬組成物。
JP60505271A 1984-11-20 1985-11-18 ヒト顆粒状、マクロファージおよび好酸球の細胞増殖因子活性を示すポリペプチドをコードするcDNAクローン Expired - Lifetime JP3038348B2 (ja)

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