JP3037774B2 - 角速度センサおよびその防振装置 - Google Patents
角速度センサおよびその防振装置Info
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- JP3037774B2 JP3037774B2 JP3096541A JP9654191A JP3037774B2 JP 3037774 B2 JP3037774 B2 JP 3037774B2 JP 3096541 A JP3096541 A JP 3096541A JP 9654191 A JP9654191 A JP 9654191A JP 3037774 B2 JP3037774 B2 JP 3037774B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は例えば車両に作用する角
速度を検出する角速度センサおよびその防振装置に関す
るものである。
速度を検出する角速度センサおよびその防振装置に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種のセンサとして、コリオリ
の力を利用した振動型角速度センサが知られている（例
えば、特開昭６２−５２４１０号公報）。これは、振動
子を共振点で振動させ、その振動方向と直交する方向に
作用するコリオリの力を検出し、同期検波することによ
り角速度を出力している。
の力を利用した振動型角速度センサが知られている（例
えば、特開昭６２−５２４１０号公報）。これは、振動
子を共振点で振動させ、その振動方向と直交する方向に
作用するコリオリの力を検出し、同期検波することによ
り角速度を出力している。
【０００３】そして、振動子の共振周波数付近の振動が
角速度センサに作用すると、出力誤差を生じるため、従
来では防振装置が設けられている。これは図３に示すよ
うに、振動子（図示なし）を収容した振動子部１の上下
とベース部材３、３’との間の間隔にゴム等の弾性体
４、５を配置しており、ベース部材３、３’から伝達さ
れる振動（例えば車両の走行振動等）を弾性体４、５に
て吸収し、振動子にはその振動が伝達されない構成とし
てある。
角速度センサに作用すると、出力誤差を生じるため、従
来では防振装置が設けられている。これは図３に示すよ
うに、振動子（図示なし）を収容した振動子部１の上下
とベース部材３、３’との間の間隔にゴム等の弾性体
４、５を配置しており、ベース部材３、３’から伝達さ
れる振動（例えば車両の走行振動等）を弾性体４、５に
て吸収し、振動子にはその振動が伝達されない構成とし
てある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものでは、ベース部材から伝達される振動が防振材によ
り吸収されるが、振動子の角速度入力軸回りについても
振動の減衰が行われ、このため実際に発生している角速
度と振動子を収容した収容部に作用する角速度との間に
位相遅れが発生するという難点がある。
ものでは、ベース部材から伝達される振動が防振材によ
り吸収されるが、振動子の角速度入力軸回りについても
振動の減衰が行われ、このため実際に発生している角速
度と振動子を収容した収容部に作用する角速度との間に
位相遅れが発生するという難点がある。
【０００５】本発明はかかる位相遅れの発生を生じない
角速度センサおよびその防振装置を提供することを解決
すべき課題としている。
角速度センサおよびその防振装置を提供することを解決
すべき課題としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、かかる
課題は、角速度入力軸に対して交差する軸方向に振動す
る振動子を有し、この振動子を振動させた状態で前記角
速度入力軸および前記振動軸方向に直交する軸方向に作
用するコリオリの力を検出して角速度を測定するように
した振動型角速度センサにおいて、前記振動子が収容さ
れた収容部と、この収容部を支持する支持部と、さらに
この支持部を支持するとともにベース部材上に配置され
る弾性体とからなる防振装置を備え、前記コリオリの力
が作用する方向若しくは前記振動子が振動する方向にお
ける前記防振装置の固有振動数を、角速度入力軸回りに
おける前記防振装置の固有振動数よりも小さく設定した
という技術的手段により達成される。
課題は、角速度入力軸に対して交差する軸方向に振動す
る振動子を有し、この振動子を振動させた状態で前記角
速度入力軸および前記振動軸方向に直交する軸方向に作
用するコリオリの力を検出して角速度を測定するように
した振動型角速度センサにおいて、前記振動子が収容さ
れた収容部と、この収容部を支持する支持部と、さらに
この支持部を支持するとともにベース部材上に配置され
る弾性体とからなる防振装置を備え、前記コリオリの力
が作用する方向若しくは前記振動子が振動する方向にお
ける前記防振装置の固有振動数を、角速度入力軸回りに
おける前記防振装置の固有振動数よりも小さく設定した
という技術的手段により達成される。
【０００７】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例により説明す
る。図１および図２において、１は振動子部で、音叉型
振動子１ａと収容部１ｂとにより構成されている。該収
容部１ｂは金属製の中空円筒形を有しており、その内部
に上記の音叉型振動子１ａが収容、密封されている。２
は金属製の支持部であり、振動子１ａの角速度入力軸で
あるＺ軸に対して交差する方向に突出するようにして溶
接等により収容部１ｂに固定れており、四角形状の形態
を有している。３は例えば自動車の車体に固定される金
属製のベース部材であり、断面凹部形状を有している。
そして、該ベース部材３の凹部３ａに上記収容部１の下
半分が配置されている。４〜７は円柱形状の形態を有し
た例えばシリコーンゴム製の弾性体である。該弾性体４
〜７は、収容部１に固定された支持部２の四隅とベース
部材３の二つの凸部の両端との間に接触、配置されてお
り、例えば図示しない固定金具にて支持部２およびベー
ス部材３に固定されている。
る。図１および図２において、１は振動子部で、音叉型
振動子１ａと収容部１ｂとにより構成されている。該収
容部１ｂは金属製の中空円筒形を有しており、その内部
に上記の音叉型振動子１ａが収容、密封されている。２
は金属製の支持部であり、振動子１ａの角速度入力軸で
あるＺ軸に対して交差する方向に突出するようにして溶
接等により収容部１ｂに固定れており、四角形状の形態
を有している。３は例えば自動車の車体に固定される金
属製のベース部材であり、断面凹部形状を有している。
そして、該ベース部材３の凹部３ａに上記収容部１の下
半分が配置されている。４〜７は円柱形状の形態を有し
た例えばシリコーンゴム製の弾性体である。該弾性体４
〜７は、収容部１に固定された支持部２の四隅とベース
部材３の二つの凸部の両端との間に接触、配置されてお
り、例えば図示しない固定金具にて支持部２およびベー
ス部材３に固定されている。
【０００８】ここで、一般的に或る角振動数ωでの防振
効果を考えると、その防振機構の固有角振動数ωn を考
えればよい。つまり、ωn ＜＜ωとすれば、充分な防振
効果が得られる。従って、図１、図２のコリオリの力が
働く方向であるＸ方向または振動子１ａの振動方向であ
るＹ方向の固有角振動数ω1 と角速度入力軸であるＺ軸
回りの固有角振動数ω2 を求め、ω1 ＜＜ω2 の関係と
なるように設定することで実角速度に対して位相遅れが
なく、しかも例えば車体からの振動を充分に吸収するこ
とが可能となる。
効果を考えると、その防振機構の固有角振動数ωn を考
えればよい。つまり、ωn ＜＜ωとすれば、充分な防振
効果が得られる。従って、図１、図２のコリオリの力が
働く方向であるＸ方向または振動子１ａの振動方向であ
るＹ方向の固有角振動数ω1 と角速度入力軸であるＺ軸
回りの固有角振動数ω2 を求め、ω1 ＜＜ω2 の関係と
なるように設定することで実角速度に対して位相遅れが
なく、しかも例えば車体からの振動を充分に吸収するこ
とが可能となる。
【０００９】さて、Ｘ方向またはＹ方向の固有振動数ω
1 は
1 は
【００１０】
【数１】 （Ｋは弾性体４〜７の剪断方向のトータルばね定数、Ｍ
は振動子部１の質量）で表される。一方、Ｚ軸回りの固
有振動数ω2 を求めると、
は振動子部１の質量）で表される。一方、Ｚ軸回りの固
有振動数ω2 を求めると、
【００１１】
【数２】 （Ｒは振動子部１の中心軸から弾性体４〜７までの距
離、Ｉは振動子部１の中心軸まわりの慣性モーメント）
であり、
離、Ｉは振動子部１の中心軸まわりの慣性モーメント）
であり、
【００１２】
【数３】Ｉ＝Ｍ×ｒ2 ／２ （ｒは振動子部１の半径）であることから、
【００１３】
【数４】 と表される。今、ω1 ＜ω2 とするためには、Ｒ＞ｒ、
即ち振動子部１の半径ｒより大きな距離Ｒの部位に弾性
体４〜７を配置すればよいことが理解される。このこと
は、上記実施例のごとく、振動子部１の外周囲に支持部
２を固定し、この支持部の四隅に弾性体４〜７を配置す
ることが上記Ｒ＞ｒの関係を導き出すことになる。この
結果、振動子１ａの角速度入力軸であるＺ軸回りに対し
ては剛の構成となり、またその他の軸方向であるＸ軸、
Ｙ軸方向については柔の構成となる。
即ち振動子部１の半径ｒより大きな距離Ｒの部位に弾性
体４〜７を配置すればよいことが理解される。このこと
は、上記実施例のごとく、振動子部１の外周囲に支持部
２を固定し、この支持部の四隅に弾性体４〜７を配置す
ることが上記Ｒ＞ｒの関係を導き出すことになる。この
結果、振動子１ａの角速度入力軸であるＺ軸回りに対し
ては剛の構成となり、またその他の軸方向であるＸ軸、
Ｙ軸方向については柔の構成となる。
【００１４】なお、一般的に音叉型振動子１ａを用いた
角速度センサにおいては、振動子１ａの振動方向である
Ｙ軸、コリオリの力が働く方向であるＸ軸の各方向の振
動に対して誤差出力が発生し易い。
角速度センサにおいては、振動子１ａの振動方向である
Ｙ軸、コリオリの力が働く方向であるＸ軸の各方向の振
動に対して誤差出力が発生し易い。
【００１５】従って、上記弾性体４〜７においては、そ
のばね定数が小さくなる剪断方向を上記Ｘ軸、Ｙ軸に合
致させてある。また、外部振動により角速度入力軸であ
るＺ軸回りのモーメントが発生しないように、弾性体４
〜７にて支持されている支持部２の下面２ａは振動子１
の重心に合致させてある。更に、弾性体４〜７の材料と
しては車両、特に自動車の使用環境を考慮して低温でも
ばね定数が増大しないシリコーンゴムを採用している。
のばね定数が小さくなる剪断方向を上記Ｘ軸、Ｙ軸に合
致させてある。また、外部振動により角速度入力軸であ
るＺ軸回りのモーメントが発生しないように、弾性体４
〜７にて支持されている支持部２の下面２ａは振動子１
の重心に合致させてある。更に、弾性体４〜７の材料と
しては車両、特に自動車の使用環境を考慮して低温でも
ばね定数が増大しないシリコーンゴムを採用している。
【００１６】なお、図１の構成においては４つの弾性体
を採用したが、支持部２およびベース部材３の形状を変
更することにより、３つの弾性体であっても所期の課題
を達成することが可能である。
を採用したが、支持部２およびベース部材３の形状を変
更することにより、３つの弾性体であっても所期の課題
を達成することが可能である。
【００１７】
【発明の効果】以上要するに、本発明においては、極め
て簡易な構成にて、振動子の振動方向およびコリオリが
働く方向に対する防振効果を減少することなく、角速度
入力軸回りの角速度に対する位相遅れを低減できるとい
う優れた効果を奏する。
て簡易な構成にて、振動子の振動方向およびコリオリが
働く方向に対する防振効果を減少することなく、角速度
入力軸回りの角速度に対する位相遅れを低減できるとい
う優れた効果を奏する。
【図１】防振装置の全体構成を示す一部透視斜視図であ
る。
る。
【図２】図１の側面図である。
【図３】従来の構成を説明する図である。
１ 振動子部 １ａ 振動子 １ｂ 収容部 ２ 支持部 ３ ベース部材 ４〜５ 弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−173517（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−153122（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G01P 9/04 G01C 19/56
Claims (1)
- 【請求項１】 角速度入力軸に対して交差する軸方向に
振動する振動子を有し、この振動子を振動させた状態で
前記角速度入力軸および前記振動軸方向に直交する軸方
向に作用するコリオリの力を検出して角速度を測定する
ようにした振動型角速度センサにおいて、前記振動子が収容された収容部と、この収容部を支持す
る支持部と、さらにこの支持部を支持するとともにベー
ス部材上に配置される弾性体とからなる防振装置を備
え、 前記コリオリの力が作用する方向若しくは前記振動子が
振動する方向における前記防振装置の固有振動数を、角
速度入力軸回りにおける前記防振装置の固有振動数より
も小さく設定したことを特徴とする角速度センサ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3096541A JP3037774B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 角速度センサおよびその防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3096541A JP3037774B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 角速度センサおよびその防振装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04326065A JPH04326065A (ja) | 1992-11-16 |
| JP3037774B2 true JP3037774B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=14167969
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3096541A Expired - Fee Related JP3037774B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 角速度センサおよびその防振装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3037774B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011074099A1 (ja) | 2009-12-17 | 2011-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 角速度検出装置 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003028644A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-29 | Denso Corp | 角速度センサ装置 |
| JP3937334B2 (ja) | 2003-03-27 | 2007-06-27 | 株式会社デンソー | 振動型角速度センサの異常検出装置、異常検出方法、異常検出用プログラム並びに車両制御システム |
| DE102006002350A1 (de) * | 2006-01-18 | 2007-07-19 | Robert Bosch Gmbh | Inertialsensoranordnung |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP3096541A patent/JP3037774B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011074099A1 (ja) | 2009-12-17 | 2011-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 角速度検出装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04326065A (ja) | 1992-11-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000208 |
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