JP3037722U - 曲げ点に鋼管の曲げ加工を採用した送電用鋼管鉄塔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性に優れ、外観がシンプルで、しかも構
造上合理的で、製作コストが節減された屈曲部を有する
送電用鋼管鉄塔を提供する。 【解決手段】 送電用鉄塔の曲げ点（屈曲部）におい
て、鉄塔の柱体を構成する鋼管ａを切断することなく機
械的曲げ加工部１によって屈曲部を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は送電用鋼管鉄塔の曲げ点（屈曲部）の構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の送電用鋼管鉄塔の曲げ点（屈曲部）においては、フランジ接合構造や溶 接接合構造が採用され所要の屈曲部を得るために鋼管を一度切断して、上下切断 部片を突き合わせ溶接するか、同各切断部片の切断面にフランジを取り付けて、 同両フランジをボルトで締結して接合している。

【０００３】 図１は送電用鋼管鉄塔の概念図を示し、同鉄塔の地上部と地中基礎部とに（ロ ）（イ）で示す如く曲げ点が設けられている。 図２は前記送電用鉄塔の基礎部内における曲げ点（屈曲部）イを示し、同屈曲 部において鋼管が上下に切断され、突き合わせ溶接ｗされている。図中ｃは補強 プレートである。（図３乃至図４参照） 図７及び図８は前記図１に示す送電用鉄塔の地上部における曲げ点（屈曲部） ロでフランジ接合を適用した場合を示し、同屈曲部において鋼管が上下に切断さ れ、上部筒体ａ₁ と下部筒体ａ₂ の対向端面に夫々フランジｅが取り付けられ、 両フランジｅ、ｅ間はボルト・ナットｆが締結され、前記上部筒体ａ₁ と下部筒 体ａ₂ とが接合されている。図中ｇはガセットプレート、ｈは同ガセットプレー トｆに取り付けられた腕木構成部材等の付属部材である。

【０００４】 図５及び図６は前記図１に示す送電用鉄塔の地上部分における曲げ点（屈曲部 ）ロでの突き合わせ溶接接合を示し同屈曲部において鋼管が上下に切断され、上 部筒体ａ₁ と下部筒体ａ₂ の切断面が突き合せ溶接されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の送電用鋼管鉄塔の曲げ点（屈曲部）は前記したように、一旦鋼管を同屈 曲部で切断して、切断部上下の鋼管を溶接又はフランジ接合するので、溶接接合 の場合、溶接工の伎倆によって強度上の差を生じ、構造上信頼性に難点がある。 またフランジ接合の場合、重量が重く、運搬上の制約を受け、施工面において 多数のボルト、ナットを要し、多大の手間と時間とを要する。

【０００６】 更に屈曲部を形成するため鋼管を切断するため強度上、経済上問題があった。 本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、施工性に優 れ、外観がシンプルでしかも構造上合理的で製作コストが節減された屈曲部を有 する送電用鋼管鉄塔を提供する点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る送電用鋼管鉄塔は、送電用鉄塔の曲 げ点において、鉄塔の柱体を構成する鋼管を切断することなく、機械的に曲げ加 工して屈曲部を構成して構成されている。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図面に示す本考案の最も好適な実施の形態について説明する。 図９は図１のイに示す基礎部内における送電用鉄塔の屈曲部に本考案を適用し た場合を示し、鋼管ａを曲げ点（屈曲部）において切断することなく機械的に曲 げ加工したものである。図中１は曲げ加工部を示す。

【０００９】 図１０及び図１１は図１のロに示す地上部における送電用鉄塔の曲げ点（屈曲 部）に本考案を適用した場合を示し、鋼管ａを曲げ点（屈曲部）において切断す ることなく機械的に曲げ加工したもので、曲げ加工部１にガセットプレート２が 固着され、同ガセットプレート２に鉄塔斜材３、腕木構成部材等の付属部材がボ ルト４等を介して接合されている。

【００１０】

【考案の効果】

本考案に係る送電用鋼管鉄塔は前記したように、鉄塔の曲げ点において鋼管を 切断することなく、鋼管自体を機械的に曲げ加工して前記曲げ点（屈曲部）を構 成するようにしたので、従来のように鋼管を切断することなく曲げ点（屈曲部） を構成することができるので、構造上の信頼性が大で曲げ点部を挟んで相対する 上下鋼管接合用のフランジや補強プレートが不用となり、施工が著しく簡略化さ れ、従来構造に比して軽量で、運搬、取扱いが容易になり、また前記したように フランジや補強プレートが不用となるので外観がシンプルで景観を損なうことが ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用される鋼管鉄塔の立面図である。

【図２】従来構造における基礎部曲げ点部の詳細を示す
断面図である。

【図３】図２に示す曲げ点部の溶接構造部分を示す正面
図である。

【図４】図３の平面図である。

【図５】従来構造における地上部の曲げ点部の溶接構造
部を示す正面図である。

【図６】図５の平面図である。

【図７】従来構造における地上部曲げ点部のフランジ継
手部を示す正面図である。

【図８】図７の平面図である。

【図９】本考案を基礎部曲げ点部に適用した状態を示す
正面図である。

【図１０】本考案を地上部の曲げ点部に適用した状態を
示す正面図である。

【図１１】図１０の平面図である。

【符号の説明】

ａ 鋼管 １ 曲げ加工部 ２ ガセットプレート ３ 鉄塔斜材 ４ ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 送電用鉄塔の曲げ点において、鉄塔の柱
   体を構成する鋼管を切断することなく、機械的に曲げ加
   工して屈曲部を構成してなることを特徴とする曲げ点に
   鋼管の曲げ加工を採用した送電用鋼管鉄塔。