JP3037342U - 鋏 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易であり、切り刃の調整が容易で、
切削状態が良好な鋏を提供する。 【解決手段】 一対の上刃１２及び下刃１３を、その側
面を当接して回動可能に連結した鋏１１において、下刃
１３の両側面を上面に対してほぼ直角に形成し、上刃１
２を、下刃１３を挟むように折り返して下刃１３の両側
面との間に切り刃を形成するとともに、この上刃１２の
基部に切り屑の排出部１８を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、厚紙や合成樹脂シート等を切断するため下刃の両側面に切り刃を形 成した鋏に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、下刃の両側面に切り刃を形成した鋏としては、実公昭５３−１９５０９ 号に開示された開函鋏がある。 これは、図４に示すように、一対の上刃１及び下刃２から構成されている。上 刃１には、中間部にＵ字状の軸受部３が形成されており、先端部に切溝４が形成 されている。また、下刃２は、中央部２ａが軸受部３に挿入されて軸５により回 動可能に取着され、先端６の両側と切溝４との間に切り刃が形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述の構成においては、下刃２の中央部２ａの両側には、軸受部３との間に隙 間ができるので、鋏が切削作業中に隙間の量だけ下刃２が左右に移動することが ある。 下刃２が左右に移動すると、切り刃部分即ち先端６と切溝４との間に隙間が生 じて、切れ味が低下するという問題がある。 この問題を解決するには、下刃２の中央部２ａと軸受部３との間の隙味を小さ くするとともに、下刃２の両側と切溝４の位置合わせを確実に行わなければなら ないので、位置合わせの調節が煩雑であり、製造コストが高くなるという問題が ある。

【０００４】 本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、製造が容易であ り、切り刃の調整が容易で、切削状態が良好な鋏を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、一対の上刃及び下刃を、その側面を当接して回動可能に連結した鋏 において、 前記下刃の両側面を上面に対してほぼ直角に形成し、 前記上刃を、前記下刃を挟むように折り返して前記下刃の両側面との間に切り 刃を形成するとともに、この上刃の基部に切り屑の排出部を形成したところに特 徴を有する。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本発明の一実施例につき図１〜図３を参照して説明する。 鋏１１は、一対の上刃１２及び下刃１３から構成されている。上刃１２と下刃 １３には、それぞれ握り部１４，１５が形成されており、中間の側面を当接して 軸１６により回動可能に連結されている。

【０００７】 下刃１３は、鋭利な先端部を有しており、両側面１３ａが上面１３ｂに対して ほぼ直角に形成されている。 上刃１２は、軸１６から上部の部位（図１に示す左方の部位）を背部１２ａか らＵ字状に折り返され、両側面１２ｂが下刃１３の両側面１３ａに接して切り刃 １７を構成している。この上刃１２は、図２に示すように、切り刃１７の幅が狭 く、背部背部１２ａの幅を広く成形しておけば、切り屑の抵抗が少なくなるので 裁断加工が容易にできる。 尚、上刃１２の端面１２ｃは、背部１２ａをＵ字状に折り返えすと鋭角に成形 されるので、研磨作業がきわめて容易にできる。 また、上刃１２の基部には、背部１２ａを切り落とすことにより、切り刃１７ により発生した切り屑が外部へ導出される切り屑の排出部１８が形成されている 。

【０００８】 上記実施例によれば、つぎの効果を奏する。 ａ，上刃１２及び下刃１３は、中間の軸１６部分において相互の側面を当接し ているので、一方の切り刃１７は、相互に側面が接する良好な状態に構成されて いる。従って、製造時の寸法調整は、他方の切り刃１７のみを調整すれば足りる ので、従来の鋏に比較して、製作がきわめて容易にできる。 ｂ，上刃１２及び下刃１３は、中間の軸１６部分において相互の側面を当接し ているので、鋏１１が裁断作業中に、両側の切り刃１７の隙間が変動することが ない。従って、切削状態がきわめて良好である。 ｃ，上刃１２の基部に切り屑の排出部１８を設けたので、切り屑が排出部１８ から外部へ導出されて下刃１３に接触していないので、曲線部の裁断も容易にで きる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は、一対の上刃及び下刃を、その側面を当接して回動可能に連結した鋏 において、 前記下刃の両側面を上面に対してほぼ直角に形成し、 前記上刃を、前記下刃を挟むように折り返して前記下刃の両側面との間に切り 刃を形成するとともに、この上刃の基部に切り屑の排出部を形成したので、製造 が容易であり、切り刃の調整がきわめて容易であり、しかも切削状態が良好であ るという優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の鋏の斜視図である。

【図２】 図１においてII−II線に沿う断面図である。

【図３】 図１においてIII−III線に沿う断面図であ
る。

【図４】 従来の鋏の斜視図である。

【符号の説明】

１１ 鋏 １２ 上刃 １２ａ背部 １２ｂ側面 １３ 下刃 １３ａ側面 １３ｂ上面 １６ 軸 １７ 切り刃 １８ 排出部

【手続補正書】

【提出日】平成８年１１月５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の上刃及び下刃を、その側面を当接
   して回動可能に連結した鋏において、 前記下刃の両側面を上面に対してほぼ直角に形成し、 前記上刃を、前記下刃を挟むように折り返して前記下刃
   の両側面との間に切り刃を形成するとともに、この上刃
   の基部に切り屑の排出部を形成したことを特徴とする
   鋏。