JP3005142U - 鋏 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】被切物を鋏切りする鋏の切断能力を向上させる
ことで従来の鋏では切り難い被切物も容易に切断できる
ようにした鋏を提供することを目的とする。 【構成】この考案は、刃体が片刃形の鋏では刃体部１の
表面において刃部３と背部４の間の背部４側が厚肉で刃
部３側が薄肉となった傾斜誘導部５を凹弧状面とし、ま
た切刃体７が双刃の押切形の鋏では切刃体７の表面7₁と
裏面7₂の両面において、刃部８と背部９との間の背部側
９側が厚肉で刃部８側が薄肉となった傾斜誘導部１０と
１０をそれぞれ凹弧状面としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は種々の被切物を切断するための鋏に関する考案である。

【０００２】

【従来の技術】

従来から用いられている各種鋏の刃体の傾斜誘導部は図４で示すように、突弧 状の通称はまぐり形図４イのものや直線状図４ロのものが多く知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記する従来の鋏は図４イ，図４ロから明らかなように、刃体部１と１の板厚 が相当厚いため、被切物特に厚肉のものや太径のものを切断しようとするときは 、被切物に対する刃体部１と１の投影面積が大となって被切物への切り入りに円 滑さが欠け切味の発揮できないものでとうてい鋭利な鋏とはいえなかった。この 考案は上記に鑑み鋭利で切味の良好な鋏を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記の目的を達するため、二枚刃方式の鋏では、片刃形の刃体部１ と１を裏面1₁と1₁が互いに向き合うように重ね合わされ、しかも刃体部１と１と が軸２によって軸止めされて刃体部１と１によって鋏切りをするものであるが、 この場合は、各刃体部１の表面1₂側で刃体部１の刃部３と背部４との間の刃部３ 側が薄く背部４側が厚くなった傾斜誘導部を凹弧状に凹んだ傾斜誘導部５とした ものであり、また、押切形の鋏では双刃の切刃体７の傾斜誘導部１０の表裏両面 を凹弧状に凹ませることで、刃の厚さを薄くしたものである。

【０００５】

【作用】

この考案の鋏は被切物の切断において刃体の被切物に対する切り入りに大きく 影響する刃体の板厚が極めて薄いため被切物に切り入ったとき被切物から受ける 抵抗が少なく、また、刃部３に続く傾斜誘導部５や１０が凹弧状になっているた め、従来の刃体の傾斜誘導部のように突弧状や真直な面のもののように切断が始 まるとすぐに傾斜誘導部の面が被切物の切り口に接して被切物を押し分けるため の力を多く要することで切断力が減殺されて切味のよくないものと異り、被切物 への切り入りのみに力が集中し被切物内に深く切り入ったのち背部４に近くなっ たところで傾斜誘導部５や１０が切口に接して被切物を押し分け刃部３の進入を よりよいものとする。即ちこの考案の刃は被切物に対する投影面積が従来の鋏の 刃の投影面積より相当小さいものであるため刃の被切物から受ける抵抗が著しく 小さくなり強力な切断をすることができる。なお、刃体部１において傾斜誘導部 ５や１０を薄くすることに対する補強は背部４が傾斜誘導部を支えて屈曲や折損 が生じないようにすることができる。

【０００６】

【実施例】

この考案の第１の実施例は生花鋏であり、第２の実施例は押切り方式のバラ切 り鋏を示しており、このほかに剪定鋏や刈込鋏、裁縫鋏等各種の鋏であってもよ いこと勿論である。

【０００７】 この考案の実施例のように小形鋏の刃体部の凹弧状の傾斜誘導部５や１０の半 径γは７５ミリメートル程度であるが、この半径は実施例に限ることなく鋏の形 状の大小や被切物の太さや硬さ等によって変化するもので、要は被切物に鋏の刃 体部が切り入ったとき傾斜誘導部が切り入りの妨げとならないような凹弧面であ ればよい。

【０００８】

【考案の効果】

請求項１記載の考案は、片刃形の刃体部の組合せによる鋏で切断物を切断する と、各刃体部１と１の傾斜誘導部５が刃部３の被切物への切り入りの妨げを著し く少なくするものであるから刃部３は円滑な切り入りが可能となって切味が向上 し被切物の良好な切断をすることができる効果を奏する。

【０００９】 請求項２記載の考案は、切刃体７が双刃形となった押切形の鋏で、被切物を切 断する際に刃部８の切り入りの妨げの大きな要因であった傾斜誘導部１０と１０ の被切物への抵抗が著しく減少し、刃部３は被切物への切り入りが容易となって 切味のよい良好な切断を可能とする効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の鋏の第１の実施例である生花鋏の正面
図

【図２】Ａ−Ａ線の拡大断面図

【図３】本考案の鋏の第２の実施例である押切形バラ切
り鋏の刃体部の拡大断面図

【図４】従来の鋏の刃体部の拡大断面図

【符号の説明】

１ 刃体部 1₁ 裏面 1₂ 表面 ２ 軸 ３，８ 刃部 ４，９ 背部 ５，１０ 傾斜誘導部 ６ 受体 ７ 切刃体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】片刃形の刃体部１と１を裏面1₁と1₁が互い
   に向き向うように重ね合わされ、しかも刃体部１と１と
   を軸２によって軸止めされて刃体部１と１とが開閉を自
   在とするものにおいて、刃体部１の表面1₂側で刃体部１
   の刃部３と背部４との間に刃部３側が薄く背部４側が厚
   くなるような凹弧状の傾斜誘導部５を設けたことを特徴
   とする鋏。
2. 【請求項２】受部６と双刃形の切刃体７とが向き合って
   開閉を自在とする押切形のものにおいて、切刃体７の表
   面7₁と裏面7₂の両面の刃部８と背部９との間に刃部８側
   が薄く背部９側が厚くなるような凹弧状の傾斜誘導部１
   ０と１０を設けたことを特徴とする鋏。