JP3035867U - 車軸固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】車輪の軸穴に車軸を挿着する作業を容易に行う
と共に、結合後の車軸にずれが生じないように軸穴に確
実に固定する。 【解決手段】車輪１におけるボス５の突出部５ａが、こ
の突出部５ａの外周に軸穴４に向くネジ穴８を形成する
ためのタップを立て得る幅を有して成り、ネジ穴８に螺
入したボルト１０によって軸穴４に挿入した車軸７を固
定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、車輪の軸穴に車軸を容易に挿着して確実に固定するようにした車軸 固定構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

台車等をレールに沿って移送するために台車に装着した車輪は、従来から、鋳 物等によって作製されている。

【０００３】 この従来の車輪を図５に示すと、車輪２０にはボス２１が設けられ、ボス２１ の中心には車軸２２を挿着するための軸穴２３が設けられている。

【０００４】 このように車輪２０の軸穴２３に車軸２２を挿着するには、図５に示すように 、油圧入によって軸方向に押圧して結合する。

【０００５】 または、図６に示すように、車軸２２と軸穴２３に沿ってキー溝２４を設け、 このキー溝２４にキー２５を嵌合することにより、両者の固定を行うようにして いる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記の油圧入で挿着する方法は、そのために非常に大掛かりな装置 を必要とするため、一台または小口の購入者にとっては、そのような装置を設備 するのは到底不可能である。

【０００７】 また、キーを嵌合することによって車軸を結合する方法は、車軸がキー溝に沿 って移動するおそれがあり、車軸が軸穴からずれることがある。

【０００８】 本考案は、このような事情に鑑みて成されたもので、車輪の軸穴に車軸を挿着 する作業を容易に行うと共に、結合後の車軸にずれが生じないように軸穴に確実 に固定するようにした車軸固定構造を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の車軸構造は、車輪に形成したボスの突出 部が該突出部の外周に軸穴に向くネジ穴を形成するためのタップを立て得る幅を 有して成り、前記ネジ穴に螺入したボルトによって軸穴に挿入した車軸を固定す るようにしたものである。

【００１０】 また、前記ボスの軸穴と車軸とをキーで係合すると共に、前記ボスの突出部の 外周に前記キーに向くネジ穴を形成し、該ネジ穴に螺入したボルトによって前記 キーを固定するようにしてもよい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施例について図面を参照しながら説明する。

【００１２】 図１は本考案の車軸固定構造を示す縦断面図である。図２は図１の側面の外観 図である。図３は本考案の他の実施例を示す縦断面図である。図４は図２または 図３の車軸を台車に固定した状況を示す外観図である。

【００１３】 図１に示す鉄製車輪１はレール当り面２の端部外周にツバ３を有し、車輪中心 の軸方向に形成された軸穴４の外周にボス５を形成して成るものである。

【００１４】 そして、このボス５の一側を従来のものよりも大なる突出幅Ｔとした突出部５ ａを形成し、この突出幅Ｔをボルト締結のためのタップを立てられる幅としてあ る。その幅Ｔは締結すべきボルト６の径によって変化するものである。

【００１５】 従来の車輪において、ボスは車軸の支持を補強するために設けられ、軸穴の外 周に肉厚部を形成して成るが、本考案においては、ボス５の突出幅Ｔをボルト締 結のためのタップを立てられる幅として十分の長さを確保したのである。

【００１６】 そして、図１に示すように、このボス５の突出部５ａの外周にタップを立てて ネジ穴８を形成する。

【００１７】 軸穴４に挿着する車軸７は、従来のように油圧入で押し入れるものではなく、 この軸穴４に円滑に挿入し得る径を有するものでよい。

【００１８】 この車軸７を軸穴４に挿入した後、ボス５の突出部５ａのネジ穴８に沿ってド リル刃を挿入し、その刃先を車軸７の外周に当ててドリル旋回することにより、 車軸７のネジ停止溝９が形成される。そして、図２に示すように、六角穴ボルト １０等をネジ穴８に締結して、このボルト１０の先端を車軸７のネジ停止溝９に 締結する。これによって、車軸７を軸穴４に結合する作業が完了する。

【００１９】 図３は本考案の他の実施例を示すもので、ボス５の突出幅Ｔは、上記の実施例 と同様に、突出部５ａの外周にボルト１０を締結するためのタップを立てられる 幅としてあるが、上記の実施例と異なる点は、軸穴４と車軸７にキー溝１１を設 けてキー１２を挿着し、ボス５の突出部５ａの外周に形成したネジ穴８にボルト １０を螺入し、このボルト１０でキー１２を締結することによって、キー１２の 移動を防止するようにしてある。

【００２０】 従って、キー１２は軸穴４に対して固定状態にあり、キー１２は車軸７に対し て固定状態にあるため、車軸７は軸穴４に対して固定状態を保つことができる。 図４は上記の本発明による車軸固定構造によって結合された車輪１を台車１３ に取りつけた状況を示す図である。この図において、車軸７は上記の構造によっ て軸穴４に結合され、車軸７の突出外端にはベアリングケース１４を設けて支持 し、このベアリングケース１４に台車１３との連結を行う連結部材１５が設けら れて成る。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の車軸固定構造は、ボスが、突出部の外周に軸穴 に向くネジ穴を形成するためのタップを立て得る幅を有するため、このボスの突 出部の外周にネジ穴を形成することができ、該ネジ穴に螺入したボルトによって 軸穴に挿入した車軸を固定することができる。

【００２２】 従って、従来のように油圧入による結合作業が不要であり、車軸は軸穴に容易 に挿着し得る径とすることができ、この挿着後に上記のネジ穴に螺入したボルト によって車軸を固定することにより、軸穴に対する車軸のずれを防止することが できる。

【００２３】 また、本考案によれば、ボスの軸穴と車軸とをキーで係合した場合にも適用す ることができる。この場合、ネジ穴に螺入したボルトによってキーを固定するこ とにより、キーのずれを防止して、車軸と軸穴とを固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の車軸固定構造を示す縦断面図で
ある。

【図２】図２は図１の側面の外観図である。

【図３】図３は本考案の他の実施例を示す縦断面図であ
る。

【図４】図４は図２または図３の車軸を台車に固定した
状況を示す外観図である。

【図５】図５は従来の車軸固定構造を示す縦断面図であ
る。

【図６】図６は従来の他の車軸固定構造を示す縦断面図
である。

【符号の説明】

１…車輪 ４…軸穴 ５…ボス ５ａ…突出部 ６…ボルト ７…車軸 ８…ネジ穴 ９…ネジ停止溝 １０…ボルト １１…キー溝 １２…キー １３…台車 １４…ベアリングケース １５…連結部材 Ｔ…ボスの突出幅

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車輪に形成したボスの突出部が該突出部の
   外周に軸穴に向くネジ穴を形成するためのタップを立て
   得る幅を有して成り、前記ネジ穴に螺入したボルトによ
   って軸穴に挿入した車軸を固定するようにしたことを特
   徴とする車軸固定構造。
2. 【請求項２】前記ボスの軸穴と車軸とをキーで係合する
   と共に、前記ボスの突出部の外周に前記キーに向くネジ
   穴を形成し、該ネジ穴に螺入したボルトによって前記キ
   ーを固定するようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の車軸固定構造。