JP3035312U - 空気調和装置の冷媒ドライヤ−アッセンブリ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造及び組付けが容易で吸水率を低く確保で
きる空気調和装置の冷媒ドライヤ−アッセンブリ−を提
供する。 【解決手段】 空気調和装置の冷却サイクルにおける冷
媒中の水分を除去するドライヤ−タンクにおいて、ドラ
イヤ−タンクの内径と同径の外径を有し、底壁２ａに小
孔群４を有するとともに該底壁中央を開口２ｂし、その
開口２ｂの内縁から貫通受筒３を側壁２ｃ高さに達する
ように垂設して成る合成樹脂製吸着材収納容器２内に、
底面２ｄに濾紙８を敷いて顆粒状の吸着材７を充填し、
その上に濾紙９を被せたうえ小孔群６を有し且つ前記貫
通受筒３の外径に合致する開口部を有する落し込み蓋５
を嵌着した容器部Ａと、その容器部Ａの貫通受筒３内に
串刺し状態に挿着する冷媒導入パイプＢとから構成され
る冷媒ドライヤ−アッセンブリ−である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、空気調和装置のドライヤ−タンク内に組み込まれる冷媒ドライヤ− アッセンブリ−に関する。

【０００２】

【従来の技術】

カ−エアコン等の空気調和装置の冷却サイクルには、冷媒中の水分を取除くド ライヤ−タンク（レシ−バ−タンクとも言う）が装着されている。冷媒中に水分 が混入すると微量であっても冷却性能が著しく低下するからである。 従来のドライヤ−タンクは、図６に示すように、そのタンクＴ内両面に小孔群 を有する吸着材収納容器ＣをパイプＰで串刺し状に固着一体化したアッセンブリ −（図５に示す）を装着していた。そしてドライヤ−タンクＴ内において吸着材 収納容器Ｃで隔てられた後室に前記パイプＰによって冷媒を導き入れ、前記吸着 材収納容器Ｃの後面の小孔群から内部の顆粒状の吸着材Ｍを経由してその間に冷 媒中の水分が取除かれて前室に送られ、前室から外部に送り出される仕組みであ る。

【０００３】 この形式のアッセンブリ−は、吸着材収納容器ＣとパイプＰが固着一体化して いるので、組立てには、吸着材収納容器ＣにパイプＰを差込み、濾紙を敷き、吸 着材Ｍを充填し、濾紙を被せ、蓋を施すという各工程を経て行なわれ、最後に吸 着材Ｍが大気中の湿気を吸わないように気密梱包している。

【０００４】 ところがパイプＰを差込んでから吸着材収納容器Ｃ内へ吸着材Ｍを充填するこ とは、該パイプＰが邪魔をして作業に手間取り、また不安定な状態下での作業と なり、その間吸着材Ｍが湿気を吸いやすいという製作上の難点を伴う。

【０００５】 また、ドライヤ−タンクＴへ装着する組立て工程においては、ドライヤ−タン クＴの規格がメ−カ−、機種などによりパイプＰの長さが多様であるので、数十 種類（カ−エアコンの場合には最小１３０ｍｍから最大１７５ｍｍの間の長さに １２種類のサイズが使用されている）のパイプの中から選択して組み立てなけれ ばならず、その作業は大変厄介なものであった。

【０００６】 さらに、一体型のアッセンブリ−を工場間を配送するに当っては、約８０固を まとめてビニ−ル袋に密封して１斗缶に収納して運搬移動している。その缶内に は一体型アッセンブリ−を一方向に向けて整頓収納されているが、それでもパイ プＰ部分の周囲には大きな隙間空間ができてしまう。まして、整頓せずに収納す ると嵩ばってしまい、一度に多くを収納しきれず、隙間空間がさらに大きくなっ てしまう。このために、その隙間空間内の湿気が吸着材Ｍに吸着され、吸着能力 が大きく低下してしまう難点があった。

【０００７】 そこで、アッセンブリ−を一個ごとに梱包しようとしても、図８に示すように 、梱包シ−トＫ内にどうしても隙間空間Ｓが生じてしまい、この場合もその隙間 空間Ｓ内の湿気が吸着材Ｍに吸着され、吸着能力が低下を来す難点があった。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、製造及び組付けが容易で吸水率を 低く確保できる空気調和装置の冷媒ドライヤ−アッセンブリ−を提供するのであ る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、空気調和装置の冷却サイクルにおける 冷媒中の水分を取除くドライヤ−タンク１において、 ドライヤ−タンク１の内径と同径の外径を有し、底壁２ａに小孔群４を有する とともに該底壁中央を開口２ｂし、その開口２ｂの内縁から貫通受筒３を側壁２ ｃ高さに達するように垂設して成る吸着材収納容器２内に、底面２ｄに濾紙８を 敷いて顆粒状の吸着材７を充填し、その上に濾紙９を被せたうえ小孔群６を有し 且つ前記貫通受筒３の外径に合致する開口部を有する落し込み蓋５を嵌着した容 器部Ａと、その容器部Ａの貫通受筒３内に串刺し状態に挿着する冷媒導入パイプ Ｂとから構成され、前記Ａ，Ｂが相互の固定手段Ｋを介して組合わさった状態で 前記ドライヤ−タンク１内に固定できるようにした空気調和装置の冷媒ドライヤ −アッセンブリ−である。

【００１０】 また、前記吸着材収納容器２を合成樹脂製としたものである。

【００１１】 さらに、前記固定手段Ｋが、ドライヤ−タンク１内壁と吸着材収納容器２外壁 又は／及び吸着材収納容器２の開口の内壁と落し込み蓋５の外周面又は／及び吸 着材収納容器２の貫通受筒３内壁と冷媒導入パイプＢの外壁においてそれら各相 互接触部分にいずれか一方または両方の相互接触部分にそれぞれ対応する凹凸を 形成して双方を嵌着して成るものである。

【００１２】

【考案の実施の形態】

本考案の実施例を図で説明すると、本考案は、図３に示すように、カ−エアコ ン等の空気調和装置の冷却サイクルにおける冷媒中の水分を取除くドライヤ−タ ンク１において、 図１の（イ）に示すように、合成樹脂製の吸着材収納容器２を、ドライヤ−タ ンク１の内径と同径の外径を有し、底壁２ａに小孔群４を有するとともに該底壁 中央を開口２ｂし、その開口２ｂの内縁から貫通受筒３を側壁２ｃ高さに達する ように一体的に垂設して形成する。

【００１３】 そして、前記吸着材収納容器２内に、底面２ｄに濾紙８を敷いて顆粒状の吸着 材７を充填し、その上に濾紙９を被せたうえ小孔群６を有し且つ前記貫通受筒３ の外径に合致する開口部を有する落込み蓋５を嵌着して容器部Ａを構成する。 前記濾紙８，９は粒子が小孔群４，６から排出されるのを防止すると共に微細 粉体を吸着するものである。 この容器部Ａの貫通受筒３内に、図１の（ロ）に示す冷媒導入パイプＢを、図 ２に示すように、串刺し状態に挿着する。

【００１４】 そして、以上のように前記容器部Ａと前記冷媒導入パイプＢの組合わせ状態に おいて、前記ドライヤ−タンク１内に、図１０及び図１１に示すように、いずれ か一方または両方の相互接触部分に固定手段Ｋを設けて挿入して固定できるよう にする。

【００１５】 ドライヤ−タンク１内に容器部Ａと冷媒導入パイプＢを固定する前記固定手段 Ｋは、各種形態が可能であり、その態様例としてドライヤ−タンク１内壁と吸着 材収納容器２外壁を同径にして密着させ（図３に示す）その摩擦力による固定が 可能である。 また、吸着材収納容器２の開口の内壁と落し込み蓋５の外周面（図９、図１０ 及び図１１の（イ）に示す）、吸着材収納容器２の貫通受筒３内壁と冷媒導入パ イプＢの外壁（図１１の（ロ）及び（ハ）に示す）の相互接触部分にいずれか一 方または両方の相互接触部分にそれぞれ対応する凹凸を形成して双方を嵌合させ ることにより固定できるようにする。

【００１６】 前記吸着材収納容器２は、プラスチック等の合成樹脂を用いた場合、金型によ って貫通受筒３が一体的に形成できる。 金属製の場合には、貫通受筒３を合成樹脂のように一体形成することが困難な ので、図４に示すように、金属パイプの貫通受筒３を用いて吸着材収納容器２に 溶着又は嵌着等で固定する。

【００１７】

【アッセンブリ−の組立方法】

本考案アッセンブリ−を組立てる工程は、容器部Ａと冷媒導入パイプＢとが分 離したまま組立てられる。 その組立工程は、吸着材収納容器２に濾紙８を敷き、吸着材７を充填し、その 吸着材７の上に濾紙９を被せて落し込み蓋５をする。そして、落し込み蓋５を装 着したら時間を置かずに容器部Ａを梱包用気密性樹脂シ−トＫで気密梱包して、 吸着材７が大気中の湿気を吸わないようにする。（図７に梱包状態を示す）

【００１８】 ドライヤ−タンク１へ装着する組立て工程においては、ドライヤ−タンク１の 規格がメ−カ−、機種などにより、冷媒導入パイプＢの長さが多様であるので、 あらかじめ数十種類の長さの冷媒導入パイプＢを用意しておき、それらの中から ドライヤ−タンク１に合致する一本を選択し、容器部Ａの気密梱包を解いて短時 間で、冷媒導入パイプＢを挿入してドライヤ−タンク１内に固定して組立が完了 する。

【００１９】

【考案の作用並びに効果】

本考案は、以上のように容器部Ａと冷媒導入パイプＢとが独立組立方式なので 、従来の吸着材収納容器ＣとパイプＰとが一体型のアッセンブリ−と比較すると 、容器部Ａ部分のみが分離製造できることにより製造の自動化が容易となり、さ らにドライヤ−タンク１との組立てにおいては、ドライヤ−タンク１内へ容器部 Ａを先行挿入し、冷媒導入パイプＢを長さ選択して追っかけ挿入する流れ作業が 効率的にでき、さらにその際に固定手段Ｋにより簡単にドライヤ−タンク１内に アッセンブリ−が固定できるようになった。

【００２０】 また、アッセンブリ−の工場間配送に当っては、従来の一体型では、パイプに よる突出部分があるために嵩ばって、例えば１斗缶に約８０固しか収納できなか ったが、本考案では、冷媒導入パイプＢは梱包せずに別途搬送すれば良いので、 同じ１斗缶に容器部Ａのみ収納すると約倍の１５０固以上も収納することが可能 となる。このように、一度に多くを効率良く運搬できるので輸送コストが削減で きる。

【００２１】 またアッセンブリ−の梱包において、従来の一体型が、パイプによる突出部分 があるために、気密包装内に湿気を含んだ大きな隙間空間が発生し、そこの湿気 が吸着材Ｍに吸着されて湿気吸着能力が大きく低下を来すのに対して、本考案は 、容器部Ａ部分のみの気密梱包となるので湿気の存在する隙間が殆ど発生しない 。この結果、吸着材７の湿気吸着量が従来のパイプ一体型と比較すると湿度吸収 率で約７０％の削減ができ、湿気吸着能力を高く保持することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の容器部Ａ（イ）と、冷媒導入パイプＢ
（ロ）とを分離した状態を示す縦断側面図。

【図２】本考案の容器部Ａと冷媒導入パイプＢとを組立
てた状態を示す縦断側面図。

【図３】ドライヤ−タンクへの使用状態を示す縦断側面
図。

【図４】別の態様を示す縦断側面図。

【図５】従来の一体型アッセンブリ−の縦断側面図。

【図６】従来の一体型アッセンブリ−のドライヤ−タン
クへの使用状態を示す縦断側面図。

【図７】本考案の容器部Ａの梱包状態を示す縦断側面
図。

【図８】従来の一体型アッセンブリ−の梱包状態を示す
縦断側面図。

【図９】本考案の固定手段を示す分解縦断側面図。

【図１０】図９の冷媒導入パイプＢを容器部Ａに装着し
た状態を示す吸着材、濾紙及び小孔群を省略した縦断側
面図。

【図１１】本考案の固定手段を（イ）が吸着材収納容器
の開口の内壁に、（ロ）及び（ハ）が冷媒導入パイプに
設けた態様を示す吸着材、濾紙及び小孔群を省略した各
縦断側面図。

【符号の説明】

Ａ 容器部 Ｂ 冷媒導入パイプ Ｋ 固定手段 １ ドライヤ−タンク ２ 吸着材収納容器 ２ａ 吸着材収納容器の底壁 ２ｂ 吸着材収納容器の底壁中央開口 ２ｃ 吸着材収納容器の側壁 ２ｄ 吸着材収納容器の底面 ３ 貫通受筒 ４ 小孔群 ５ 落し込み蓋 ６ 小孔群 ７ 吸着材 ８ 濾紙 ９ 濾紙

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気調和装置の冷却サイクルにおける冷
   媒中の水分を除去するドライヤ−タンク（１）におい
   て、ドライヤ−タンク（１）の内径と同径の外径を有
   し、底壁（２ａ）に小孔群（４）を有するとともに該底
   壁中央を開口（２ｂ）し、その開口（２ｂ）の内縁から
   貫通受筒（３）を側壁（２ｃ）高さに達するように垂設
   して成る吸着材収納容器（２）内に、底面（２ｄ）に濾
   紙（８）を敷いて顆粒状の吸着材（７）を充填し、その
   上に濾紙（９）を被せたうえ小孔群（６）を有し且つ前
   記貫通受筒（３）の外径に合致する開口部を有する落し
   込み蓋（５）を嵌着した容器部（Ａ）と、その容器部
   （Ａ）の貫通受筒（３）内に串刺し状態に挿着する冷媒
   導入パイプ（Ｂ）とから構成され、前記（Ａ），（Ｂ）
   が相互の固定手段（Ｋ）を介して組合わさった状態で前
   記ドライヤ−タンク（１）内に固定できるようにした空
   気調和装置の冷媒ドライヤ−アッセンブリ−。
2. 【請求項２】 吸着材収納容器（２）が合成樹脂製であ
   る請求項１の空気調和装置の冷媒ドライヤ−アッセンブ
   リ−。
3. 【請求項３】 固定手段（Ｋ）が、ドライヤ−タンク
   （１）内壁と吸着材収納容器（２）外壁又は／及び吸着
   材収納容器（２）の開口の内壁と落し込み蓋（５）の外
   周面又は／及び吸着材収納容器（２）の貫通受筒（３）
   内壁と冷媒導入パイプ（Ｂ）の外壁においてそれら各相
   互接触部分にいずれか一方または両方の相互接触部分に
   それぞれ対応する凹凸を形成して双方を嵌着して成る請
   求項１又は２の空気調和装置の冷媒ドライヤ−アッセン
   ブリ−。