JP3035130B2 - 液晶表示装置及び液晶表示装置用複合板 - Google Patents
液晶表示装置及び液晶表示装置用複合板Info
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- JP3035130B2 JP3035130B2 JP5217218A JP21721893A JP3035130B2 JP 3035130 B2 JP3035130 B2 JP 3035130B2 JP 5217218 A JP5217218 A JP 5217218A JP 21721893 A JP21721893 A JP 21721893A JP 3035130 B2 JP3035130 B2 JP 3035130B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフィルターガラ
ス、偏光板等からなる液晶パネルと、該液晶パネルの前
面を保護する反射低減用マルチコーティングを施して反
射防止処理膜を形成した前面透明板とを備えた液晶表示
装置及び液晶表示装置用複合板に関するものである。
ス、偏光板等からなる液晶パネルと、該液晶パネルの前
面を保護する反射低減用マルチコーティングを施して反
射防止処理膜を形成した前面透明板とを備えた液晶表示
装置及び液晶表示装置用複合板に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の液晶表示装置、例えば、光源とし
てバックライトを利用する透過型液晶表示装置は、図５
に示すように、カラーフィルターガラス１、偏光板２、
ブラックマトリクス３等からなり、バックライト（図示
せず）から発光される白色光より画像透過光を得る液晶
パネル４と、該液晶パネル４の前面（バックライトと反
対側の面）に空気層５を介して配設したアクリル材等よ
り形成された前面透明板６とを備えてなり、該前面透明
板６により該液晶パネル４に直接外力が加わらない構造
として該液晶パネル４を機械的に保護するとともに、ゴ
ミや埃等の汚れに対しても保護する構造としてなるもの
である。
てバックライトを利用する透過型液晶表示装置は、図５
に示すように、カラーフィルターガラス１、偏光板２、
ブラックマトリクス３等からなり、バックライト（図示
せず）から発光される白色光より画像透過光を得る液晶
パネル４と、該液晶パネル４の前面（バックライトと反
対側の面）に空気層５を介して配設したアクリル材等よ
り形成された前面透明板６とを備えてなり、該前面透明
板６により該液晶パネル４に直接外力が加わらない構造
として該液晶パネル４を機械的に保護するとともに、ゴ
ミや埃等の汚れに対しても保護する構造としてなるもの
である。
【０００３】上記のように構成した液晶表示装置は、バ
ックライト（図示せず）から発光された白色光を液晶パ
ネル４に入射し、該液晶パネル４を透過した画像透過光
により空気層５及び前面透明板６を介して画像表示して
なるものである。
ックライト（図示せず）から発光された白色光を液晶パ
ネル４に入射し、該液晶パネル４を透過した画像透過光
により空気層５及び前面透明板６を介して画像表示して
なるものである。
【０００４】一方、液晶表示画面の視認性を阻害する要
因のひとつに液晶表示装置の前面での外光反射がある
が、一般に光の反射は屈折の異なる物質の境界面にて 反射率Ｒ＝〔（ｎ１−ｎ２）2／（ｎ１＋ｎ２）2〕×１
００（％） ｎ１，ｎ２：物質の屈折率 で示す反射率をもって反射光が生じる。
因のひとつに液晶表示装置の前面での外光反射がある
が、一般に光の反射は屈折の異なる物質の境界面にて 反射率Ｒ＝〔（ｎ１−ｎ２）2／（ｎ１＋ｎ２）2〕×１
００（％） ｎ１，ｎ２：物質の屈折率 で示す反射率をもって反射光が生じる。
【０００５】この外光反射について詳細に説明すると、
前面透明板６の前面（外光入射面）６ａでの反射は、該
前面透明板６の屈折率を１.５、透過率を９２％とする
と、入射外光の約４.３％が反射光として反射し、該前
面透明板６の後面６ｂでの反射光は、入射外光の約４.
１％となる。また、液晶パネル４内の偏光板２の前面２
ａでは、該偏光板２の屈折率を１.４９％、透過率を４
１％とすると、入射外光の３.３％が反射し、該液晶パ
ネル４内のカラーフィルターガラス１のブラックマトリ
クス３面に接する１ｂでは、画素開口率を４０％、ブラ
ックマトリクス３の反射率を３０％、カラーフィルター
ガラス１の透過率を９５％とすると、入射外光の約１
１.６％が反射する。なお、カラーフィルターガラス１
の前面（偏光板２との境界面）１ａでの反射は、該カラ
ーフィルターガラス１の屈折率と偏光板の屈折率がほぼ
同一であるため、無視できるものである。
前面透明板６の前面（外光入射面）６ａでの反射は、該
前面透明板６の屈折率を１.５、透過率を９２％とする
と、入射外光の約４.３％が反射光として反射し、該前
面透明板６の後面６ｂでの反射光は、入射外光の約４.
１％となる。また、液晶パネル４内の偏光板２の前面２
ａでは、該偏光板２の屈折率を１.４９％、透過率を４
１％とすると、入射外光の３.３％が反射し、該液晶パ
ネル４内のカラーフィルターガラス１のブラックマトリ
クス３面に接する１ｂでは、画素開口率を４０％、ブラ
ックマトリクス３の反射率を３０％、カラーフィルター
ガラス１の透過率を９５％とすると、入射外光の約１
１.６％が反射する。なお、カラーフィルターガラス１
の前面（偏光板２との境界面）１ａでの反射は、該カラ
ーフィルターガラス１の屈折率と偏光板の屈折率がほぼ
同一であるため、無視できるものである。
【０００６】上述したように、従来の液晶表示装置全体
では合計で入射外光の約２３.３％の反射光が液晶表示
装置の前面に反射することとなり、液晶表示画面の視認
性を阻害する要因となっており、特に外光量の多い明る
い環境下においては、液晶表示装置の画面輝度に比べて
反射光の輝度の方が大きくなり、表示画面のコントラス
トを著しく悪化させて視認性を大きく損なうという問題
がある。
では合計で入射外光の約２３.３％の反射光が液晶表示
装置の前面に反射することとなり、液晶表示画面の視認
性を阻害する要因となっており、特に外光量の多い明る
い環境下においては、液晶表示装置の画面輝度に比べて
反射光の輝度の方が大きくなり、表示画面のコントラス
トを著しく悪化させて視認性を大きく損なうという問題
がある。
【０００７】そこで、液晶表示装置の前面での反射光を
低減し、視認性を改善するために、図６に示すように、
前面透明板６の反射防止処理として、該前面透明板６の
表面に薄膜の反射低減用マルチコーティング７を施すこ
とにより、反射防止処理膜を形成したものが従来より提
案されている。
低減し、視認性を改善するために、図６に示すように、
前面透明板６の反射防止処理として、該前面透明板６の
表面に薄膜の反射低減用マルチコーティング７を施すこ
とにより、反射防止処理膜を形成したものが従来より提
案されている。
【０００８】この薄膜の反射低減用マルチコーティング
７による反射防止の原理は、ある波長でのマルチコーテ
ィング層への入射光の位相と該マルチコーティング層裏
面での反射光の位相とが逆相となって相殺することによ
り、前面への反射光を抑えるというものである。
７による反射防止の原理は、ある波長でのマルチコーテ
ィング層への入射光の位相と該マルチコーティング層裏
面での反射光の位相とが逆相となって相殺することによ
り、前面への反射光を抑えるというものである。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図５にかかる従来の液晶表示装置では、外光反射によ
り液晶表示画面の視認性を損なうという問題があり、ま
た、前面透明板に薄膜の反射低減用マルチコーティング
を施したものにあっては、液晶表示装置の前面での反射
光を低減し、視認性を改善するための、前面透明板の前
面の反射低減用マルチコーティングは有効ではあるが、
図６に水滴に対する接触角特性を示すように、親水性が
良いため指紋や水垢等の汚れが付着しやすく、汚れが目
立つという問題があるとともに、反射低減用マルチコー
ティングの層厚によっては反射光の色付きが起こるとい
う問題がある。
た図５にかかる従来の液晶表示装置では、外光反射によ
り液晶表示画面の視認性を損なうという問題があり、ま
た、前面透明板に薄膜の反射低減用マルチコーティング
を施したものにあっては、液晶表示装置の前面での反射
光を低減し、視認性を改善するための、前面透明板の前
面の反射低減用マルチコーティングは有効ではあるが、
図６に水滴に対する接触角特性を示すように、親水性が
良いため指紋や水垢等の汚れが付着しやすく、汚れが目
立つという問題があるとともに、反射低減用マルチコー
ティングの層厚によっては反射光の色付きが起こるとい
う問題がある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、その第１の技術手
段は、少なくともカラーフィルターガラス及び該カラー
フィルターガラス前面に貼付された偏光板からなる液晶
パネルと、該液晶パネルの前面に貼付され、該液晶パネ
ルを保護する透明板と、該透明板の前面に貼付され、表
面に凹凸部を備えた反親水性の汚れ防止膜とを備えた液
晶表示装置であることを特徴とする。
決するためになされたものであって、その第１の技術手
段は、少なくともカラーフィルターガラス及び該カラー
フィルターガラス前面に貼付された偏光板からなる液晶
パネルと、該液晶パネルの前面に貼付され、該液晶パネ
ルを保護する透明板と、該透明板の前面に貼付され、表
面に凹凸部を備えた反親水性の汚れ防止膜とを備えた液
晶表示装置であることを特徴とする。
【００１１】第２の技術手段は、少なくともカラーフィ
ルターガラス及び該カラーフィルターガラス前面に貼付
された偏光板からなる液晶パネルと、前記偏光板と同一
の屈折率であって、前記液晶パネルの前面に前記偏光板
と同一の屈折率の接着剤で貼付された前記液晶パネルを
保護する透明板と、該透明板の前面に貼付された反射防
止膜とを備えた液晶表示装置であることを特徴とする。
第３の技術手段は、少なくともカラーフィルターガラス
及び該カラーフィルターガラス前面に貼付された偏光板
からなる液晶パネルと、前記偏光板と同一の屈折率であ
って、前記液晶パネルの前面に前記偏光板と同一の屈折
率の接着剤で貼付された前記液晶パネルを保護する透明
板と、それぞれ異なる層厚のコーティング層でマルチコ
ーティング形成され、前記透明板の前面に貼付された反
射防止膜とを備えた液晶表示装置であることを特徴とす
る。第４の技術手段は、前記第２の技術手段または第３
の技術手段の液晶表示装置において、前記反射防止膜の
前面に貼付された反親水性の汚れ防止膜を備えたことを
特徴とする。第５の技術手段は、前記第４の技術手段の
液晶表示装置において、前記汚れ防止膜の表面に凹凸部
を備えたことを特徴とする。
ルターガラス及び該カラーフィルターガラス前面に貼付
された偏光板からなる液晶パネルと、前記偏光板と同一
の屈折率であって、前記液晶パネルの前面に前記偏光板
と同一の屈折率の接着剤で貼付された前記液晶パネルを
保護する透明板と、該透明板の前面に貼付された反射防
止膜とを備えた液晶表示装置であることを特徴とする。
第３の技術手段は、少なくともカラーフィルターガラス
及び該カラーフィルターガラス前面に貼付された偏光板
からなる液晶パネルと、前記偏光板と同一の屈折率であ
って、前記液晶パネルの前面に前記偏光板と同一の屈折
率の接着剤で貼付された前記液晶パネルを保護する透明
板と、それぞれ異なる層厚のコーティング層でマルチコ
ーティング形成され、前記透明板の前面に貼付された反
射防止膜とを備えた液晶表示装置であることを特徴とす
る。第４の技術手段は、前記第２の技術手段または第３
の技術手段の液晶表示装置において、前記反射防止膜の
前面に貼付された反親水性の汚れ防止膜を備えたことを
特徴とする。第５の技術手段は、前記第４の技術手段の
液晶表示装置において、前記汚れ防止膜の表面に凹凸部
を備えたことを特徴とする。
【００１２】第６の技術手段は、偏光板と、該偏光板の
前面に貼付され、液晶パネルを保護する透明板と、該透
明板の前面に貼付された反射防止膜と、該反射防止膜の
前面に貼付され、表面に凹凸部を備えた反親水性の汚れ
防止膜とを備えた液晶表示装置用複合板であることを特
徴とする。第７の技術手段は、偏光板と、該偏光板と同
一の屈折率であって、該偏光板の前面に該偏光板と同一
の屈折率の接着剤で貼付された液晶パネルを保護する透
明板と、該透明板の前面に貼付された反射防止膜とを備
えたことを特徴とする液晶表示装置用複合板。第８の技
術手段は、偏光板と、該偏光板と同一の屈折率であっ
て、該偏光板の前面に該偏光板と同一の屈折率の接着剤
で貼付された液晶パネルを保護する透明板と、それぞれ
異なる層厚のコーティング層でマルチコーティング形成
され、前記透明板の前面に貼付された反射防止膜とを備
えた液晶表示装置用複合板であることを特徴とする。第
９の技術手段は、前記第７の技術手段または第８の技術
手段の液晶表示装置用複合板において、前記反射防止膜
の前面に貼付された反親水性の汚れ防止膜を備えたこと
を特徴とする。第１０の技術手段は、前記第９の技術手
段の液晶表示装置用複合板において、前記汚れ防止膜の
表面に凹凸部を備えたことを特徴とする。
前面に貼付され、液晶パネルを保護する透明板と、該透
明板の前面に貼付された反射防止膜と、該反射防止膜の
前面に貼付され、表面に凹凸部を備えた反親水性の汚れ
防止膜とを備えた液晶表示装置用複合板であることを特
徴とする。第７の技術手段は、偏光板と、該偏光板と同
一の屈折率であって、該偏光板の前面に該偏光板と同一
の屈折率の接着剤で貼付された液晶パネルを保護する透
明板と、該透明板の前面に貼付された反射防止膜とを備
えたことを特徴とする液晶表示装置用複合板。第８の技
術手段は、偏光板と、該偏光板と同一の屈折率であっ
て、該偏光板の前面に該偏光板と同一の屈折率の接着剤
で貼付された液晶パネルを保護する透明板と、それぞれ
異なる層厚のコーティング層でマルチコーティング形成
され、前記透明板の前面に貼付された反射防止膜とを備
えた液晶表示装置用複合板であることを特徴とする。第
９の技術手段は、前記第７の技術手段または第８の技術
手段の液晶表示装置用複合板において、前記反射防止膜
の前面に貼付された反親水性の汚れ防止膜を備えたこと
を特徴とする。第１０の技術手段は、前記第９の技術手
段の液晶表示装置用複合板において、前記汚れ防止膜の
表面に凹凸部を備えたことを特徴とする。
【００１３】
【作用】第１、４及び５の技術手段の液晶表示装置、及
び第６、９及び１０の技術手段の液晶表示装置用複合板
は、反射防止処理膜にて外光反射を低減し、しかも反親
水性の汚れ防止膜により、指紋や水垢等の汚れが前面透
明板に付着するのを防止することができる。
び第６、９及び１０の技術手段の液晶表示装置用複合板
は、反射防止処理膜にて外光反射を低減し、しかも反親
水性の汚れ防止膜により、指紋や水垢等の汚れが前面透
明板に付着するのを防止することができる。
【００１４】第２〜５の技術手段の液晶表示装置、及び
第７〜１０の技術手段の液晶表示装置用複合板は、反射
防止処理膜にて外光反射を低減し、また、液晶パネルに
透明板を貼着する接着剤は液晶パネルの偏光板と同一の
屈折率であることにより、液晶表示部内層での外光反射
を低減することができる。さらに、第３〜５の技術手段
の液晶表示装置は、及び第８〜１０の技術手段の液晶表
示装置用複合板は、反射低減用マルチコーティングにお
ける反射低減波長特性を可視光波長領域と同一としたた
め、反射光の色付きを抑制することができる。
第７〜１０の技術手段の液晶表示装置用複合板は、反射
防止処理膜にて外光反射を低減し、また、液晶パネルに
透明板を貼着する接着剤は液晶パネルの偏光板と同一の
屈折率であることにより、液晶表示部内層での外光反射
を低減することができる。さらに、第３〜５の技術手段
の液晶表示装置は、及び第８〜１０の技術手段の液晶表
示装置用複合板は、反射低減用マルチコーティングにお
ける反射低減波長特性を可視光波長領域と同一としたた
め、反射光の色付きを抑制することができる。
【００１５】第１、５の技術手段の液晶表示装置、及び
第６、１０の技術手段の液晶表示装置用複合板は、反親
水性汚れ防止膜の表面が凹凸に形成されていることによ
り、反射光による反射像を散乱させてぼやけた像とし
て、明るい環境下においても視認性を一層改善すること
ができる。また、第６〜１０の技術手段の液晶表示装置
用複合板は、反親水性汚れ防止膜と反射低減用マルチコ
ーティング層を上面に備えた透明板と、該透明板の下面
に密着して取り付けられた偏光板からなることが予め一
体的に形成されているので、液晶表示装置に適用するの
に好適であり、外光反射防止効果にも優れている。
第６、１０の技術手段の液晶表示装置用複合板は、反親
水性汚れ防止膜の表面が凹凸に形成されていることによ
り、反射光による反射像を散乱させてぼやけた像とし
て、明るい環境下においても視認性を一層改善すること
ができる。また、第６〜１０の技術手段の液晶表示装置
用複合板は、反親水性汚れ防止膜と反射低減用マルチコ
ーティング層を上面に備えた透明板と、該透明板の下面
に密着して取り付けられた偏光板からなることが予め一
体的に形成されているので、液晶表示装置に適用するの
に好適であり、外光反射防止効果にも優れている。
【００１６】
【実施例】以下、本発明の液晶表示装置の一実施例を、
例えば、光源としてバックライトを利用する透過型液晶
表示装置について、図１乃至図４とともに説明するが、
上記従来例と同一部分には同一符号を使用して説明す
る。
例えば、光源としてバックライトを利用する透過型液晶
表示装置について、図１乃至図４とともに説明するが、
上記従来例と同一部分には同一符号を使用して説明す
る。
【００１７】本発明の液晶表示装置は、図１に示すよう
にカラーフィルターガラス１、偏光板２、ブラックマト
リクス３等からなり、バックライト（図示せず）から発
光される白色光より画像透過光を得る液晶パネル４と、
より一層の反射低減効果を得るために該液晶パネル４の
前面（バックライトと反対側の面）に密着して配設した
アクリル材等より形成された前面透明板６とを備えてな
り、該前面透明板６により該液晶パネル４に直接外力が
加わらない構造として該液晶パネル４を機械的に保護す
るとともに、ゴミや埃等の汚れに対しても保護する構造
としてなるものである。
にカラーフィルターガラス１、偏光板２、ブラックマト
リクス３等からなり、バックライト（図示せず）から発
光される白色光より画像透過光を得る液晶パネル４と、
より一層の反射低減効果を得るために該液晶パネル４の
前面（バックライトと反対側の面）に密着して配設した
アクリル材等より形成された前面透明板６とを備えてな
り、該前面透明板６により該液晶パネル４に直接外力が
加わらない構造として該液晶パネル４を機械的に保護す
るとともに、ゴミや埃等の汚れに対しても保護する構造
としてなるものである。
【００１８】なお、上記構成において、液晶パネル４の
偏光板２と前面透明板６とは、屈折率が該偏光板２及び
前面透明板６と同一の材料からなる粘着剤１０にて密着
して取り付けてなるものであり、偏光板２と前面透明板
６をあらかじめ密着して取り付けた複合板を用いること
ができる。
偏光板２と前面透明板６とは、屈折率が該偏光板２及び
前面透明板６と同一の材料からなる粘着剤１０にて密着
して取り付けてなるものであり、偏光板２と前面透明板
６をあらかじめ密着して取り付けた複合板を用いること
ができる。
【００１９】また、前面透明板６の前面には、図２に図
１のＡ部を拡大して示すように、数百オングストローム
の膜厚にてマルチコーティングして形成した反射防止処
理膜７と、汚れ防止膜である反親水性膜８とを施して備
え、更に、該反親水性膜８の表面に凹凸部９を備えて反
射光を散乱光とするノングレア処理を施してある。凹凸
部９を備えるにあたっては、前面透明板６の表面を凹凸
状としてから、反射防止処理膜７，反親水性膜８を順次
施してやってもよい。反親水性膜としては、例えば、有
機ケイ素化合物からなる膜が挙げられる。有機ケイ素化
合物としては、アルキルアルコキシシラン、フルオロア
ルキルシラン、ポリジメチルシロキサン誘導体等が挙け
られる。上記のように構成した液晶表示装置は、バック
ライト（図示せず）から発光された白色光を液晶パネル
４に入射し、該液晶パネル４を透過した画像透過光によ
り前面透明板６を介して画像表示してなるものである。
１のＡ部を拡大して示すように、数百オングストローム
の膜厚にてマルチコーティングして形成した反射防止処
理膜７と、汚れ防止膜である反親水性膜８とを施して備
え、更に、該反親水性膜８の表面に凹凸部９を備えて反
射光を散乱光とするノングレア処理を施してある。凹凸
部９を備えるにあたっては、前面透明板６の表面を凹凸
状としてから、反射防止処理膜７，反親水性膜８を順次
施してやってもよい。反親水性膜としては、例えば、有
機ケイ素化合物からなる膜が挙げられる。有機ケイ素化
合物としては、アルキルアルコキシシラン、フルオロア
ルキルシラン、ポリジメチルシロキサン誘導体等が挙け
られる。上記のように構成した液晶表示装置は、バック
ライト（図示せず）から発光された白色光を液晶パネル
４に入射し、該液晶パネル４を透過した画像透過光によ
り前面透明板６を介して画像表示してなるものである。
【００２０】一方、液晶表示装置の前面での外光反射に
ついて説明すると、前面透明板６の前面（外光入射面）
６ａでの反射光は、反射防止処理膜７により入射外光の
約０.１％にまで低減でき、また液晶パネル４の偏光板
２に粘着剤１０にて密着した該前面透明板６の後面６ｂ
では、該粘着剤の屈折率が該偏光板２及び前面透明板６
と同一であるため、反射は起きない。そして、液晶パネ
ル４内のカラーフィルターガラス１のブラックマトリク
ス３に対する面１ｂでは、画素開口率を４０％、ブラッ
クマトリクス３の反射率を３０％、カラーフィルターガ
ラス１の透過率を９５％とすると、入射外光の約１１.
６％が反射するので、装置全体の合計で入射外光の約１
１.８％の反射光が液晶表示装置の前面に反射すること
となり、上記従来例の約１／２に低減できるものであ
る。なお、カラーフィルターガラス１の前面（偏光板２
との境界面）１ａでの反射は、該カラーフィルターガラ
ス１の屈折率と偏光板の屈折率がほぼ同一であるため、
無視できるものである。
ついて説明すると、前面透明板６の前面（外光入射面）
６ａでの反射光は、反射防止処理膜７により入射外光の
約０.１％にまで低減でき、また液晶パネル４の偏光板
２に粘着剤１０にて密着した該前面透明板６の後面６ｂ
では、該粘着剤の屈折率が該偏光板２及び前面透明板６
と同一であるため、反射は起きない。そして、液晶パネ
ル４内のカラーフィルターガラス１のブラックマトリク
ス３に対する面１ｂでは、画素開口率を４０％、ブラッ
クマトリクス３の反射率を３０％、カラーフィルターガ
ラス１の透過率を９５％とすると、入射外光の約１１.
６％が反射するので、装置全体の合計で入射外光の約１
１.８％の反射光が液晶表示装置の前面に反射すること
となり、上記従来例の約１／２に低減できるものであ
る。なお、カラーフィルターガラス１の前面（偏光板２
との境界面）１ａでの反射は、該カラーフィルターガラ
ス１の屈折率と偏光板の屈折率がほぼ同一であるため、
無視できるものである。
【００２１】また、前面透明板６の反射防止処理膜７に
より入射外光の反射を防止するとともに、該前面透明板
６の反親水性膜８の表面に凹凸部９を備えたため反射光
による反射像を散乱させてぼやけた像として、従って、
明るい環境下においても視認性を一層改善することがで
きるものである。
より入射外光の反射を防止するとともに、該前面透明板
６の反親水性膜８の表面に凹凸部９を備えたため反射光
による反射像を散乱させてぼやけた像として、従って、
明るい環境下においても視認性を一層改善することがで
きるものである。
【００２２】そしてまた、反親水性膜８は、図３に水滴
に対する接触角特性を示すように、親水性が悪く、従っ
て指紋や水垢等の汚れが付着しにくくなるとともに、汚
れが拭き取られやすくなるものである。
に対する接触角特性を示すように、親水性が悪く、従っ
て指紋や水垢等の汚れが付着しにくくなるとともに、汚
れが拭き取られやすくなるものである。
【００２３】更に、反射防止処理膜７の各々のマルチコ
ーティング層厚を異なる所定の可視光領域の波長に対応
した層厚としてなり、例えば、図４に示すように、異な
る可視光領域の波長ｒ1，ｒ2，ｒ3に反射最低点をもつ
反射低減波長特性（図中、破線Ｂ，Ｃ，Ｄにて示す）の
層厚にて各々マルチコーティングすることにより、反射
防止処理膜７全体としての反射低減波長特性（図中、実
線Ｅにて示す）を可視光波長領域でほぼ一定の反射低減
効果が得られるものとして、反射光の色付きを抑制する
ことができるものである。
ーティング層厚を異なる所定の可視光領域の波長に対応
した層厚としてなり、例えば、図４に示すように、異な
る可視光領域の波長ｒ1，ｒ2，ｒ3に反射最低点をもつ
反射低減波長特性（図中、破線Ｂ，Ｃ，Ｄにて示す）の
層厚にて各々マルチコーティングすることにより、反射
防止処理膜７全体としての反射低減波長特性（図中、実
線Ｅにて示す）を可視光波長領域でほぼ一定の反射低減
効果が得られるものとして、反射光の色付きを抑制する
ことができるものである。
【００２４】
【発明の効果】請求項１、４及び５に係る発明の液晶表
示装置、及び請求項６、９及び１０に係る発明の液晶表
示装置用複合板は、反射防止処理膜にて外光反射を低減
し、しかも反親水性の汚れ防止膜により、指紋や水垢等
の汚れが前面透明板に付着するのを防止することができ
る。請求項２〜５に係る発明の液晶表示装置、及び請求
項７〜１０に係る発明の液晶表示装置用複合板は、反射
防止処理膜にて外光反射を低減し、また、液晶パネルに
透明板を貼着する接着剤は液晶パネルの偏光板と同一の
屈折率であることにより、液晶表示部内層での外光反射
を低減することができる。さらに、請求項３〜５に係る
発明の液晶表示装置は、及び請求項８〜１０に係る発明
の液晶表示装置用複合板は、反射低減用マルチコーティ
ングにおける反射低減波長特性を可視光波長領域と同一
としたため、反射光の色付きを抑制することができる。
請求項１、５に係る発明の液晶表示装置、及び請求項
６、１０に係る発明の液晶表示装置用複合板は、反親水
性汚れ防止膜の表面が凹凸に形成されていることによ
り、反射光による反射像を散乱させてぼやけた像とし
て、明るい環境下においても視認性を一層改善すること
ができる。また、請求項６〜１０に係る発明の液晶表示
装置用複合板は、反親水性汚れ防止膜と反射低減用マル
チコーティング層を上面に備えた透明板と、該透明板の
下面に密着して取り付けられた偏光板からなることが予
め一体的に形成されているので、液晶表示装置に適用す
るのに好適であり、外光反射防止効果にも優れている。
示装置、及び請求項６、９及び１０に係る発明の液晶表
示装置用複合板は、反射防止処理膜にて外光反射を低減
し、しかも反親水性の汚れ防止膜により、指紋や水垢等
の汚れが前面透明板に付着するのを防止することができ
る。請求項２〜５に係る発明の液晶表示装置、及び請求
項７〜１０に係る発明の液晶表示装置用複合板は、反射
防止処理膜にて外光反射を低減し、また、液晶パネルに
透明板を貼着する接着剤は液晶パネルの偏光板と同一の
屈折率であることにより、液晶表示部内層での外光反射
を低減することができる。さらに、請求項３〜５に係る
発明の液晶表示装置は、及び請求項８〜１０に係る発明
の液晶表示装置用複合板は、反射低減用マルチコーティ
ングにおける反射低減波長特性を可視光波長領域と同一
としたため、反射光の色付きを抑制することができる。
請求項１、５に係る発明の液晶表示装置、及び請求項
６、１０に係る発明の液晶表示装置用複合板は、反親水
性汚れ防止膜の表面が凹凸に形成されていることによ
り、反射光による反射像を散乱させてぼやけた像とし
て、明るい環境下においても視認性を一層改善すること
ができる。また、請求項６〜１０に係る発明の液晶表示
装置用複合板は、反親水性汚れ防止膜と反射低減用マル
チコーティング層を上面に備えた透明板と、該透明板の
下面に密着して取り付けられた偏光板からなることが予
め一体的に形成されているので、液晶表示装置に適用す
るのに好適であり、外光反射防止効果にも優れている。
【図１】本発明の液晶表示装置の一実施例を示す概略説
明図である。
明図である。
【図２】図１におけるＡ部拡大説明図である。
【図３】本発明の液晶表示装置の一実施例における反親
水性膜の水滴に対する接触角特性を示す模式説明図であ
る。
水性膜の水滴に対する接触角特性を示す模式説明図であ
る。
【図４】本発明の液晶表示装置の一実施例における反射
低減用マルチコーティングにおける反射低減波長特性を
示す説明図である。
低減用マルチコーティングにおける反射低減波長特性を
示す説明図である。
【図５】従来の液晶表示装置を示す概略説明図である。
【図６】従来の液晶表示装置における反射防止処理の水
滴に対する接触角特性を示す模式説明図である。
滴に対する接触角特性を示す模式説明図である。
１…カラーフィルターガラス、２…偏光板、４…液晶パ
ネル、６…前面透明板、７…反射防止処理膜、８…反親
水性膜、９…凹凸部。
ネル、６…前面透明板、７…反射防止処理膜、８…反親
水性膜、９…凹凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 康乗 幸雄 大阪府高槻市塚原２丁目10番１号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 参納 春義 大阪府高槻市塚原２丁目10番１号 住友 化学工業株式会社内 審査官 井口 猶二 (56)参考文献 特開 昭64−86101（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−96415（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G02F 1/1335 G02B 1/10
Claims (10)
- 【請求項１】 少なくともカラーフィルターガラス及び
該カラーフィルターガラス前面に貼付された偏光板から
なる液晶パネルと、該液晶パネルの前面に貼付され、該
液晶パネルを保護する透明板と、該透明板の前面に貼付
され、表面に凹凸部を備えた反親水性の汚れ防止膜とを
備えたことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項２】 少なくともカラーフィルターガラス及び
該カラーフィルターガラス前面に貼付された偏光板から
なる液晶パネルと、前記偏光板と同一の屈折率であっ
て、前記液晶パネルの前面に前記偏光板と同一の屈折率
の接着剤で貼付された前記液晶パネルを保護する透明板
と、該透明板の前面に貼付された反射防止膜とを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項３】 少なくともカラーフィルターガラス及び
該カラーフィルターガラス前面に貼付された偏光板から
なる液晶パネルと、前記偏光板と同一の屈折率であっ
て、前記液晶パネルの前面に前記偏光板と同一の屈折率
の接着剤で貼付された前記液晶パネルを保護する透明板
と、それぞれ異なる層厚のコーティング層でマルチコー
ティング形成され、前記透明板の前面に貼付された反射
防止膜とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項４】 前記反射防止膜の前面に貼付された反親
水性の汚れ防止膜を備えたことを特徴とする請求項２ま
たは３に記載の液晶表示装置。 - 【請求項５】 前記汚れ防止膜の表面に凹凸部を備えた
ことを特徴とする請求項４に記載の液晶表示装置。 - 【請求項６】 偏光板と、該偏光板の前面に貼付され、
液晶パネルを保護する透明板と、該透明板の前面に貼付
された反射防止膜と、該反射防止膜の前面に貼付され、
表面に凹凸部を備えた反親水性の汚れ防止膜とを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置用複合板。 - 【請求項７】 偏光板と、該偏光板と同一の屈折率であ
って、該偏光板の前面に該偏光板と同一の屈折率の接着
剤で貼付された液晶パネルを保護する透明板と、該透明
板の前面に貼付された反射防止膜とを備えたことを特徴
とする液晶表示装置用複合板。 - 【請求項８】 偏光板と、該偏光板と同一の屈折率であ
って、該偏光板の前面に該偏光板と同一の屈折率の接着
剤で貼付された液晶パネルを保護する透明板と、それぞ
れ異なる層厚のコーティング層でマルチコーティング形
成され、前記透明板の前面に貼付された反射防止膜とを
備えたことを特徴とする液晶表示装置用複合板。 - 【請求項９】 前記反射防止膜の前面に貼付された反親
水性の汚れ防止膜を備えたことを特徴とする請求項７ま
たは請求項８に記載の液晶表示装置用複合板。 - 【請求項１０】 前記汚れ防止膜の表面に凹凸部を備え
たことを特徴とする請求項９に記載の液晶表示装置用複
合板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5217218A JP3035130B2 (ja) | 1992-09-02 | 1993-09-01 | 液晶表示装置及び液晶表示装置用複合板 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23455792 | 1992-09-02 | ||
| JP4-234557 | 1992-09-02 | ||
| JP5217218A JP3035130B2 (ja) | 1992-09-02 | 1993-09-01 | 液晶表示装置及び液晶表示装置用複合板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH075452A JPH075452A (ja) | 1995-01-10 |
| JP3035130B2 true JP3035130B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=26521896
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5217218A Expired - Lifetime JP3035130B2 (ja) | 1992-09-02 | 1993-09-01 | 液晶表示装置及び液晶表示装置用複合板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3035130B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006091422A (ja) * | 2004-09-24 | 2006-04-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | 正反射光色の色相を制御した表示装置 |
| WO2008038511A1 (fr) | 2006-09-28 | 2008-04-03 | Sharp Kabushiki Kaisha | Panneau d'affichage à cristaux liquides et appareil d'affichage à cristaux liquides |
| JP5338407B2 (ja) * | 2009-03-18 | 2013-11-13 | カシオ計算機株式会社 | 平面表示モジュールとその製造方法 |
| KR101147416B1 (ko) * | 2010-07-26 | 2012-05-23 | 삼성모바일디스플레이주식회사 | 표시 장치 |
-
1993
- 1993-09-01 JP JP5217218A patent/JP3035130B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH075452A (ja) | 1995-01-10 |
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