JP3032140U - 断熱壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造からなり、作業に手間がかから
ず、家屋の断熱性が得られ、かつ外側の板材が有効に使
用される断熱壁構造。 【解決手段】 家屋外壁柱間に嵌合され、外側の板材に
固定される板状合成樹脂発泡体の角部にそれぞれタテ溝
が切欠かれてあり、その外側に位置するタテ溝に嵌入さ
れたクッション性のある丸棒を覆うように、合成樹脂フ
イルムが外側の板材の裏面外側寄りから板状合成樹脂発
泡体の側面とその内側に位置するタテ溝を経てその裏側
にかかる程度に付着しており、その内側に位置するタテ
溝の箇所に合成樹脂フイルムを介して他のクッション性
のある丸棒が嵌入してある断熱壁構造。さらに、外側の
板材に板材固定用の釘又はビスならびに板状合成樹脂発
泡体固定用の係止ピンの孔を予め開けておく。 【効果】 断熱性がよく、簡単な構造で、作業に手間が
かからない。また、外側の板材の強度低下を防ぐ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は断熱壁構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、断熱壁構造に関し、板状合成樹脂発泡体の気密性保持の方法について種 々提案がなされている。たとえば、間柱を含む柱部に板状合成樹脂発泡体の厚さ より幾分少なめに、板状合成樹脂発泡体が幅方向で余分に入り込むようにして、 気密性を得ようとしているものがあるが、柱部の切り込みに手間がかかる。また 、板状合成樹脂発泡体と柱間にくさびを差して気密性を得んとするものがあるが 、板状合成樹脂発泡体が反りかえり、かえって気密性が損なわれる。この反りを 防止するため、反り面にベニヤ板を当てる方法もあるが煩雑である。さらに、Ｕ 字型の板状合成樹脂発泡体の両端部内側を切欠いて弾性を与え、Ｕ字型の内側に ポリウレタンを注入し、外側の板材との接着をはかっているものもあるが、気密 性が不充分な上、作業に手間がかかる。

【０００３】 一方、板状合成樹脂発泡体を保持する外側の板材に関しては、間柱を含む柱に 固定する際、釘などの不均一な打ち込みにより板断面が減少し、機械的強度が低 下しやすい。このため、構造用合板の場合、厚さ９ｍｍで足りるところを１２ｍ ｍにしている場合が多い。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は間柱を含む柱と外側の板材とのすぐれた断熱が得られ、かつ簡単な構 造で、作業に手間がかからず、外側の板材が有効に使用される断熱壁構造を提供 せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

ここにおいて本考案者は、家屋外壁の内側の間柱を含む柱間に嵌合され、外側 の板材に固定される板状合成樹脂発泡体の角部にそれぞれタテ溝が切欠かれてあ り、その外側に位置するタテ溝に嵌入されたクッション性のある丸棒を覆うよう に、合成樹脂フイルムが外側の板材の裏面外側寄りから板状合成樹脂発泡体の側 面とその内側に位置するタテ溝を経てその裏側にかかる程度に付着しており、そ の内側に位置するタテ溝の箇所に合成樹脂フイルムを介して他のクッション性の ある丸棒が嵌入してある断熱壁構造を見出した。

【０００６】 そして、外側の板材が板材固定用の釘又はビスならびに板状合成樹脂発泡体固 定用の係止ピンの孔を予め開けてあるものであると効果的であることを見出した 。

【０００７】 さらに、板状合成樹脂発泡体がポリスチレンからなり、クッション性のある丸 棒がゴム弾性体で、合成樹脂フイルムがポリ塩化ビニ−ルからなるものが好適で あることを見出した。

【０００８】

【考案の実施の形態】

通常、板状合成樹脂発泡体と柱間の間隙は規定で０．５ｍｍとなっているが、 作業性の面から２〜３ｍｍにしている場合が多い。本考案は柱間に板状合成樹脂 発泡体を差込み易くし、板状合成樹脂発泡体を柱間に差込む作業の迅速化をはか るため、柱と板状合成樹脂発泡体との間隙をさらに大きめにしてある。この間隙 を塞ぐため、本考案では板状合成樹脂発泡体の角部にタテ溝を切欠き、たとえば 鋭角にくさび状にする。そこにクッション性のある丸棒を直接、および合成樹脂 フイルムを介して嵌入して、柱との気密性をよくし、断熱をはかるようにしてあ る。

【０００９】 合成樹脂フイルムは、柱間に板状合成樹脂発泡体を円滑に差込めるようにする ほか、柱との気密性をよくするため、やや厚手のものを使用する。合成樹脂フイ ルムの外側の板材および板状合成樹脂発泡体への付着は接着剤などによりおこな う。なお、板状合成樹脂発泡体の上下の箇所は、構造的に気密性が保たれるので 、格別の対策を要しない。

【００１０】 外側の板材に関しては、これに板材固定用の釘又はビスならびに板状合成樹脂 発泡体固定用の係止ピンの孔を予め開けておくことにより、これらの不均一な打 ち込みにより板材断面が減少し、機械的強度が低下するのを防ぐ。予め孔を開け ておくことにより、弱い力で打ち込みができるので、板材面を傷めず、板材の強 度が減少しない。

【００１１】 外側の板材に板状合成樹脂発泡体を固定するのに、板材に予め開けておいた孔 に、断熱性のあるプラスチックで先端が釣針状に開脚する係止ピンを差し込むな どの方法がある。接着剤を用いると、あとで反対側が反りやすくなり好ましくな い。余分の孔は水蒸気の吐き出し効果が期待できる。

【００１２】

【実施例】

以下、実施例により本考案をさらに具体的に説明する。図１に概略を示すが、 角部にそれぞれタテ溝２が切欠かれてある板状合成樹脂発泡体１が２枚、外側の 板材７に固定され、その外側に位置するタテ溝２に嵌入されたクッション性のあ る丸棒３を覆うように、合成樹脂フイルム４が外側の板材７の裏面外側か寄りか ら板状合成樹脂発泡体１の側面とその内側に位置するタテ溝２を経てその裏側に かかる程度に付着しているものを間柱６を有する柱５間に差し込む。そのあとで 、板状合成樹脂発泡体１の内側に位置するタテ溝２の箇所に合成樹脂フイルム４ を介して他のクッション性のある丸棒３を嵌入して気密にし、断熱壁構造を得る 。なお、外側の板材７には所定位置に多数のビス孔８およびプラスチックの係止 ピンの孔９を開けてある。

【００１３】

【考案の効果】

以上の通り、本考案の断熱壁構造は間柱を含む柱と外側の板材との断熱のため の気密性が得られやすく、かつ簡単な構造からなり、作業に手間がかからない。 また、外側の板材に予めビス等の孔を開けておくことにより、板材の強度低下を 防ぐ。

【図面の簡単な説明】

【図１】断熱壁構造の一例を示す説明図である。ただ
し、合成樹脂フイルムには符号を付してない。

【図２】断熱壁構造の部分拡大説明図である。

【符号の説明】

１ 板状合成樹脂発泡体 ２ タテ溝 ３ クッション性のある丸棒 ４ 合成樹脂フイルム ５ 柱 ６ 間柱 ７ 外側の板材 ８ ビス孔 ９ 係止ピンの孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６０５ Ｅ０４Ｂ 2/56 ６０５Ｚ ６１１ ６１１Ｃ ６２２ ６２２Ｂ ６２２Ｈ ６２２Ｌ ６４４ ６４４Ｂ ６４４Ｄ ６４５ ６４５Ｂ ６４５Ｃ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家屋外壁の内側の間柱を含む柱間に嵌合
   され、外側の板材に固定される板状合成樹脂発泡体の角
   部にそれぞれタテ溝が切欠かれてあり、その外側に位置
   するタテ溝に嵌入されたクッション性のある丸棒を覆う
   ように、合成樹脂フイルムが外側の板材の裏面外側寄り
   から板状合成樹脂発泡体の側面とその内側に位置するタ
   テ溝を経てその裏側にかかる程度に付着しており、その
   内側に位置するタテ溝の箇所に合成樹脂フイルムを介し
   て他のクッション性のある丸棒が嵌入してある断熱壁構
   造。
2. 【請求項２】 外側の板材がその板材固定用の釘又はビ
   スならびに板状合成樹脂発泡体固定用の係止ピンの孔を
   予め開けてあるものである請求項１記載の断熱壁構造。
3. 【請求項３】 板状合成樹脂発泡体がポリスチレンから
   なり、クッション性のある丸棒がゴム弾性体で、合成樹
   脂フイルムがポリ塩化ビニ−ルからなる請求項１又は２
   記載の断熱壁構造。