JP3032075B2 - 親水性ポリオレフィン繊維 - Google Patents

親水性ポリオレフィン繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロピレンまたはエチレ
ンを主たるモノマー成分とする親水性ポリオレフィン繊
維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロピレンまたはエチレンを主たるモノ
マー成分とするポリオレフィンから製造される繊維、い
わゆるポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維は各種の
用途に多用されているが、紙おむつ等の使い捨て衛生用
品の表皮材用不織布の原料繊維としても広く使用されて
いる。紙おむつ等の衛生用品は、皮膚に接触する表皮材
とその下の吸収材とから構成されていて、尿等は表皮材
を通過して吸収材に吸収されるようになっている。この
ような衛生用品が具備すべき基本的要件は、排出された
尿等によってかぶれ、むれ等の障害を起さないことであ
る。かぶれ等の障害は、排出された尿等が吸収材に全量
吸収されず表皮材表面に残ることにより発生する。従っ
てこのような障害をなくすためには、尿等が殆んど残ら
ず速やかに表皮材を通過することが重要であり、そのた
めには尿等が表皮材の繊維間に浸透して通過し易くする
ための親水性が必要である。
【0003】ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維は
本来は疎水性であり、表皮材用途には不向きであるが、
これらの短繊維は通常、繊維製造時に界面活性剤を主成
分とする油剤が繊維表面に付着されて親水性が付与され
ているため、製品化まで洗滌などの処理を受けない条件
下に表皮材用不織布の原料として使用可能である。しか
し、この場合でも紙おむつ等として着用後の最初の排尿
等により繊維表面の油剤成分が洗い流されると、その後
は親水性が低下してしまう。
【0004】また、繊維ウェブを高圧水流で絡めるスパ
ンレース法で加工された不織布は、上記水流によって繊
維表面の油剤成分が洗い落とされて親水性がなくなるた
め、改めて不織布に油剤を付着させる工程が必要であ
る。また、スパンボンド法により高速空気流によって紡
糸した後不織布化して得られる不織布は、紡糸時に油剤
を使用しないため親水性がなく、表皮材の限定された部
位にしか使用できないが油剤付着の工程を必要とする等
の問題がある。
【0005】近年、このような問題をポリオレフィンに
特定の湿潤剤(グリセライド及びアルコキシ化フェノー
ル、またはポリオキシアルキレン脂肪酸エステル単独、
またはこれらの混合物)を添加して成る組成物から繊維
を製造して繊維自体を親水性化することにより解決しよ
うとする提案がなされている(特開昭60-194113号)。し
かしながら上記湿潤剤によりポリプロピレン繊維やポリ
エチレン繊維を親水性化した場合、ポリエチレン繊維で
は充分な親水性を発現するものの、ポリプロピレン繊維
では親水性能は不充分である。また紡糸時に湿潤剤によ
るノズルでの発煙が激しく、それによる可紡性能の低下
及び紡糸作業環境の悪化という欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点が解消された親水性のポリプロピレン繊維及び
ポリエチレン繊維を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々検討した
結果、ポリプロピレン及びポリエチレンに親水性を付与
する配合剤としてアルキルスルフォネートNa塩を用い
ることにより、上記課題を達成出来ることを究明して本
発明を完成した。即ち、本発明はプロピレンまたはエチ
レンを主たるモノマー成分とするポリオレフィンにアル
キルスルフォネートNa塩を該ポリオレフィンとの合計
量に基づいて0.5〜5重量%配合して得られる組成物よ
り製造される親水性ポリオレフィン繊維に関するもので
ある。
【0008】本発明で用いられるプロピレンまたはエチ
レンを主たるモノマー成分とするポリオレフィン、いわ
ゆるポリプロピレンまたはポリエチレンは、通常公知の
チーグラー・ナッタ系触媒を用いて得られる結晶性のポ
リマーであり、単独重合体のみならず、少量例えば0.1
〜10重量%のα−オレフィン例えばエチレン,プロピレ
ン,ブテン−1等との共重合体をも包含する。本発明で
用いられるポリプロピレンのMFR(ASTMD123
8条件L)及びポリエチレンのMI(ASTMD123
8条件E)は特に限定する必要はないが、ポリプロピレ
ンならMFR5以上、ポリエチレンならMI10以上の
ものを使用した方が紡糸上好ましい。
【0009】本発明で用いられるアルキルスルフォネー
トNa塩は次に示す示性式(I)の構造を有する。 R−SO3Na・・・(I) 上式においてにおいてRはアルキル基を示す。RのC数
は10〜20個が好ましい。アルキルスルフォネートNa塩
のポリオレフィンへの配合量は、両者の合計量に基づい
て0.5〜5重量%が適切である。配合量が0.5重量%未満
では親水性が有効な程度に発現しない。また、配合量が
5重量%を超えても増量効果は殆んど認められないにも
拘わらず、紡糸時の糸切れが増加する。
【0010】本発明における組成物はポリオレフィンと
アルキルスルフォネートNa塩との上記配合物を主とす
るが、これに各種安定剤,滑剤,顔料,過酸化物の如き
ラジカル発生剤等の添加剤を本発明の効果を損なわない
範囲で含有させることが出来る。本発明における組成物
を得るには、ポリプロピレンまたはポリエチレンに、ア
ルキルキスルフォネートNa塩及び必要に応じて上記各
種添加剤を、公知の混合装置例えばヘンシェルミキサ
ー,スーパーミキサー,リボンブレンダー,バンバリー
ミキサーなどを用いて混合し、公知の単軸押出し機,2
軸押出し機,ブラベンダーまたはロールなどで溶融温度
150℃〜300℃、好ましくは180℃〜250℃で溶融混練しペ
レタイズする。
【0011】本発明に係る親水性ポリオレフィン繊維
は、その断面において特別に区分された構造を持たず全
体に亘って均一相の繊維である。このような親水性ポリ
オレフィン繊維は、上記のようにして得られた組成物か
ら公知の溶融紡糸法により製造できる。例えば、紡出ノ
ズルを装着した押出し機により、190℃〜300℃の押出し
温度で上記組成物を溶融混練すると共に紡出ノズルより
押し出し、押し出された溶融樹脂をロールにより引き取
って先ず未延伸糸を製造する。次いでこの未延伸糸を熱
ロール、熱板、熱風加熱炉等を用いて加熱しながら数倍
に延伸した後、必要に応じて捲縮装置で捲縮を与え、若
し短繊維とする場合は所定の長さにカットする。
【0012】
【実施例】以下実施例及び比較例に基づいて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。尚、実施例中に示された物性値の測定法または
定義をまとめて示しておく。
【0013】MFR:ASTM D1238 条件L MI:ASTM D1238 条件E 親水性:長さ10cm,重さ6gになるように繊維束を作成
し、4回転の撚りをかけ、その表面に赤色水性インキを
小滴付着させ、インキの繊維束内への浸透性を目視によ
り下記基準に基づいて評価する。 ◎:速やかに浸透する。 ○:5秒以内に浸透する。 △:5秒以上かかって浸透する。 ×:浸透しない。
【0014】組成物の可紡性:押出し温度250℃、1ホ
ール当りの押出し量0.5g/分、紡糸速度(巻取速度と
言うも同じ)800m/分の条件で紡糸したときの60分間
当りの糸切れ回数により下記基準に基づいて評価する。 ○:糸切れせず。 ×:糸切れ1回以上。発煙性:可紡性評価と同一の紡糸
条件でノズルでの発煙性をアルキルスルフォネートNa
塩未添加の原料の発煙性との比較を目視観察し、下記の
基準に基づいて評価する。 ○:未添加と同等の発煙性。 △:未添加より多少多い。 ×:未添加より著しく多い。
【0015】実施例1〜3及び比較例1〜3 MFR10の粉末状ポリプロピレン(単独重合体)に表
1に記載のアルキルスルフォネートNa塩の所定量を配
合すると共に該配合物100重量部に対してBHT(ブル
チル化ヒドロキシトルエン)を0.1重量部、ステアリン
酸カルシウムを0.1重量部添加してヘンシェルミキサー
で1.5分間混合した後、口径40mmの単軸押出し機で200℃
にて溶融混練しペレタイズして紡糸原料とする組成物を
得た。
【0016】このように得られたペレットを、ホール径
1mm、ホール数100個を有する紡出ノズルを装着した溶
融紡糸機より押出し温度250℃で押し出し、紡糸速度800
m/分の条件で溶融紡糸し、5.6デニールの繊維100本よ
りなる未延伸マルチフィラメントを製造した。上記工程
においてガイドとの摩擦を減じるために油剤を繊維表面
に付着させた。そして紡糸原料とした組成物の可紡性を
評価するため、紡糸時間及び糸切れ回数をカウントし
た。この未延伸マルチフィラメントの一部を100℃に加
熱された熱板上で最終延伸速度60m/分、延伸倍率3倍
の条件で延伸し、1.9デニールの繊維100本よりなる延伸
マルチフィラメントを製造した。このようにして本発明
に係る親水性ポリオレフィン繊維及び比較の繊維(それ
ぞれについて未延伸糸及び延伸糸の2種が存する)を得
た。
【0017】得られた未延伸及び延伸各マルチフィラメ
ントそれぞれ50gを水洗して油剤成分を洗い落とし、80
℃の熱風乾燥機で12時間乾燥した後、親水性を評価し
た。組成物の可紡性,発煙性及び繊維の親水性の結果を
表1に示す。
【0018】実施例4〜6及び比較例4〜6 粉末状ポリプロピレンの代わりにMIが16の粉末状ポリ
エチレン(単独重合体)を使用した以外は、実施例1〜
3,比較例1〜3と同様に行って、紡糸原料とした組成
物の可紡性及び発煙性を調べると共に、得られた親水性
ポリエチレン繊維及び比較の繊維の親水性を測定した。
結果を表2に示す。
【0019】
【0020】
【0021】表1,2から判るように、アルキルスルフ
ォネートNa塩を本発明で規定する範囲内の量で含有す
る組成物から得られるポリプロピレン繊維及びポリエチ
レン繊維は、親水性において優れていると共に可紡性も
充分であり、また紡糸時における発煙もないかあっても
実際的に問題にならない程度であり、工業的生産が可能
である。これに対し、アルキルスルフォネートNa塩を
含まない場合、または含んでいても本発明で規定する範
囲外の含有量の場合は、親水性が不充分か、充分であっ
ても可紡性が不良で実用化出来ないことが判る。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る親水性ポリオレフィン繊維
は、ポリエチレン繊維のみならず、ポリプロピレン繊維
も繊維自体に充分な永続的親水性を有しており、そして
紡糸時における発煙の弊害なく生産可能である。このよ
うな本発明に係る親水性ポリオレフィン繊維を不織布化
して紙おむつ等の表皮材に使用すれば、その製造過程で
の水洗や着用後の最初の排尿等があった後でも親水性を
良好に維持するので、常に尿等を迅速に通過させ、かぶ
れ等の障害を起こすことがなく、そして発煙のない良好
な環境下に生産できるから、生産量を増して使いすて衛
生材の表皮材としての用途を一層広げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61F 13/54 A41B 13/02 E D01F 1/10 A61F 13/18 310Z 6/30 D04H 1/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンまたはエチレンを主たるモノ
    マー成分とするポリオレフィンにアルキルスルフォネー
    トNa塩を該ポリオレフィンとの合計量に基づいて0.5
    〜5重量%配合して得られる組成物より製造される親水
    性ポリオレフィン繊維。
  2. 【請求項2】 アルキルスルフォネートNa塩が、その
    示性式(I) R−SO3Na・・・(I) において炭素原子10〜20個のアルキル基Rを有するもの
    である請求項1に記載の親水性ポリオレフィン繊維。
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WO2006056706A1 (fr) * 2004-11-29 2006-06-01 Rhodia Chimie Composition comprenant un polymere thermoplastique et un agent hydrophilisant
WO2024048630A1 (ja) * 2022-09-02 2024-03-07 宇部エクシモ株式会社 親水性繊維の製造方法及び不織布の製造方法

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