JP3030004U - 接続及び補強金物 - Google Patents

接続及び補強金物

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JP3030004U JP1996000842U JP84296U JP3030004U JP 3030004 U JP3030004 U JP 3030004U JP 1996000842 U JP1996000842 U JP 1996000842U JP 84296 U JP84296 U JP 84296U JP 3030004 U JP3030004 U JP 3030004U
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佐二 萩原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸組部材の断面の欠損を回避しながら、軸組部
材及び壁組パネルの容易かつ強固な接続が可能であると
ともに、地震や積雪等の外力に対して強い軸組と壁組パ
ネルとから成る木造住宅を実現しうる接続及び補強金物
を提供する。 【解決手段】梁6、7及び合掌小屋梁8の間に介設され
てこれらを接続及び補強するものであって、表面及び裏
面が梁6、7及び合掌小屋梁8に当接する部材受け板2
と、その部材受け板2の周囲から上方又は下方に略垂直
に折り曲げ形成される複数の押さえ板3a、3b、3c
とからなり、梁6、7及び合掌小屋梁8を接続するため
の適宜間隔の複数の釘等の差込み孔4a、4b、4cを
部材受け板2及び押さえ板3a、3b、3cに穿設した
接続及び補強金物である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、軸組と壁組パネルとから成る木造住宅に使用する接続及び補強金 物に関するもので、特に、軸組部材等に対する加工が不要であるとともに、軸組 及び壁組パネルの容易かつ強固な組建てを実現する接続及び補強金物を提供する ものである。
【0002】
【従来の技術】
軸組と壁組パネルとから成る木造住宅は、土台又は梁等の上に一定寸法(例え ば900mm)の倍数の間隔に柱を立設し、その柱の間に壁組パネルを取り付け る構成としたため、縦が一定寸法のルームサイズであって横が前記の柱の間隔寸 法に対応した数種類の寸法の壁組パネルを用意すれば、全ての建物に対応するこ とが可能となり、よって、壁組パネルの標準化が可能であるだけでなく、正確に 配置した柱の間に壁組パネルを嵌挿して組建てるため、精度よく施工できる利点 がある。
【0003】 一方、ツーバイフォー工法等は、柱を用いないで壁組パネルだけで壁枠組を構 成したため、隅角部における壁組パネルの取り合い等の関係で、縦は一定寸法の ルームサイズであるが、横は個々の建物ごとにその建物独自の寸法の壁組パネル を製造しなければならず、壁組パネルの標準化が困難であるばかりか、隅角部等 で寸法に狂いが生じやすい欠点がある。
【0004】 また、軸組と壁組パネルとから成る木造住宅は、標準化した壁組パネルを使用 しさえすれば限度で多様な設計が可能であるのに対し、ツーバイフォー工法等は 、建物ごとに独自寸法の壁組パネルを使用しなければならず、多様な設計に対応 することはできない。
【0005】 仮に、多様な設計をしようとすれば、設計を変更する度に新たな寸法の壁組パ ネルを製作しなければならないため、材料変更に伴う手間が煩雑になる等時間も かかり、工場生産性は著しく低下する結果、壁組パネルの製造コストは極端に高 くなってしまう。
【0006】 このように、軸組と壁組パネルとから成る木造住宅は、他のツーバイフォー工 法等に比べ、多く利点を有することから、最近では地元における注文が増加し、 需要が飛躍的に増大したため、公益的見地より林業等地元産業の振興に役立つと 考えられ、地方公共団体等から補助金を得て本格的な壁組パネル工場を新設する に至り、ますます地元の期待が高まっているところである。
【0007】 このような状況にあっては、より安価な住宅を提供しようとする観点からすれ ば、標準化を徹底させて工場生産性の向上を図るとともに、現地での施工性を向 上させることことはもちろんであるが、生産性、施工性を急ぐあまり建物自体の 強度低下を招く等、この住宅が本来有する利点、すなわち、地震や積雪等の外力 に対して強いという点を損なわないことが最も重要になる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
したがって、このような考えに基づいて、従来の現地施工は、図10(a)に 示すように、壁組パネル101を軸組部材102の間に嵌挿し周囲を適宜間隔の ボルト103で確実に固定するとともに、主にボルト止めできない等耐力強度が 弱いと考えられる部位(縦横の軸組部材が交差する部分や小屋組パネルと壁組パ ネルの接続部分等)を、通常の軸組工法で使用される取付金物(例えばT型金物 104、L型金物105等)で釘打ち固定して補強することにより行われていた 。
【0009】 しかしながら、図10(b)に示すように、平面板状の取付金物104又は1 05を異なる部材106と107との間で跨設し釘打ち固定しただけでは、建物 を補強する上で、地震等の強大な力が加わった場合に十分とは言えなかった。
【0010】 すなわち、例えば、地震等により図示矢印Aのような力が加わった場合に、複 数の釘108のもつ曲げ強度の合力により力Aに抗することになるが、仮に力A が強大だとすると、複数の釘108が耐えきれずに座屈して曲がってしまうため 、部材106と107とは曲がった釘が抜けて容易に引き離されることになり、 安全性が保証されないことになる。
【0011】 したがって、このような構成の取付金物は、本来的に図示矢印Aのような力に 対してあまり強いとは言えず、また、このような欠点のある取付金物を継続して 使用していくことは、地震や積雪等の外力に対して強い住宅であるという信用を 維持していく上で問題となるおそれがあった。
【0012】 また、単に平面的に構成される従来のT型金物104やL型金物105等の取 付金物では、互いに交差する軸組部材同士若しくは壁組パネル同士又は軸組部材 と壁組パネルとの間における接続及び補強には事実上使用できないという不都合 があった。
【0013】 さらに、従来、1階天井付近に配設される二階梁に床梁を架設する場合等にあ っては、予め床梁の端部にほぞを加工するとともに、二階梁にはこのほぞが嵌入 する切り欠き溝を施しておき、さらに、床梁をその切り欠き溝に嵌入して架設す ることとしていたが、このほぞ及び切り欠き溝の加工が大変煩雑であるだけでな く、床梁を架設する手間が非常に難儀である等の問題があった。
【0014】 さらにまた、このような切り欠き溝を設けることは、軸組部材の断面を欠損さ せることを意味するため、軸組部材が建物の構造を支える強度部材である点を考 慮すれば、建物の強度を確保する上で、必ずしも好ましいとは言えず、また、こ の欠点を補完する措置も講じられていなかった。
【0015】 そこで、この考案は、上述の種々の問題点に鑑みて創案されたものであって、 軸組と壁組パネルとから成る木造住宅において、軸組部材等の断面欠損による建 物の強度低下を回避しながら、軸組部材及び壁組パネル等の容易かつ強固な接続 及び補強を可能であって、地震や積雪等の外力に対する強さを有効に発揮しうる 接続及び補強金物を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この考案に係る接続及び補強金物は、隣接配置 される壁組パネル部材同士若しくは軸組部材同士又は壁組パネル部材と軸組部材 との間に介設されてこれらの接続部材を接続及び補強する接続及び補強金物にお いて、表面及び裏面が前記接続部材に当接する長方形の部材受け板と、その部材 受け板の周囲から上方又は下方に略垂直に折り曲げ形成された複数の押さえ板と からなり、前記部材受け板及び押さえ板に前記接続部材同士を接続するための適 宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み孔が穿設されていることを特徴とするも のである。
【0017】 また、前記押さえ板は、少なくとも短辺が壁組パネル又は軸組部材の厚さ寸法 に対応した前記部材受け板の長辺の正面側の略半分では左右対称かつ上方に折り 曲げ形成され、前記長辺の正面側以外の部分では左右対称かつ下方に折り曲げ形 成されるとともに、短辺の正面側では短辺の長さ寸法より大きな横寸法のものを 上方に折り曲げ形成されていることを特徴とするものである。
【0018】 さらに、前記押さえ板は、少なくとも短辺が壁組パネル又は軸組部材の厚さ寸 法に対応した寸法である前記部材受け板の長辺の中央部分では左右対称かつ上方 に折り曲げ形成されるとともに、前記長辺の中央部以外の部分では左右対称かつ 下方に折り曲げ形成されていることを特徴とするものである。
【0019】 さらにまた、前記押さえ板は、軸組部材を構成する柱の断面形状に対応した寸 法及び形状である前記部材受け板の2組の対向する辺のうちの1組から上方に折 り曲げ形成されるとともに、他の1組から下方に折り曲げ形成されていることを 特徴とするものである。
【0020】 また、この考案に係る接続及び補強金物の別のものは、二階梁等の受け材の間 に床梁を掛け渡すのに受け材と床梁の端部との間に介設する接続及び補強金物に おいて、背面が受け材に当接し、かつ、少なくとも短辺が床梁の断面の横寸法に 対応した寸法である長方形の部材受け板と、その部材受け板の下部から前方に突 出し床梁の下部を載置する底板とからなり、前記部材受け板及び底板に前記受け 材と床梁とを接続及び補強するための適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み 孔が穿設されていることを特徴とするものである。
【0021】 さらに、この考案に係る接続及び補強金物の他のものは、隣接配置される壁組 パネル部材同士若しくは軸組部材同士又は壁組パネル部材と軸組部材とに跨設さ れてこれらの接続部材を接続及び補強する接続及び補強金物において、裏面が前 記接続部材に当接する長方形の部材受け板に前記接続部材を接続及び補強するた めの適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み孔が穿設されていることを特徴と するものである。
【0022】 上述したような技術的手段において、これらの接続及び補強金物としては、圧 縮荷重に強く剛性に優れた材料からなるものであればよく、特に湿気や温度変化 に対する影響を受けにくい材料を使用する観点からすれば、耐食性に優れたステ ンレス又は合成樹脂等を使用することが好ましい。金属製のものを使用する場合 にあっては、例えば表面に錆止め塗料や樹脂コーティング等の防錆加工を施すこ とも有効である。
【0023】 また、これらの接続及び補強金物を接続部材に固定するには、ボルトやネジ釘 等、所定の強度を有する止め具を用いればよいが、より容易かつ迅速に施工する 観点からすれば、釘打ち固定することが好ましい。
【0024】 さらに、部材受け板、押さえ板及び底板に穿設される釘又はボルト等の差込み 孔は、建物の設計荷重、使用する釘等の断面力等に応じて、間隔、箇所数を決定 すればよい。
【0025】
【考案の実施の形態】
以下、本実施の形態を示す図面により、この考案に係る接続及び補強金物の実 施の形態について説明する。
【0026】 ◎実施の形態1 図1は、この考案が適用された接続及び補強金物の実施の形態1を示す全体斜 視図である。 同図において、符号1は左右対称形状を有するステンレス製の合掌部スペーサ で、この合掌部スペーサ1は、短辺2aが軸組部材を構成する梁の幅寸法に対応 した長方形の部材受け板2と、その部材受け板2の長辺2bの正面側の略半分か ら上方に折り曲げ形成される上部押さえ板3aと、前記長辺の正面側以外の部分 から下方に折り曲げ形成される下部押さえ板3bと、短辺の正面側では短辺の長 さ寸法より大きな横寸法のものを上方に折り曲げ形成される正面押さえ板3cと で構成されている。
【0027】 また、部材受け板2と上部押さえ板3a、部材受け板2と下部押さえ板3b及 び部材受け板2と正面押さえ板3cとは、それぞれは互いに垂直の面を構成する とともに、上部押さえ板3a、下部押さえ板3b及び正面押さえ板3cの高さ寸 法の夫々が同一寸法に構成されている。
【0028】 さらに、合掌部スペーサ1の適宜箇所には、適宜間隔の複数の釘の差込み孔が 穿設されており、例えば上部押さえ板3aには片側につき3個の釘孔4aが、下 部押さえ板3bには片側につき3個の釘孔4bが、正面押さえ板3cには4個の 釘孔4cが夫々に穿設されている。
【0029】 このような合掌部スペーサ1は、例えば軸組と壁組パネルとから成る木造住宅 の2階天井付近、詳しくは、2階柱5の上端に架設される梁6と、その梁6に水 平方向に直交するように設けられた梁7と、梁6及び梁7の上部かつ梁7に沿っ て載置される合掌小屋梁8とに跨って接続されるようになっいる。
【0030】 以下施工手順に沿って具体的に説明すると、まず、合掌部スペーサ1の下部押 さえ板3bを梁7の両側面に挟持させるとともに、正面押さえ板3cを梁6の正 面に当接させて部材受け板2が梁6及び梁7に当接するまで嵌挿し釘孔4b及び 4cを釘打ち固定し、次いで、クレーン等により合掌小屋梁8を吊り込んで上部 押さえ板3aの間に合掌小屋梁8を嵌挿後、釘孔4aを釘打ち固定すれば接続及 び補強が完了する。
【0031】 このように接続及び補強された梁6、梁7及び合掌小屋梁8は、地震等の強大 な力が加わった場合であっても、ステンレス製の合掌部スペーサ1が本来有する 剛性が有効に発揮されることにより、強固な接続状態が保たれることになる。
【0032】 すなわち、地震等の強大な力が加わった場合、図1に示すように、例えば梁7 には力Bが働くことになるが、梁7の両側を挟持する下部押さえ板3bの面全体 で直接この力Bを受けることになるため、従来の取付金物が複数本の釘だけでこ のような力を受けていたのに比べ、取付金物としての耐力強度が飛躍的に増大す る。
【0033】 また、その他の部材間においても、例えば合掌小屋梁8に力Cが働くと、合掌 小屋梁8を挟持する上部押さえ板3aが力Cを受ける面受け効果を奏することに なり、また、梁6に力Dが働くと、正面側では正面押さえ板3cが力Dを受ける とともに、背面側では梁6に直交する梁7が力Dを受けることになるため、梁6 同様、従来と比べて飛躍的に耐力強度が増大することになる。 なお、釘止めによる効果がある点は従来と同様である。
【0034】 さらに、本実施の形態においては、従来の平面形状の取付金物では到底実現し 得なかったこと、すなわち、1つの合掌部スペーサにより、互いに交差する梁6 と梁7、梁6と合掌小屋梁8、梁7と合掌小屋梁8との間の3とおりの接続を同 時に行うことができることとなった。
【0035】 ◎実施の形態2 図2は、この考案が適用された接続及び補強金物の実施の形態2を示す全体斜 視図である。 同図において、符号11は左右対称形状を有するステンレス製のパネル部スペ ーサで、このパネル部スペーサ11は、短辺12aが壁組パネルの幅寸法に対応 した長方形の部材受け板12と、その部材受け板12の長辺12bの中央部分に おいて上方に折り曲げ形成される上部押さえ板13aと、前記長辺の中央部以外 の部分において下方に折り曲げ形成される下部押さえ板13bとで構成されてい る。
【0036】 また、部材受け板12と上部押さえ板13a及び部材受け板2と下部押さえ板 13bとは、それぞれは互いに垂直の面を構成するとともに、上部押さえ板13 a及び下部押さえ板13bの高さ寸法の夫々が同一寸法に構成されている。
【0037】 さらに、パネル部スペーサ11の適宜箇所には、適宜間隔の複数の釘の差込み 孔が穿設されており、例えば部材受け板12には正面側及び背面側に9個づつ、 中央部に3個の釘孔12cが、また、上部押さえ板13aには片側につき4個の 釘孔14aが、下部押さえ板13bには片側につき6個の釘孔14bが、夫々に 穿設されている。
【0038】 図3の断面図に示すように、このようなパネル部スペーサ11は、例えば軸組 と壁組パネルとから成る木造住宅の2階天井付近、詳しくは、2階の壁組パネル 15の上端面と小屋組パネル16の下端面との間に介設されるものであり、詳し くは、壁組パネル15の上端付近を下部押さえ板13bの間で挟持するとともに 、小屋組パネル16の下端付近を上部押さえ板13aの間で挟持するようにして 接続されるようになっいる。
【0039】 以下手順に沿って具体的に説明すると、まず、パネル部スペーサ11の下部押 さえ板13bを壁組パネル15の両側面に挟持させるとともに、壁組パネル15 の上端面に部材座受け板12を当接させて釘孔12c及び14bから壁組パネル 15の枠部材15aに対して釘打ち固定し、次いで、クレーン等により小屋組パ ネル16を吊り込んで上部押さえ板13aの間にパネル部スペーサ11を嵌挿し た後、釘孔14aから小屋組パネル16の枠部材16aに対して釘打ち固定すれ ば接続及び補強が完了する。
【0040】 このように接続及び補強された壁組パネル15及び小屋組パネル16は、実施 の形態1と同様に、地震等の強大な力が加わった場合であっても、ステンレス製 のパネル部スペーサ11の押さえ板による面受け効果を奏して、パネル部スペー サ11が本来有する剛性が有効に発揮されることにより、強固な接続状態が保た れることになる。 なお、釘止めによる効果がある点は従来と同様である。
【0041】 ◎実施の形態3 図4は、この考案が適用された接続及び補強金物の実施の形態3を示す全体斜 視図である。 同図において、符号21は左右対称形状を有するステンレス製のH型スペーサ で、このH型スペーサ21は、軸組を構成する柱の断面形状に対応した寸法であ る部材受け板22と、その部材受け板22の2組の対向する辺のうちの1組から 上方に折り曲げ形成される上部押さえ板23aと、他の1組から下方に折り曲げ 形成される下部押さえ板23bとで構成されている。
【0042】 また、部材受け板22と上部押さえ板23a及び部材受け板22と下部押さえ 板23bとは、それぞれは互いに垂直の面を構成し、上部押さえ板23aと下部 押さえ板23bとも互いに垂直の面を構成しているとともに、上部押さえ板23 a及び下部押さえ板23bの高さ寸法の夫々が同一寸法に構成されている。
【0043】 さらに、H型スペーサ21の適宜箇所には、適宜間隔の複数の釘の差込み孔が 穿設されており、例えば上部押さえ板23aには片側につき3個の釘孔24aが 、下部押さえ板23bには上部押さえ板23aと同様に片側につき3個の釘孔2 4bが、夫々に穿設されている。
【0044】 このようなH型スペーサ21は、例えば軸組と壁組パネルとから成る木造住宅 の2階天井付近、詳しくは、2階の柱25の上端面とその上端面に載置される合 掌小屋梁26の下面との間に介設されるものであり、詳しくは、柱25の上端部 を下部押さえ板23bの間で挟持するとともに、合掌小屋梁26の下端部を上部 押さえ板13aの間で挟持するようにして接続されるようになっいる。
【0045】 以下施工手順に沿って具体的に説明すると、まず、H型スペーサ21の下部押 さえ板13bを柱25の前後面に挟持させるとともに、柱25の上端面に部材座 受け板22を当接させて釘孔24bを釘打ち固定し、次いで、クレーン等により 合掌小屋梁26を吊り込んで上部押さえ板23aの間に挟持させるとともに、合 掌小屋梁26の下面を部材座受け板22の上面に当接させて釘孔24aを釘打ち 固定すれば、H型スペーサ21による接続及び補強が完了する。
【0046】 このように接続及び補強された柱25及び合掌小屋梁26は、実施の形態1と 同様に、地震等の強大な力が加わった場合であっても、ステンレス製のH型スペ ーサ21の押さえ板による面受け効果を奏して、H型スペーサ21が本来有する 剛性が有効に発揮されることにより、強固な接続状態が保たれることになる。 なお、釘止めによる効果がある点は従来と同様である。
【0047】 ◎実施の形態4 図5は、この考案の別の接続及び補強金物の全体斜視図である。同図において 、符号31は左右対称形状を有するステンレス製のL型スペーサで、このL型ス ペーサ31は、背面が受け材に当接する長方形の部材受け板32と、その部材受 け板32の下部から前方に折り曲げ形成されて床梁を載置させる底板33とで構 成されている。
【0048】 また、部材受け板32と底板33とは、互いに垂直の面を構成するとともに、 部材受け板32及び底板33の幅寸法は、それぞれ同一寸法であって床梁の幅寸 法に対応した寸法に構成されている。
【0049】 さらに、L型スペーサ31の適宜箇所には、適宜間隔の複数の釘の差込み孔が 穿設されており、例えば部材受け板32には6個の釘孔32aが、底板33にも 6個の釘孔33aが夫々に穿設されている。
【0050】 このようなL型スペーサ31は、図6に示すように、例えば軸組と壁組パネル とから成る木造住宅の1階天井付近、詳しくは、1階の柱の上に水平に架設され る梁34の間に床梁35を掛け渡す場合において、受け材である梁34の室内側 面と床梁35の端部との間に介設されるものであって、詳しくは、部材受け板3 2の背面を梁34に当接させるとともに、床梁35の下端部を底板33上に載置 させるようにして接続されるようになっいる。
【0051】 以下施工手順に沿って具体的に説明すると、まず、梁34の架設後、L型スペ ーサ31の部材受け板32の背面を梁34の室内側面の所定位置に当接させて釘 孔32aを釘打ち固定し、次いで、クレーン等により床梁35を吊り込んで既に 釘打ち固定してあるL型スペーサ31の底板33上に載置させるとともに、釘孔 33aより釘打ち固定される。
【0052】 この時、図7(a)に示すように、床梁35に対しては、釘36が上方に向か って打ち込まれているため、床梁35の自重により抜けないように確実に固定さ れることになるが、梁34に対しては、自重による作用はないので一見する釘3 7が抜けやすいようにも見えるが、梁34には図示矢印の力Fが常に作用してい るため、そのようなことはない。
【0053】 すなわち、図7(b)は、柱41と、これにボルト締め付けされる梁34又は 壁組パネル42と、床梁35との間に、常時作用していると考えられる力の関係 を示すものである。 同図において、壁組パネル42は軸組を構成する柱41にボルト締め付けされ 固定されているため、柱41において図示矢印のボルト締め付けによる力Eが常 に働いており、換言すれば、柱41の間で壁組パネル42がこれらの力Eの合力 により張設されていることになる。
【0054】 したがって、壁組パネル42の上面に沿って配設される梁42も、壁組パネル 42とボルトにより締め付け固定されているため、梁42にも壁組パネル42同 様に張力が常時働いているから、床梁35に対しては、常に図示矢印の力Fが作 用することになり、結局、釘37が抜ける方向に力は働かないので、L型スペー サ31及びこれに釘打ち固定される床梁35は梁34に確実に支持固定されるこ とになる。
【0055】 また、この実施の形態5のL型スペーサ31によれば、従来、床梁を架設する 前の段取り作業として必要であったほぞ、切り欠き溝の加工という極めて煩雑な 作業をなくすことができるだけでなく、軸組部材の断面を欠損させることがなく なるため、極めて容易な施工方法によって、建物の安全性を確保することができ る。
【0056】 ◎実施の形態5 図8は、この考案の他の接続及び補強金物の全体斜視図である。同図において 、符号51は長方形を有するステンレス製の万能プレートで、この万能プレート 51は、正面又は背面が複数の異なる部材間に跨設して釘打ち固定することによ り各部材を接続及び補強して一体化させるものである。
【0057】 また、この万能プレート51の適宜箇所には、適宜間隔の複数の釘の差込み孔 52が穿設されており、短辺方向に3個の釘孔、長辺方向に6個部の釘孔の合計 18個の釘孔52が穿設されている。
【0058】 このような形状を有する万能プレート51は、図9に示すように、軸組と壁組 パネルとから成る木造住宅において、壁組パネル53a〜53fを、軸組部材で ある土台54、柱55〜58、梁59に、適宜ピッチのボルトBで固定する場合 に、その固定を補完する目的で使用される。
【0059】 すなわち、壁組パネル53a〜53fは、間に軸組部材を介して互いにボルト Bで強固に締め付け固定されるが、それぞれの壁組パネルの隅角部にはボルトB が配置できないため、この部分を補強する必要があり、この要請に応えるために 万能プレートが設けられる。
【0060】 同図において、例えば万能プレート51aは、柱55と梁59、及び壁組パネ ル53dと53eとに跨って配置されるとともに、柱55、梁59及び壁組パネ ル53dと53eの枠部材(図示破線)に釘が打ち込まれ一体化される。
【0061】 したがって、この実施の形態5の万能プレート51によれば、軸組と壁組パネ ルとから成る木造住宅において、壁組パネルを軸組部材に適宜ピッチのボルトで 強固に締め付け固定した上、さらに、ボルトを配置できない壁組パネルの隅角部 を容易に補強することができるから、極めて簡便な方法で建物の安全性のより完 全を期すことができる。
【0062】 以上の説明から明らかなように、この考案に係る接続及び補強金物は、表面及 び裏面が接続部材に当接する長方形の部材受け板と、その部材受け板の周囲から 上方又は下方に略垂直に折り曲げ形成された複数の押さえ板とからなり、前記部 材受け板及び押さえ板に適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み孔を穿設した 構成としたので、この接続及び補強金物を軸組と壁組パネルとから成る木造住宅 に適用すれば、次の効果を奏する。
【0063】 (1)地震や積雪等の強大な力が加わった場合であっても、前記押さえ板がこ のような力に抗して面全体で受けることになるので、接続及び補強金物が本来有 する剛性が有効に発揮されることになり、強固な接続状態が確保されることにな る。なお、この場合、従来の取付金物と同様に釘止めによる効果も発揮されるこ とになる。
【0064】 (2)互いに交差する軸組部材同士若しくは壁組パネル同士又は軸組部材と壁 組パネルとの間における接続及び補強に対しても、適用することができる。
【0065】 (3)単に接続すべき部材の間に介設して釘打ち固定するだけでよく、接続す べき部材を特に加工する必要もないので、極めて容易に施工できるから、現地に おける施工性をさらに向上させることができる。
【0066】 また、この考案に係る別の接続及び補強金物は、背面が受け材に当接し、かつ 、少なくとも短辺が床梁の断面の横寸法に対応した寸法である長方形の部材受け 板と、その部材受け板の下部から前方に突出し床梁の下部を載置する底板とから なり(L型形状)、適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み孔が穿設した構成 としたので、この接続及び補強金物を軸組と壁組パネルとから成る木造住宅に適 用すれば、次の効果を奏する。
【0067】 (4)床梁が架設される軸組部材を構成する受け材にL型の接続及び補強金物 の部材受け板を当接させて釘打ち固定するとともに、底板に床梁を載置して底板 を釘打ち固定して床梁を架設できるようにしたので、釘打ち作業という極めて簡 便な作業だけで容易に施工できるから、現地における施工性、安全性を向上させ ることができる。
【0068】 (5)予めほぞを加工したりこれに嵌合する切り欠き溝を加工したりする必要 がないので、軸組部材の断面を欠損させないで床梁の架設をすることができ、軸 組部材の構造上の強度が確保されることになるばかりか、ほぞ及び切り欠き溝の 加工並びにこれらを嵌挿させて架設するという極めて煩雑な作業をなくすことが できるから、施工性を向上させることができる。
【0069】 (6)壁組パネルが周囲をボルト締め付けされて軸組部材に張設されるという 特有の構成を有する木造住宅において、軸組部材を構成する受け材に部材受け板 を釘打ち固定し、かつ、底板に床梁を載置して釘打ち固定して床梁を架設するこ ととしたので、接続及び補強金物の部材受け板に打ち込まれた釘が抜ける方向と は逆方向に常時力が働くことになり、よって、床梁は、接続及び補強金物を介し て受け材に確実に支持されることができる。
【0070】 さらに、この考案に係る他の接続及び補強金物は、裏面が前記接続部材に当接 する長方形の部材受け板に適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み孔を穿設し た構成としたので、この接続及び補強金物を軸組と壁組パネルとから成る木造住 宅に適用すれば、次の効果を奏する。
【0071】 (7)壁組パネルを軸組部材に適宜ピッチのボルトで強固に締め付け固定した 上、さらに、ボルトが配置されない壁組パネルの隅角部を容易に接続及び補強す ることができるから、極めて簡便な方法によって建物の安全性のより完全を期す ことができる。
【0072】 (8)単に接続すべき部材に跨って当接させて釘打ち固定するだけでよく、接 続すべき部材を特に加工する必要もないので、容易に施工することができるから 、現地における施工性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案が適用された実施の形態1における接
続及び補強金物の全体斜視図及び作用説明図である。
【図2】この考案が適用された実施の形態2における接
続及び補強金物の全体斜視図である。
【図3】この考案が適用された実施の形態2における接
続及び補強金物の作用説明図である。
【図4】この考案が適用された実施の形態3における接
続及び補強金物の全体斜視図及び作用説明図である。
【図5】この考案が適用された実施の形態4における接
続及び補強金物の全体斜視図である。
【図6】この考案が適用された実施の形態4における接
続及び補強金物の作用説明図である。
【図7】この考案が適用された実施の形態4における接
続及び補強金物の作用説明図である。
【図8】この考案が適用された実施の形態5における接
続及び補強金物の全体斜視図である。
【図9】この考案が適用された実施の形態5における接
続及び補強金物の作用説明図である。
【図10】従来例である接続及び補強金物の実施説明図
である。
【符号の説明】
1…合掌部スペーサ 2…部材受け板 3…押さえ板 4…釘孔 5…2階柱 6…梁6 7…梁7 8…合掌小屋梁 11…パネル部スペーサ 12…部材受け板 13…押さえ板 14…釘孔 15…壁組パネル 16…小屋組パネル 21…H型スペーサ 22…部材受け板 23…押さえ板 24…釘孔 25…2階柱 26…合掌小屋梁 31…L型スペーサ 32…部材受け板 33…底板 34…梁 35…床梁 36…釘 37…釘 41…柱 42…壁組パネル、梁 51…万能プレート 52…釘孔 53…壁組パネル 54…土台 55…柱 59…梁 101…壁組パネル 102…軸組部材 103…ボルト 104…T型金物 105…L型金物 A…地震等による力 B…地震等による力 C…地震等による力 D…地震等による力 E…ボルト締め付け力 F…力

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接配置される壁組パネル部材同士若し
    くは軸組部材同士又は壁組パネル部材と軸組部材との間
    に介設されてこれらの接続部材を接続及び補強する接続
    及び補強金物において、 表面及び裏面が前記接続部材に当接する長方形の部材受
    け板と、その部材受け板の周囲から上方又は下方に略垂
    直に折り曲げ形成された複数の押さえ板とからなり、 前記部材受け板及び押さえ板に前記接続部材同士を接続
    するための適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差込み孔
    が穿設されていることを特徴とする接続及び補強金物。
  2. 【請求項2】 前記押さえ板は、少なくとも短辺が壁組
    パネル又は軸組部材の厚さ寸法に対応した前記部材受け
    板の長辺の正面側の略半分では左右対称かつ上方に折り
    曲げ形成され、前記長辺の正面側以外の部分では左右対
    称かつ下方に折り曲げ形成されるとともに、短辺の正面
    側では短辺の長さ寸法より大きな横寸法のものを上方に
    折り曲げ形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の接続及び補強金物。
  3. 【請求項3】 前記押さえ板は、少なくとも短辺が壁組
    パネル又は軸組部材の厚さ寸法に対応した寸法である前
    記部材受け板の長辺の中央部分では左右対称かつ上方に
    折り曲げ形成されるとともに、前記長辺の中央部以外の
    部分では左右対称かつ下方に折り曲げ形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の接続及び補強金物。
  4. 【請求項4】 前記押さえ板は、軸組部材を構成する柱
    の断面形状に対応した寸法及び形状である前記部材受け
    板の2組の対向する辺のうちの1組から上方に折り曲げ
    形成されるとともに、他の1組から下方に折り曲げ形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の接続及び補
    強金物。
  5. 【請求項5】 二階梁等の受け材の間に床梁を掛け渡す
    のに受け材と床梁の端部との間に介設する接続及び補強
    金物において、 背面が受け材に当接し、かつ、少なくとも短辺が床梁の
    断面の横寸法に対応した寸法である長方形の部材受け板
    と、その部材受け板の下部から前方に突出し床梁の下部
    を載置する底板とからなり、 前記部材受け板及び底板に前記受け材と床梁とを接続及
    び補強するための適宜間隔の複数の釘又はボルト等の差
    込み孔が穿設されていることを特徴とする接続及び補強
    金物。
  6. 【請求項6】 隣接配置される壁組パネル部材同士若し
    くは軸組部材同士又は壁組パネル部材と軸組部材とに跨
    設されてこれらの接続部材を接続及び補強する接続及び
    補強金物において、 裏面が前記接続部材に当接する長方形の部材受け板に前
    記接続部材を接続及び補強するための適宜間隔の複数の
    釘又はボルト等の差込み孔が穿設されていることを特徴
    とする接続及び補強金物。
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