JP3029754U - スライダー用引き手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚や他の物を傷付ける危険性と、指先での
摘み操作の困難性を解消し、良好な感触と安全性、操作
性、ファツション性に優れたスライダー用引き手を提供
することを課題とする。 【解決手段】 金属製又は合成樹脂製の胴体(1) の片面
に一体的に突設した柱(2) に連結するスライダー用引き
手(3) を結合するにおいて、そのスライダー用引き手
(3) を、加熱成形可能な織物生地又は樹脂製シート材料
を使用して他端を閉塞した筒体内に、一端内部空間を残
す形態のスポンジ、ゴム等の緩衝弾性体(6)を収容した
後、緩衝弾性体(6) の介在していない前記一端部を融着
して帯状体(7) を形成して、該帯状体(7) 部分に鳩目孔
(8) を穿設した引手主体(4) と、前記引手主体(4) の鳩
目孔(8) に鳩目金具を加締固定することにより構成した
連結体(5) とから構成し、この連結体(5) を胴体(1) の
柱(2) に連結することにより、ファスナー用スライダー
として使用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ファスナー（ジッパー、チャックともいう）の開閉機能を果たすス ライダーに連結され、指先で摘んで操作するスライダー用引き手に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

ファスナーには、金属製ファスナー、合成樹脂製ファスナーがあり、その構成 部品として、ファスナーを開閉するための金属製又は合成樹脂製のスライダーを 具備している。そして、スライダーは、胴体の片面（又は両面）に突設した柱に 操作用の引き手が連結された構成であって、胴体と同じ材質からなり、操作性を 良くするために、自由端部分に貫通孔を設けたり、指先で引っ掛けるための引き 環を設けたものが一般的に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のように金属製又は合成樹脂製のスライダー用引き手は、ファス ナーの取付対象物品の材料や、操作する手の皮膚等よりも硬質であるために、感 触が悪いだけでなく、皮膚や他の物を傷付ける危険性と、指先での摘み操作の困 難性がある点に解決すべき課題があった。

【０００４】 本考案は、上記の課題を解決して、良好な感触と安全性、操作性、ファツショ ン性に優れたスライダー用引き手を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決する手段】

本考案は、胴体(1) の片面又は両面に突設した柱(2) に連結するスライダー用 引き手(3) を、皮革、織物生地、樹脂製シートのいずれかからなる可撓性とした 引手主体(4) の一端部に、柱(2) に連結する連結体(5) を具備することを基本と する解決手段である。このため引手主体(4) は可撓性で柔軟性を有するようにな って、良好な感触と安全性、操作性、ファツション性が得られ、また引手主体(4 ) の表面への鮮明な図柄、ロゴタイプ等の表示が容易となって、広告機能、装飾 機能を向上させるようになる。

【０００６】 なお、前記引手主体(4) を、皮革、織物生地、樹脂製シートの複数を積層一体 化して強度を確保する構成とし、或は形崩れ防止とより良い感触と強度の確保及 び量産性を良くするために、加熱成形可能な織物生地又は樹脂製シートで形成さ れた筒体内又は引手形成片(9) の間に、スポンジ、ゴム等の緩衝弾性体(6) 又は 可撓性補強芯材を収容した構成とする場合がある。

【０００７】 また引手主体(4) の一端部に具備させた連結体(5) は、操作する場合の引張力 に対する耐久性の確保のために、引手主体(4) に貫通固定した鳩目で構成する場 合と、引手主体(4) を形成する部材の折曲げにより包着固定された環体とする場 合等がある。

【０００８】

【考案の実施の形態】及び

【実施例】

（実施例１） 本考案の実施例１に係るスライダー用引き手を図において説 明すると、図１及び図２に示すように、金属製又は合成樹脂製の胴体(1) の片面 に一体的に突設した柱(2) に連結するスライダー用引き手(3) を結合するにおい て、そのスライダー用引き手(3) を、引手主体(4) と連結体(5) で構成する。 前記引手主体(4) は、加熱成形可能な織物生地又は樹脂製シート材料を使用し て他端を閉塞した筒体内に、一端内部空間を残す形態のスポンジ、ゴム等の緩衝 弾性体(6) を収容した後、緩衝弾性体(6) の介在していない前記一端部を融着し て帯状体(7) を形成して、該帯状体(7) 部分に鳩目孔(8) を穿設した構成とし、 また連結体(5) は、前記引手主体(4) の鳩目孔(8) に鳩目金具を加締固定するこ とにより構成し、この連結体(5) を胴体(1) の柱(2) に連結することにより、ス ライダーとして使用する。

【０００９】 前記引手主体(4) の製作は、筒状長尺物を所定長さに切断して袋状にしてから 緩衝弾性体(6) を収容するか、二枚のテープの間に等間隔で緩衝弾性体(6) を配 設した後、テープ周縁を型を利用して融着すると同時に、所定寸法（幅方向また は長さ方向）に裁断する方法、或は幅広の長尺テープに緩衝弾性体(6) を長手方 向に配設して、寿司巻き状に包着した後、所定寸法に裁断する方法、或はリリア ン等の丸網紐をそのまま又は長さ方向にスリットして展開し、緩衝弾性体(6) を 収納又は包着する方法等が考えられるが、その方法は限定するものではない。

【００１０】 （実施例２） 実施例２に係るスライダー用引き手は、図３に示すように、 実施例１における引手主体(4) の帯状体(7) を、線材形成した環体からなる連結 体(5) に通して折返し、その重合部分を融着又は縫着した構成である。

【００１１】 （実施例３） 実施例３に係るスライダー用引き手は、図４に示すように、 環体からなる連結体(5) が折返し包着される連結部を対称軸線として左右対称の 引手形成片(9) を形成した引手主体(4) を、天然又は合成皮革で打ち抜き形成し 、一方の引手形成片(9) 側から、連結体(5) に通して引手形成片(9) の相互を重 ね、接着、縫着等の手段で固定化した構成である。

【００１２】 この場合、皮革に代えて、引っ張り強度の確保できる厚みを有する織物生地、 樹脂製シートを、また、皮革、織物生地、樹脂製シートを適宜組み合わせて積層 した素材を使用してもよく、さらに引手形成片(9) の間に緩衝弾性体(6) 又は可 撓性芯材のいずれか一方又は両方を介在させてもよい。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明した本考案のスライダー用引き手は、胴体(1) の片面又は両面に突設 した柱(2) に連結するスライダー用引き手(3) を、皮革、織物生地、樹脂製シー トのいずれかからなる引手主体(4) の一端部に、柱(2) に連結する連結体(5) を 具備する構成としたから、引手主体(4) の表面に鮮明な図柄、ロゴタイプ等の表 示が容易となって、広告機能、装飾機能を向上させることができ、また引手主体 (4) が可撓柔軟性を具備するようになり、ファスナーの取付対象物品や皮膚或は 、スライダー用引き手との接触の機会が多い、家具、事務用機器、車両等に接触 しても傷付けることが解消され、またスライダー用引き手が指先で摘み易くなっ て、ファスナー開閉の操作を迅速且つ確実とすることができる効果がある。

【００１４】 なお請求項２に記載のように、引手主体(4) を、皮革、織物生地、樹脂製シー トの複数を積層一体化する場合には、強度を確保することができ、また、請求項 ３に記載のように、引手主体(4) を、加熱成形可能な織物生地又は樹脂製シート で形成された筒体内又は引手形成片(9) の間に、スポンジ、ゴム等の緩衝弾性体 (6) 又は可撓性芯材のいずれか一方又は両方を収容した構成とすることによって 、形崩れの防止と、より良い感触と強度の確保及び量産性が達成される。

【００１５】 また請求項４に記載のように、引手主体(4) の一端部に具備させた連結体(5) を、引手主体(4) に貫通固定した鳩目で形成することにより、柱(2) との連結部 の、耐久性のある強度と円滑な動き（起倒）を確保でき、安価で操作性の良いス ライダー用引き手とすることができる。

【００１６】 さらに請求項５に記載のように、引手主体(4) の一端部に具備させるべき連結 体(5) を、引手主体(4) を形成する部材の折曲げにより固定される環体で形成す ることにより、任意の形状の環、例えば、Ｄ形環、三角形環、多角形環、凸形環 、鍵穴形環、壺形環等の金属又は樹脂製環を選択使用することができ、前記と同 様に、柱(2) との連結部の強度と円滑な動き（起倒）が確保できるだけでなく、 ファッション性に優れたスライダー用引き手とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１に係るスライダー用引き手を
使用したスライダーの平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】本考案の実施例２に係るスライダー用引き手の
平面図である。

【図４】本考案の実施例３に係るスライダー用引き手の
平面図である。

【符号の説明】

(1) 胴体 (2) 柱 (3) スライダー用引き手 (4) 引手主体 (5) 連結体 (6) 緩衝弾性体 (7) 帯状体 (8) 鳩目孔 (9) 引手形成片

【手続補正書】

【提出日】平成８年２月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴体(1) の片面又は両面に突設した柱
   (2) に連結するスライダー用引き手(3) を、皮革、織物
   生地、樹脂製シートのいずれかからなる引手主体(4) の
   一端部に、柱(2) に連結する連結体(5) を具備する構成
   としたことを特徴とするスライダー用引き手。
2. 【請求項２】 引手主体(4) は、皮革、織物生地、樹脂
   製シートの複数を積層一体化したものである請求項１記
   載のスライダー用引き手。
3. 【請求項３】 引手主体(4) は、加熱成形可能な織物生
   地又は樹脂製シートで形成された筒体内又は引手形成片
   (9) の間に、スポンジ、ゴム等の緩衝弾性体(6) 若しく
   は可撓性補強芯材を介在させた構成である請求項１記載
   のスライダー用引き手。
4. 【請求項４】 引手主体(4) の一端部に具備させた連結
   体(5) は、引手主体(4) に貫通固定した鳩目である請求
   項１、２又は３記載のスライダー用引き手。
5. 【請求項５】 引手主体(4) の一端部に具備させた連結
   体(5) は、引手主体(4) を形成する部材を折曲げにより
   固定される環体である請求項１、２又は３記載のスライ
   ダー用引き手。