JP3029403U - 伸縮可撓管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】管内を水とともに砂利や異物が流れても、伸縮
可撓管の外筒の内部に砂利や異物が堆積されることな
く、地盤変動等によって伸縮・傾動してもシール性を確
保できる伸縮可撓管を提供することにある。 【解決手段】それぞれ水輸送管と接続される２つの内筒
１１ａ，１１ｂを同軸的に、かつ端面間を離間させた状
態で対向して設置し、前記両内筒１１ａ，１１ｂの外周
に外筒１２を嵌合させ、この外筒１２の両端部の内周と
前記内筒１１ａ，１１ｂの外周との間にシールリング１
６を介在して水密にシールし、前記内筒１１ａ，１１ｂ
を前記外筒１２の内部で軸方向に摺動および傾動自在に
した伸縮可撓管であって、前記外筒１２の内周面におけ
る前記シールリング１６間に内周面が前記内筒１１ａ，
１１ｂの外周面に弾性的に圧接するゴムシート１７を設
けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、工業用水、下水等の水輸送管の途中に設けられる伸縮可撓管に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

工業用水、下水等の水輸送管は、一般に地中に埋設されているが、地震等に よって地盤の変動が起きると、水輸送管が変形したり、亀裂が生じ、漏水の問題 が発生する恐れがある。

【０００３】 そこで、従来においては、水輸送管の途中に伸縮可撓管を設け、地盤の変動が 生じても、伸縮可撓管が伸縮および傾動することにより吸収し、水輸送管に加わ る応力を軽減して水輸送管の変形、亀裂等を防止している。

【０００４】 伸縮可撓管１は、図３に示すように、２つの内筒１ａ，１ｂと１つの外筒２と から構成されている。内筒１ａ，１ｂはそれぞれ水輸送管３ａ，３ｂに例えばフ ランジ部４によって結合されており、内筒１ａ，１ｂは同軸的に、かつ端面間を 離間させた状態で対向して設置されている。前記外筒２の両端には内側に折曲さ れたシール受け部５が設けられ、このシール受け部５の内側にはゴム等のシール リング６が固定されている。

【０００５】 そして、シールリング６は前記両内筒１ａ，１ｂの外周面に弾性的に圧接され 、外筒２の両端の内周と内筒１ａ，１ｂの外周とを水密にシールし、内筒１ａ， １ｂと外筒２との間からの漏水を防止している。

【０００６】 このように構成された伸縮可撓管１は、図４（ａ）に示すように、両内筒１ａ ，１ｂに軸方向の力が加わると、外筒２の内部で軸方向に摺動して伸縮する。同 図（ｂ）に示すように、一方の内筒１ｂに上下・左右方向の力が加わると、内筒 １ｂと外筒２との間の間隙の範囲で傾動する。さらに、同図（ｃ）に示すように 、両内筒１ａ，１ｂの両方が反対方向に上下・左右に力が加わると、内筒１ａ， １ｂと外筒２との間の間隙の２倍の範囲で傾動する。さらに、同図（ｄ）に示す ように、内筒１ａ，１ｂの一方または両方に円周方向に捩じれが加わると、外筒 ２の内部で回転する。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、水輸送管を地中に埋設する工事の際や水漏れ工事の際に、砂利や 異物が管内に入りやすく、水輸送管を工業用水、下水等の輸送に使用した場合、 管内を水とともに砂利や異物が流れ、伸縮可撓管１の外筒２の内部に砂利や異物 ７が堆積しやすい。

【０００８】 そして、堆積した砂利や異物７がシールリング６と内筒２との間に入り込み、 地盤変動等によって伸縮可撓管１が伸縮・傾動した際にシール性が失われ、水漏 れの原因となる。

【０００９】 この考案は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、 管内を水とともに砂利や異物が流れても、伸縮可撓管の外筒の内部に砂利や異物 が堆積されることなく、地盤変動等によって伸縮・傾動してもシール性を確保で きる伸縮可撓管を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この考案は、前述した目的を達成するために、請求項１は、それぞれ水輸送 管と接続される２つの内筒を同軸的に、かつ端面間を離間させた状態で対向して 設置し、前記両内筒の外周に外筒を嵌合させ、この外筒の両端部の内周と前記内 筒の外周との間にシールリングを介在して水密にシールし、前記内筒を前記外筒 の内部で軸方向に摺動および傾動自在にした伸縮可撓管において、前記外筒の内 周面における前記シールリング間に内周面が前記内筒の外周面に弾性的に圧接す る弾性体を設けたことを特徴とする。

【００１１】 請求項２は、それぞれ水輸送管と接続される２つの内筒を同軸的に、かつ端面 間を離間させた状態で対向して設置し、前記両内筒の外周に外筒を嵌合させ、こ の外筒の両端部の内周と前記内筒の外周との間にシールリングを介在して水密に シールし、前記内筒を前記外筒の内部で軸方向に摺動および傾動自在にした伸縮 可撓管において、前記外筒の内周面における前記シールリング間に肉厚が内筒と 外筒との間の間隙より肉厚の弾性体を設けたことを特徴とする。

【００１２】 請求項３は、それぞれ水輸送管と接続される２つの内筒を同軸的に、かつ端面 間を離間させた状態で対向して設置し、前記両内筒の外周に外筒を嵌合させ、こ の外筒の両端部の内周と前記内筒の外周との間にシールリングを介在して水密に シールし、前記内筒を前記外筒の内部で軸方向に摺動および傾動自在にした伸縮 可撓管において、前記外筒の内周面における前記シールリング間に肉厚が内筒と 外筒との間の間隙より肉厚のゴムシートを貼着したことを特徴とする。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１は伸縮可撓管１１を示し、伸縮可撓管１１は、２つの内筒１１ａ，１１ｂ と１つの外筒１２とから構成されている。内筒１１ａ，１１ｂはそれぞれ水輸送 管１３ａ，１３ｂに例えばフランジ部１４によって結合されており、内筒１１ａ ，１１ｂは同軸的に、かつ端面間を離間させた状態で対向して設置されている。 前記外筒１２の両端には内側に折曲されたシール受け部１５が設けられ、このシ ール受け部１５の内側にはゴム等のシールリング１６が固定されている。

【００１４】 そして、シールリング１６は前記両内筒１１ａ，１１ｂの外周面に弾性的に圧 接され、外筒１２の両端の内周と内筒１１ａ，１１ｂの外周とを水密にシールし 、内筒１１ａ，１１ｂと外筒１２との間からの漏水を防止している。

【００１５】 前記外筒１２の内周面の全体には弾性体、例えばゴムシート１７が貼着されて いる。このゴムシート１７は内筒１１ａ，１１ｂと外筒１２との間の間隙より肉 厚に形成され、その両端はシールリング１６に圧接されている。

【００１６】 したがって、外筒１２の内部に挿入された内筒１１ａ，１１ｂの端部はゴムシ ート１７の内周面に弾性的に圧接され、ゴムシート１７の内周面は内筒１１ａ， １１ｂの内周面と略面一になっており、伸縮可撓管１１の内周面は略フラットで 、水等の流体の流通抵抗を少なくし、また管内を水とともに砂利や異物が流れて も、伸縮可撓管１１の外筒１２の内部に砂利や異物が堆積されないように構成さ れている。

【００１７】 このように構成された伸縮可撓管１１は、両内筒１１ａ，１１ｂに軸方向の力 が加わると、外筒１２の内部のゴムシート１７の内周面で軸方向に摺動して伸縮 し、一方の内筒１１ｂに上下・左右方向の力が加わると、内筒１１ｂと外筒１２ との間の間隙の範囲で傾動する。さらに、両内筒１１ａ，１１ｂの両方が反対方 向に上下・左右に力が加わると、内筒１１ａ，１１ｂと外筒１２との間の間隙の ２倍の範囲で傾動する。さらに、内筒１１ａ，１１ｂの一方または両方に円周方 向に捩じれが加わると、外筒１２の内部で回転する。

【００１８】 しかも、内筒１１ａ，１１ｂの端部がゴムシート１７の内周面に弾性的に圧接 しているために、内筒１１ａ，１１ｂが地盤変動等によって傾動してもゴムシー ト１７と内筒１１ａ，１１ｂの端面との間に段差が生じることはなく、砂利や異 物が堆積することはない。また、ゴムシート１７の弾性力によって傾動した内筒 １１ａ，１１ｂを直線的に復元しようとする作用が働き、内筒１１ａ，１１ｂに 加わった外力が解除されると、内筒１１ａ，１１ｂは外筒１２と同軸的に復元す る。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、内筒を外筒の内部で軸方向に摺動 および傾動自在にした伸縮可撓管において、外筒の内周面におけるシールリング 間に内周面が内筒の外周面に弾性的に圧接する弾性体を設けたことにより、管内 がフラットとなり、管内を水とともに砂利や異物が流れても、伸縮可撓管の外筒 の内部に砂利や異物が堆積されることなく、地盤変動等によって伸縮・傾動して もシール性を確保できる。さらに、弾性体の弾性力によって傾動した内筒を直線 的に復元しようとする作用が働き、内筒に加わった外力が解除されると、内筒は 外筒と同軸的に復元し、流体の流通抵抗を維持できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施形態を示す伸縮可撓管の
縦断側面図。

【図２】同実施例の伸縮可撓管が傾動した状態を示す縦
断側面図。

【図３】従来の伸縮可撓管の縦断側面図。

【図４】従来の伸縮可撓管の作用説明図。

【符号の説明】

１１…伸縮可撓管 １１ａ，１１ｂ…内筒 １２…外筒 １６…シールリング １７…ゴムシート（弾性体）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ水輸送管と接続される２つの内
   筒を同軸的に、かつ端面間を離間させた状態で対向して
   設置し、前記両内筒の外周に外筒を嵌合させ、この外筒
   の両端部の内周と前記内筒の外周との間にシールリング
   を介在して水密にシールし、前記内筒を前記外筒の内部
   で軸方向に摺動および傾動自在にした伸縮可撓管におい
   て、 前記外筒の内周面における前記シールリング間に内周面
   が前記内筒の外周面に弾性的に圧接する弾性体を設けた
   ことを特徴とする伸縮可撓管。
2. 【請求項２】 それぞれ水輸送管と接続される２つの内
   筒を同軸的に、かつ端面間を離間させた状態で対向して
   設置し、前記両内筒の外周に外筒を嵌合させ、この外筒
   の両端部の内周と前記内筒の外周との間にシールリング
   を介在して水密にシールし、前記内筒を前記外筒の内部
   で軸方向に摺動および傾動自在にした伸縮可撓管におい
   て、 前記外筒の内周面における前記シールリング間に肉厚が
   内筒と外筒との間の間隙より肉厚の弾性体を設けたこと
   を特徴とする伸縮可撓管。
3. 【請求項３】 それぞれ水輸送管と接続される２つの内
   筒を同軸的に、かつ端面間を離間させた状態で対向して
   設置し、前記両内筒の外周に外筒を嵌合させ、この外筒
   の両端部の内周と前記内筒の外周との間にシールリング
   を介在して水密にシールし、前記内筒を前記外筒の内部
   で軸方向に摺動および傾動自在にした伸縮可撓管におい
   て、 前記外筒の内周面における前記シールリング間に肉厚が
   内筒と外筒との間の間隙より肉厚のゴムシートを貼着し
   たことを特徴とする伸縮可撓管。