JP3026773B2 - 紙送りローラの製造方法 - Google Patents

紙送りローラの製造方法

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  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙送りローラ及びそ
の製造方法に係り、特に、ローラ軸の表面に形成される
摩擦層に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ、コピー機などの紙送り
機構を備えた各種機器においては、その紙送り機構内に
複数の紙送りローラが種々の配列にて取り付けられてい
る。これらの紙送りローラは、一般的に、金属製のロー
ラ軸と、このローラ軸の表面に合成ゴムを成形或いはコ
ーティングすることによって形成された摩擦層とからな
り、所定の回転駆動機構によって回転するように構成さ
れている。この紙送りローラが回転駆動機構によって回
転されると、摩擦層の摩擦によって挟み込まれた紙が回
転方向に送られていくようになっている。
【0003】上記のような、いわゆるゴムローラにおい
ては、上記摩擦層によって紙を確実に送るための十分な
摩擦力を確保することができる。しかし、摩擦層は、そ
の表面に紙粉や紙繊維等が付着し易いために、紙粉や紙
繊維等の付着が著しくなることによって摩擦力が急激に
低下し、突然に空転し始める場合がある。また、合成ゴ
ムからなる摩擦層を備えた紙送りローラの外径を高精度
に形成することが困難であるため、紙送り精度にも限界
があるという問題点もある。特に、長期間繰り返し使用
するに従って摩擦層の表面は摩耗したり変質して表面硬
化を起こしたりするので、摩擦力が次第に低下していく
とともに、紙送りローラの外径も大きく変化していく。
【0004】このようなゴムローラの欠点を解決するた
めに、近年、種々の紙送りローラが開発されている。こ
れらの新しい紙送りローラの多くは、上述のようなゴム
製の摩擦層を形成する代わりに、紙送りに必要な摩擦力
をローラ軸の表面に凹凸を形成することによって得よう
とするものである。
【0005】これらの表面凹凸構造を備えた紙送りロー
ラには、たとえば、ローラ軸の外周面上にレジスト層を
所定のパターンで形成した後に、エッチング処理を行っ
てローラ軸の外周面に凹凸形状を形成したものがある。
また、鋭角形状のセラミック粒子を混合した塗装液をロ
ーラ軸の外周面に吹き付けて塗装を行うことによって表
面にセラミック粒子が露出した塗装膜を形成したものも
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように近年開発
された表面凹凸構造を有する紙送りローラにおいては、
ゴムローラよりもローラ径の精度を高めることができる
点で優れている。しかし、この種の紙送りローラにおい
ては摩擦力を高めることが困難であり、摩擦力を高める
ために凹凸を大きく形成すると、表面凹凸構造の存在に
よって紙粉や紙繊維などが付着し易くなったり、凹凸に
よって紙を傷つけたり、或いは、表面の耐摩耗性やロー
ラ径の精度が悪化するという問題点がある。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、紙送りローラに要求される、摩擦
力、ローラ径の精度、耐摩耗性等を共に兼ね備えた新規
のローラ構造並びにその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、円筒状の外周面を備えた軸体
と、該外周面上に形成された合成樹脂及び硬質粒子を含
む印刷層とを有する紙送りローラである。
【0009】この手段によれば、合成樹脂及び硬質粒子
を含む印刷層を形成することによって、ローラ表面にお
いて、硬質粒子が合成樹脂によって完全に被覆されてい
る状態にすることができるため、ローラ表面を適度な、
しかも、滑らかな凹凸形状に形成することができ、ロー
ラ表面の摩擦力を確保すると同時に、紙粉や紙繊維等の
付着を抑制することができ、摩擦力の低下しない、耐久
性のある紙送りローラを得ることができる。また、印刷
層は、従来構造と較べて厚さの制御が容易であり、ロー
ラ外径を高精度に、かつ、均一に設定することができ
る。
【0010】なお、印刷層は、後述するようにスクリー
ン印刷によって形成されることが望ましいが、その他の
印刷法であっても同様の効果を得ることができる。ま
た、合成樹脂としては、表面摩擦の大きい樹脂やゴムを
用いることが好ましく、さらに弾性を備えたものである
ことが望ましい。合成樹脂の弾性は、硬質粒子を包含す
る印刷層の実質的な摩擦を大きくする。
【0011】ここで、前記硬質粒子は、略球状若しくは
略回転楕円体状の金属若しくはセラミック粒子であるこ
とが好ましい。
【0012】この手段によれば、硬質粒子を略球状若し
くは略回転楕円体状の金属若しくはセラミック粒子とす
ることにより、印刷層の表面をさらに滑らかな凹凸形状
にすることができるとともに、加圧による硬質粒子の割
れや脱落の少ない耐久性の高い紙送りローラを形成でき
る。
【0013】これらの場合において、前記軸体の外周面
には粗面化処理が施されていることが望ましい。
【0014】この手段によれば、軸体の外周面が粗面と
なっているため、印刷層の密着性を高めることができる
とともに、印刷層の表面の凹凸の度合いを高めることが
できるから、ローラ表面の摩擦力を増大させることがで
きる。
【0015】次に、紙送りローラの製造方法としては、
軸体の外周面上にスクリーン印刷によって合成樹脂及び
硬質粒子を含む印刷層を形成する印刷工程を有するもの
である。
【0016】この手段によれば、スクリーン印刷によっ
て印刷層を形成することにより、合成樹脂中に含まれる
硬質粒子が表面に露出しにくいとともに、印刷層の厚さ
を比較的精度良く制御することができ、しかも、安価に
製造できる。
【0017】ここで、前記印刷工程の前に、前記軸体の
外周面上に粗面化処理を施す粗面化工程を有することが
好ましい。
【0018】さらに、前記合成樹脂には、滑らかな外面
形状を備えた硬質粒子が混入されていることが望まし
い。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る紙送りローラ及びその製造方法の実施形態につい
て説明する。図2は、本実施形態に係る紙送りローラの
概観を示す斜視図である。ローラ軸10はステンレス鋼
又はアルミニウム製の丸棒である。ローラ軸10として
は、鋼材にめっき処理を施したものも用いることができ
る。ローラ軸10の外周面10a上には、柔軟性及び弾
性を備えたプラスチック、各種合成ゴム等の合成樹脂か
らなり、印刷によって被着された印刷層20が全面的に
形成されている。
【0020】図1は、紙送りローラの表面近傍を拡大し
て示す拡大断面図である。ローラ軸10の外周面10a
には、まず、平均粒径が100〜170μm程度(#1
50〜#220程度)程度の硬質粒子がブラスト加工等
により吹き付けられる。この加工によって外周面10a
には微細なブラスト跡11からなる凹凸形状が形成さ
れ、粗面化される。
【0021】硬質粒子としては、粒子形状がほぼ球状若
しくは回転楕円体状であるものなどの滑らかな外面を有
するものが用いられる。たとえば微細な球状粒として容
易に入手できるガラスビーズなどが最も好ましい。この
硬質粒子としては、金属ショット、ガラスパウダ、セラ
ミック粒子、アルミナ粒子等も用いることができる。た
だし、後述するようにローラ軸10の外周面10a上に
印刷層が部分的に形成されている場合には、硬質粒子が
滑らかな外面形状を備えていないと、ブラスト加工を行
ったローラ軸10の外周面10aに鋭角跡が形成される
ため、紙粉や紙繊維等が付着しやすくなる。
【0022】次に、粗面化されたローラ軸10の外周面
上に、インク21としてSG−460(製品番号、セイ
コーアドバンス社製)を用いてスクリーン印刷を施す。
このインク21は、ポリエステル樹脂を31〜36wt
%、顔料(黒色)を38〜45wt%、エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート溶剤を12〜15w
t%、ケトン溶剤を3〜5wt%、石油ナフサ溶剤を3
〜5wt%、その他の添加材を2〜4wt%、それぞれ
含む主剤と、イソシアネート樹脂を70〜80wt%、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶剤
を11〜14wt%、キシレン溶剤を11〜14wt
%、それぞれ含む硬化剤と、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート溶剤を90wt%以上含む溶剤
とを適宜混合したものである。
【0023】上記インク21には、平均粒径が10〜1
50μm程度、好ましくは40〜70μm程度の硬質粒
子22を混合する。硬質粒子22としては、球状などの
滑らかな外面形状を備えているものが好ましく、また単
粒圧壊強度の高い金属やセラミック製のもの、たとえば
ステンレスビーズ、ジルコニア粒などが好ましい。ま
た、アルミナ−ジルコニア混晶系の砥粒を用いてもよ
い。ガラスビーズでも可能であるが、紙送りローラの使
用中に割れる可能性があるために強度の高いものが要求
される。本実施形態では約50μm程度の平均粒径を備
えたステンレスビーズを用いた。ステンレスビーズを混
入したインク21の組成は、上記の主剤が約10wt
%、硬化剤が約3.3wt%、ステンレスビーズが約4
wt%、残りが溶剤である。
【0024】インク21には弾性樹脂が含まれていれ
ば、種々の組成で構成することができる。弾性樹脂とし
ては、紙送りローラの通常受ける圧力範囲である程度の
変形が可能な柔軟性(伸び、縮み)を有する樹脂があ
り、たとえば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン、ポ
リ塩化ビニルなどの各種樹脂において硬度や柔軟性、弾
性率等を調整したものが代表的なものである。また、ウ
レタンゴム等の各種合成ゴムを用いることもでき、複数
種類の材料を適宜混合乃至は共重合させて用いることも
できる。
【0025】また、滑らかな外面形状を備えた硬質粒子
とは、顕微鏡等によって観察した場合、露出した破断面
や切断面等が露出しているものでなく、球状、回転楕円
体状等の曲面で構成された外面形状を備えたものをい
う。通常は、溶融したものを液体中に散布して形成した
各種素材、球状或いは回転楕円体状に析出固化させたも
の等である。
【0026】スクリーン印刷は、60〜300μm程
度、好ましくは60〜150μm程度の目を備えたシル
クスクリーンを用いて行う。スクリーンはインク21中
の硬質粒子22が十分に通過できる粗さの目を備えたも
のであればよいが、形成する印刷層20の厚さに応じて
適宜調整される。本実施形態では、約70μm程度の目
を備えたシルクスクリーンを用いた。このスクリーン印
刷によって形成された印刷層20の厚さは約50〜15
0μm程度であり、本実施形態としては100μm程度
の厚さになった。ただし、印刷層20の厚さは、硬質粒
子22の粒度やインク21の特性等を勘案して、適宜の
厚さにすることができ、一般に10〜1000μm程度
の厚さを容易に得ることができる。
【0027】最後に、印刷層20を形成したローラ軸1
0を140℃で30分間加熱し、印刷層20に硬化処理
(焼き付け)を施すことによって、紙送りローラを完成
させた。
【0028】図3には、上記と同条件にて形成した印刷
層30を示す。この印刷層30は、スクリーンに所定の
パターンを形成することによって、ローラ軸10の軸線
方向及び外周面10aの周回方向に複数の矩形領域31
が島状に配列されたパターンを備えている。このパター
ンは種々に形成することができるが、いずれにしても、
印刷層の形成されている領域と、形成されていない領域
とが外周面30上にほぼ均一に分布している必要があ
る。
【0029】上記図2及び図3に示す2つの実施例に加
えて、ローラ軸10の外周面10aに対して予めブラス
ト加工を施さないで上記の印刷層20,30を形成した
2つの実施例を試作し、計4つの実施例について、従来
の紙送りローラと比較した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1において、摩擦力は、紙送りローラに
紙(コピー用紙)の中央部を接触させ、紙の反対側の面
に50gの加圧用錘を載せた状態で、紙の一端に80g
の保持用錘を接続して垂下させるとともに、固定された
ばね秤の可動端部を紙の他端に接続し、保持用錘が上方
に動き始めた時点のばね秤の指示値を測定することによ
って評価した。表1中において×は200g以下である
場合、△は200gを越えるが250g以下である場
合、○は250gを越えるが400g以下である場合、
◎は400gを越えた場合である。
【0032】また、難付着性は紙(コピー用紙)を巻き
つけて紙送りローラの外周面を紙で擦り、紙粉若しくは
紙の繊維(以下、単に「紙繊維等」という。)の付着度
合いによって評価した。
【0033】さらに、径精度は、外周面の数箇所を軸線
方向に設定し、その外径のばらつき及び再現性の度合い
によって評価した。
【0034】製造コストは、通常の製造工程において予
想されるコストの相対値によって評価した。
【0035】無加工丸棒とはローラ軸10をそのまま用
いたもの、ブラストのみとはローラ軸10の外周面10
aにブラスト加工を施しただけのもの、混粒塗装とは、
比較的鋭角形状のセラミック粒子を混合した塗料をロー
ラ軸10の外周面10aに吹き付けて塗装をしたもの、
ゴムコートとは、合成ゴムをローラ軸10の外周面10
a上に成形若しくはコーティングしたものである。
【0036】実施例Aはローラ軸10の外周面10aに
ブラスト加工を施さず、そのまま図2に示す印刷層20
を形成したもの、実施例Bは外周面10aにブラスト加
工を施さず、そのまま図3に示す印刷層30を形成した
もの、実施例Cは上述した図2に示すもの、実施例Dは
上述した図3に示すものである。
【0037】表1に示すように、無加工丸棒はもちろん
のこと、ブラストのみの場合においても十分な摩擦力は
得られない。また、ブラストのみ及び混粒塗装の場合に
は、表面に鋭角の凹凸構造が形成されていることから、
紙送りを行うと容易に紙粉等が付着するので、急激に実
質的な摩擦力が低下する。紙粉等の付着は、ゴムコート
の場合にも多く認められた。混粒塗装及びゴムコートの
場合には、ローラ外径の精度が得られず、特に、混粒塗
装の場合には粒子の脱落や塗装の剥離により、ゴムコー
トの場合にはゴムの摩耗により、それぞれ使用するに従
って径精度が低下する。
【0038】これに対して、実施例Aの場合には、摩擦
力は多少低下するものの、印刷層の内部に含まれるステ
ンレスビーズによって、紙送りローラとして使用可能な
程度の摩擦力は確保することができる。また、紙粉等の
付着が少なく、ローラ外径の精度も比較的容易に得るこ
とができる。さらに、製造コストに関しても、スクリー
ン印刷により従来の塗装やゴムコートの場合より安価に
処理することが可能である。
【0039】この実施例Aは、表面層の内部に硬質粒子
が混入されている点では混粒塗装の場合と同様である。
しかし、実施例Aの場合には、硬質粒子22が球状であ
り、滑らかな外面形状を備えていること、並びに、スク
リーン印刷を用いているために、スクリーンを介してイ
ンクがスキージによって押し込まれるようにして印刷さ
れることから、硬質粒子22が印刷層21の表面に露出
することなく、たとえ薄くても印刷層21に被覆された
状態となることなどによって、紙粉等の付着量は混粒塗
装の場合に比べて大幅に低減される。また、紙粉等が付
着しても、表面の凹凸構成が滑らかであるため、凹凸構
造が紙粉等によって目詰まり状態になる恐れがほとんど
ない。さらに、同様の理由により、印刷層21からの硬
質粒子22の脱落はほとんど発生しない。
【0040】また、実施例Bの場合には、印刷層30を
形成していることによって、摩擦力は実施例Aの場合よ
りも向上する。一方、印刷層30はパターン形状に形成
されているため、紙粉等は実施例Aの場合よりも付着し
やすく、主として、矩形状領域31の外縁部に紙粉等が
付着する。ただし、それでも従来例よりは大幅に改善さ
れており、紙粉等によって目詰まりや摩擦力の低下は発
生しない。
【0041】実施例A及びBの場合には、従来の混粒塗
装及びゴムコートの場合に較べて大幅に製造コストを低
減することができる。実施例Bの場合は、実施例Aに対
してスクリーンのパターンを変えるだけであるため、製
造コストは実施例Aとほとんど変わらない。
【0042】さらに、上述の実施例Cの場合には、ロー
ラ軸10の外周面10aがブラスト加工によって粗面化
されているため、実施例Aよりも摩擦力が向上する一方
で、やや紙粉等が付着しやすくなる。しかし、紙粉等の
難付着性は、ブラスト加工された外周面10aが印刷層
20に覆われていること、及び、上記実施例Aと全く同
様の理由によって、実施例Aと同様に良好である。
【0043】実施例Dの場合には、外周面10aが粗面
化されていると同時に、パターン化された印刷層30が
形成されていることによって、摩擦力は実施例Cの場合
よりもさらに向上する。紙粉等の付着性は、実施例Bと
ほぼ同様である。
【0044】実施例C及びDの場合には、実施例A及び
Bほどは製造コストを低く抑えることができないが、そ
れでも従来例に較べてかなり低減される。また、実施例
C及びDは、ローラ軸10の外周面10aが粗面化され
ているため、ローラ軸10の外周面10aと、印刷層2
0,30との間の密着性が良好になり、印刷層20,3
0の剥離を防止することができる。
【0045】上記実施例A〜Dにおいては、いずれも、
スクリーン印刷によって滑らかな外面形状を有する硬質
粒子を含む印刷層を形成しているため、紙送りローラの
外周面の摩擦力の確保と、紙粉等の付着の抑制とを両立
させることができる。また、いずれの実施例において
も、印刷によってローラ外径を従来よりも高精度に形成
することができるため、紙送りの送り量のばらつきを低
減できるとともに、紙送り時の紙の送り方向の傾斜を防
止することができる。
【0046】さらに、上記各実施例A〜Dにおいては、
スクリーン印刷によって硬質粒子がインクの内部に埋設
された状態の印刷層が形成されるため、摩擦力を高めて
も紙に傷を与えたり硬質粒子が脱落することがほとんど
なく、良好な紙送りを行うことができる。
【0047】なお、上記実施形態及び各実施例において
は、従来例の混粒塗装のように塗料の無駄が発生せず、
少ないインクによって効率的かつ安価に製造できるとい
う利点がある。
【0048】また、ブラスト加工の時間を極力短くする
ことによって、ローラ軸10に対してマスキングを施す
必要がなくなり、マスキングがなくても、ローラ軸10
の軸端の外径精度を保持することができる。
【0049】また、スクリーン印刷に際して、ローラ軸
の軸径の相違、印刷層のパターンの相違、送る紙の材
質、大きさ等に応じてスクリーン自体を替えるだけで容
易に対応することができる。
【0050】さらに、スクリーン印刷によって印刷層を
形成することにより、安価で大量生産も可能であるなど
の顕著な効果を奏する。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、合
成樹脂及び硬質粒子を含む印刷層を形成することによっ
て、ローラ表面において、硬質粒子が合成樹脂によって
完全に被覆されている状態にすることができるため、ロ
ーラ表面を適度な、しかも、滑らかな凹凸形状に形成す
ることができ、ローラ表面の摩擦力を確保すると同時
に、紙粉や紙繊維等の付着を抑制することができ、摩擦
力の低下しない、耐久性のある紙送りローラを得ること
ができる。また、印刷層は、従来構造と較べて厚さの制
御が容易であり、ローラ外径を高精度に、かつ、均一に
設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙送りローラの実施形態の表面近
傍の拡大断面図である。
【図2】同実施形態の全体の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図3】上記実施形態とは異なる実施形態の概略構成を
示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ローラ軸 10a 外周面 11 ブラスト跡 20,30 印刷層 21 インク 22 硬質粒子(ステンレスビーズ) 31 矩形領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面上に、滑らかな外面を有す
    る平均粒径が100〜170μm程度の硬質粒子を吹き
    付けることにより、前記外周面を粗面化する粗面化工程
    と、前記軸体の外周面上に、スクリーン印刷によって合
    成樹脂及び滑らかな外面形状を備えた平均粒径が10〜
    150μm程度の硬質粒子を含む印刷層を形成する印刷
    工程とを有することを特徴とする紙送りローラの製造方
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記印刷層に含まれ
    る硬質粒子は金属若しくはセラミック粒子であることを
    特徴とする紙送りローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記印
    刷層を、前記軸体の軸線方向及び前記外周面の周回方向
    に複数の矩形領域が島状に配列されたパターンに形成す
    ことを特徴とする紙送りローラの製造方法。
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