JP3026486B2 - セラミックス積層体の製造方法 - Google Patents

セラミックス積層体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度等の機械的性
質に優れ、高温下での耐酸化性、耐食性に優れ、機械部
品材料として好適に用いられるセラミックスに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素(SiN)、サイアロン(Si
−Al−O−N)、炭化珪素(SiC)などの非酸化物
セラミックスは、高強度、耐熱性など多くの優れた特性
を有するため、機械部品などとしての応用が精力的に進
められている。しかし、ガスタービン部品のような高温
での利用を考えた場合には、耐酸化性、耐食性に問題が
ある。特に、1500℃前後もしくはそれ以上の温度に
なると、酸化の進行による劣化は避けられない。これに
対し、酸化物セラミックスは耐酸化性、耐食性に優れて
いるが、高温での強度低下が著しい。つまり、非酸化物
セラミックスも酸化物セラミックスも、単独では高強度
及び耐熱性と高温下での耐酸化性及び耐食性との双方を
満足させることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、非酸化物セラ
ミックスの表面に酸化物層を形成すれば、耐酸化性及び
耐食性が改善され、高温での使用に耐える機械部品材料
となることが予想される。
【0004】ところが、通常、非酸化物セラミックスと
酸化物セラミックスとの接合・一体化は難しく、接合し
ようとしてもすぐに分離する。又、接合した場合であっ
ても、一体化操作に加熱処理を伴うことによって、両者
の物性の差、特に熱膨張係数の違いから、冷却過程にお
いて両者に引っ張りあるいは圧縮の残留応力が生じて亀
裂の発生を招くことが多い。従って、従来の手法では非
酸化物セラミックスと酸化物層との一体化は難しい。
【0005】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
するためになされたもので、強度及び耐熱性に優れ、高
温下での酸化及び腐食に充分対応可能な機械部品材料を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、炭化珪素を主
成分とする非酸化物セラミックスとハフニアを主成分と
する酸化物層とをチタニアを用いて一体化できることを
見いだし、本発明のセラミックス積層体の製造方法を発
明するに至った。
【0007】本発明のセラミックス積層体の製造方法
は、炭化珪素を含有する第1層とハフニアを含有する第
2層とをチタニアを含有する第3層を介して積層し、加
熱処理することによって該第1層と該第2層とを接合す
ることを要旨とする。
【0008】上記第3層は、上記第1層及び第2層の積
層界面に対してチタニアが0.06g/cm2 以下の割合
となるように介在させ、上記加熱処理の温度が1500
〜2200℃である。
【0009】又、上記第3層は更にハフニアを含有しチ
タニアの含有割合が15モル%以上であり、上記第2層
は実質的にハフニアのみからなる。
【0010】上記方法に従って、第3層のチタニアは、
加熱によって炭化珪素及びハフニアと反応もしくは固溶
し、炭化珪素層とハフニアとが接合される。得られるセ
ラミックス積層体は、高温での強度と耐酸化性、耐腐食
性を兼ね備え、層間に生じる残留応力が低く、亀裂の発
生が防止されるため、高温に晒される機械部品としての
使用に耐える性能を備える。
【0011】
【発明の実施の形態】炭化珪素は、高温強度に優れるセ
ラミックスであり、高温での耐酸化性、耐食性が改善さ
れれば好適な機械部品材料となる。この改善は、耐酸化
性、耐食性を有する酸化物セラミックスで炭化珪素表面
を被覆することにより実現され、この目的のための酸化
物に最も適しているものとして、耐熱性に優れ熱膨張係
数が炭化珪素と近いハフニア(HfO2 )が挙げられ
る。しかし、炭化珪素とハフニアとは、接触させて加熱
しても接合されず、同時焼結によっても一体化しない。
本発明者らは、炭化珪素層とハフニア層との間にアルミ
ナ(Al23 )を介在させて加熱処理することにより
両層を接合できることを先の特願平8−147415号
において提案している。この提案に従って積層体を製造
する場合、実際にはアルミナの使用量を厳格に制御する
必要が生じ、この要件を緩和するためにハフニア層にチ
タニアを添加することが実用上不可避となってくる。と
ころが、ハフニア層にチタニアを添加すると、高温の酸
化性雰囲気に曝される間に残留応力発生の原因となる新
たな層が形成されるという問題が生じることがわかって
きた。このため、炭化珪素層とハフニア層とを良好に接
合できる方法をさらに模索した結果、チタニアを用いて
炭化珪素層とハフニア層とを接合することができ、残留
応力を発生する新たな層も形成されないことを見出し
た。本発明は、炭化珪素層とハフニア層との間にチタニ
ア(TiO2 )を介在させて加熱処理するもので、これ
により両層は良好に接合され、積層体が得られる。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】炭化珪素及びハフニアのアルミナによる接
合は、炭化珪素層及びハフニア層の間にチタニア粉末を
介在させて加熱処理することにより達成される。接合す
る炭化珪素層及びハフニア層は、圧粉成形体あるいは更
に焼結処理を施した焼結体のいずれの成形体であっても
よく、例えば、炭化珪素粉末、チタニア粉末及びハフニ
ア粉末を層状に堆積させて同時に加圧成形した積層物、
炭化珪素焼結体とハフニア焼結体との間にチタニアを挟
み込んだもの等が使用できる。圧粉成形体を適用する場
合、圧粉密度は操作上の必要等に応じて適宜設定するこ
とができるが、取扱の容易さ及び焼結時の緻密化等を考
慮すると、炭化珪素については、1.3〜1.9g/cm
3 、ハフニアは3.9〜5.8g/cm3 程度に成形する
のが好ましい。炭化珪素及びハフニアの焼結体は、各々
の圧粉成形体を焼結温度に加熱することによって得られ
る。炭化珪素及びハフニアの焼結温度は、焼結助剤の有
無など組成によって変化するが、概して、炭化珪素の焼
結温度は約2000℃前後、ハフニア等の焼結温度は約
1600〜2000℃である。
【0014】上述のような炭化珪素層及びハフニア層の
間にチタニアを介在させた積層物を加熱処理することに
よって、炭化珪素層とハフニア層とが接合される。介在
するチタニアは、加熱によって、炭化珪素及びハフニア
と反応もしくは固溶し、炭化珪素層及びハフニア層に対
して接着剤のように作用して、炭化珪素層とハフニア層
とを接合する。更に、チタニアは、冷却過程で両層間に
生じる残留応力を低減して安定な積層セラミックスを形
成することにも寄与する。但し、使用するチタニアの量
が過剰であると、炭化珪素及びハフニアのいずれとも作
用せずに残留するチタニアによって加熱処理後の積層体
に比較的厚い単味のチタニア層が形成される。チタニア
は、ハフニアや炭化珪素と熱膨張係数がかなり異なるの
で、積層体にチタニア層が形成されると、炭化珪素とハ
フニアとの接合は成されても、チタニア層において亀裂
が生じ、破壊が起こり易くなる。従って、加熱処理後の
積層体にチタニア層ができる限り残存しないように、使
用するチタニアの量を調節することが望ましい。好適な
チタニアの使用量は、接合する界面の面積に比例し、加
熱温度や加熱時間などの処理条件によって変化するが、
概して、約0.065g/cm2 以下、好ましくは約0.
06g/cm2 以下、より好ましくは約0.055g/cm
2 以下の範囲で、処理条件に応じて適宜設定される。こ
の様な範囲の量のチタニアを加圧成形すると、加熱処理
前のチタニア層の厚さは概して100μm程度以下とな
る。そして、最も好ましいチタニアの使用量は0.01
0〜0.030/cm2 であって、この値は実験結果によ
り明らかである。
【0015】チタニア単味層の残存防止に関して、チタ
ニアにハフニアを添加した混合粉末を用いる方法は有効
である。チタニア/ハフニア混合粉末を加熱すると、固
溶しきれないチタニアが炭化珪素と反応もしくは固溶
し、同様に接着剤のように作用する。このような性質か
ら、チタニア/ハフニア混合粉末を用いる場合には、混
合粉末のチタニアの含有量が15モル%以上であること
が必要であり、チタニア含有量が20〜30モル%程度
の混合粉末が特に好ましい。チタニア/ハフニア混合粉
末を使用する際、混合粉末の使用量は、接合界面につい
て約0.140g/cm2 以下となるような範囲が適して
おり、混合粉末のチタニア含有量が増加するに従って混
合粉末の使用量を減少させるのが適切である。
【0016】炭化珪素焼結体及びハフニア焼結体のチタ
ニアによる接合は、約1500℃あるいはそれ以上での
加熱処理によって達成される。接合する炭化珪素及びハ
フニアが圧粉体である場合には、加熱処理中に同時に圧
粉体の焼結も行われるように加熱処理の温度を設定す
る。例えば、炭化珪素圧粉体をハフニア圧粉体又はハフ
ニア焼結体と接合する場合では、加熱処理の温度は20
00℃前後まで上げる必要がある。従って、接合のため
の加熱処理温度は、接合する両層の如何によって、約1
500〜2200℃前後、好ましくは約1700〜20
50℃、より好ましくは約1750〜2000℃の範囲
内で適宜設定される。
【0017】炭化珪素層あるいはハフニア層に焼結助
剤、潤滑剤等の添加物を加えた場合、両層の熱膨張係数
の違いが大きくなる場合もある。しかし、添加量が適切
であれば、熱膨張係数をさほど変化させることなく焼結
温度を下げることができる。従って、本発明において
も、通常用いられるような添加物を一般的な手法に従っ
て使用することが可能であり、炭化珪素及びハフニアを
各々主成分とする2層が良好に接合される。又、炭化珪
素層は、繊維のような強化材等により複合化されたもの
であってもよい。
【0018】加熱処理により接合された積層体は、熱膨
張係数の違いによる残留応力の発生が少ない安定した積
層体であるが、急激な温度変化による亀裂の発生等を防
止するために、加熱処理後の冷却は穏やかに行うのが好
ましい。
【0019】上述の工程を経て得られる炭化珪素−ハフ
ニア積層体は、両層の接合界面付近にチタニアが固溶体
あるいは化合物等の形態で分布し、チタニア単味層は殆
どない。チタニアの使用量によってはチタニア単味層が
形成されるが、その厚さが30μm以下であれば、積層
体の安定性に対する影響は比較的少ない。
【0020】
【実施例】以下、実験例により、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0021】[原料粉末の調製]炭化珪素粉末98重量
部に、焼結助剤としてホウ素粉末及び炭素粉末を各々1
重量部ずつ添加し、ボールミルで混合した後乾燥して、
炭化珪素層を形成するための粉末Aを調製した。
【0022】又、表1に記載の配合割合となるようにチ
タニア粉末をハフニア粉末に添加し、ボールミルで混合
した後乾燥して、ハフニア層の形成及び炭化珪素層とハ
フニア層との接合に用いるための粉末B0〜B3を調製
した。
【0023】[試料の作製] (試料作製法1:実施例1〜7、比較例1、2)各試料
について、以下の操作を行った。
【0024】まず、1気圧の窒素雰囲気中で、成形型内
に粉末Aを均一に投入し、その上に、粉末Aとの接触面
積当りのチタニア量が表2に記載する値となるようにチ
タニア粉末を層状に均一に積層し、更にその上に粉末B
0を均一に投入して、1000kg/cm2 のプレス圧力で
1分間コールドプレスにより積層方向に加圧成形して積
層体を得た。
【0025】次に、上記積層体をカーボンモールドに収
容し、1気圧の窒素雰囲気中で2000℃に保持して4
00kg/cm2 のプレス圧力で60分間積層体のホットプ
レスを行った。ホットプレス後の積層体を室温まで冷却
した後、積層体の炭化珪素層及びハフニア層の状態を下
記に従って評価した。
【0026】(試料作製法2:実施例8)1気圧の窒素
雰囲気中で、粉末Aをカーボンモールド内に均一に投入
して2000℃に保持して400kg/cm2 のプレス圧力
で60分間ホットプレスを行って、炭化珪素焼結体を得
た。
【0027】他方、1気圧の窒素雰囲気中で、粉末B0
をカーボンモールド内に均一に投入して1800℃に保
持して400kg/cm2 のプレス圧力で60分間ホットプ
レスを行って、ハフニア焼結体を得た。
【0028】上記炭化珪素焼結体をカーボンモールドに
収容し、チタニア粉末を表2に示す割合で炭化珪素焼結
体上に積層してこの上にハフニア焼結体を重ね、1気圧
の窒素雰囲気中で1550℃に保持して400kg/cm2
のプレス圧力で60分間積層体のホットプレスを行っ
た。ホットプレス後の積層体を室温まで冷却した後、積
層体の炭化珪素層及びハフニア層の状態を下記に従って
評価した。
【0029】(試料作製法3:実施例9)1気圧の窒素
雰囲気中で、粉末Aをカーボンモールド内に均一に投入
して2000℃に保持して400kg/cm2 のプレス圧力
で60分間ホットプレスを行って、炭化珪素焼結体を得
た。
【0030】他方、1気圧の窒素雰囲気中で、成形型内
に粉末B0を均一に投入し、1000kg/cm2 のプレス
圧力で1分間コールドプレスにより加圧成形してハフニ
ア成形体を得た。
【0031】次に、上記炭化珪素焼結体をカーボンモー
ルドに収容し、チタニア粉末を表2に示す割合で炭化珪
素焼結体上に積層してこの上にハフニア成形体を重ね、
1気圧の窒素雰囲気中で1550℃に保持して400kg
/cm2 のプレス圧力で60分間積層体のホットプレスを
行った。ホットプレス後の積層体を室温まで冷却した
後、積層体の炭化珪素層及びハフニア層の状態を下記に
従って評価した。
【0032】(試料作製法4:実施例10)まず、1気
圧の窒素雰囲気中で、成形型内に粉末Aを均一に投入
し、その上に、表2に示す量の粉末B2を層状に均一に
積層し、さらにその上に粉末B0を投入して、1000
kg/cm2 のプレス圧で1分間コールドプレスにより積層
方向に加圧成形して積層体を得た。
【0033】次に、上記積層体をカーボンモールドに収
容し、1気圧の窒素雰囲気中で2000℃に保持して4
00kg/cm2 のプレス圧で60分間積層体のホットプレ
スを行った。ホットプレス後の積層体を室温まで冷却し
た後、積層体の炭化珪素層及びハフニア層の状態を下記
に従って評価した。
【0034】(試料作製法4:実施例11)粉末B2に
代えて粉末B3を用いた点以外は試料10と同様の操作
を繰り返して試料11の積層体を得た。積層体の炭化珪
素層及びハフニア層の状態を下記に従って評価した。
【0035】(試料作製法4:比較例3)粉末B2に代
えて粉末B1を用いた点以外は試料10と同様の操作を
繰り返して比較試料3の積層体を得た。積層体の炭化珪
素層及びハフニア層の状態を下記に従って評価した。
【0036】(試料作製法5:実施例12)1気圧の窒
素雰囲気中で、粉末Aをカーボンモールド内に均一に投
入して2000℃に保持して400kg/cm2 のプレス圧
力で60分間ホットプレスを行って、炭化珪素焼結体を
得た。
【0037】他方、1気圧の窒素雰囲気中で、カーボン
モールド内に粉末B0を均一に投入し、1800℃に保
持して400kg/cm2 のプレス圧力で60分間ホットプ
レスを行ってハフニア焼結体を得た。
【0038】上記炭化珪素焼結体をカーボンモールドに
収容し、表2に示す量の粉末B2を炭化珪素焼結体上に
積層してこの上にハフニア焼結体を重ね、1気圧の窒素
雰囲気中で1550℃に保持して400kg/cm2 のプレ
ス圧力で60分間積層体のホットプレスを行った。ホッ
トプレス後の積層体を室温まで冷却した後、積層体の炭
化珪素層及びハフニア層の状態を下記に従って評価し
た。
【0039】(試料作製法6:実施例13)1気圧の窒
素雰囲気中で、粉末Aをカーボンモールド内に均一に投
入して2000℃に保持して400kg/cm2 のプレス圧
力で60分間ホットプレスを行って、炭化珪素焼結体を
得た。
【0040】他方、1気圧の窒素雰囲気中で、カーボン
モールド内に粉末B0を均一に投入し、1000kg/cm
2 のプレス圧力で1分間コールドプレスにより加圧成形
してハフニア成形体を得た。
【0041】上記炭化珪素焼結体をカーボンモールドに
収容し、表2に示す量の粉末B2を炭化珪素焼結体上に
積層してこの上にハフニア成形体を重ね、1気圧の窒素
雰囲気中で1550℃に保持して400kg/cm2 のプレ
ス圧力で60分間積層体のホットプレスを行った。ホッ
トプレス後の積層体を室温まで冷却した後、積層体の炭
化珪素層及びハフニア層の状態を下記に従って評価し
た。
【0042】[評価]炭化珪素層及びハフニア層が良好
に接合され、顕微鏡での観察でも亀裂が見られない場合
をa、顕微鏡での観察で接合界面に微少な亀裂が僅かに
見られるが、両層は良好に接合されている場合をb、両
層は接合されているが、目視により明らかな亀裂が見ら
れる場合をc、両層が接合されず分離した場合をdとし
て、表2に記載する。
【0043】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粉末 ハフニア含有量(モル%) チタニア含有量(モル%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− B0 100 0 B1 90 10 B2 85 15 B3 80 20 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0044】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− チタニア量 評価 チタニア量 評価 (g/cm2 ) 又は混合粉末 量(g/cm2 ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.001 b 実施例9 0.020 a 実施例2 0.005 b 実施例10 0.070 a 実施例3 0.010 a 実施例11 0.050 a 実施例4 0.020 a 実施例12 0.070 a 実施例5 0.030 a 実施例13 0.070 a 実施例6 0.055 b 比較例1 0 d 実施例7 0.065 b 比較例2 0.080 c 実施例8 0.020 a 比較例3 0.070 d −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0045】実施例1〜13の結果から、炭化珪素層と
ハフニア層とがチタニアにより良好に接合されることが
明らかである。又、比較例2の結果は、チタニアを過剰
に使用すると亀裂が発生することを示している。これ
は、チタニア自体の熱膨張係数が高いために多量のチタ
ニアによってハフニア層の熱膨張係数が増大することに
よると考えられる。
【0046】上記で得られた積層体のハフニア層のみを
酸化性雰囲気に曝して1400℃で96時間保持した
後、室温まで冷却し、XRDによって層の同定を行った
結果、いずれの積層体においても、ハフニア層及び炭化
珪素層以外の第3層は認められなかった。このことか
ら、接合界面付近のチタニアは熱処理によって拡散はし
ても、ハフニア層の表面まで達することはなく、従っ
て、亀裂の発生や耐酸化性の劣化の原因となる化合物を
形成しないことがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミッ
クス積層体の製造方法は、高い強度と高温における耐酸
化性、耐食性に優れたセラミックス積層体が得られるも
のであり、その工業的価値は極めて大である。また、本
発明の製造方法によって得られるセラミックス積層体
は、優れた耐熱性により高温下で使用される機械部品用
材料として適しており、高品質の機械部品の供給が可能
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−236661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 37/00 B32B 18/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素を含有する第1層とハフニアを
    含有する第2層とをチタニアを含有する第3層を介して
    積層し、加熱処理することによって該第1層と該第2層
    とを接合するセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記第3層は、前記第1層及び第2層の積層界面に対し
    てチタニアが0.06g/cm 以下の割合となるよう
    に介在させ、前記加熱処理の温度が1500〜2200
    ℃であることを特徴とするセラミックス積層体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 炭化珪素を含有する第1層とハフニアを
    含有する第2層とをチタニアを含有する第3層を介して
    積層し、加熱処理することによって該第1層と該第2層
    とを接合するセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記第3層は更にハフニアを含有しチタニアの割合が1
    5モル%以上であり、前記第2層は実質的にハフニアの
    みからなることを特徴とするセラミックス積層体の製造
    方法。
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