JP3026234B2 - 放射性物質含有水の処理方法 - Google Patents

放射性物質含有水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明では、例えばアスファルトの如き物質に混練の様
な高剪断力を与えた時、これが曳糸性を示しながら大変
形する場合、この性質を粘弾性と言い、粘弾性を示し得
る物質を粘弾性体ということとする。 「産業上の利用分野」本発明は、原子力産業等に於いて
副生する放射性物質含有水の処理に関するものである。 「従来技術」原子力産業等、放射性物質を取扱う工業に
於いては、その工程中に放射性物質含有水を副生する場
合が多く、その処理には状況に応じ凝集剤による凝集沈
澱、イオン交換能又は吸着能を有する物体による収着分
離、蒸発濃縮等、各種の方法が使われているが、副生水
の多くは希薄な放射性物質含有水であり、その処理は繁
雑で時間も要し且コストもかかり、又少量の放射性物質
含有水の放出も行われている様である。(以上、『用水
廃水便覧』P.1093〜1105/昭和58年参照) 又、海水はウランを約3ppb含有している。この海水
よりウランを濃縮回収しようという試みは古くから行わ
れている。例えば、英国UKAEAでモスリンやグラス
ウールに酸化チタンを付け、海水中に浸漬することによ
り、ウランを採取しようとした。(※−1)この考え方
を基礎として日本でも海水中よりウランを採取する試み
がなされている。又、キチン、キトサン、並びにそれら
の燐酸化物はウラン捕捉能力があり、特にキチン、キト
サンの燐酸化物は他種金属イオンと共存状態にあるウラ
ニルイオンの吸着に対して高い選択性を示すことが明ら
かにされ、ウラニルイオンがアルカリ水溶液で容易に脱
着出来るため、海水中よりウランが回収される可能性が
出て来たが(※−2)、これに基づき、回収技術が完
成、企業化されたということを聞いていない。 「発明が解決しようとする問題点」以上の様に放射性物
質含有水、特にその濃度の低い場合は、色々の問題点を
有している。本発明はこの放射性物質含有水に、簡単且
効率的に処理して放射性物質を分離し、要すればその再
利用を計り得る方法を提供するにある。 「問題を解決するための手段及び作用」本発明者は上述
の種々の問題点を除き、簡単且効率的な分離法を得んと
種々の検討を重ねた。先ず考えられることは、放射性物
質と結合し得る物質が上述した様に2、3知られている
ので、これらを用い溶存している放射性物質を凝集沈澱
せしめる方法であろうが、何分希薄液の為、結合物は微
細な懸濁状となり、濾別は容易ではない。しかしながら
本発明者は、先に疎水性の粘弾性体を用い、これと懸濁
物含有水を混練すれば懸濁物を容易に分離し得ることを
見出しているので(特許第1234557号)、この方
法を今回の場合も適用してみたところ実施例に示す如く
容易に放射性物質を分離し得て、これが有効な方法であ
ることを確認した。しかし、この粘弾性体と混練する方
法は残念ながら一般的には水溶性物質、特に低分子の溶
解物では、単に混練のみでは水中より分離することは出
来ない。本発明者は更に検討を重ねた結果、水溶性放射
性物質と結合し得る官能基を予め粘弾性体に付与してお
けば、これと含有水を混練するだけで簡単に溶存してい
る放射性物質を水中より分離することが出来ることを見
出し、本発明を完成したものである。官能基を有する粘
弾性体としては、粘弾性体自身に官能基を有するものを
使用出来ることは勿論であるが、実施例にも示す如く官
能基を有しない粘弾性体と適当な官能基を有する物質と
を混練し、粘弾性体の粘弾性を活用し、この物質を微細
化、均一分散せしめることにより充分目的を達成し得る
ことを見出し、粘弾性体等の選択の巾を広げてその応用
範囲を広くすることが可能になったのは本発明の一つの
大きな特徴と言えよう。実施例に示す如く、粘弾性体と
して安価な燃料として使用し得るアスファルトを使用す
るとすれば、混練処理後これを燃料として用い、その熱
量を有効に利用した後、灰分より放射性物質の回収も可
能と考えられ、リサイクル・システム或はクローズド・
システムの組み立ても可能になるかも知れない。この様
に、放射性物質が簡単且効率的に水中より分離し得る理
由は、系の粘弾性により上述の如く官能基保有物質は微
細、均一に粘弾性体中に分布されており、更に含有水と
の混練に際しては粘弾性体はその粘弾性により絶えず大
きな新しい接触面を含有水に提供し、結合を容易且効率
よくしているものと考えられる。以下、実施例にて本発
明を説明する。 実施例−1.(対照例−1) アスファルト系粘弾性体(VE−0)による放射性物質
含有水の処理。針入度100〜200のアスファルト系
粘弾性体(VE−0)を用い、原子燃料製造工場の放射
性物質含有水の処理を行った。予め、温度30〜35
℃、回転数45〜50rpmに調整したニーダー中にV
E−0、200gを添加混練し、その中に純水200c
cを添加、VE中に水が約50%含水する様にした。こ
の組成物は水が細かく粘弾性体中に分散する所謂W/O
型エマルジョン状組成物であり、粘弾性を示す。次にp
Hを4.5〜5.0に調整した放射性物質含有水を10
0cc宛5回に亙り、洗浄、内部水置換を目的として、
30〜50℃、45rpmにて粘弾性を示しながら大変
形している粘弾性体中に添加、混練、排水した。混練時
間は20分/回である。排水のpHが4.5になった時
点で前処理を完了した。実験方法としては、前処理を上
述方法にて完了した混練中のVE200g中に、200
ccの放射性物質含有水を添加、35℃、45rpmに
て混練し、20分後のサンプルを採取、供試試料とし
た。分析方法としては、30ccの処理水を蒸発し、蒸
発残分中の放射能をフロカ式シンチレーションカウンタ
ーにより測定した。実験結果をTable−1に示す。 【表1】この結果より、VE−0により放射性物質の処理は殆ど
不可能である。 実施例−2.(対照例−2) 燐酸化キトサンによる放射性物質含有水の処理 (1)燐酸化キトサンの合成(旭ガラス試作品を使用) フレーク状市販キトサン100gに化学用燐酸200c
cを添加、50℃撹拌下、フレーク状キトサンが認めら
れなくなる迄反応させた。この反応液はpH1.0以
下、黄褐色、粘稠な液体である。この液体を撹拌下、1
0%苛性ソーダにて中和した。pH4.5〜5.0に達
した時、液は白濁、高粘度の流体となった。これを水で
希釈し、計算上0.1%の燐酸化キトサン懸濁液を作成
した。以下、これを燐酸化キトサン液ということにす
る。 (2)混合処理による放射性物質含有水の処理 原子燃料製造工場の管理廃水を放射性物質含有水とし、
廃水100ccに燐酸化キトサン5ccを添加、撹拌機
にて混合した。混合液は乳白色である。この混合液を通
常ビスコース工業にて利用しているカナキン濾布を用い
濾過した。濾液は薄く乳白色を示し、濾布上には淡黄色
の含水量の多い濾過物が見受けられた。この濾液を供試
試料とし、実施例−1に示す方法にて分析した。分析結
果をTable−2に示す。 【表2】 この結果より、混合、濾過による放射性物質の分離、除
去は完全には困難と考えられた。 (3)混練処理による放射性物質含有水の処理 次に2.に示した廃水100ccに燐酸化キトサン液5
ccの割合で添加、混合した混合液を供試試料とし、対
照例−1に示したVE−0を用いる混練処理による実験
を行った。混合液を、VE−0を用い、対照例−1に示
した条件で実験した。その結果をTable−3に示
す。 【表3】この結果より、放射性物質含有水と燐酸化キトサン混合
液との混合液は、VE−0による混練により90%以上
除去可能であることが判明した。 実施例−3. 燐酸化キトサン含有VE(VE−1)による放射性物質
含有水の処理 VE−0を常温、粘弾性を示す状態で混練中、実施例−
2に示した0.1%燐酸化キトサン懸濁液300ccを
200gのVE−0中に分離水を除去しながら徐々に添
加した。添加終了後、約20分でVEは若干赤味を帯び
た均一体となった。粘弾性を示している系中の水のpH
は、4.5〜5.0であった。この粘弾性体をVE−1
とする。混練中のVE−1に対し100ccの放射性物
質含有水を添加、20分の処理を行い分離水を除去する
操作を5回繰り返した後、供試試料100ccを添加、
混練し、各経過時間毎に供試用分離水を採取した。その
結果を、Table−4に示す。 【表4】 この結果より明らかな様に、VE−1を用い粘弾性を示
す状態で混練したところ、廃水処理が可能であった。
α、β核種とも除去率90%以上の結果を得ている。
又、上記結果より、α核種よりβ核種の除去率の方が高
いようである。 実施例−4. 燐酸化キトサン、キトサン混合VEによる放射性物質含
有水の処理 一般に膠状物質単独でVE−0中に添加、混練する場合
よりも、繊維状、或はフレーク状物質を共に添加する方
が混練効果が上昇する。これを目的として、この実施例
では粘弾性体VE−1に対して重量で2%のキトサンを
フレーク状で添加した。これをVE−2とする。VE−
2により実施例−3と同じ混練条件で実施、供試用分離
水を採取した。その結果をTable−5に示す。 【表5】この結果より、VE−1よりVE−2の処理速度はやや
速いようであるが、到達除去率に関しては、大差がない
様である。 実施例−5・ キトサン含有VE(VE−3)による処理試験 実施例−4において燐酸化キトサン、キトサン混合物を
VE−0中に分散したVE−2は、VE−1より処理速
度がやや速かった。そこで、フレーク状のキトサン2重
量%をVE−0中に分散した。これをVE−3とし、キ
トサン自体に処理効果があるかどうかをテストしてみ
た。キトサン(フレーク状)3gを200gのVE−0
中に添加、混練し、水200ccを添加、混練する場
合、フレーク状キトサンは30分混練後VE−0中に分
散し、混練中VEは稍赤味を帯びた均一体となった。こ
のVE−3を用い、実施例−3と同じ混練条件で混練
し、供試用サンプルを作成した。処理結果をTable
−6に示す。 【表6】 この結果より、キトサン単独で処理しても処理効果があ
ることが判明した。しかし、処理効果は燐酸化キトサン
と比較し、劣るようである。 実施例−6, チタン化ポリビニルアルコール含有VE(VE−4)に
よる処理実験 チタン化ポリビニルアルコール(チタン化PVA)は、
次の処方により合成した。重合度2400、鹸化度99
%(モル)の粉末(20〜32メッシュ)100gを、
α−チタン酸(Ti=7wt%、Hc1=13.2wt
%、硫酸ソーダ=7wt%)3l中に加え、50℃撹拌
下で30分反応し、水洗後乾燥した。Ti含有量は1
1.5wt%である。チタン化PVAは硫酸酸性でチタ
ンが外れ、PVAも水中に溶出する可能性があるが、p
H3以上では溶出しないことが確認されたので、pH
4.5〜5.0の範囲でVE−0中に分散しVE−4を
作成した。但し、VE−4はチタン化PVA3gを20
0gのVE−0中に分散させた。このVE−4を使用
し、実施例−3と同じ混練条件で混練し、供試試料とし
た。処理結果をTable−7に示す。 【表7】この結果より、チタン化PVAも除去速度はあまり大き
くないが使用可能と考えられる。 実施例−7. IRA−405含有VE(VE−5)による処理実験 IRA−405(アニオン交換樹脂)を予め粉砕し、6
0メッシュパスの粉体とし水中に分散、これをVE−0
中に、VE:IRA=1:0.5(重量)の比率で加え
分散させた。これをVE−5とする。VE量、放射性物
質含有水添加量、その他の実験条件は、実施例−3に示
した通りである。この処理結果をTable−8に示
す。 【表8】 この結果より、VE−5は比較的良好な除去効果が期待
し得る。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 放射性物質と結合し得る官能基を有する粘弾性体中に放
    射性物質含有水を添加し、系が粘弾性を示す状態を保ち
    ながら混練することを特徴とする、放射性物質含有水よ
    り放射性物質を分離する方法
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