JP3024763B2 - 積層型変位素子 - Google Patents

積層型変位素子

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JP3024763B2
JP3024763B2 JP63186147A JP18614788A JP3024763B2 JP 3024763 B2 JP3024763 B2 JP 3024763B2 JP 63186147 A JP63186147 A JP 63186147A JP 18614788 A JP18614788 A JP 18614788A JP 3024763 B2 JP3024763 B2 JP 3024763B2
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,産業用ロボットのアクチュエータ,超音波
モータ等に使用する電気機械変換素子に関するものであ
り,特に電気機械変換材料からなる薄板を,内部電極を
介して複数枚積層することにより,変位量を増大させた
積層型変位素子の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来,X−Yステージの位置決め機構や制動ブレーキ等
に用いられている変位用素子に使用する積層型圧電素子
は,所定の形状に加工した圧電セラミック材料からなる
薄板に電極を設けて分極した後,直接若しくは薄い金属
を介して有機系の接着剤で接合する方法が採用されてい
る。しかし上記のように接着剤を使用して積層したもの
は,使用条件により,圧電素子の振動による変位を接着
剤層が吸収したり,高温の環境若しくは長期間の使用に
より接着剤が劣化する等の欠点がある。
このため,最近では積層チップコンデンサ構造方式の
積層型圧電素子が実用化されている。すなわち,例えば
特公昭59−32040号公報に記載のように、原料粉末にバ
インダーを添加,混練したペースト状の圧電セラミック
材料を,所定の厚さの薄板に形成し,この薄板の一方の
面若しくは両面に銀−パラジウム等の導電材料を塗布し
て内部電極を形成する。上記薄板を所定枚数積層して圧
着し,更に所定の形状に加工した後,焼成することによ
ってセラミック化し,積層体の両側面に外部電極を形成
したものである。上記構成の積層型圧電素子は,圧電セ
ラミック材料からなる薄板と内部電極の接合部の密着性
に優れると共に,熱的特性も安定であるため高温環境に
おいても充分に使用可能であり,また長期間に亘って劣
化が極めて少ない等の利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記構成の積層型圧電素子においては,電子部品のよ
うに電極間の直流高電圧を連続印加して変位を得るとい
う使用形態の場合には,電極材料として銀系の材料を使
用すると,高湿度雰囲気において所謂マイグレーション
を生じ,遂には絶縁破壊に至るという問題点がある。す
なわち電極を構成するAgは酸化しやすい元素であるが,
高湿度雰囲気においてイオン化(Ag+)し,印加電圧に
よって負電極に吸引され,負電極側に堆積する。このよ
うな堆積物は時間の経過と共に杉葉状に成長して,電極
間の絶縁抵抗を低下させ,遂には短絡するのである。こ
のようなマイグレーションを防止する手段として,電極
を例えばPt,Pdのような高融点の貴金属材料によって形
成することも考えられるが,性能の向上はともかくとし
て,コストが高騰する結果となるので好ましくない。ま
た銀系材料によって形成した内部電極の露出部分を,銀
より小さなマイグレーション特性を有する金属からなる
膜によって被覆するという提案がされている(例えば特
開昭62−62571号公報参照)。しかしながら積層体に形
成した後において露出部分を被覆する作業は極めて煩雑
であると共に,金属膜によって必ずしも完全に被覆する
ことができず,例えばピンホール等を介して外部の湿気
の侵入を許容することがあり,信頼性の点で未だ不満足
な点がある。以上の他にも高湿度の雰囲気における水分
の侵入を防止する手段として,例えば樹脂材料からなる
被膜によるコーティング手段,金属製容器内に密封する
手段等が試みられている。しかしながら樹脂材料からな
る被膜でコーティングしても,被膜は必ずしも非透水性
が完全でないのみならず,素子の作動により微小なクラ
ックを生じ,若しくはリード線との境界部に若干の隙間
を生じ,これらを介して水分が侵入する場合がある。ま
た金属製容器内に密封した場合には,素子の変位量が抑
制されるのみならず,全体の体積の増大を招来し,更に
コスト高となる欠点がある。何れにしても上記従来の構
成のものではマイグレーションを完全に防止することが
困難であり,寿命が著しく短いという問題点がある。
本発明は,上記従来技術に存在する問題点を解決し,
コストの高騰を招来することなく,マイグレーションを
完全に防止し得る積層型変位素子を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために,本願の第1の発明におい
ては,電気機械変換材料からなる薄板を,この薄板の大
部分を被覆するように形成した内部電極を介して複数枚
積層して積層体を形成し,この積層体の側面に前記内部
電極と交互に一層おきに接続すべき一対の外部電極を設
けてなる積層型変位素子において,内部電極の周縁外方
にこの内部電極を包囲するように薄板と同一の電気機械
変換材料からなる縁部材を薄板と一体に設けて非変位部
を形成し,内部電極と外部電極とを内部電極の外形寸法
より小なる幅寸法に形成したリード部を介して電気的に
接続し,前記非変位部の縁部材を介して内部電極と外気
との接触を遮断するように形成する,という技術的手段
を採用した。
なお上記第1の発明において,内部電極およびリード
部を銀系材料で形成し,外部電極を非銀系材料で形成す
ることができる。
また内部電極を銀系材料で形成し,リード部および外
部電極を非銀系材料で形成することができる。
また本願の第2の発明においては,上記第1の発明に
加えて,積層体の側面部近傍に形成される非変位部と積
層体の内部に形成される変位部との間に緩衝部を設ける
と共に、緩衝部における変位量が非変位部と接する部位
における0%から変位部と接する部位における100%ま
で順次増大するように形成する,という技術的手段を採
用した。
なお上記第2の発明において,緩衝部における内部電
極の存在比率が非変位部における0%から変位部におけ
る100%まで順次増大するように形成すると好ましい。
また上記第2の発明において,緩衝部を形成する材料
の圧電歪定数dと薄板を形成する材料の圧電歪定数d0
の比d/d0の値を,非変位部と接する部位における0から
変位部と接する部位における1まで順次増大するように
形成してもよい。
更に上記第2の発明において,緩衝部を形成する薄板
上の厚さt1なる絶縁層と厚さt2なる電極層をこの順に固
着し,内部電極の厚さtに対してt1+t2=tとなるよう
に形成すると共に,絶縁層の厚さt1を非変位部と接する
部位におけるtから変位部と接する部位における0まで
順次減少するように形成することもできる。
次に本発明においては,電気機械変換材料として圧電
材料若しくは電歪材料を使用することが好ましい。
また薄板上に内部電極,電極層および絶縁層を設ける
手段としては,スクリーン印刷を使用するのが有効であ
る。
〔作 用〕
上記の構成により,例えば銀系材料からなる内部電極
を積層体内に完全に密封し,外気との接触を遮断するこ
とができるから,外気中に含まれる水分の積層体内への
侵入を阻止することができる。
また積層体の側面部近傍に形成される非変位部と積層
体の内部に形成される変位部との間に緩衝部を設け,緩
衝部における変位を段階的若しくは連続的に変化するよ
うに形成したことにより,非変位部と変位部との境界に
発生する変位の急激な変化に起因する応力集中を防止す
る作用を期待できる。
〔実施例〕
第1図は本発明の第1実施例を示す要部正面図であ
る。同図において,1は薄板であり,圧電セラミック材料
によって例えば1辺10mm,厚さ100μmの正方形状に形成
する。2は内部電極であり,後述する導電性の材料によ
って形成し,薄板1の表面に設ける。次に3は外部電極
であり,Ni,Pt等の非銀系の導電性材料によって形成し,
前記薄板1を例えば100枚積層して形成した積層体の両
側面部に,一層おきに内部電極2の一部とリード部(図
示せず)を介して接続し,一対とする。
次に第2図は第1図における薄板1を示す平面図,第
3図は第2図におけるA−A線断面図である。両図にお
いて,1aは縁部材,2aはリード部である。すなわち内部電
極2は,例えば従来から使用されている銀−パラジウム
合金により,例えば1辺9mmに形成すると共に,リード
部2aを一体に設けて薄板1の縁辺に臨ませるか,若しく
は突出させる。リード部2aの幅w1は例えば1mmに形成す
る。次に縁部材1aは薄板1と同一材料によって,前記内
部電極2の外方に,この内部電極2を包囲するように,
幅w2=0.5mmの額縁状に形成する。なお縁部材1aは内部
電極2と同一の厚さに形成するが,縁部材1a,リード部2
aおよび内部電極2は薄板1の表面に,例えばスクリー
ン印刷手段によって設けることができる。すなわち,ま
ずPb(Zr,Ti)O3粉末に,有機バインダー,可塑剤,有
機溶剤等を添加混合した原材料により,例えばドクター
ブレード法により厚さ100μmの薄板1を形成する。次
にこの薄板1の表面に,銀−パラジウム合金からなるペ
ーストをスクリーン印刷によって固着し,第2図および
第3図に示す内部電極2を形成する。この場合リード部
2aも同時に形成する。内部電極2およびリード部2aの厚
さは3〜5μm前後とするのがよい。次にこの内部電極
2の周縁部に縁部材1aをスクリーン印刷によって形成す
るのであるが,この場合には内部電極2およびリード部
2aの部分をマスキングして行なうとよい。なお内部電極
2およびリード部2aと縁部材1aの形成順序を逆にしても
よい。上記のように形成した薄板1を例えば100枚積層
して圧着した後,1050〜1200℃において1〜5時間焼成
することにより,1辺10mm角の焼結積層体を得ることがで
きる。なおこの焼結積層体の両側面に設けるべき外部電
極3は,例えばNiメッキまたはNi,Auメッキの併用等に
よって形成する。
上記の構成により,銀−パラジウムからなる内部電極
2は,上下面を薄板1により,周縁部を縁部材1aによっ
て完全に遮蔽若しくは密封されるから,外気に全く露出
することがない。従って銀系材料に特有なマイグレーシ
ョンの発生を完全に防止できるのである。
更に内部電極2を銀−パラジウムにより形成し,リー
ド部2aおよび外部電極3を各々白金およびNiメッキ,す
なわち非銀系材料によって形成することにより,銀系材
料からなる内部電極2が外気に全く露出しないため,銀
のマイグレーションの発生をより完全に防止できる。こ
の場合白金からなるリード部2aは微小領域であるため,
高価な白金の使用量は僅少であり,コスト高の懸念はな
い。
次に前記構成の素子は,マイグレーションの発生を完
全に防止し得るという効果を有する一方において若干の
改良点を有する。すなわち第2図および第3図に示すよ
うに,内部電極2の重合する部分が変位部を形成するの
であるが,その周縁の縁部材1aを設けた部分には内部電
極2が存在しないため非変位部となり,両者の境界部に
おいては大きな歪が発生して応力が集中することとな
る。このため薄板1若しくは素子全体が割れる場合があ
る。また非変位部が変位部の変位を阻害し,圧電セラミ
ック材料固有の変位を得ることができない場合がある。
本願の第2の発明においては上記の点を更に改良して,
電気機械変換効率および信頼性を更に向上させることを
目的としてなされたものである。上記の目的達成のため
に,前記したように,縁部材1aに代表される非変位部
と,内部電極に代表される変位部との間に後記するよう
な緩衝部を設けたものである。
この緩衝部を設けたことにより,非変位部と変位部と
の境界部に発生する大なる歪を解消し,従って応力集中
による薄板1,更には変位素子全体の破壊を防止するので
ある。すなわち上記緩衝部においては,非変位部と接す
る部位においては変位は0であるが,変位部に至る間は
変位が段階的若しくは連続的に変化するように形成して
あるためである。
第4図ないし第6図は夫々本発明の第2実施例におけ
る緩衝部を形成する例を示す要部拡大平面図であり,同
一部分は第2図および第3図と同一の参照符号で示す。
まず第4図において緩衝部cは内部電極2で代表される
変位部aと縁部材1aで代表される非変位部bとの間に設
ける。21は部分電極であり,縁部材1aと略平行に複数の
縞状に形成すると共に,縞の幅寸法を内部電極2側から
縁部材1a側に向かって順次減少するように形成する。部
分電極21は内部電極2の一部として機能させるため,部
分電極21相互間および部分電極21と内部電極2との間に
は導通部材21aを設ける。なお第4図においては理解を
容易にするため内部電極2,部分電極21および導通部材21
aには,断面ではないがハッチングを付して表示してあ
る。
以上の構成により,部分電極21を設けた緩衝部cにお
いては,内部電極2を設けた変位部aにおける程ではな
いが,夫々の縞の幅に相当する変位を生じ,かつこれら
の変位は縁部材1aを設けた非変位部bと接する部位にお
ける0%から,変位部aと接する部位における100%ま
で順次増大するから,変位の緩衝作用を期待できる。
次に第5図に示すものは,部分電極21を内部電極2側
を底辺とする複数の三角形によって形成したもの,第6
図は部分電極21を複数個の円によって形成すると共に,
変位部aに近い側の直径を大に,非変位部bに近い側の
直径を小に形成したものであり,何れも前記第4図に示
すものと同様の変位緩衝作用がある。
次に上記のように部分電極21を設けた薄板を前記実施
例と同様に積層して,第1図に示すような積層型変位素
子とした。なお第4図ないし第5図に示す部分電極21お
よび導通部材21aは,例えばスクリーン印刷によって内
部電極2と同時に印刷可能であることは当然である。
上記のようにして製作した積層型変位素子に,200〜40
0Vの電圧を10分間印加して分極処理を行ない特性を測定
した。第7図および第8図は各々変位量と印加電圧およ
び駆動回数との関係を示す図である。なお比較例とし
て,上記と同一の圧電セラミック薄板材料を使用し,前
記第4図ないし第6図に示す部分電極21若しくは緩衝部
cを欠如する構成の積層型変位素子を製作した。第7図
および第8図から明らかなように,本実施例のものを示
すAは,比較例のものを示すBより,同一印加電圧に対
する変位量が20〜30%大であると共に,駆動回数すなわ
ち寿命も大幅に向上していることが認められる。なお第
8図におけるB1は絶縁破壊発生による寿命到達点であ
る。
次に第9図および第10図は各々本発明の第3実施例を
示す要部拡大平面図であり,同一部分は前記第4図ない
し第6図と同一の参照符号で示す。まず第9図におい
て,7は孔であり,緩衝部cの領域における薄板1上の内
部電極2に複数個設けるのであるが,非変位部b側の設
置数の方が変位部a側よりも多くなるように配設する。
この場合内部電極2には,理解を容易にするため断面で
はないがハッチングを付して示した。第9図に示すもの
は孔7の直径を同一に形成し,設置間隔を変位部a側と
非変位部b側とで異なるようにしたものである。次に第
10図に示す実施例においては,緩衝部cの領域における
薄板1上の内部電極2に設ける孔7の直径を異に形成
し,設置間隔は同一であるが,非変位部b側の孔7の直
径を変位部a側のそれより大に形成したものである。な
お第9図と第10図に示すものを組合せて形成してもよ
い。上記のような構成の内部電極2を形成するために
は,前記実施例と同様な銀−パラジウムペーストのスク
リーン印刷手段を適用できるが,この場合には予めスク
リーン上に孔7に相当するマスキングをしておけばよ
い。
上記の構成により,緩衝部cにおいては薄板1上の内
部電極2の存在比率が,非変位部bにおける0%から変
位部aにおける100%まで順次増大するから,緩衝部c
における変位量は内部電極2の存在比率に相当する変位
量となり,非変位部bにおける0から変位部aにおける
最大変位量まで順次増大する。従って前記実施例と同様
の変位の緩衝作用が期待でき,変位素子全体としての変
位量の増大が可能であり,駆動回数,寿命を大幅に向上
させ得る。
第11図は本発明の第4実施例を示す要部拡大平面図で
あり,同一部分は前記実施例と同一の符号で示す。第11
図において非変位部bを薄板11により,ならびに緩衝部
cを薄板12〜14によって形成し,変位部aを構成する薄
板1と一体的に固着すると共に,これらの薄板上に内部
電極(図示せず)を設ける。薄板11〜14には断面ではな
いが理解を容易にするためハッチングを付してある。な
お上記薄板1および11〜14の圧電歪定数を夫々d0および
d11〜d14としたとき、d11≒0およびd12<d13<d14<d0
となるように組成の異なる材料によって形成する。一般
に緩衝部cをn個の薄板12〜(11+n)で形成した場合
にd11<d12<……<d11+n<d0となるようにする。従っ
てnが大である程,相隣る薄板構成材料の圧電歪定数の
差を小さくすることができる。このような構成の薄板1,
11〜14を形成するには,例えば薄板11〜14の幅に相当す
る厚さを有する積層体を形成後,この積層体の端面と平
行に薄板1の厚さに対応する寸法宛スライスし,薄板1
と共に厚さ方向にプレスすることにより,第11図に示す
ように一体化することができる。
第12図(a)(b)は各々前記第11図に示す構成の緩
衝部cの形成手段の例を示す平面図である。すなわち前
記のように薄板11〜14の積層体を形成し、この積層体の
端面と平行に薄板1の厚さに対応する寸法にスライス
し、第12図(a)に示すように短辺部を45゜に切断して
台形状の緩衝部片10を形成する。次に第12図(b)に示
すように変位部を形成する薄板1の四辺に前記緩衝部片
10を配設して額縁状に包囲し、プレス加工等によって一
体化することができる。なお前記薄板11〜14の積層体を
形成後、スライスせずに第12図(a)に示すような緩衝
部片10を形成し、ブロック状の薄板材10aの四側面に緩
衝部片10を圧着した状態でスライスしてもよい。
第13図は前記第11図に示す構成の緩衝部cの形成手段
の他の例を示す平面図である。第13図において、額縁状
に形成した薄板11〜14を、変位部を形成すべき薄板1の
周囲に順次配設した後、プレス加工等によって厚さ方向
に圧着して一体化する。
上記のようにして薄板1および11〜14を一体に形成し
た後,変位部aおよび緩衝部c上に内部電極(図示せ
ず)を固着し,前記実施例と同様に積層する。
上記の構成により,緩衝部cにおいては,夫々の薄板
12〜14を構成する材料の圧電歪定数d12〜d14に対応する
変位量を生じ,非変位部bにおける0から変位部aにお
ける最大値まで順次変位量を増大させることができる。
従って前記実施例と同様の変位の緩衝作用およびこれに
付随する効果を期待できるのである。
次に第14図は本発明の第5実施例を示す要部拡大断面
図である。第14図において,8は絶縁層であり,非変位部
bおよび緩衝部cを形成する薄板1上に固着すると共
に,緩衝部cにおいては絶縁層8上に内部電極2の一部
を積層する。なお緩衝部cにおける絶縁層8と内部電極
2の厚さt1およびt2は,変位部aにおける内部電極2の
厚さtとの関係において,t1+t2=tとなるように形成
すると共に,絶縁層8の厚さt1を非変位部bと接する部
位におけるtから,変位部aと接する部位における0ま
で順次連続的に減少するように形成する。この場合上記
t1の変化を段階的若しくは非連続的に変化させてもよ
い。
以上の構成により,緩衝部cにおいては,厚さt1なる
絶縁層8が存在するから,薄板1に印加される駆動電圧
が変位部aにおける値より小となり,非変位部bと接す
る部位における0から,変位部aと接する部位における
最大値まで順次連続的若しくは段階的に増大する。従っ
て変位量も駆動電圧と比例して変化するから,前記実施
例と同様な変位の緩衝作用およびこれに付随する効果を
期待できるのである。
本実施例においては,薄板および内部電極の平面外形
輪郭形状が正方形である場合を示したが,正方形以外の
円形,矩形その他の幾何学的形状を任意に選定すること
ができる。また薄板を形成する電気機械変換材料として
は,本実施例に示すジルコン酸チタン酸鉛のような圧電
セラミック材料のみでなく,他の圧電材料は勿論のこ
と,キュリー温度が室温より低いため,分極の必要がな
く,かつ変位量が大であると共にヒステリシスが少ない
等の特徴を有する電歪材料を使用した積層型変位素子に
ついても,前記と全く同様な作用を期待できる。このよ
うな電歪材料としては,例えば,(Pb0.916La0.084
(Zr0.65 Ti0.350.979 O3,(Pb0.85 Sr0.15)(Zr
0.51 Ti0.34 Zn0.0125 Ni0.0375 Nb0.10)O3, (Pb0.85 Sr0.15)(Zr0.50 Ti0.30 Zn0.05 Ni0.05 Nb
0.10)O3 等を使用することができる。なお本実施例においては,
例えば第2実施例において,内部電極の一部を構成する
部分電極の構成例として縞,三角,円形のものを示し,
第3実施例において内部電極に設ける孔の形として円形
のものを示したが,これらの形状に限定されることな
く,他の任意の形状を選定することができる。すなわち
要するに緩衝部における内部電極(部分電極も含む)の
存在比率が,非変位部における0%から変位部における
100%まで順次増大するように形成すればよい。また部
分電極および内部電極の形成手段としてスクリーン印刷
法を使用した例について記述したが,これに限定せず,
メッキ,蒸着,塗布等の他の手段によっても作用は同一
である。更に内部電極と外部電極とを電気的に接続する
リード部ならびに外部電極を形成する材料としては,Au,
Pt,Pd,Ir,Rh,Os,Ruの1種若しくは2種以上またはこれ
らの合金を使用することができる。なお一対の外部電極
を積層体の対向面に配設する例を示したが,隣接面に各
々設けてもよく,一側面に一対を並設してもよい。
〔発明の効果〕
本発明は,以上記述のような構成および作用であるか
ら,銀系材料からなる内部電極を完全に密封することが
でき,マイグレーションを完全に防止することができ
る。また非変位部と変位部との間に緩衝部を形成するた
め,歪の増大若しくは応力集中による割れ等の発生を皆
無とすることができ,信頼性を大幅に向上し得るという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す要部正面図,第2図
は第1図における薄板を示す平面図,第3図は第2図に
おけるA−A線断面図,第4図〜第6図は夫々本発明の
第2実施例における緩衝部を形成する例を示す要部拡大
平面図,第7図および第8図は各々変位量と印加電圧お
よび駆動回数との関係を示す図,第9図および第10図は
各々本発明の第3実施例を示す要部拡大平面図,第11図
は本発明の第4実施例を示す要部拡大平面図,第12図
(a)(b)は各々第11図に示す構成の緩衝部の形成手
段の例を示す平面図,第13図は第11図に示す構成の緩衝
部の形成手段の他の例を示す平面図,第14図は本発明の
第5実施例を示す要部拡大断面図である。 1,11〜14:薄板,1a:縁部材,2:内部電極,7:孔,8:絶縁層,
a:変位部,b:非変位部,c:緩衝部。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気機械変換材料からなる薄板を、この薄
    板の大部分を被覆するように形成した内部電極を介して
    複数枚積層して積層体を形成し、この積層体の側面に前
    記内部電極と交互に一層おきに接続すべき一対の外部電
    極を設けてなる積層型変位素子において、内部電極の周
    縁外方にこの内部電極を包囲するように薄板と同一の電
    気機械変換材料からなる縁部材を薄板と一体に設けて非
    変位部を形成し、内部電極と外部電極とを内部電極の外
    形寸法より小なる幅寸法に形成したリード部を介して電
    気的に接続し、前記非変位部の縁部材を介して内部電極
    と外気との接触を遮断するように形成したことを特徴と
    する積層型変位素子。
  2. 【請求項2】内部電極およびリード部を銀系材料で形成
    し、外部電極を非銀系材料で形成した請求項(1)記載
    の積層型変位素子。
  3. 【請求項3】内部電極を銀系材料で形成し、リード部お
    よび外部電極を非銀系材料で形成した請求項(1)記載
    の積層型変位素子。
  4. 【請求項4】積層体の側面部近傍に形成される非変位部
    と積層体の内部に形成される変位部との間に緩衝部を設
    けると共に、緩衝部における変位量が非変位部と接する
    部位における0%から変位部と接する部位における100
    %まで順次増大するように形成した請求項(1)ないし
    (3)何れかに記載の積層型変位素子。
  5. 【請求項5】緩衝部における内部電極の存在比率が非変
    位部における0%から変位部における100%まで順次増
    大するように形成した請求項(4)記載の積層型変位素
    子。
  6. 【請求項6】緩衝部を形成する材料の圧電歪定数dと薄
    板を形成する材料の圧電歪定数d0との比d/d0の値を、非
    変位部と接する部位における0から変位部と接する部位
    における1まで順次増大するように形成した請求項
    (4)記載の積層型変位素子。
  7. 【請求項7】緩衝部を形成する薄板上に厚さt1なる絶縁
    層と厚さt2なる電極層をこの順に固着し、内部電極の厚
    さtに対してt1+t2=tとなるように形成すると共に、
    絶縁層の厚さt1を非変位部と接する部位におけるtから
    変位部と接する部位における0まで順次減少するように
    形成した請求項(4)記載の積層型変位素子。
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