JP3021432B1 - 苗箱の自動剥取り方法及びその自動剥取り装置 - Google Patents

Abstract

【要約】 【目的】ハウス内に整列した苗箱を機械的に剥取り処理
することができるようにする。 【構成】前方にネット押えロールを、中間部上に紐案内
の溝車を、後部に駆動回転する紐巻取りロールをそれぞ
れ設けた苗箱剥取り機の両側車輪を並設のレール上にそ
れぞれ載置し、根切りネット上に整列した苗箱の上記レ
ール方向の苗箱列の下方にわたして複数本づつ載置する
紐の前方突出部を苗床等に固定し、後方突出部を上記苗
箱剥取り機の溝車上に掛けて紐巻取りロールに固定し、
その紐巻取りロールを駆動して上記紐を上記紐巻取りロ
ールに巻取ることにより、上記紐の張力によって順次上
記苗箱剥取り機が上記レール上を前進し、その苗箱剥取
り機のネット押えロールにより上記根切りネットを押
え、上記紐により上記苗箱列の苗箱を持上げて苗箱の根
切りを行い該苗箱を上記苗箱剥取り機上に搬送して苗箱
を自動的に剥取る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ハウス内に整列した苗
箱を機械的に剥取り処理する苗箱の自動剥取り方法及び
その自動剥取り装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のハウス内に整列した苗箱
を機械的に剥取り処理することは、困難とされて来た。

【０００３】それで、上記の整列した苗箱を人手により
一枚づつ剥取り運んで処理している。従って、

【０００４】（１） 現在では、この種の作業をする人
が不足している。

【０００５】（２） 重い苗箱を持って中腰で作業する
ため、作業が重労働である。

【０００６】（３） 人手によって行うから、作業能率
が悪い。

【０００７】（４） 夏期等で暑いハウス内の作業で
は、健康上良くない点に問題があった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ハウス内にはレールが
敷設され、そのレールを使用すれば作業機は正確に走行
することができるため、該レールを使用するハウス作業
の関連機器が普及して来た。

【０００９】そして、近年上記レールを使用した苗箱自
動並べ機が開発されてハウス内に苗箱を整列することが
できるようになった。

【００１０】そこで、ハウス内に敷設されたレールを利
用し、該レール上に苗箱剥取り機を進行させてハウス内
に整列した苗箱を苗箱剥取り機により機械的に剥取り処
理し、人手を節減し、ハウス内の苗箱の剥取り処理を容
易安楽に行って作業者の疲労が少なく、且つ、整然とな
して作業能率を向上する点である。

【００１１】

【課題を解決するための手段】ハウス内に苗箱を整列す
る際、苗箱の下には、苗箱を苗床より剥取るときに苗箱
から苗床内に伸びた根を切断し、また、苗床の土が苗箱
に付着するのを防止するために根切りネットと言うネッ
トを敷設する。

【００１２】従って、苗箱を剥取るときには、苗箱から
苗床内に伸びた根を切断するために、苗箱と根切りネッ
トを分離しなければならない。

【００１３】そこで、本発明は、苗箱を整列するとき、
根切りネット上においてレール方向の各苗箱列の下方に
わたして複数本づつの紐を平行に載置する。

【００１４】その紐を載置する方法としては、例えば、
苗箱自動並べ機の機体の前方に各苗箱列当り複数本の紐
を巻付けたリールを予め取付けておき、苗箱自動並べ機
をレール上に走行させ苗箱を整列して載置するとき、そ
の作業と同時に、苗箱の下方に紐を載置してゆく。

【００１５】そして、上記紐の前方突出部を苗床等に固
定して後方突出部をレール上の苗箱剥取り機の紐巻取り
ロールに固定し、その紐巻取りロールを駆動して上記紐
を上記紐巻取りロールに巻取ることにより、上記苗剥取
り機が前進し、上記紐によって上記苗箱を上記苗箱剥取
り機上へ引上げ搬送して苗箱の剥取りを行う苗箱の自動
剥取り方法及びその自動剥取り装置を提供することを目
的とする。

【００１６】すなわち、前方にネット押えロールを、中
間部上に紐案内の溝車を、後部に駆動回転する紐巻取り
ロールをそれぞれ設けた苗箱剥取り機の両側車輪を並設
のレール上にそれぞれ載置し、根切りネット上に整列し
た苗箱の上記レール方向の苗箱列の下方にわたして複数
本づつ載置する紐の前方突出部を苗床等に固定し、後方
突出部を上記苗箱剥取り機の溝車上に掛けて紐巻取りロ
ールに固定し、その紐巻取りロールを駆動して上記紐を
上記紐巻取りロールに巻取ることにより、上記紐の張力
によって順次上記苗箱剥取り機が上記レール上を前進
し、その苗箱剥取り機のネット押えロールにより上記根
切りネットを押え、上記紐により上記苗箱列の苗箱を持
上げ苗箱の根切りを行って該苗箱を上記苗箱剥取り機上
に搬送し、人手を節減し、ハウス内の苗箱の剥取り処理
を容易安楽に行って作業者の疲労が少なく、且つ、整然
となして作業能率を向上する目的を、苗箱列の下方に複
数本の紐を載置してその紐をレール上の苗箱剥取り機上
の駆動する紐巻取りロールに巻取ってゆくことにより実
現した。

【００１７】

【実施例】図面は、本発明の一実施態様を示し、その構
成を図面について説明すれば、（Ａ）はハウスを示し、
（１）はハウス（Ａ）の前壁中央部に設けた出入口、
（２）はハウス（Ａ）の出入口（１）よりハウス（Ａ）
内の中央部にわたって敷設した前後方向の中央レール、
（３）はハウス（Ａ）内の両側部に中央レール（２）と
平行になしてそれぞれ敷設したサイドレールである。

【００１８】（Ｂ）はハウス（Ａ）内の中央レール
（２）と両側のサイドレール（３）の間の苗床を示し、
（４）は苗床（Ｂ）上に敷設した根切りネット、（５）
は根切りネット（４）上に前後左右に整列した多数の苗
箱、（６）は多数の苗箱（５）のレール（２），（３）
方向の苗箱列、（７）は各苗箱列（６）の下方にそれぞ
れわたして二本づつ平行に載置する紐で、苗箱列（６）
の中間両側部の下方に前後（以下、苗箱剥取り機の進行
方向を前方、これと反対方向を後方と言う。）に突出さ
せて配置する。（８）は紐（７）の前方突出部を苗床
（Ｂ）に固定する杭である。

【００１９】（Ｃ）は苗箱剥取り機を示し、（９）は苗
箱剥取り機（Ｃ）の車体、（１０）は車体（９）の前方
突出片の先端及び後部の両側に車軸（１１）により回転
自在に取付けた溝車輪、（１２）は車体（９）の前部両
側に中間部を軸杆（１３）により枢支した両側腕杆で、
その両側腕杆（１２）の前端部間にネット押えロール
（１４）をロール軸（１５）により回転自在に支持して
腕杆（１２）の後部をスプリング（１６）により上方へ
張持する。（１７），（１８）は車体（９）の前部及び
中間部の両側部上に固設した前方及び中間の両側支持
台、（１９），（２０）は前方及び中間の両側支持台
（１７），（１８）の上部間にそれぞれ回転自在に架設
した前方及び中間の案内軸で、その案内軸（１９），
（２０）には紐（７）に対応する紐案内の多数の溝車
（２１），（２２）をそれぞれ適当間隔に並設する。

【００２０】（２３）は車体（９）の後部に上方へ突出
させて固定した両側の後方支持台で、その両側の後方支
持台（２３）の上部間に案内ロール（２４）を案内軸
（２５）により回転自在に架設する。（２６）は車体
（９）の後方下部にロール軸（２７）により架設した紐
巻取りロールで、該紐巻取りロール（２６）上には紐
（７）に対応する多数の突片（２８）を適当間隔に並設
すると共に、その各突片（２８）の両側に鍔（２９）を
それぞれ設ける。（３０）は車体（９）の後部上に搭載
した減速モータで、該モータ（３０）の回転軸（３１）
とロール軸（２７）の一側部をチエン伝動機構（３２）
により連結する。

【００２１】（Ｄ）は中間案内軸（２０）と案内ロール
（２４）の間において車体（９）の後部上に附設した昇
降可能の横送りコンベヤを示し、（３３）は横送りコン
ベヤ（Ｄ）の台枠で、該台枠（３３）には前後方向の多
数のコンベヤロール（３４）を左右方向に適当間隔で並
列し台枠（３３）より若干上方へ突出させてロール軸
（３５）により回転可能に架設し、そのロール軸（３
５）の後方突出部には台枠（３３）より上方へ突出しな
い鎖車（３６）を取付ける。（３７）は台枠（３３）の
下面の後方中央部に取付けた減速モータで、該モータ
（３７）の回転軸（３８）に鎖車（３９）を取付ける。
（４０）は鎖車（３９）の両側の上方に回転自在に軸支
した案内鎖車で、鎖車（３９），両側の案内鎖車（４
０）及びすべての鎖車（３６）にチエン（４１）を掛け
わたす。

【００２２】（４２）は台枠（３３）の後片上に立設し
た当て板で、該当て板（４２）には隣接するコンベヤロ
ール（３４）の間に臨む多数の凹溝（４３）を並設す
る。（４４）は当て板（４２）に取付けたセンサであ
る。

【００２３】（４５），（４６）は車体（９）上の中間
部及び後部の両側に固定した受台、（４７），（４８）
は台枠（３３）の下面の前後両側に固定した受金、（４
９）は一側の前後受台（４５）に回転可能に架設した主
軸、（５０）は他側の前後受台（４６）に回転可能に架
設した従動軸で、主軸（４９）の前後に基部を固定した
前後の一側昇降腕（５１）の先端部を前後の一側受金
（４７）にピン（５２）によりそれぞれ枢着し、従動軸
（５０）の前後に基部を固定した前後の他側昇降腕（５
３）の先端部を前後の他側受金（４８）にピン（５４）
によりそれぞれ枢着する。（５５），（５６）は主軸
（４９）及び従動軸（５０）の後方突出部にそれぞれ固
定した一側及び他側の腕杆で、その両側腕杆（５５），
（５６）を連杆（５７）により連結する。（５８）は車
体（９）の一側後部上に搭載した減速モータで、該モー
タ（５８）の回転軸（５９）に取付けた作動腕（６０）
と一側腕杆（５５）を連杆（６１）により連結する。

【００２４】一方、前後方向において前方及び中間の案
内軸（１９），（２０）の溝車（２１），（２２）、コ
ンベヤ（Ｄ）の当て板（４２）の凹溝（４３）、紐巻取
りロール（２６）の突片（２８）の両側鍔（２９）間が
互いに対応するようになす。

【００２５】（６２）は車体（９）の中間下部上に搭載
したバッテリ、（６３）は一側後方支持台（２３）の上
部外側に取付た電気制御箱で、該電気制御箱（６３）に
は主スイッチ（６４），起動スイッチ（６５），手動ス
イッチ（６６）等を設ける。（６７），（６８）はコン
ベヤ（Ｄ）に対向させて設けた上下のセンサである。そ
して、図示してないがバッテリ（６２）、電気制御箱
（６３）、モータ（３０），（３７）、（５８）、セン
サ（４４），（６７），（６８）に電気回路を形成す
る。

【００２６】その作用を説明する。常時は、図２に示す
ようにコンベヤ（Ｄ）が下降して該コンベヤ（Ｄ）が中
間溝車（２２）及び案内ロール（２４）の上面より下方
に位置する。

【００２７】そこで、ハウス（Ａ）の後端において、図
１に示すように苗箱剥取り機（Ｃ）の両側車輪（１０）
を中央レール（２）と他側サイドレール（３）にそれぞ
れ係合し苗箱剥取り機（Ｃ）を中央レール（２）と他側
サイドレール（３）上にわたして載置する。

【００２８】次いで、図５に示すように苗床（Ｂ）の前
端部に多数の杭（８）を打込んで紐（７）の前方突出部
を杭（８）にそれぞれ巻付ける等して固定する。

【００２９】一方、紐（７）の後方突出部は、図６に示
すように前方溝車（２１）上及び中間溝車（２２）上に
掛け、図７に示すように当て板（４２）の凹溝（４３）
内に通して案内ロール（２４）上に掛け、先端部を紐巻
取りロール（２６）の突片（２８）に巻付ける等して固
定する。

【００３０】そこで制御箱（６３）の主スイッチ（６
４）を入れると、モータ（３０）に通電し、該モータ
（３０）の回転軸（３１）より伝動機構（３２），ロー
ル軸（２７）を経て紐巻取りロール（２６）は図６の矢
印方向へ回転し、図７に示すように紐（７）を紐巻取り
ロール（２６）の両側鍔（２９）の間にそれぞれ巻取っ
てゆく。

【００３１】従って、その紐巻取りロール（２６）への
紐（７）の巻取りに応じて該紐（７）の張力により順次
苗箱剥取り機（Ｃ）がレール（２），（３）上をゆるや
かに前進する。

【００３２】その苗箱剥取り機（Ｃ）の前進に伴い、図
６に示すようにネット押えロール（１４）により根切り
ネット（４）を下圧支持して該根切りネット（４）の上
昇を防止しながら、紐（７）により苗箱列（６）の苗箱
（５）を後端のものより順次斜め後ろ上方へ持上げて移
送し、その苗箱（５）の根切り作用を行って苗箱（５）
を紐（７）上に載置したまま車体（９）の上方の前方溝
車（２１），中間溝車（２２），案内ロール（２４）上
へ搬送する。

【００３３】図６に示すように後端の苗箱（５）がコン
ベヤ（Ｄ）のコンベヤロール（３４）上を後進して当て
板（４２）に当れば、センサ（４４）が作用し、モータ
（３０）への通電が止まって該モータ（３０）の回転軸
（３１）及びその回転軸（３１）に連結した紐巻取りロ
ール（２６）の回転が停止し、該紐巻取りロール（２
６）への紐（７）の巻取り，苗箱剥取り機（Ｃ）の前
進，苗箱（５）の剥取り及び苗箱剥取り機（Ｃ）上への
搬送作用は停止する。

【００３４】それと同時に、モータ（５８）に通電して
該モータ（５８）の回転軸（５９）が図９の矢印方向へ
回転するから、その回転軸（５９）の作動腕（６０）よ
り連杆（６１），一側腕杆（５５），連杆（５７），他
側腕杆（５６）を経て主軸（４９），従動軸（５０）が
図９の矢印方向へ回転し、両側前後の昇降杆（５１），
（５３）、ピン（５２），（５４）、受金（４７），
（４８）を介してコンベヤ（Ｄ）は図８に示すように平
行に上昇し、そのコンベヤ（Ｄ）により該コンベヤ
（Ｄ）上の苗箱（５）を持上げてそのコンベヤ（Ｄ）上
の苗箱（５）を紐（７）より上方へ離隔する。

【００３５】そのとき、上方センサ（６７）が作用し、
モータ（５８）への通電が止まり、該モータ（５８）の
回転軸（５９）及びその回転軸（５９）に連結したコン
ベヤ（Ｄ）の上昇は停止してコンベヤ（Ｄ）は上記上昇
位置に静止する。

【００３６】そこで、作業者が間欠的に手動スイッチ
（６６）を押せば、その手動スイツチ（６６）が入る毎
にモータ（３７）に通電して該モータ（３７）の回転軸
（３８）は回転し、その回転軸（３８）の鎖車（３９）
よりチエン（４１），鎖車（３６），ロール軸（３５）
を経てすべてのコンベヤロール（３４）は上部が一側へ
向かって回転する。

【００３７】従って、手動スイッチ（６６）の間欠操作
によりコンベヤロール（３４）を断続回転させてコンベ
ヤロール（３４）上の苗箱（５）を一側へ順次苗箱
（５）の一箇分づつ間欠搬送し、その苗箱（５）の搬送
停止時毎にコンベヤ（Ｄ）の一側端部上に至った苗箱
（５）を作業者が取除いて苗かご，苗棚等に収容する。

【００３８】コンベヤ（Ｄ）上のすべての苗箱（５）を
取除くと、起動スイッチ（６５）を入れれば、モータ
（５８）に通電して該モータ（５８）の回転軸（５９）
は上記と反対方向へ回転するから、該回転軸（５９）の
作動腕（６０）に連結したコンベヤ（Ｄ）は上記と反対
に平行に下降する。

【００３９】而して、コンベヤ（Ｄ）が図６に示すよう
に下降して下降位置に復帰すると、下方センサ（６８）
が作用してモータ（３０）に通電するから、上記と同様
にモータ（３０）の回転軸（３１）が回転してその回転
軸（３１）より伝動機構（３２）を介し紐巻取りロール
（２６）を駆動して該紐巻取りロール（２６）に紐
（７）を巻取り、その紐（７）の張力により苗箱剥取り
機（Ｃ）が前進して苗箱（５）の根切り，剥取り，苗箱
剥取り機（Ｃ）上への搬送が再開される。

【００４０】以下、順次上記と同様に起動スイッチ（６
５）及び手動スイッチ（６６）を操作することにより、
上記作用が自動的に繰返されて中央レール（２）の他側
の苗箱（５）が機械的に剥取り処理される。

【００４１】苗箱剥取り機（Ｃ）がレール（２），
（３）の前端部まで前進して中央レール（２）の他側の
苗箱（５）の剥取り処理が終れば、紐巻取りロール（２
６）に巻取った紐（７）を取除き、苗箱剥取り機（Ｃ）
を１８０゜回転して前後反対になし、ハウス（Ａ）の前
端において、図１に示したのと左右反対に苗箱剥取り機
（Ｃ）の両側車輪（１０）を中央レール（２）と一側サ
イドレール（３）にそれぞれ係合し苗箱剥取り機（Ｃ）
を中央レール（２）と一側サイドレール（３）上にわた
して載置する。

【００４２】次いで、上記と同様に操作し、一側の紐
（７）の後方突出部を杭（８）によって苗床（Ｂ）に固
定する。また、その紐（７）の前方突出部は、図６に示
すように上記と同様に前方溝車（２１）及び中間溝車
（２２）上に掛け、当て板（４２）の凹溝（４３）内に
通して案内ロール（２４）上に掛け、先端部を紐巻取り
ロール（２６）の突片（２８）に巻付ける等して固定す
る。

【００４３】そこで、主スイッチ（６４）を入れて上記
と同様に操作すると、上記と同様に作用して中央レール
（２）の一側の苗箱（５）が機械的に剥取り処理され
る。

【００４４】なお、紐（７）の突出部を上記杭（８）に
よって固定するのに代え、他の構成の固定具により固定
してもよい。

【００４５】紐（７）に代え、ロープ，ワイヤ等を用い
ても上記と同様に作用する。

【００４６】上記の間欠的に手動スイッチ（６６）を押
してコンベヤ（Ｄ）のコンベヤロール（３４）を断続回
転させるのに代え、コンベヤ（Ｄ）が上昇したとき、上
方センサ（６７）の作用によってモータ（５８）への通
電が止まると同時に、モータ（３７）に通電するように
なせば、そのモータ（５８）の回転軸（５９）の停止に
よってコンベヤ（Ｄ）が上昇保持された後、モータ（３
７）の回転軸（３８）に連結したすべてのコンベヤロー
ル（３４）は上部が一側へ向かって回転するから、コン
ベヤ（Ｄ）上の苗箱（５）はコンベヤロール（３４）に
よって一側へ搬送される。従って、順次コンベヤ（Ｄ）
の一側端部上に至った苗箱（５）を作業者が取除いて苗
かご，苗棚等に収容するようにしてもよい。

【００４７】コンベヤ（Ｄ）のコンベヤロール（３４）
を駆動するのに、上記チエン（４１）によるチエン伝動
機構に代え、台枠（３３）の後方下部に左右方向の中間
軸を回転自在に架設し、モータ（３７）の回転軸（３
８）と上記中間軸、及び該中間軸と各コンベヤロール
（３４）のロール軸（３５）の後方突出部をそれぞれ丸
ベルト等のベルト伝動機構により連結しても、上記と同
様に作用する。

【００４８】

【発明の効果】本発明の苗箱の自動剥取り方法及びその
自動剥取り装置は、下記のような利点がある。

【００４９】（１） ハウス内において播種，苗箱整
列、潅水等のハウス作業のために敷設したレールを利用
し、そのレール上に苗箱剥取り機を載置して該苗箱剥取
り機の紐巻取りロールに苗箱下方の紐を巻取り、苗箱剥
取り機をレール上に進行させて苗箱の剥取り処理を行
う。従って、

【００５０】（イ） 簡単な構成で、容易安価に実施で
きる。

【００５１】（ロ） 苗箱の剥取りを機械的に連続作業
で行うから、省力且つ軽労化により作業者の人数及び疲
労が少なくて作業者の手作業による過重な労働を解消
し、作業し易くて作業能率を著しく向上する。

【００５２】（ハ） 苗箱剥取り機が正確に直進して苗
箱の剥取り作業を終始適確になし得る。

【００５３】（２） 苗箱剥取り機の紐巻取りロールで
紐を巻取ってゆくに応じ、その紐の張力によって苗箱剥
取り機が進行すると共に、該紐によって苗箱の剥取り及
びその剥取った苗箱の苗箱剥取り機上への搬送を行う。
従って、

【００５４】（イ） 苗箱剥取り機の駆動装置が要らな
いから、構造が簡単である。

【００５５】（ロ） 紐の張力によって苗箱剥取り機が
進行するから、紐を常に一定強さに張った状態に保持し
たまま苗箱剥取り機は進行してその紐による苗箱の苗箱
剥取り機上への搬送を円滑適確に行うことができる。

【００５６】（３） 苗箱剥取り機の前方にネット押え
ロールを設けたから、そのネツト押えロールにより根切
りネットを押え保持しながら紐により上記根切りネット
上の苗箱を持上げて苗箱の根切りを良好適切に行うこと
ができる。

【００５７】（４） ハウス内の作業においては、高
温，高湿度の劣悪な環境下での重労働を解消できる。

【００５８】（５） 苗箱剥取り機の後部上に苗箱の横
送りコンベヤを附設して苗箱剥取り機上に搬送された苗
箱を上記横送りコンベヤにより苗箱剥取り機の一側へ搬
送するようになせば、苗箱剥取り機上に搬送された苗箱
の取除き作業を容易安楽に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様の苗箱剥取り機をハウス内
に設置した状態の後断面図である。

【図２】その苗箱剥取り機の拡大側面図である。

【図３】同上平面図である。

【図４】同上後面図で、中間一部を切欠して示す。

【図５】同上苗箱剥取り機による苗箱剥取りの作業状態
を示す平面図で、一部を切欠して示す。

【図６】同上要部の拡大側断面図で、中間部を切欠して
示す。

【図７】同上後面図で、中間一部を切欠して示す。

【図８】その苗箱剥取り機の横送りコンベヤを上昇させ
た状態の要部の側断面図で、中間部を切欠して示す。

【図９】同上要部の後面図で、一部を切欠して示す。

【符号の説明】

Ａ ハウス Ｂ 苗床 Ｃ 苗箱剥取り機 Ｄ 横送りコンベヤ １ 出入口 ２ 中央レール ３ サイドレール ４ 根切りネット ５ 苗箱 ６ 苗箱列 ７ 紐 ８ 杭 ９ 車体 １０ 車輪 １１ 車軸 １２ 腕杆 １３ 軸杆 １４ ネット押えロール １５ ロール軸 １６ スプリング １７ 前方支持台 １８ 中間支持台 １９ 前方案内軸 ２０ 中間案内軸 ２１ 前方溝車 ２２ 中間溝車 ２３ 後方支持台 ２４ 案内ロール ２５ 案内軸 ２６ 紐巻取りロール ２７ ロール軸 ２８ 突片 ２９ 鍔 ３０ 減速モータ ３１ 回転軸 ３２ チエン伝動機構 ３３ 台枠 ３４ コンベヤロール ３５ ロール軸 ３６ 鎖車 ３７ 減速モータ ３８ 回転軸 ３９ 鎖車 ４０ 案内鎖車 ４１ チエン ４２ 当て板 ４３ 凹溝 ４４ センサ ４５ 一側受台 ４６ 他側受台 ４７ 一側受金 ４８ 他側受金 ４９ 主軸 ５０ 従動軸 ５１ 一側昇降腕 ５２ ピン ５３ 他側昇降腕 ５４ ピン ５５ 一側腕杆 ５６ 他側腕杆 ５７ 連杆 ５８ 減速モータ ５９ 回転軸 ６０ 作動腕 ６１ 連杆 ６２ バッテリ ６３ 電気制御箱 ６４ 主スイッチ ６５ 起動スイッチ ６６ 手動スイッチ ６７ 上方センサ ６８ 下方センサ

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01G 9/00 A01G 13/00 302

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前方にネット押えロールを、中間部上に
   紐案内の溝車を、後部に駆動回転する紐巻取りロールを
   それぞれ設けた苗箱剥取り機の両側車輪を並設のレール
   上にそれぞれ載置し、根切りネット上に整列した苗箱の
   上記レール方向の苗箱列の下方にわたして複数本づつ載
   置する紐の前方突出部を苗床等に固定し、後方突出部を
   上記苗箱剥取り機の溝車上に掛けて紐巻取りロールに固
   定し、その紐巻取りロールを駆動して上記紐を上記紐巻
   取りロールに巻取ることにより、上記紐の張力によって
   順次上記苗箱剥取り機が上記レール上を前進し、その苗
   箱剥取り機のネット押えロールにより上記根切りネット
   を押え、上記紐により上記苗箱列の苗箱を持上げ苗箱の
   根切りを行って該苗箱を上記苗箱剥取り機上に搬送する
   ことを特徴とする苗箱の自動剥取り方法。
2. 【請求項２】 前方に根切りネットのネット押えロール
   を、中間部上に紐案内の溝車を、後部に駆動回転する紐
   巻取りロールを、両側前後には並設のレール上にそれぞ
   れ載置する車輪を設けた苗箱剥取り機と、上記根切りネ
   ット上に整列した苗箱の上記レール方向の苗箱列の下方
   にわたして複数本づつ載置する紐と、上記紐の前方突出
   部の苗床等への固定具とより成ることを特徴とする苗箱
   の自動剥取り装置。