JP3020695U - 空気循環装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】建物の室の中の空気を簡単な構造で効率良く循
環させることができる空気循環装置を提供すること。 【構成】少なくとも一本のダクト１０とこのダクトに設
けられた少なくとも一つの空気循環用のファン４０とを
備え、ダクトは一端に第一の空気口２０を有し、他端に
第二の空気口２１を有する。ダクトは取付手段１２によ
って壁面１１に取付けられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【従来技術】

従来、この種の空気循環装置として特開昭６１−４９９４５号に開示されてい る如く箱形中空ボックスの下端部に室内空気の吸引口を設けると共にボックスの 上端部に空気の吹出口を設けボックス内に吸排用ファンを設けたものが知られて いる。又、実開昭６０−１７６０４２号に開示されてているように、衝立、間仕 切等の室内分隔用家具の上下に通気口を設け該上下の通気口をエアー流路により 連通すると共に該エアー流路に送風機を設けたものが知られている。更に、実開 昭６１−６６７２７号、実開昭６１−１１６９３４号及び実開昭６１−１７０９ ３６号に開示されている如く、収納棚の上下に吸排気口を設け且つ空気通路にフ ァンを設けたものが知られている。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の如く従来技術では床面に配置されるボックスや収納棚等 の上下端に吸排気口を設けているのでこれら吸排気口を天井あるいは床面にでき るだけ接近させて配置するのに限度があり、従って、室内の空気循環を完全にで きない場合が生じていた。特に、暖房や冷房設備を有する室では天井近くの空気 と床面近くの空気とでは温冷の差が大きいためには、室温を均等にするには吸排 気口は天井あるいは床面に最も近く配置することが望ましい。上記の如き従来技 術では効率の良い空気循環を得るために高い天井の室から低い天井の室まで使用 できるように種々の寸法の環境装置を製造しなければならなず、このため製造コ ストがきわめて高くなるという欠点があった。

【０００３】 又、上記の如き従来技術ではボックスや収納棚の形態をとっているため装置全体 が大型になる上空気循環効率が悪いという欠点があった。

【０００４】 本考案の目的は上記の如き従来技術の欠点を改善した空気循環装置を提供するこ とにある。

【０００５】

【課題を達成するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、空気循環用のファンを内蔵し且つ壁面に 取付けられるダクトと、該ダクトを壁面に取付ける取付手段とを備え、ダクトを 壁面に対して回転したりする等して反転させるようにしたものである。

【０００６】

【作用】

ダクトを壁面に対して回転する等して反転すると、空気の流れを建物の床から 天井へ又は天井から床へと変換させることができる。

【０００７】

【実施例】

先ず、図１を参照すると、本考案に係る空気循環装置が通常の家の一室の壁面 に取付けられている例が示してある。この空気循環装置は典型的には一本のダク ト１０を備えている。本考案の空気循環装置１は図示の実施例では建物の壁面に 取付けるようにしているが、これに限定されず、例えば、建物の構成材を使用し てダクト１０を形成し、建物に一体に組込む形式にすることもできる。

【０００８】 図１乃至図３に示す実施例では一本のダクト１０が室の任意のところで壁面１ １に取付手段１２を介して取付けられている。

【０００９】 ダクト１０は、一端、例えば上端に第一の空気口２０を有し、他端、例えば下 端に第二の空気口２１を有している。

【００１０】 このダクト１０は、図１の実施例では断面矩形状の中空の管から成っている。 これとは別に、このダクトを断面円形又はその他の中空の管にすることができる 。このダクトの材質も限定されることなく任意のものにすることができる。典型 的には任意の合成樹脂にすることが好ましい。

【００１１】 図１及び図２示す最も典型的な実施例ではダクトは一本の管から成っており、 第一の空気口２０が天井３０の近くに位置し、第二の空気口２１が床３１の近く に位置するようにダクトがほぼ垂直に壁面１１に対して位置決めされている。

【００１２】 ダクト１０を壁面１１に対して取付けるための取付手段１２は、図１乃至図３ に示す実施例では、両面テープから成っている。この両面テープに換えて取付手 段をいわゆるマジックテープにすることができる。この他、他の取付手段にする こともできる。ダクト１０のほぼ中央部には少なくとも一つの空気循環用のファ ン４０が内蔵されている。このファンはモータと羽根とから成る典型的なもので よい。

【００１３】 図１乃至図３に示す実施例では、このファンは枠４１に取付けられ、この枠は ダクト１０の内壁に回転可能に取付けられている。枠４１からはシャフト４２が ダクトを貫通して外方に延び、このシャフトの外端にはつまみ４３が設けられて いる。従ってこのつまみを回動させると、ファンを回転させることができる。又 、空気を天井から床へ流す第一の状態とこれとは逆に床から天井へ流す第二の状 態とに、ファンを位置決める手段が設けられている。この手段は、例えば、枠４ １とダクト１０の相互間に設けられたクリック手段、即ち突起およびこの突起が 着脱自在に嵌合する孔とから成る。ファンを第一の状態に位置決めると、空気は 、図３に実線の矢印で示すように、天井近くの、即ち室の上部の空気を、ファン によって、第一の空気口２０を通してダクト内に吸引し、この吸引した空気を第 二の空気口２１を通して床近くの即ち室の下部へ流すようにすることができる。

【００１４】 ファンを第二の状態に位置決めると、空気は、図３に破線の矢印で示すように 、床近くの、即ち室の下部の空気をファンによって、第二の空気口２１を通して ダクト内に吸引し、この吸引した空気を第一の空気口２１を通して天井近く、即 ち室の上部へ流すようにすることができる。

【００１５】 要するに、上記実施例では、ダクトを壁面に対して固定し、ファンを回転させ て空気の流れを室の上部から下部へ、又、これとは逆に室の下部から上部へ変換 させることができる。このようにすると、室の上部には比較的温い空気がたまり 易く、室の下部には比較的冷たい空気がたまり易くなるのを、上述の如き、空気 の流れの切換えによって、即ち、天井近くの温い空気を床の方へ、逆に、床近く の冷たい空気を天井の方へ流すことによって室の中の空気の温度差を最小限にし て、きわめて均一な温度に設定することができる。

【００１６】 図４は、本考案の空気循環装置を室の隅に設置した場合の実施例を示す。

【００１７】 この実施例においても、ファン４０を上述の実施例と同様に、反転させること ができるようになっている。

【００１８】 図５に示す実施例ではダクト１０が複数のダクト部分から成っている。即ち、 このダクトは、ベース１００と、このベースに接続された第一および第二のダク ト部分１０１、１０２と、第一のダクト部分１０１に接続された空気口部分１０ ３とを備えている。

【００１９】 この実施例では、第一のダクト部分１０１の空気口部分１０３との接続端が任 意の切断手段によって切断可能であり、現場において、天井の高さに応じて、第 一のダクト部分１０１の接続端を任意の長さ切り取り、その後、この切り取られ た接続端に空気口部分１０３を接続する。

【００２０】 このようにすると、天井の長さに応じてダクトの長さを変えることができる。

【００２１】 図６は、ダクトがベース２００とこのベースの両端に接続されたジャバラ２０ １、２０２を介して接続された第一および第二のダクト部分２０３、２０４とか ら構成されている。このようなダクトはジャバラ２０１又は２０２によってダク トの長さを調節可能である。

【００２２】 図７および図８は、ダクトが壁面に回転自在に取付けられたベース３００と、 このベースの両端、即ち上下端に配置されたジャバラ３０１、３０２と、これら ジャバラに夫々接続された第一および第二のダクト部分３０３、３０４とを有す る。ベース内にはファン（図示せず）が収容されている。この実施例では、第一 および第二のダクト部分３０３、３０４が壁面に固定されている。ジャバラ３０ １、３０２は、それらの一端が第一および第二のダクト部分３０３、３０４に夫 々固定されている。これらジャバラ３０１、３０２は、壁面に対して自由である と共に、ベース３００を図８に示すように回転させることができ、且つ第一およ び第二のダクト部分の壁面への取付けに影響を与えることなく、縮むことが可能 である。

【００２３】 尚、この実施例では、図７に示すように、使用状態において、ジャバラ３０１ 、３０２とベース３００との接触は空気が漏洩しないように構成されていること を留意されたい。

【００２４】 この実施例においても、ベースを回転させてファンを反転させることができる ので、室の上部から下部へ又は下部から上部への空気の流れを変えることができ る。

【００２５】 図９および図１０には、ファンを反転する場合の他の実施例が示してある。

【００２６】 この実施例ではファン（図示せず）を内蔵したボックス４００がいわゆる引出 しタイプに構成されている。即ち、ボックス４００はダクト１０に形成された開 口４０１の中に円滑に挿入することができる。ボックスには把手４０２が設けら れている。

【００２７】 この実施例では、ボックス４００を開口から引出し、ひっくり返して再び開口 の中に挿入することによって、ファンを反転させて空気の流れを上述の実施と同 様に変えることができる。

【００２８】 図１１には、略Ｉ字形のダクトを複数接続した場合の実施例が示してある。

【００２９】 尚、室の面積がせまい場合には一つのＩ字形のダクトでもよい。

【００３０】 この実施例では、単一のダクトは、壁面に取付けられる縦管５００と天井の隅 部に沿って配置される上部水平管５０１と床の隅部に沿って配置される下部水平 管５０２とを備えている。縦管５００のほぼ中央部にはファン５０３が内蔵され ている。このファンは反転可能である。上部および下部水平管５０１、５０２に はそれらの長手方向に沿って間隔をあけて複数の空気口５０４、５０５が設けら れている。

【００３１】 室の面積が広い場合には上述と同じ構成のダクトをもう一本ないしは複数個を 連結する。この場合には互いの上下の水平管同士を適当なジョイント５０６によ って接続することができる。

【００３２】

【考案の効果】

上述した通り、各実施例に示す本考案に係る空気循環装置は、ファンを内蔵し ダクトを壁面に取付け、ダクトを壁面に対して反転させるか、又はファンを反転 させるかして空気の流れを変えることによって、室の中の上下部の温度の差をな くし、常に均一な温度に保持することができるという実益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る空気循環装置を室の壁面に取付け
た状態を示す斜視図。

【図２】本考案の空気循環装置の一実施例を示す概略の
正面図。

【図３】図２の断面側面図。

【図４】本考案の空気循環装置の他の実施例を示す斜視
図。

【図５】本考案の空気循環装置の他の実施例を示す斜視
図。

【図６】本考案の空気循環装置の更に他の実施例を示す
斜視図。

【図７】本考案の空気循環装置の別の実施例を示す斜視
図。

【図８】ファンを反転させている状態を示す図７の装置
の斜視図。

【図９】本考案の空気循環装置の更に他の実施例を示す
斜視図。

【図１０】ファンを反転させる状態を示す図９の装置の
斜視図。

【図１１】本考案の空気循環装置の更に他の実施例を示
す斜視図。

【符号の説明】

１：空気循環装置 １０：ダクト １１：壁面
１２：取付手段 ２０：第一の空気口 ２１：第二の空気口 ４０：
ファン

Claims (13)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に第一の空気口を有し他端に第二の
   空気口を有する少なくとも一本のダクトと、該ダクトに
   設けられた少なくとも一つの空気循環用のファンと、前
   記ダクトを壁面に取付けるための取付手段とを備えて成
   る空気循環装置。
2. 【請求項２】 前記取付手段は、前記ダクトを壁面に取
   外し可能に取付けることができる請求項１記載の空気循
   環装置。
3. 【請求項３】 前記取付手段は、両面テープから成る請
   求項２記載の空気循環装置。
4. 【請求項４】 前記取付手段は、マジックテープから成
   る請求項２記載の空気循環装置。
5. 【請求項５】 前記取付手段は、ダクトの第一の空気口
   を上側に、第二の空気口を下側に位置するようにダクト
   をほぼ垂直状態に壁面に取外し可能に取付け可能であ
   り、且つ、ダクトを取外して該ダクトの第一の空気口を
   下側に、第二の空気口を上側に位置するようにダクトを
   反転して取付け可能であることを特徴とする請求項１記
   載の空気循環装置。
6. 【請求項６】 前記取付手段は、ダクトを壁面に回転可
   能に取付け可能であり、且つ、ダクトの第一の空気口を
   上側に、第二の空気口を下側に位置する第一の位置と、
   ダクトの第二の空気口を上側に、第一の空気口を下側に
   位置する第二の位置とに固定可能である請求項１記載の
   空気循環装置。
7. 【請求項７】 前記ファンが、ダクトに対して固定され
   ている請求項５又は６記載の空気循環装置。
8. 【請求項８】 前記ダクトが、壁面に対して固定して取
   付けられ、前記ファンがダクトに対して反転可能に取付
   けられ、これによってダクトの第一の空気口から吸い込
   まれた空気が第二の空気口へ流れるか又は第二の空気口
   から吸い込まれた空気が第一の空気口へ流れるか制御可
   能である請求項１記載の空気循環装置。
9. 【請求項９】 前記ファンが、ダクトに対して回転可能
   に取付けられていると共に、空気をダクトの第一の空気
   口から第二の空気口へ流す第一の状態とこれとは逆に、
   第二の空気口から第一の空気口へ流す第二の状態とにダ
   クトを位置決める手段を有する請求項８記載の空気循環
   装置。
10. 【請求項１０】 前記ファンが、ダクトに形成された開
    口部内に挿入したり該開口部から引き出したりするよう
    に、又、ファンを反転しても該開口部内に挿入又は引き
    出し可能なように、ダクトに取付け可能であることを特
    徴とする請求項８記載の空気循環装置。
11. 【請求項１１】 ダクトの全体の長さが調節可能である
    請求項１記載の空気循環装置。
12. 【請求項１２】 ダクトが複数の相互に接続されたダク
    ト部分から成り、該ダクト部分が、ダクトの長さを調節
    可能なように、伸縮可能に接続されていることを特徴と
    する請求項１１記載の空気循環装置。
13. 【請求項１３】 ダクトはその一部が切断可能になって
    いてダクトの長さを調節可能である請求項１１記載の空
    気循環装置。