JP3020046B2 - 下着用金属構成物及びその製造方法 - Google Patents

下着用金属構成物及びその製造方法

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JP3020046B2
JP3020046B2 JP6130948A JP13094894A JP3020046B2 JP 3020046 B2 JP3020046 B2 JP 3020046B2 JP 6130948 A JP6130948 A JP 6130948A JP 13094894 A JP13094894 A JP 13094894A JP 3020046 B2 JP3020046 B2 JP 3020046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、下着用の金属構成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、下着用の構成物、例えば、ブラ
ジャーのカップ保形用ワイヤー、ブラジャーの肩紐調節
環、ブラジャーの帯端ホック、コルセットのスパイラル
ボーン等のような芯材や環類等は、一般的に金属製であ
る。
【0003】 このような下着用の金属構成物のうち、
特に強靱性を要求されるものは、鉄製とされ、更に、塗
装やメッキ処理の省略が要求されるものは、ステンレス
製とされている。
【0004】ところで、下着をミシンにより縫製する
際、ミシン針の折損による折針や、まち針の抜き忘れを
生じる場合があるが、このような折針やまち針等が下着
に残存 針として残ると、ユーザの身体に刺突される危険
がある。このような問題は、広く衣類の全般に及ぶが、
ジャケットやコート等の外装着においては、仮に残存針
が含まれていても軽傷で済む場合が多いのに比較して、
下着の場合は、着用者の肌に直接に触れるため、万一、
残存針が身体に刺突すると、人命を脅かすような重大な
事故に発展する虞れがある
【0005】この点について、被服の分野においては、
近年、磁気誘導方式や電磁誘導方式の検針器が提供さ
れ、出荷前に被服を検針器に通過せしめ、ミシン折針
や、まち針等の金属小片の抜き忘れがないかどうか、事
前チェックを行っている。
【0006】このような検針は、一般的に、二度にわけ
て行われている。即ち、第一の検針は、縫製工程でミシ
ン付けされるファスナーや、前環や、スナップ等のよう
な比較的小さな服飾付属品を装着した後、ミシン折針が
残存していないかどうかを探査する(便宜上、高感度検
針という)。第二の検針は、金属ボタン等のような比較
的大きな服飾付属品を装着した後、まち針の抜き忘れが
ないかどうかを探査する(便宜上、低感度検針とい
う)。
【0007】例えば、株式会社サンコウ電子研究所(川
崎市高津区久末1677番地)から提供されているコン
ベヤタイプ検針器によれば、感度レベル(探知能力)
は、前記高感度検針のためのA感度と、前記低感度検針
のためのB感度の二つが備えられている。
【0008】ミシン折針を探知するために、前記A感度
は、鉄球換算1.2mmφ相当の探知能力を有する。従
って、A感度での探査を受ける被服に装着されたファス
ナーや、前環や、スナップ等がA感度をクリアするため
には、鉄球換算1.1mmφ以下でなければならない。
【0009】まち針を探知するために、前記B感度は、
鉄球換算2.5mmφ相当の探知能力を有する。従っ
て、B感度での探査を受ける被服に装着された金属ボタ
ン等がB感度をクリアするためには、鉄球換算2.4m
mφ以下でなければならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、本発明
者らの知見によれば、検針の必要性は、従来のような一
般的な被服よりも下着において特に高く、このような検
針が下着に実施されないとすれば、憂慮すべき危険を含
んでいる
【0011】ところが、下着、例えば、ブラジャーの場
合、カップ周部には保形用のワイヤーが挿入され、肩紐
には長さ調節環が付設され、帯端には着脱自在なホック
が付設されている
【0012】このため、このような金属構成物を含む下
着を検針器に通すと、残存針を含んでいないにも拘わら
ず、異常信号を発してしまうことになる。換言すると、
検針器通過の際に異常信号を発した下着は、必ずしも、
その全てが残存針を包含していないにも拘わらず危険な
製品として返品され、返品を受けたメーカーの頭痛の種
となる。また、このような金属構成物が異常信号の原因
となっている場合、頻繁に異常信号を発してしまい、検
針作業を煩雑なものとする
【0013】 この点について、従来の金属構成物を全
て合成樹脂製にしたり、アルミニウム等の軽合金製にす
れば、前記検針作業における異常検知を防止することが
可能であるが、下着用の金属構成物は、前述のブラジャ
ーのカップ保形用ワイヤーのように、その用途、機能、
外観の風合い等の点から、どうしても鉄やステンレス等
と同等の物性や、地肌による外観を要求され、更には塗
装やメッキの不要化を要求される場合があり、全ての構
成物を合成樹脂製又は軽合金製にすることは実情に沿わ
ない。
【0014】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、下着用
金属構成物が、鉄やステンレス等と同等の剛性及び強
靱性を有する金属製のままでありながら、高感度検針に
よる第一の検針の際には、縫製工程でミシン付けされた
小型環類やホック等のような比較的小さな金属構成物
が、確実に検針器の前記A感度をクリアできる鉄球換算
1.1mmφ以下の非磁性になるように構成すれば、前記
問題を解決できることを知見した。また、低感度検針に
よる第二の検針の際には、D環やワイヤー芯等のような
比較的大きな金属構成物が、確実に検針器の前記B感度
をクリアできる鉄球換算2.4mmφ以下の非磁性になる
ように構成すれば、前記問題を解決できることを知見し
た。
【0015】そこで、本発明者らのこのような知見に基
づき金属構成物の金属素材を選択するに際しては、オー
ステナイト系ステンレス鋼が好ましい結果を生むことを
知得した。一般的にオーステナイト系ステンレス鋼は、
非磁性と考えられているからである。
【0016】ところが、市場で入手可能なオーステナイ
ト系ステンレス鋼により、小型環類やホック等のような
比較的小さな構成物と、D環やワイヤー芯等のような比
較的大きな構成物を試作し、これらを検針器に通過せし
めると、現状の検針器におけるA感度及びB感度をそれ
ぞれクリアできないことが判明した。
【0017】即ち、市場で入手可能なオーステナイト系
ステンレス鋼のうち、SUS304により、重量約6g
環類を試作し、試験すると、鉄球換算1.5mmφ相
当であり、前記A感度をクリアできないことが知見され
た。また、同じく、SUS304により、重量約13g
のD環を試作し、試験すると、鉄球換算3.0mmφ相
当であり、到底、前記B感度をクリアできないことが判
明した。同様に、試作したブラジャーのカップ保形用ワ
イヤーの場合においても、鉄球換算3.0mmφを遙か
に上回ることが確認された
【0018】このことは、一般的にオーステナイト系ス
テンレス鋼は非磁性と考えられているが、検針器のよう
なシビアなレベルでの感度においては、反応が不可避な
微磁性を有すると推測される。或いは、仮に非磁性であ
るとしても、その化学成分と冷間加工率の如何によって
は磁性を帯びることが理論的に知られており、下着用の
金属構成物のように、冷間加工を必要とするものは、オ
ーステナイトの一部がマルテンサイトに変態し磁性を帯
びてしまい、前述のような結果を招来したものと推測さ
れる。
【0019】 本発明に係る下着用の金属構成物は、剛
性及び強靱性に優れること、メッキ処理が不要であるこ
と等から、ステンレス鋼を用いるが、前記問題点を解決
するため、全体が特に非磁性化されたステンレス鋼を冷
間加工することにより形成し、冷間加工後も非磁性を維
持させている点に特徴を有する。
【0020】オーステナイト系ステンレス鋼を用いた場
合、これを特に非磁性化するためには、化学成分が少な
くともNを0.1%以上含有していることが好ましい。
しかも、非磁性の点の物性に加えて、加工性を向上させ
るためには、Cuを含有していることが更に好ましい。
【0021】従って、本発明は、Nを0.1%以上含有
することにより特に非磁性化され且つCuを含有するこ
とにより冷間加工容易化されたオーステナイト系ステン
レス鋼を出発物質とし、該出発物質を冷間加工すること
により目的物質としての下着用の金属構成物を得るもの
であり、このような製造方法の点においても特徴があ
【0022】オーステナイト系ステンレス鋼を用いた場
合のベストモードは、化学成分のうち、Cを0.01な
いし0.05%、Siを1.0%以下、Mnを3.0な
いし7.0%、Niを5.0ないし6.0%、Crを1
7.0ないし19.0%、Cuを1.0ないし4.0
%、Nbを0.2%以下、Nを0.1ないし0.3%と
している。
【0023】オーステナイト系ステンレス鋼を用いた場
合の別のベストモードは、化学成分のうち、Cを0.0
7ないし0.10%、Siを1.0%以下、Mnを9.
0ないし10.0%、Niを5.0ないし6.0%、C
rを17.5ないし18.5%、Nを0.25ないし
0.35%としている。
【0024】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳述す
る。
【0025】図1(A)は、下着の1例として、ブラジ
ャー1を示している。ブラジャー1のカップ周部には、
保形用のワイヤー2、2が挿入されており、該ワイヤー
2は、金属製の丸線を冷間加工により所定の円弧状に湾
曲成形することにより形成され、強靭な弾発復元力を有
する。
【0026】また、ブラジャー1の肩紐には、図1
(B)に示すような金属製の長さ調節環3が付設されて
おり、更に、ブラジャー1の帯端には、図1(C)に示
すような着脱自在な雄金具4及び雌金具5から成るホッ
ク6が付設されている。
【0027】このようなワイヤー2、調節環3、ホック
6として例示される金属構成物は、その形状及び寸法
は、従来公知のものと同様であり、しかも、熱処理等の
有無は問わないが、その金属素材として、強靭性と非磁
性を満足する金属素材が選択されている。
【0028】図示実施例の場合、ブラジャー1に含まれ
る金属構成物は、ワイヤー2、調節環3、ホック6等に
より構成されるが、特に高い剛性及び強靭性を要求され
ない調節環3やホック6等は、合成樹脂製とすることが
可能であり、ワイヤー2のみが金属構成物とされる場合
もある。従って、ブラジャー1の場合、本発明の金属構
成物は、ワイヤー2、調節環3、ホック6により構成さ
れる場合と、ワイヤー2のみにより構成される場合とが
ある。
【0029】このようなブラジャーの金属構成物は、剛
性及び強靭性と、非磁性とを満足した金属素材を選択す
るに際し、本発明では、オーステナイト系ステンレス鋼
が選ばれ、これを冷間加工することにより製作されてい
る。即ち、図例のようなワイヤー2、調節環3、ホック
6等の金属構成物は、オーステナイト系ステンレス鋼の
丸線を冷間加工することにより形成される。
【0030】上述したように、一般的に、オーステナイ
ト系ステンレス鋼は非磁性と考えられているが、SUS
304、SUS305、SUS310、SUS316、
その他、市場で入手可能なものによりブラジャーのワイ
ヤー2を試作した場合、何れもワイヤー1本あたり検針
器のB感度を到底クリアできない鉄球換算3.0mmφ
以上であるため、本発明の目的を達するためには、オー
ステナイト系ステンレス鋼のうち、特に非磁性化された
ステンレス鋼が用いられる。
【0031】特に、ワイヤー2、調節環3、ホック6等
のように、冷間加工により形成される金属構成物におい
ては、オーステナイト系ステンレス鋼であって、化学成
分が少なくともNを0.1%以上含有しているものを用
いる。
【0032】本発明者らの知識によれば、通常、オース
テナイト系ステンレス鋼は、常温での組織はオーステナ
イト相であるが、冷間加工すると、オーステナイトの一
部又はほとんどがマルテンサイトに変態し磁性を帯びる
ことになる。ところが、オーステナイト生成元素と考え
られるNを含有せしめると、マルテンサイトに変態する
傾向が弱くなり、図示実施例のようなワイヤー2本、調
節環2個、ホック2組から成る金属構成物の磁性を検針
器のB感度(鉄球換算2.5mmφ)を下回るまで非磁
性化するためには、Nを0.1%以上含有せしめること
により、良好な結果が得られた。
【0033】更に、このような金属構成物を冷間加工す
る際の加工容易性のためには、前記のような特に非磁性
化せしめたオーステナイト系ステンレス鋼であって、化
学成分としてCuを含有せしめるのが良い。本発明者ら
が知見したところによると、Cuを含有せしめることに
より冷間加工時の変形加工が容易になる。しかも、Cu
は、前記Nと同様に、オーステナイト生成元素を成すと
考えられ、冷間加工によるマルテンサイトへの変態傾向
を弱くするためにも貢献し、一石二鳥的な効果がある。
【0034】次に、本発明のベストモードと考えられる
実施例を紹介する。
【0035】(実施例1) 下記の化学成分としたオーステナイト系ステンレス鋼の
丸線を冷間加工することにより、図1(A)に示す形状
であり且つ下記の仕様通りのワイヤー2を製作した。鋼
中の化学成分は、Cが0.04%、Siが0.40%、
Mnが5.15%、Pが0.030%、Sが0.000
%、Niが5.55%、Crが18.21%、Cuが
2.47%、Nbが0.09%、Nが0.193%であ
る。このワイヤーは、1本の重量が約6gである。
【0036】この実施例1のワイヤーは、検針器機能試
験に供した結果、鉄球換算0.6mmφ相当と認定され
た。従って、ワイヤー2本を1組として検針器(株式会
社サンコウ電子研究所製)のB感度を問題なくクリアで
きた。
【0037】ところで、検針器機能試験に際しては、化
学成分を、Cが0.01ないし0.05%、Siが1.
0%以下、Mnが3.0ないし7.0%、Niが5.0
ないし6.0%、Crが17.0ないし19.0%、C
uが1.0ないし4.0%、Nbが0.2%以下、Nが
0.1ないし0.3%の範囲で変更せしめたワイヤーを
数種類試作し、それぞれ試験に供したが、何れもワイヤ
ー1本あたり鉄球換算0.7mmφ以下であると認定さ
れた。
【0038】尚、化学成分の構成に関して、従来のSU
S304、SUS305、SUS310、SUS316
等が何れもMnを2.00%以下としているのに対し、
前記実施例では、Mnを3.0%以上としており、Mn
がオーステナイト生成元素を成し、冷間加工によるマル
テンサイトへの変態傾向を弱くするために貢献している
ことが認められる。
【0039】(実施例2) 下記の化学成分としたオーステナイト系ステンレス鋼の
丸線を冷間加工することにより、図1(A)に示すよう
な形状であり且つ下記の仕様通りのワイヤー2を製作し
た。鋼中の化学成分は、Cが0.07%、Siが0.5
3%、Mnが9.85%、Pが0.020%、Sが0.
000%、Niが5.62%、Crが18.08%、N
が0.298%である。このワイヤーは、1本の重量が
約6gである。
【0040】この実施例2のワイヤーは、検針器機能試
験に供した結果、鉄球換算0.5mmφ相当と認定され
た。従って、ワイヤー2本を1組として検針器(株式会
社サンコウ電子研究所製)のB感度を問題なくクリアで
きた。
【0041】ところで、検針器機能試験に際しては、化
学成分を、Cが0.07ないし0.10%、Siが1.
0%以下、Mnが9.0ないし10.0%、Niが5.
0ないし6.0%、Crが17.5ないし18.5%、
Nが0.25ないし0.35%の範囲で変更せしめたワ
イヤーを数種類試作し、それぞれ試験に供したが、何れ
も2本を1組として鉄球換算1.3mmφ以下であると
認定された。
【0042】この実施例においても、従来のSUSシリ
ーズに比較して、Mnが9.0%以上で多く含有され、
Mnがオーステナイト生成元素を成し、冷間加工による
マルテンサイトへの変態傾向を弱くするために貢献して
いると認められる。
【0043】(実施例3) 前記実施例2と同様の範囲内の化学成分としたオーステ
ナイト系ステンレス鋼の細い丸線を冷間加工することに
より、図1(B)に示すような調節環3と、図1(C)
に示すようなホック6を試作した。そこで、調節環の2
個と、ホックの2組をセットにして、検針器機能試験に
供した結果、全体として、鉄球換算0.4mmφ以下と
認定された。
【0044】上記実施例の通り、検針器機能試験の結果
によれば、ワイヤー2は、2本で鉄球換算1.3mmφ
以下であり、調節環3とホック6は、前記個数のセット
状態で鉄球換算0.4mmφ以下である。
【0045】そこで、前記実施例1又は実施例2のワイ
ヤー2本と、実施例3の調節環3とホック6の前記個数
によるセットを合わせて、全体として、株式会社サンコ
ウ電子研究所製の検針器を通過せしめると、10回のテ
ストのうち10回とも同社の検針器におけるB感度(鉄
球換算2.5mmφ)をクリアできた。
【0046】尚、上記の特に非磁性化したオーステナイ
ト系ステンレス鋼は、従来の硬質クロムメッキ品に比べ
て遜色のない光沢を有し、耐蝕性が高く、ブラジャーの
金属構成物としての剛性及び強靭性を充分に具備してい
る。
【0047】上記実施例1は、Cuを含有しているた
め、金属構成物の冷間加工が容易であり、上記実施例2
及び3は、強力なスプリング力を有する。
【0048】一方、前記実施例1又は実施例2のワイヤ
ー2本と、実施例3の調節環3とホック6の前記個数に
よるセットに対して、ミシン先端の折針を1片加え、こ
れらを全体として株式会社サンコウ電子研究所製の検針
器を通過せしめると、B感度において異常信号が発せら
れ、折針の存在が検知された。まち針の1本を加えてテ
ストした場合も、同様にB感度での異常信号が発せられ
た。
【0049】以上、実施例を説明したが、本発明が上記
実施例に限定されないことは勿論である。特に、本発明
は、上述したブラジャーの金属構成物のみならず、広
く、下着類の金属構成物に実施できることが明らかであ
る。例えば、コルセットに縫い込まれる金属製スパイラ
ルボーン、その他、環類等の下着用金属構成物に広く実
施することが可能である。
【0050】
【発明の効果】下着に残存針が含まれるときの危険性
は、外装着等の一般の被服に残存針が含まれるときの危
険性よりも遙かに高いにも拘わらず、現状の金属構成物
を備えた下着では検針器による探針を行い得ないのが現
状である。即ち、金属構成物を備えた下着を検針器に通
過せしめると、ほとんどの場合、検針器の感度をクリア
することができず、異常信号を誤って発してしまうから
であるこの点について、本発明によれば、当該金属構
成物を、全体が特に非磁性化されたオーステナイト系ス
テンレス鋼により形成したので、このような誤動作を生
じることなく検針器所定の感度をクリアすることが可能
になり、その結果、検針の必要性が最も高い下着につい
て、検針器による検針作業を可能にするという所期目的
を達し得る効果がある
【0051】ところで、通常、オーステナイト系ステン
レス鋼は、常温での組織はオーステナイト相であるが、
冷間加工すると、オーステナイトの一部又はほとんどが
マルテンサイトに変態し磁性を帯びる傾向を示すのに対
して、本発明によれば、オーステナイト生成元素と考え
られるNを0.1%以上含有せしめることにより、冷間
加工時にマルテンサイトに変態する傾向を抑制し得たも
のであり、冷間加工時においても所望の通りの非磁性を
維持した下着の金属構成物を提供する点において優れた
効果を奏する。
【0052】そして、本発明によれば、金属構成物は、
従来のクロムメッキに比べて遜色のない光沢を有し、耐
蝕性が高いため、メッキ不要であり、しかも、その用途
及び機能に応じた高い剛性と強靭性を有するという効果
がある。
【0053】更に、本発明によれば、このような下着に
おける金属構成物を製造するに際し、Nを0.1%以上
含有することにより特に非磁性化され且つCuを含有す
ることにより冷間加工容易化されたオーステナイト系ス
テンレス鋼を出発物質とし、 該出発物質を冷間加工する
ことにより目的物質としての金属構成物を得る構成であ
るから、Nに基づいて、冷間加工時のマルテンサイト化
による磁性化傾向を抑制しつつ完全非磁性の維持を可能
にすると共に、Cuに基づいて、冷間加工時の変形加工
を容易ならしめると同時にマルテンサイトへの変態傾向
を弱くすることに貢献し、以て、非磁性とされたオース
テナイト系ステンレス鋼により、非磁性のまま種々の形
状とされた金属構成物を冷間加工できる点において極め
て優れている
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示しており、(A)は補強
芯ワイヤーを備えたブラジャーの斜視図、(B)はブラ
ジャーの肩紐に付設される調節環の拡大正面図、(C)
はブラジャーの帯端に付設されるホックの拡大斜視図で
ある。
【符号の説明】
2 ワイヤー 3 調節環 6 ホック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−304008(JP,A) 特開 平3−71083(JP,A) 特開 平7−233444(JP,A) 特開 平3−294453(JP,A) 特開 昭61−261463(JP,A) 特開 昭61−213351(JP,A) 特許2589658(JP,B2) 特公 平8−17733(JP,B2) 実公 平5−35695(JP,Y2) 特公 昭50−5645(JP,B1) ”製品染めブラに話題”、センイ・ジ ャアナル、平成5年7月28日,p.2

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼であり、
    全体が特に非磁性化されたステンレス鋼を冷間加工して
    成り且つ冷間加工後も非磁性とされたことを特徴とする
    下着用金属構成物。
  2. 【請求項2】 オーステナイト系ステンレス鋼であり、
    化学成分がNを0.1%以上含有することにより特に非
    磁性化されたステンレス鋼を冷間加工して成り且つ冷間
    加工後も非磁性とされたことを特徴とする下着用金属構
    成物。
  3. 【請求項3】 Nを0.1%以上含有することにより特
    に非磁性化され且つCuを含有することにより冷間加工
    容易化されたオーステナイト系ステンレス鋼を出発物質
    とし、該出発物質を冷間加工することにより冷間加工後
    も非磁性とされた下着用の金属構成物を得ることを特徴
    とする下着用金属構成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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