JP3018598B2 - ホログラム転写箔 - Google Patents

ホログラム転写箔

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JP3018598B2
JP3018598B2 JP3165313A JP16531391A JP3018598B2 JP 3018598 B2 JP3018598 B2 JP 3018598B2 JP 3165313 A JP3165313 A JP 3165313A JP 16531391 A JP16531391 A JP 16531391A JP 3018598 B2 JP3018598 B2 JP 3018598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写により被転写体表
面にレリーフ型ホログラムを形成するホログラム転写箔
に係り、特に、転写時の加熱処理又は転写後の加熱処理
によりホログラムを構成する凹凸模様の一部が消失して
被転写体表面に部分的にホログラム画像のない領域を形
成できるホログラム転写箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からホログラムは装飾性、立体感に
よる意外性の効果を生かして書籍や雑誌の表紙並びに挿
絵、ギフト商品、ノベルティ商品あるいはディスプレイ
や広告の分野において利用され、更に偽造が困難である
ことから、有価証券、クレジットカード、IDカード等
の偽造防止手段として採用されている。
【0003】これ等のホログラムはその表面に干渉縞の
凹凸模様が形成されて成るものであり、その表面に白色
光が照射されると凹凸表面による反射回析光が互に干渉
して結像しその結像位置に立体感のある虚像が観察され
るもので、凹凸模様を利用することからレリーフ型ホロ
グラムと呼ばれている。また、反射回析光は波長により
その回析角が異なるため自然光が分散して得られる連続
スペクトルを構成し虹模様に見えることからレインボー
ホログラムと呼ばれることもある。そして、このホログ
ラムは一般にこの凹凸表面に金属等の光反射性薄膜を設
け反射回析光の強度を増大して上記虚像を明るくしたも
のが用いられている。
【0004】ところで、上記雑誌の表紙やクレジットカ
ード等に上述したホログラムを形成するには、従来、ホ
ログラム転写箔を用いた転写法により行われている。
【0005】すなわち、このホログラム転写箔は、図4
に示すようにレリーフ型ホログラムを構成する凹凸模様
がその表面に形成された樹脂層a1と上記ホログラム構成
面全面にその凹凸面に沿って形成された光反射性金属薄
膜a2とこの光反射性金属薄膜a2面に設けられた接着剤層
a3から成る転写層aと、この転写層aを剥離可能に支持
する支持体フィルムbとを備え、上記転写層aをその接
着剤層a3を介し図示外の被転写体表面に転写させてその
表面にレリーフ型ホログラムを形成するものである(特
公平1−54709号公報、特公平1−54710号公
報、特開昭61−190369号公報、及び、特開昭6
1−190369号公報参照)。
【0006】そして、レリーフ型ホログラムを構成する
上記凹凸模様は以下のような方法にて樹脂層a1表面に形
成されているものである。すなわち、レーザー光を三次
元立体像に照射し、その反射光または透過光(物体光)
と光源から三次元立体像を介することなくホログラム撮
影用感光材料に照射された光(参照光)とをこのホログ
ラム撮影用感光材料上で干渉させてこの干渉縞を感光材
料の高さ0.1〜数μmの凹凸模様として記録すると共
に、何度も凹凸模様の反転を繰り返して金属板製のホロ
グラムスタンパを求めた後、このホログラムスタンパを
樹脂層a1表面に押し付けてその表面に凹凸模様を形成す
るものである。尚、この樹脂層a1を構成する材料として
は、上記転写層aを被転写体表面へ転写する際の熱によ
る影響から樹脂層a1表面の凹凸模様の変形を防止し、か
つ、転写後においても十分明瞭な虚像を観察可能にする
ため熱硬化型樹脂である二液硬化型ウレタン樹脂が広く
用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この様に従来法におい
てはホログラムスタンパを上記樹脂層a1表面に押し付け
てその表面にホログラムを構成する凹凸模様を形成して
いるため、ホログラム転写箔の一部にホログラム画像の
ない領域、例えば、文字パターン状にホログラムのない
領域を形成することが困難な問題点があった。
【0008】また、支持体フィルムbとホログラム形成
面の間に文字等の印刷インキによる画像が設けられたホ
ログラム転写箔も知られているが、ホログラムから観察
される光は自然光が分散して得られる連続スペクトルを
構成して虹模様になるため印刷インキによる反射光はこ
の強い虹模様の回析光に妨げられ、この印刷インキによ
る画像は極めて見難く判読が困難となる問題点があっ
た。
【0009】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、転写時の加熱処理
又は転写後の加熱処理によりホログラムを構成する凹凸
模様の一部が消失して被転写体表面に部分的にホログラ
ム画像のない領域を形成できるホログラム転写箔を提供
し、併せて肉眼で明瞭に判読認識できる印刷画像を有す
るホログラム転写箔を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、レリーフ型ホログラムを構成する凹凸模様がそ
の表面に形成された樹脂層と上記ホログラム構成面全面
にその凹凸面に沿って形成された光反射性金属薄膜とこ
の光反射性金属薄膜面に設けられた接着剤層から成る転
写層と、この転写層を剥離可能に支持する支持体フィル
ムとを備え、上記転写層をその接着剤層を介し被転写体
表面に転写させてその表面にレリーフ型ホログラムを形
成するホログラム転写箔を前提とし、上記転写層の樹脂
層が、高軟化点樹脂層とこの高軟化点樹脂層上の一部に
設けられ転写時の加熱処理又は転写後の加熱処理により
軟化する低軟化点樹脂層とで構成され、かつ、上記レリ
ーフ型ホログラムを構成する凹凸模様が、低軟化点樹脂
層表面とこの低軟化点樹脂層が存在しない部位の高軟化
点樹脂層表面に形成されていることを特徴とするもので
あり、他方、請求項2に係る発明は請求項1に係る発明
を前提とし、上記低軟化点樹脂層より支持体フィルム側
でかつ低軟化点樹脂層と対応する部位の高軟化点樹脂層
面に、対応する低軟化点樹脂層よりその面積が小さい印
刷インキ層を備えていることを特徴とするものである。
【0011】以下、図面を参照して本発明を更に詳細に
説明する。
【0012】図1は請求項1の発明に係るホログラム転
写箔の一例を示す断面図、図2はこのホログラム転写箔
を使用して転写した後の被転写体を示す断面図である。
【0013】また、図3は請求項2の発明に係るホログ
ラム転写箔の一例を示す断面図である。
【0014】まず、請求項1の発明に係るホログラム転
写箔は、図1に示すように支持体フィルム10とこの片
面全面に剥離可能に積層された転写層20とでその主要
部が構成されるものである。
【0015】この支持体フィルム10は転写完了まで転
写層20を物理的に支持し、かつ、図2に示すように転
写完了時に被転写体30表面から剥離除去されるもので
二軸延伸した厚さ10〜100μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム等が好適に使用できる。
【0016】これに対し転写層20は転写完了時に支持
体フィルム10から剥離して被転写体30表面に残留す
るものである。このため、転写層20は転写の際に熱、
圧力、応力等の作用により支持体フィルム10から容易
に剥離できるように支持体フィルム10上に積層されて
いる。転写完了時に支持体フィルム10から転写層20
を容易に剥離させるため転写層20の支持体フィルム1
0と接触する表面に剥離層21を有することが望まし
い。このような剥離層21としては熱可塑性アクリル樹
脂;塩化ゴム樹脂;あるいはこの塩化ゴム樹脂とニトロ
セルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテー
トブチレート、ポリスチレン又は塩酢ビ樹脂の混合物が
使用でき、この剥離層21を介装することにより加熱転
写の際の熱で剥離層21が溶融して支持体フィルム10
と転写層20との剥離が容易になる。また、上記剥離層
21としてはメラミン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ
樹脂あるいは尿素樹脂等の熱硬化性樹脂を使用すること
も可能である。
【0017】また、上記転写層20は、高軟化点樹脂層
22とこの高軟化点樹脂層22上の一部に設けられ転写
時の加熱処理又は転写後の加熱処理により軟化する低軟
化点樹脂層23とで構成構成される樹脂層を有する。そ
して、この低軟化点樹脂層23表面とこの低軟化点樹脂
層23が存在しない部位の高軟化点樹脂層22表面がレ
リーフ型ホログラムを構成する。このレリーフ型ホログ
ラムは上述したように深さ0.1〜数μmの干渉縞の凹
凸模様から構成され、この凹凸表面の反射回析光が互に
干渉して結像しその結像位置に立体感のある虚像が観察
されるものである。
【0018】更に、上記転写層20は低軟化点樹脂層2
3表面とこの低軟化点樹脂層23が存在しない部位の高
軟化点樹脂層22表面から構成されるホログラム構成面
全面にその凹凸面に沿って形成された光反射性金属薄膜
24を有する。
【0019】そして、このホログラム転写箔においては
転写の際の熱や圧力又は転写後に加えられる熱や圧力に
より上記低軟化点樹脂層23は軟化して変形し、その表
面の凹凸が消失すると共に光反射性金属薄膜24に微小
かつ不規則な多数の亀裂が生ずる。このため、ホログラ
ムを再現して虚像を観察可能とする入射光は上記光反射
性金属薄膜24の亀裂部分で不規則に乱反射し、こうし
て不規則に反射した光は虚像位置に結像しないばかりか
周知のように白色光となりしかも眩しさを感じさせな
い。これに対し、低軟化点樹脂層23を軟化変形させる
熱や圧力条件下においては上記高軟化点樹脂層22は軟
化も変形もせずホログラムを構成する凹凸模様をそのま
まの状態で保持する。この結果、低軟化点樹脂層23の
存在しない部位の高軟化点樹脂層22表面の光反射性金
属薄膜24からの反射光はホログラムを構成する干渉縞
の凹凸模様に従って規則的な反射回析光を構成し、この
反射回析光が虚像位置に結像する。
【0020】ここで、上記高軟化点樹脂層22と低軟化
点樹脂層23の軟化点は相対的なものであり、低軟化点
樹脂層23を構成する樹脂を軟化変形する熱や圧力条件
下において高軟化点樹脂層22を構成する樹脂は軟化も
変形もしないことが必要である。このような高軟化点樹
脂層22と低軟化点樹脂層23を構成する樹脂としては
ポリオール成分とイソシアネート基を有するプレポリマ
ーから成るポリオール硬化型ポリウレタン樹脂又はこれ
にセルロース系樹脂を混合した樹脂が使用でき、その軟
化点はポリオールとイソシアネート基を有するプレポリ
マーの種類、ポリオール硬化型ポリウレタン樹脂の重合
度、セルロース系樹脂の混合比などにより制御すること
ができる。ポリオールとしては2−ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等のOH基を有するアクリル系のモノマー
とメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート等のOH基を有さないアクリ
ル系のモノマーとの共重合体が使用でき、好ましくはガ
ラス転移点60〜105℃、OH価50〜150のもの
である。他方、イソシアネート基を有するプレポリマー
としてはトルエンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が使用で
きる。またセルロース樹脂としてはニトロセルロース、
アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、エチルセル
ロース、メチルセルロース等が使用でき、このセルロー
ス系樹脂の添加混合により高軟化点樹脂層22と低軟化
点樹脂層23の塗布適性と転写適性の改善を図ることが
可能となる。このセルロース系樹脂は上記ポリオールと
イソシアネート基を有するプレポリマーの合計量100
重量部に対し、0〜50重量部添加混合すればよい。
【0021】そして、上記高軟化点樹脂層22はポリオ
ールとイソシアネート基を有するプレポリマーの混合
物、又はこれに更にセルロース系樹脂を添加して成る混
合物を溶剤に溶解又は分散してグラビアコート法、ロー
ルコート法、ブレードコート法等の方法で乾燥膜厚が
0.5〜5.0μmとなるように上記剥離層21上全面
に塗布して形成される。他方、上記低軟化点樹脂層23
はポリオールとイソシアネート基を有するプレポリマー
の混合物、又はこれに更にセルロース系樹脂を添加して
成る混合物を溶剤に溶解又は分散してグラビア印刷法等
の方法で乾燥膜厚が0.5〜5μmとなるように高軟化
点樹脂層22上の所定部位に文字、数字、マーク、模様
等の所定のパターン状に印刷して形成される。
【0022】この低軟化点樹脂層23表面とこの低軟化
点樹脂層23が存在しない部位の高軟化点樹脂22表面
にレリーフ型ホログラムを構成する凹凸模様を形成する
ためには、上記高軟化点樹脂層22と低軟化点樹脂層2
3の両者を塗布又は印刷により形成した後、その表面に
予め作成したホログラムスタンパを重ね、熱及び圧力を
作用させてホログラムスタンパ表面の凹凸を反転させた
形状で低軟化点樹脂層23表面とこの低軟化点樹脂層2
3が存在しない部位の高軟化点樹脂層22表面に転写さ
せ、かつ、高軟化点樹脂層22と低軟化点樹脂層23の
両者を硬化させればよい。
【0023】また、上記光反射性金属薄膜層24はレリ
ーフ型ホログラムが形成された上記低軟化点樹脂層23
表面とこの低軟化点樹脂層23が存在しない部位の高軟
化点樹脂22表面に真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の着膜手段により、アルミニウ
ム、金、銀、錫、鉄、銅等の金属又はこれ等の合金を1
0〜100nmの厚さに着膜させて形成すればよい。
【0024】次に、上記転写層20はこの転写層20を
被転写体30表面に接着させるため転写層20の最表面
に加熱により活性化して接着力が生じる接着剤層25を
有する。この接着剤層25を構成する接着剤としては任
意のものでよいが感熱接着剤が好適である。このような
感熱接着剤としてはポリエステル樹脂感熱接着剤、アク
リル樹脂系感熱接着剤、塩化ビニル樹脂系感熱接着剤、
ポリアミド樹脂系感熱接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂系感
熱接着剤、ゴム系感熱接着剤、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂系感熱接着剤、塩酢ビ樹脂系感熱接着剤等の周
知の熱可塑性樹脂系感熱接着剤が使用できる。これらの
感熱接着剤を適当な溶剤に溶解又は分散してグラビアコ
ート法、ロールコート法、ブレードコート法等の方法で
乾燥膜厚1〜20μmになるように光反射性金属薄膜層
24上全面に塗布乾燥して接着剤層25を形成すること
ができる。
【0025】こうして得られたホログラム転写箔は図1
に示すような断面を有するものである。すなわち、支持
体フィルム10の片面上に、順次積層された剥離層21
と高軟化点樹脂層22とパターン状に設けられた低軟化
点樹脂層23と光反射性金属薄膜層24及び接着剤層2
5から成る転写層20を剥離可能に積層して成るもの
で、低軟化点樹脂層23表面とこの低軟化点樹脂層23
が存在しない部位の高軟化点樹脂層22表面がレリーフ
型ホログラムを構成する一方、光反射性金属薄膜層24
はこのレリーフ型ホログラムを構成する凹凸面に沿って
凹凸状に形成されている。
【0026】そして、上記ホログラム転写箔は、従来同
様、カード、シート等の被転写体30表面にその接着剤
層25形成面を被転写体30表面に接触するように重ね
合わされ、接着剤層25が接着力を発揮する条件下で被
転写体30表面に接着され、かつ、支持体フィルム10
を剥離除去することにより転写層20全体が被転写体3
0上に転写される。上記接着剤層25が感熱接着剤から
構成される場合には熱を作用させて接着剤層25を活性
化させ、同時に支持体フィルム10側から圧力を作用さ
せて被転写体30表面に接着させることができ、かつ、
この転写の際の熱と圧力により上記低軟化点樹脂層23
を軟化変形させることができる。また、接着剤層25が
その他の接着剤から構成される場合又は感熱接着剤であ
っても転写の際の熱と圧力が低軟化点樹脂層23を軟化
変形させるには不十分な場合には、転写の後に熱と圧力
を作用させて低軟化点樹脂層23を軟化変形させること
ができる。そして、いずれの場合においても転写の際の
熱と圧力条件下においては上記高軟化点樹脂層22は軟
化も変形もせずにホログラムを構成する凹凸模様をその
ままの状態で保持する必要があり、また、転写後におい
て低軟化点樹脂層23を軟化変形させる熱と圧力条件下
においても高軟化点樹脂層22は軟化も変形もせずにホ
ログラムを構成する凹凸をそのままの状態で保持する必
要がある。
【0027】上記低軟化点樹脂層23の軟化変形に伴っ
てその表面の凹凸が消失し、かつ、光反射性金属薄膜2
4に微小かつ不規則な多数の亀裂が発生して白色の乱反
射領域を構成する。他方、高軟化点樹脂層22は軟化や
変形が起こらないため上記低軟化点樹脂層23が存在し
ない部位の高軟化点樹脂層22表面はホログラムを構成
する凹凸模様をそのままの状態で保持し、その表面の光
反射性金属薄膜24は明るいホログラムの三次元立体像
(虚像)を再現する。なお、ホログラムを構成する凹凸
は一部であっても三次元立体像(虚像)の全情報を有し
ていることが通常であることから、乱反射領域における
ホログラムの消失にも係わらず三次元立体像(虚像)の
情報は一切失われない。
【0028】図3は請求項3の発明に係るホログラム転
写箔の一例を示す断面図であり、剥離層21と高軟化点
樹脂層22間に印刷インキ層26を有し、この印刷イン
キ層26が印刷画像を構成している点を除き図1のホロ
グラム転写箔と略同一である。尚、印刷インキ層26の
形成部位は図3で示した部位に限らず、例えば、低軟化
点樹脂層23と高軟化点樹脂層22との間に設けてもよ
い。また、この印刷インキ層26は低軟化点樹脂層23
と重なって見える部位に設けられ、低軟化点樹脂層23
より小面積で、望ましくはこの印刷インキ層26による
印刷画像の周囲全部に低軟化点樹脂層23が見える程度
の面積がよい。印刷インキ層26は着色不透明な印刷イ
ンキや着色透明な印刷インキをグラビア印刷等の印刷方
法によって印刷して形成することができ、文字、数字、
マーク、模様などのパターンとしての商標、ロゴ、デザ
イン等の印刷画像を構成する。
【0029】そして、図3に示されたホログラム転写箔
においては、上述のように転写後の低軟化点樹脂層23
の存在する部位は白色の乱反射領域を構成する。従っ
て、印刷インキ層26による印刷画像の周囲は眩しさを
感じさせない白色の乱反射光を生じるだけで虹模様の反
射回析光を生じないためこの印刷画像は肉眼で明瞭に判
読認識できる印刷画像を構成する結果を生じる。
【0030】
【作用】請求項1に係る発明によれば、転写層の樹脂層
が、高軟化点樹脂層とこの高軟化点樹脂層上の一部に設
けられ転写時の加熱処理又は転写後の加熱処理により軟
化する低軟化点樹脂層とで構成され、かつ、上記レリー
フ型ホログラムを構成する凹凸模様が、低軟化点樹脂層
表面とこの低軟化点樹脂層が存在しない部位の高軟化点
樹脂層表面に形成されているため、転写の際又は転写後
の熱若しくは熱と圧力により低軟化点樹脂層が軟化して
変形しその表面の凹凸模様が消失すると共に光反射性金
属薄膜に微小かつ不規則な多数の亀裂が生ずる。
【0031】このため、ホログラムを再現して虚像を観
察可能にする入射光はこの光反射性金属薄膜の亀裂部分
で不規則に乱反射し、不規則に反射した光は虚像位置に
結像しないばかりか周知のように白色光となりしかも眩
しさを感じさせない。
【0032】他方、上記低軟化点樹脂層が軟化変形する
熱又は熱と圧力条件下において高軟化点樹脂層は軟化も
変形もせずホログラムを構成する凹凸模様をそのままの
状態で保持するため、低軟化点樹脂層が存在しない部位
の高軟化点樹脂層表面の光反射性金属薄膜からの反射光
はホログラムを構成する干渉縞の凹凸模様に従って規則
的な反射回析光を構成しこの反射回析光が虚像位置に結
像する。
【0033】従って、被転写体上に明瞭なホログラムの
三次元立体像を形成しながら、しかもホログラムを構成
する凹凸模様の一部が消失して被転写体上にホログラム
画像のない領域をも併せて形成することが可能となる。
【0034】また、請求項2に係る発明によれば、低軟
化点樹脂層より支持体フィルム側でかつ低軟化点樹脂層
と対応する部位の高軟化点樹脂層面に、対応する低軟化
点樹脂層よりその面積が小さい印刷インキ層を備えてい
るため、被転写体上に明瞭なホログラムの三次元立体像
を形成しながら、しかも被転写体上の印刷画像周辺のホ
ログラムが消失して虹模様の回析光が消失し、肉眼で明
瞭に判読認識できる印刷画像をも併せて形成することが
可能となる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0036】[実施例1]支持体フィルムとして二軸延
伸した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを使用し、この支持体フィルムの片面全面に塩化ゴ
ムを溶剤に溶解若しくは分散した塗料を乾燥膜厚0.5
μmになるようにロールコート法により塗布乾燥して剥
離層を形成した。
【0037】次いで、この剥離層面上にシアン、マゼン
タ、イエローの三色の汎用グラビアインキを使用してグ
ラビア印刷法により印刷し、文字群から成る印刷画像を
構成する印刷インキ層を形成した。
【0038】更に、印刷インキ層が形成された剥離層表
面と印刷インキ層表面の全面に下記組成から成る高軟化
点樹脂層用塗料を乾燥膜厚1.0μmになるようにグラ
ビアコート法により塗布乾燥して高軟化点樹脂層を形成
した。
【0039】 (高軟化点樹脂層用塗料組成) メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート の共重合体(ガラス転移点90℃,OH価=60) 20.0重量部 キシレンジイソシアネート 5.0重量部 ニトロセルロース 10.0重量部 トルエン 25.0重量部 メチルエチルケトン 30.0重量部 酢酸イソブチル 10.0重量部 次いで、高軟化点樹脂層上に、上記印刷インキ層に対応
する部位でしかも印刷インキ層の占める面積より広く、
透視した時に印刷インキ層の全周にはみだして見える領
域に下記組成から成る低軟化点樹脂層用塗料を乾燥膜厚
1.0μmになるようにグラビア印刷法により塗布乾燥
して低軟化点樹脂層を形成した。
【0040】 (低軟化点樹脂層用塗料組成) メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート の共重合体(ガラス転移点70℃,OH価=100) 20.0重量部 トルエンジイソシアネート 5.0重量部 ニトロセルロース 10.0重量部 トルエン 20.0重量部 メチルエチルケトン 20.0重量部 酢酸イソブチル 25.0重量部 次いで、上記低軟化点樹脂層が設けられた高軟化点樹脂
層表面と低軟化点樹脂層の全面に予め作成されたホログ
ラムスタンパを130℃、40Kg/cm2 の条件で押
付けてホログラムスタンパ表面の凹凸を反転させた形状
で低軟化点樹脂層表面とこの低軟化点樹脂層が存在しな
い部位の高軟化点樹脂層表面に転写させると同時に高軟
化点樹脂層と低軟化点樹脂層の双方を硬化させた。
【0041】こうしてホログラムスタンパ表面の凹凸を
反転させた形状で写し取らせた表面に真空蒸着法により
アルミニウムを40nmの厚さで着膜させ凹凸面に沿っ
て光反射性金属薄膜を形成した。
【0042】最後に、光反射性金属薄膜上全面に下記組
成から成る感熱接着剤用塗料をグラビアコート法により
乾燥膜厚2μmとなるように塗布乾燥して接着剤層を形
成してホログラム転写箔を求めた。
【0043】 (感熱接着剤用塗料組成) 塩酢ビ樹脂 15.0重量部 アクリル樹脂 10.0重量部 メチルエチルケトン 38.0重量部 トルエン 37.0重量部 得られたホログラム転写箔の接着剤層面を硬質ポリ塩化
ビニル樹脂製カードに重ね合わせ、140℃、10Kg
/cm2 、0.1秒の条件で支持体フィルム側から加熱
加圧し、かつ、支持体フィルムを剥離除去して転写し
た。
【0044】転写されたホログラムは低軟化点樹脂層の
部位を除きカード上に正確に再現されて肉眼で三次元立
体像が美麗かつ明瞭に観察され、またレインボーホログ
ラム特有の虹模様も観察された。
【0045】これに対し、低軟化点樹脂層の部位は光反
射性金属薄膜が白く濁り、眩しさもなくその白く濁った
部分の略中央に文字群の印刷画像が存在してこの印刷画
像は周囲の白色を背景として明瞭かつ読みやすく認識さ
れた。
【0046】[実施例2]ホログラム転写箔は実施例1
と同一のものを使用すると共に、ホログラム転写箔の接
着剤層面を硬質ポリ塩化ビニル樹脂製カードに重ね合わ
せ、かつ、130℃、10Kg/cm2 、0.1秒の条
件で支持体フィルム側から加熱加圧し、支持体フィルム
を剥離除去して転写した。得られたホログラムはカード
全面に正確に再現されて肉眼で三次元立体像が美麗かつ
明瞭に観察され、またレインボーホログラム特有の虹模
様も観察された。
【0047】次いで、このカードを更に140℃、10
Kg/cm2 の条件で加熱加圧して上記低軟化点樹脂層
を軟化変形させた。
【0048】得られたカードは低軟化点樹脂層の部位を
除きホログラムに変化は認められなかったが、低軟化点
樹脂層の部位は光反射性金属薄膜が白く濁り、眩しさも
なく、その白く濁った部分の略中央に文字群の印刷画像
が存在してこの印刷画像は周囲の白色を背景として明瞭
かつ読みやすく認識された。
【0049】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、被転写体
上に明瞭なホログラムの三次元立体像を形成しながらし
かもホログラムを構成する凹凸模様の一部が消失して被
転写体上にホログラム画像のない領域をも併せて形成で
きる効果を有している。
【0050】また、請求項2に係る発明によれば、被転
写体上に明瞭なホログラムの三次元立体像を形成しなが
らしかも被転写体上の印刷画像周辺のホログラムが消失
して虹模様の回析光が消失し、肉眼で明瞭に判読認識で
きる印刷画像をも併せて形成できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係るホログラム転写箔の断面
図である。
【図2】転写した後の被転写体を示す断面図である。
【図3】請求項2の発明に係るホログラム転写箔の断面
図である。
【図4】従来例に係るホログラム転写箔の断面図であ
る。
【符号の説明】
10 支持体フィルム 20 転写層 21 剥離層 22 高軟化点樹脂層 23 低軟化点樹脂層 24 光反射性金属薄膜 25 接着剤層 26 印刷インキ層 30 被転写体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03H 1/00 - 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レリーフ型ホログラムを構成する凹凸模様
    がその表面に形成された樹脂層と上記ホログラム構成面
    全面にその凹凸面に沿って形成された光反射性金属薄膜
    とこの光反射性金属薄膜面に設けられた接着剤層から成
    る転写層と、 この転写層を剥離可能に支持する支持体フィルムとを備
    え、 上記転写層をその接着剤層を介し被転写体表面に転写さ
    せてその表面にレリーフ型ホログラムを形成するホログ
    ラム転写箔において、 上記転写層の樹脂層が、高軟化点樹脂層とこの高軟化点
    樹脂層上の一部に設けられ転写時の加熱処理又は転写後
    の加熱処理により軟化する低軟化点樹脂層とで構成さ
    れ、 かつ、上記レリーフ型ホログラムを構成する凹凸模様
    が、低軟化点樹脂層表面とこの低軟化点樹脂層が存在し
    ない部位の高軟化点樹脂層表面に形成されていることを
    特徴とするホログラム転写箔。
  2. 【請求項2】上記低軟化点樹脂層より支持体フィルム側
    でかつ低軟化点樹脂層と対応する部位の高軟化点樹脂層
    面に、対応する低軟化点樹脂層よりその面積が小さい印
    刷インキ層を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のホログラム転写箔。
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