JP2002366038A - Ovdシールとその製造方法およびその貼り付け方法 - Google Patents

Ovdシールとその製造方法およびその貼り付け方法

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JP2002366038A
JP2002366038A JP2001171480A JP2001171480A JP2002366038A JP 2002366038 A JP2002366038 A JP 2002366038A JP 2001171480 A JP2001171480 A JP 2001171480A JP 2001171480 A JP2001171480 A JP 2001171480A JP 2002366038 A JP2002366038 A JP 2002366038A
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seal
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JP2001171480A
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English (en)
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Kiyoshi Horie
潔 堀江
Naoaki Shindou
直彰 新藤
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば市販のラベル剥離剤によって粘着剤を冒
そうとするような不正な行為に対してもそれに伴う貼り
替えを防ぐなど、貼り替えによる不正行為を許さないこ
とに有効なOVDシールとその貼り付け方法を提供す
る。 【解決手段】高分子樹脂材料の支持体に、少なくともO
VD層と接着層の2層がこの順に積層してあり、該接着
層が、感熱性接着剤部位と感圧性接着剤部位との両方を
用いて形成されてあるOVDシールで、特に、連続に形
成された感熱接着剤層と、該感熱接着剤層の上を部分的
に感圧接着剤で覆うように接着層が形成してあり、ま
た、支持体とOVD層の間を剥離容易にしてあり、その
間の剥離強度が、500mm巾にて300mm/min
での剥離強度9.8N以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼り替えを防止す
るシールに係り、とくに近年、ブランドプロテクション
等の認証に用いられているホログラムをはじめとする光
の方向により色彩や画像が変化するOVDを用いてある
OVDシールであって、その貼り換えを防止する為に有
効なOVDシールとその貼り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾
画像を表現し得る、ホログラムや回折格子、光学特性の
異なる薄膜を重ねることにより、見る角度により色の変
化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVD
(Optical Variable Device)
の開発が進められている。これらOVDは立体画像やカ
ラーシフトといった独特な印象を与えるため、優れた装
飾効果を有しており各種包装材や絵本、カタログ等の一
般的な印刷物に利用されている。
【0003】また、このOVDは高度な製造技術を要す
ることから有効な偽造防止手段としてクレジットカー
ド、有価証券、証明書類等の一部にあるいは全面に形成
され使用されてきた。近年では、有価証券以外にもスポ
ーツ用品やコンピュータ部品をはじめとする電気製品ソ
フトウエアー等に貼り付けられ、その製品の真正さを証
明する認証シールや、それら商品のパッケージに貼りつ
けられる封印シールとしても広く使われるようになって
きた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらのいわゆる認証
シールや封印シールは、一旦剥がした後に、別の商品
(不正をはたらく物品、いわゆる偽物品)の上に貼り替
えられるという偽造が心配されるので、一旦剥離したと
すると、どこかが破壊してしまういわゆる脆性タイプの
シールが提案されてきた。例えば、実用新案登録第20
32258号によると、シールを構成する一部に脆質な
材料を用いた層が設けてあり、無理に剥がそうとする
と、その脆質な材料を用いた層の部分の破壊をきっかけ
として、破壊が広がることを特徴としている。しかしな
がら、このような手法は、例えば、市販のラベル剥離剤
(シール剥がし液等)を用いて粘着剤を冒すことによっ
て、容易に剥がされる場合もあるという欠点(問題点)
を有している。
【0005】本発明は前記従来の技術の持つ問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、例えば市販のラ
ベル剥離剤によって粘着剤を冒して不正行為を行なおう
と試みても、それに伴う貼り替えを防ぐなど、貼り替え
による不正行為を許さないことに有効なOVDシールと
その貼り付け方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明が提供する手段は、まず、支持体上の少なく
とも片面に、OVD層と接着層が積層してあり、前記O
VD層が接着層より支持体側に近い位置に配置したOV
Dシールであって、該接着層が、感熱性接着剤部位と感
圧性接着剤部位との両方を用いて形成されてあることを
特徴とするOVDシールである。(請求項1) 支持体は、必ずしも限定しないが、高分子樹脂材料を用
いる方が好ましい。このように高分子樹脂材料を用いる
ことにより、このOVDシールを被着体に貼り付けて支
持体を被着体に残しておく場合には、OVD層の装飾効
果を観察でき且つ耐久性も備える、という効果を与える
ために有効である。
【0007】また、前記接着層が、連続に形成された感
熱接着剤層と、該感熱接着剤層の上の少なくとも一部分
を感圧接着剤で覆うように形成してあることを特徴とす
る請求項1に記載のOVDシールである。(請求項2)
【0008】また、前記支持体と前記OVD層の間を剥
離しやすくしたことを特徴とする請求項1又は2のいず
れかに記載のOVDシールである。(請求項3)
【0009】また、前記支持体と前記OVD層の間の剥
離強度が、500mm巾にて300mm/minでの剥
離強度9.8N以下ではがれることを特徴とする請求項
3に記載のOVDシールである。(請求項4) この場合、剥がそうとした時に容易に破壊するようにし
た構成である。
【0010】また、前記支持体と前記OVD層との間
に、剥離し易い部位と剥離し難い部位との両方を設けた
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のO
VDシールである。(請求項5) この場合、剥がそうとした際に部分的に破壊を生じさ
せ、元に戻そうとしても復元不可能な状態と成ってしま
う構成である。
【0011】また、前記OVD層と前記接着剤層との間
に、剥がれ易い部位と剥がれ難い部位との両方を設けた
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のO
VDシールである。(請求項6)
【0012】高分子樹脂材料を用いてある支持体に、O
VD層と接着層の少なくとも2層がこの順に積層してあ
るOVDシールを製造する方法であって、該接着層を、
感熱性接着剤部位と感圧性接着剤部位との両方を用いて
形成することを特徴とするOVDシールの製造方法。
(請求項7)
【0013】それから、請求項1乃至6のいずれかに記
載のOVDシールを用いて、対象物に仮貼りした後に、
外部から加熱することにより、熱融着させることを特徴
とするOVDシールの貼り付け方法である。(請求項
8)
【0014】本発明の場合、接着層には感熱接着剤の部
位と感圧接着剤の部位を用いて形成しており、市販のラ
ベル剥離剤によっては剥がすことが困難であるか、又
は、無理に剥がしたとしても容易に破壊してしまい、貼
り替え防止に有効なシールであって、特に、装飾性に優
れ、偽造するにも高度な技術やコストが必要なOVD層
を備えたOVDシールとその貼り付け方法を提供してい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態によっ
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】図1は本発明のOVDシールの基本構成を
示す断面図であり、図2(a)、(b)、図3、図4
(a)、(b)はいずれも本発明のOVDシールの一構
成例を示す図である。以降、これらの図を用いて詳細に
説明する。
【0017】図1に示したOVDシール11は、支持体
1、OVD層2、接着層3を順次積層してなっている。
図2(a)、図2(b)は、接着層部分の一構成を示す
図であり、感熱接着剤部4、感圧接着剤部5をそれぞれ
備えている。図3は、OVD層2の一構成であるレリー
フタイプを示す図であり、OVD形成層6、OVD効果
層7をそれぞれ備えている。また、図4(a)(b)
は、剥がそうとすると完全に破壊するタイプのシールで
あり、それぞれ層間で剥離しやすい剥離層8を部分的あ
るいは全面に設けてなる。
【0018】支持体1はシール加工時における熱圧で軟
化変形しない耐熱性と強度があれば良い。その材料とし
ては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の
合成樹脂、天然樹脂、紙、合成紙などから単独あるいは
複合体が使用可能である。また、上記の強靭なフィルム
に柔らかい熱可塑性樹脂をコーティングし、加工の中間
品あるいはシールを基材に貼りつけた後にフィルム部分
を取り除くことも可能である。その厚みは、操作性、加
工性を考慮し2〜200μm、好ましくは6〜100μ
m程度の透明若しくは半透明のものが好ましい。
【0019】また、後述するOVD層2との密着性を向
上させたい場合には、易接着コーティングをしても、コ
ロナ処理やプラズマ処理、フレーム処理等の各種表面処
理を行っても良い。また、この支持体は被着体へ貼り付
けた後に剥がしても良い。そのためにOVD層2や別途
設ける剥離層との密着が良すぎる場合には、シリコーン
系・フッ素系・長鎖脂肪族系剥離剤等を用いて離形処理
を施しておいても良い。
【0020】次にOVD層2に関して説明する。OVD
とは光の干渉や回折を利用した画像であり、立体画像の
表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを生じ
る表示体である。その中でホログラムや回折格子のごと
きOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンと
して平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記
録する体積型が挙げられる。一方、ホログラムや回折格
子と手法が異なり、光学特性の異なるセラミックスや金
属材料の薄膜を積層し、見る角度により色の変化(カラ
ーシフト)を生じる多層膜方式もその例である。
【0021】これら、OVDの中でも量産性やコストを
考慮した場合には、レリーフ型ホログラム(回折格子)
や多層薄膜方式のものが好ましく、一般にこれらのOV
Dが広く利用されている。レリーフ型のホログラム(回
折格子)は光学的な撮影方式により、微細な凹凸パター
ンからなるレリーフ型のマスター版を作製し、電気メッ
キ法によりパターンを複製したニッケル製のプレス版に
て量産を行う。すなわち、このプレス版を加熱しOVD
形成層6に押し当て、凹凸パターンを複製する。
【0022】OVD効果層7はその回折効率を高めるた
めレリーフ面を構成する高分子材料と屈折率の異なる材
料からなる。用いる材料としては、屈折率の異なるTi
2、Si23、SiO、Fe23、ZnS、などの高
屈折率材料やより反射効果の高いAl、Sn、Cr、N
i、Cu、Au等の金属材料が挙げられ、これら材料を
単独あるいは積層して使用できる。これらの材料は真空
蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術にて形
成され、その膜厚は用途によって異なるが、50〜1
0,000Å程度で形成される。
【0023】一方、多層薄膜方式を用いる場合、前述し
たように、OVD層は異なる光学適性を有する多層薄膜
層からなり、金属薄膜、セラミックス薄膜またはそれら
を併設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば
屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と
低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み
合わせを交互に積層するようにしてもよい。それらの組
み合わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。
【0024】この多層薄膜層は、セラミックスや金属な
どの材料が用いられ、おおよそ2つ以上の高屈折率材料
と屈折率が1.5程度以下の低屈折率材料を所定の膜厚
で積層したものである。以下に用いられる材料の一例を
挙げる。まず、セラミックスとしては、Sb23(3.
0=屈折率n:以下同じ)、Fe23(2.7)、Ti
2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.
3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、Cd
O(2.2)、Sb23(2.0)、WO3(2.
0)、SiO(2.0)、Si23(2.5)、In2
3(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.
4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO
(1.6)、SiO2(1.5)、MgF2(1.4)、
CeF3(1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、Al
3(1.6)、Al23(1.6)、あるいはGaO
(1.7)等があり、金属単体もしくは合金の薄膜、例
えばAl、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、N
i、Cu、あるいはSi等が挙げられる。また、低屈折
率の有機ポリマーとしては、例えばポリエチレン(1.
51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロ
ロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート
(1.49)、ポリスチレン(1.60)等がある。こ
れらの高屈折率材料もしくは30%〜60%透過の金属
薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも
一種選択し、所定の厚さで交互に積層させる事により、
特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示すよ
うになる。
【0025】なお、金属から構成される薄膜は、構成材
料の状態や形成条件などにより、屈折率などの光学特性
が変わってくるため、本発明の実施例では一定の条件に
おける値を用いている。また、OVD形成層6が体積型
ホログラムである場合には上述した光学薄膜以外にも、
バインダー中に黒色顔料等を混ぜた色インキにより形成
することも可能である。
【0026】上記した各材料から屈折率、反射率、透過
率等の光学特性や耐候性、層間密着性などに基づき適宜
選択され、薄膜として積層され多層薄膜を形成する。形
成方法は公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速
度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、n:屈折
率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真空蒸着
法、スパッタリング法にて形成される。
【0027】これらOVD効果層7は、任意の部分を抜
いて形成することや、任意の部分を除去することも可能
である。以下には、OVD効果層7を部分的に設ける手
法の例を挙げる。
【0028】まず、OVD形成層6に水溶性樹脂を用い
たインキでパターンを印刷しておき(図示せず)、OV
D効果層7を設けた後、水溶性インキ部分を洗浄する手
法が挙げられる。また、OVD効果層を設けた後にマス
キング印刷を施し、その後アルカリあるいは酸性の薬品
にてOVD効果層7を部分的に溶解し除去する手法も使
用可能である。これら以外の手法でも公知の手法であれ
ば適宜使用可能である。このように効果層を部分的に設
けることにより、意匠性の向上を図ることや、接着層と
の密着性が微妙に変わるため剥がすとき、一部は剥がれ
やすく、一部は剥がれにくい部分が生じ、より壊れやす
くなる効果も期待できる。
【0029】OVD形成層6はホログラムや回折格子を
記録する層であり、表面に凹凸のレリーフとして記録さ
れているレリーフ型ホログラムや、厚み方向に画像が立
体的に記録されている体積型ホログラム等の公知のOV
D画像を具備する層である。その中でも量産性やコスト
を考慮した場合、レリーフ型(図3)のものが好まし
い。
【0030】レリーフ型とは、光学的な撮影方法により
微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のOVD(ホロ
グラムあるいは回折格子)を作製し、それをマスター版
として電気メッキ法によりパターンを複製したニッケル
製のプレス版を作製する。その後、レリーフ層にプレス
版を加熱押圧して凹凸パターンを複製する方法で、大量
かつ安価に複製が得られる手法である。このレリーフ型
OVDを用いた場合には、回折効率を高めるためにレリ
ーフ面と屈折率の異なるOVD効果層を設けることが好
ましい。
【0031】OVD形成層6は、プレス版にて成形可能
であるという性能が要求され、その材質は熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂の
いずれであっても良い。例を挙げれば、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂
等の熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポ
リオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネ
ートを架橋剤として添加、架橋したウレタン樹脂や、メ
ラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化樹脂、エポ
キシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート
等の紫外線あるいは電子線硬化樹脂を単独もしくはこれ
らを複合して使用できる。また上記以外のものであって
も、OVD画像を形成可能である公知の材料であれば、
使用可能である。
【0032】さらにOVD形成層6は、支持体1を剥離
して使用する場合には最表面にでる層のため耐摩性を考
慮し、石油系ワックス、植物系ワックス等の各種ワック
ス、ステアリン酸等の脂肪酸やその金属塩、シリコンオ
イル等の滑剤や、テフロン(R)パウダー、ポリエチレ
ンパウダー、シリコーン系微粒子やアクリルニトリル系
微粒子等の有機フィラーおよび、シリカ微粒子等の無機
フィラーを添加することもできる。
【0033】これらの添加剤は膜自体の強度を下げる働
きもあるため、強度を下げるために添加することも容易
に考えられる。また、OVD形成層6及び支持体1間に
別途上記滑剤を含む剥離(保護)層を設けても当然のこ
とながら良い。上記OVD形成層を支持体から剥離し易
くする場合や、別途剥離(保護)層を設ける場合、支持
体との剥離強度が500mm巾にて300mm/min
での剥離強度9.8N以下ではがれる様に調整する必要
がある。上述した条件以上の剥離強度では、容易に剥離
することが不可能となり、剥離跡の発生や凝集破壊を引
き起こし使用に耐えられないものとなる。
【0034】OVD効果層7は、レリーフ面で光を反射
する層であり、光を反射する高屈折率を有するSi、T
i、Zn等の酸化物、硫化物等の無機材料(セラミック
と称しても良い)を使用することことも可能である。さ
らにこれらの材料を単独あるいは複合してなる積層体と
して使用することも可能であり、真空蒸着法、スパッタ
リング等の公知の薄膜形成技術にて形成される。膜厚
は、反射率の問題から0.5〜1、000nmが好まし
い。
【0035】反射効率を得られるなら、有機系、有機無
機系複合体、有機系材料に無機系フィラーを分散したも
の等の材料をグラビアコート、ロールコート、ダイコー
ト、スクリーン印刷等の公知のコーティング法や印刷法
により形成することも可能である。上記以外のものであ
っても、光の反射性を有した公知の材料であれば、適宜
使用可能である。
【0036】接着層3は、OVDシールを被着体に貼り
つけ、固定するための層であり、圧力により接着させる
感圧性接着剤(粘着剤)5と熱を与えながら貼りつける
感熱性接着剤4の併用にて使用される。すなわち、感圧
性接着剤部5にて一旦被着体への仮貼りを行った後に、
外部からの加熱手段によって感熱性接着剤部4を溶融さ
せ、被着体への融着を行うものである。
【0037】前者の感圧接着剤5は指圧程度の軽い圧力
で、瞬間的に相手に付着するもので、別名粘着剤とい
う。この例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、等ゴム系接着剤、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル
系粘着剤等が挙げられる。
【0038】一方、後者の感熱接着剤4としては、熱に
より軟化・溶融し被着体表面と一体化するもので、通常
熱可塑性樹脂であるアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等
に、必要に応じて低融点の滑剤や各種充填剤を添加して
使用されるが、これらに限定されるものではない。両層
の形態としては、交互に柄抜きされたパターンを突き合
わせて形成しても、全面に設けた感熱接着層上に部分的
に感圧接着層を積層しても良く、それぞれの形成パター
ンにおいても特に限定されるものでは無い。最終形態と
して、接着層の表面に感熱接着層部位と感圧接着層部位
の両方が露出していれば良い。
【0039】以上は本発明のOVDシールの最も簡単な
構成である支持体1、OVD層2、接着層3を積層した
構成にて説明してきた。この構成は基本的な構成であ
り、各層を着色したり、層間に印刷層を設け、意匠性を
向上させることや、紫外線・赤外線発光インキや赤外線
吸収インキ等の検証を可能とする公知の偽造防止インキ
を用いた印刷層を形成し、偽造防止効果を高めることも
適宜目的に応じて適用可能である。さらには剥がすこと
をより防止するために、シールに切り込みを付加するこ
とも可能である。
【0040】
【実施例】<実施例1>まず、厚み50μmの透明ポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムから成る支
持体にOVD形成層層をダイレクトグラビアコート法に
て約1μm塗布し、次いで、ロールエンボス法によりO
VDレリーフパターンを形成した後、真空蒸着法を用い
て膜厚0.05μmのAl蒸着薄膜層(OVD効果層)
を設けた。その後、感熱接着剤をグラビアリバースキス
コート法により10μm設けた上にダイレクトグラビア
法により粘着剤を約1μm膜厚にてパターンコートし、
離型紙をラミネートし、OVDシールを作製した。
【0041】次に、PETフィルム面側から半抜き加工
・カス取り加工を施しOVDシールを得た。
【0042】[OVD形成層塗料] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 …15部 ウレタン樹脂 …10部 メチルエチルケトン …50部 トルエン …25部
【0043】[感熱接着層塗料] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 …15部 アクリル樹脂 …15部 メチルエチルケトン …45部 トルエン …25部
【0044】[感圧接着層塗料] アクリル系粘着剤 …50部 酢酸エチル …50部 メチルエチルケトン …30部 トルエン …50部
【0045】以上のようにして得られた実施例1のOV
Dシールを、離形紙を剥離した後にダンボール紙に貼り
つけ、剥がすことを試みたが、簡単に剥がすことができ
た。しかし、手を加えない限りはそのままの状態を保っ
ていた。
【0046】次に表面温度を140℃に加熱したアイロ
ンを支持体側から20秒間押し当て、被着体(ダンボー
ル紙)と融着させた。
【0047】次いで、両方のOVDシールを貼り付けた
ダンボール紙を市販のシール剥がし液やアルコールに浸
し、剥離を試みた。実施例1にて作成したOVDシール
は、剥離が不可能であった。また、実施例1で作成した
OVDシールを剥がそうと、シンナーやトルエンに浸し
てみたが、OVD層全体も破壊(溶解)されてしまい再
利用は不可能であった。
【0048】<比較例1>実施例1と同様にして、厚み
50μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムから成る支持体にOVD形成層層をダイレクト
グラビアコート法にて約1μm塗布し、次いで、ロール
エンボス法によりOVDレリーフパターンを形成した
後、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのAl蒸着薄
膜層(OVD効果層)を設けた。
【0049】その後、コンマコート法により粘着剤を約
20μm膜厚にて設け、離型紙をラミネートし、OVD
シールを作製した。次に、PETフィルム面側から半抜
き加工・カス取り加工を施しOVDシールを得た。ここ
で使用した材料は、実施例1と同様である。
【0050】次に、比較例1で作成した従来のOVDシ
ールを同様に離形紙を剥離しダンボール紙に貼り付け
た。比較例1で作成したOVDシールは、粘着剤が溶け
てしまい簡単に剥がすことが可能であった。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明のOVDシールは市
販のシール剥がし液等に強い耐性を持っており、粘着剤
を溶解し剥がそうとする行為に対しても、貼り替えを防
止することが可能である。また、脆性破壊タイプのシー
ルは一度貼ってしまうと再剥離時に破壊してしまうた
め、貼り直しをすることは不可能であるが、本発明のO
VDシールは、仮止め用の感圧接着剤の初期接着力が弱
いため、貼り直しが容易にできるという利点も持ってい
る。
【0052】また、図4(a)(b)に示す様に、部分
的もしくは全面に剥離層を設けることによって、シール
貼着後に破壊するタイプにすることもできるため、より
いっそうの再利用防止効果を得ることができる。
【0053】つまるところ、本発明によれば、例えば市
販のラベル剥離剤によって粘着剤を冒して不正行為を行
なおうと試みても、それに伴う貼り替えを防ぐなど、貼
り替えによる不正行為を許さないことに有効なOVDシ
ールとその貼り付け方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のOVDシール基本構成の一例を示す断
面図。
【図2】(a)本発明のOVDシール接着層の一構成を
示す断面図。 (b)本発明のOVDシール接着層の一構成を示す断面
図。
【図3】本発明のOVDシールOVD層の一構成を示す
断面図。
【図4】(a)本発明のOVDシール構成の一例を示す
断面図。 (b)本発明のOVDシール構成の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・ 支持体 2・・ OVD層 3・・ 接着層 4・・ 感熱接着層 5・・ 感圧接着層 6・・ OVD形成層 7・・ OVD効果層 8・・ 剥離層(又は離形層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/26 G02B 5/26 5/28 5/28 G03H 1/18 G03H 1/18 G09F 3/02 G09F 3/02 W 3/03 3/03 E Fターム(参考) 2H048 FA01 FA04 FA05 FA09 FA23 FA24 GA01 GA04 GA05 GA07 GA26 GA61 2H049 AA02 AA06 AA12 AA50 AA55 AA60 AA68 2K008 AA13 AA16 CC03 EE04 FF12 FF17 GG05 4F100 AB10B AK15B AK15C AK15J AK22B AK22C AK22J AK25C AK42A AK51B AL01B AL01C AL05B AL05C AR00B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C BA31 CA16C CB03C CB05C EH66B JK06 JN30B YY00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上の少なくとも片面に、OVD層と
    接着層が積層してあり、前記OVD層が接着層より支持
    体側に近い位置に配置したOVDシールであって、 該接着層が、感熱性接着剤部位と感圧性接着剤部位との
    両方を用いて形成されてあることを特徴とするOVDシ
    ール。
  2. 【請求項2】前記接着層が、連続に形成された感熱接着
    剤層と、該感熱接着剤層の上の少なくとも一部分を感圧
    接着剤で覆うように形成してあることを特徴とする請求
    項1に記載のOVDシール。
  3. 【請求項3】前記支持体と前記OVD層の間を剥離しや
    すくしたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに
    記載のOVDシール。
  4. 【請求項4】前記支持体と前記OVD層の間の剥離強度
    が、500mm巾にて300mm/minでの剥離強度
    9.8N以下ではがれることを特徴とする請求項3に記
    載のOVDシール。
  5. 【請求項5】前記支持体と前記OVD層との間に、剥離
    し易い部位と剥離し難い部位との両方を設けたことを特
    徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のOVDシー
    ル。
  6. 【請求項6】前記OVD層と前記接着剤層との間に、剥
    がれ易い部位と剥がれ難い部位との両方を設けたことを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のOVDシ
    ール。
  7. 【請求項7】高分子樹脂材料を用いてある支持体に、O
    VD層と接着層の少なくとも2層がこの順に積層してあ
    るOVDシールを製造する方法であって、 該接着層を、感熱性接着剤部位と感圧性接着剤部位との
    両方を用いて形成することを特徴とするOVDシールの
    製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6のいずれかに記載のOVD
    シールを用いて、対象物に仮貼りした後に、外部から加
    熱することにより、熱融着させることを特徴とするOV
    Dシールの貼り付け方法。
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