JP3018332U - 鉄筋圧接部の検査用ゲージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧接部のふくらみの外径、圧接部のふくらみ
の長さおよび鉄筋中心軸の偏心量などの測定を、無段階
的に数値確認する。 【構成】 ゲージ板１の長辺の一端縁部を矩形状に切欠
して圧接部のふくらみの長さ測定部２を形成し、ゲージ
板１の長辺の他端縁部をウエッジ状に切欠して圧接部の
ふくらみの外径測定部４を形成するとともに、圧接部の
ふくらみの長さ測定部２に隣接して、ゲージ板１の端面
１ａを基準面として出入り可能なスライド板によってな
る圧接部における鉄筋中心軸の偏心量測定部６を設け、
ふくらみの長さ測定値読取り用の目盛３、ふくらみの外
径測定値読取り用の目盛５，５および偏心量測定値読取
り用の目盛７，７を設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鉄筋圧接部の検査用ゲージに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、鉄筋圧接部の検査用ゲージとして、たとえば実開昭６１−６０１０ １号公報に記載のものが知られている。この種の鉄筋圧接部の検査用ゲージは、 図５に示すように、矩形プレート１０の短辺中央部を切欠して、圧接部のふくら みの外径測定部１１を設け、矩形プレート１０の長辺に円弧状の切欠部１２を形 成するとともに、この切欠部１２に隣接して、長辺の端面を基準面として、出入 り可能にスライド板１３を設け、このスライド板１３を鉄筋中心軸の偏心量測定 部として機能させるように構成されている。

【０００２】 しかし、前記従来の鉄筋圧接部の検査用ゲージでは、圧接部のふくらみの外径 測定部１１における測定面が、サイズ別の鉄筋それぞれの圧接部のふくらみの外 径に相当して多段状に設けれれている。したがって、限界ゲージ、詳しくは限界 軸用ゲージとしての機能を有してはいるものの、圧接部のふくらみの外径は、無 段階的に変動するのにもかかわらず、これら無段階的に変動する全ての外径を数 値的に確認することは困難な欠点がある。しかも、圧接部のふくらみの長さを測 定することが不可能な欠点もある。

【０００３】 一方、実開昭６１−９１１０１号公報に記載の鉄筋圧接部の検査用ゲージが知 られている。この種の検査用ゲージは、図６に示すように、ゲージ板１４の全周 に所定の間隔を有して、複数のふくらみ径測定用の切欠凹部１５，１５……を形 成し、隣り合う切欠凹部１５，１５……の残存部に複数のふくらみ長さ測定用の 切欠凹部１６，１６……を形成するとともに、ふくらみ径測定用の切欠凹部１５ ，１５……とふくらみ長さ測定用の切欠凹部１６，１６……との間の凸部を鉄筋 中心軸の偏心量測定部１７，１７……として機能させるように構成されている。

【０００４】 この種の鉄筋圧接部の検査用ゲージでは、圧接部のふくらみの外径と、鉄筋中 心軸の偏心量と、前者の鉄筋圧接部の検査用ゲージで不可能とされている圧接部 のふくらみの長さを測定することができる。したがって、前者の鉄筋圧接部の検 査用ゲージよりも機能的に優れた点を有している。

【０００５】 しかし、後者の鉄筋圧接部の検査用ゲージでは、圧接部のふくらみ径測定用の 切欠凹部１５，１５……がサイズ別の鉄筋それぞれの圧接部のふくらみの外径に 相当する互いに異なる曲率半径を有して複数個設けられている。したがって、前 者の鉄筋圧接部の検査用ゲージと同様、限界軸用ゲージとしての機能を有しては いるものの、無段階的に変動する全ての外径を数値的に確認することは困難であ る。また、ふくらみ長さ測定用の切欠凹部１６，１６……も互いに異なる測定長 さを有して複数個設けられているので、限界長さ用ゲージとしての機能を有して はいるものの、無段階的に変動する全ての長さを数値的に確認することは困難で ある。さらに、鉄筋中心軸の偏心量測定部１７，１７……を使用した鉄筋中心軸 の偏心量測定は、複数の偏心量測定部１７，１７……の中から選択した１つの偏 心量測定部１７における一端を一方の鉄筋の中心軸上に位置決めし、この時の他 端と他方の鉄筋の中心軸との関係によって偏心量を確認することによってなされ る。しかし、偏心量測定部１７における一端を一方の鉄筋の中心軸上に対して適 正に位置決めする作業および偏心量測定部１７における他端と他方の鉄筋の中心 軸との関係を読取る作業がきわめて困難である。このため、精度の高い測定を期 待することができない欠点を有しているとともに、限界偏心用ゲージとしての機 能を有してはいるものの、無段階的に変動する全ての偏心量を数値的に確認する ことは困難である。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、圧接部のふくらみの外径、圧接部のふくらみの長 さおよび鉄筋中心軸の偏心量測定のための限界ゲージとしての機能を有してはい るものの、無段階的に変動する全ての外径、長さおよび偏心量を数値的に確認す ることが困難な点である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ゲージ板の端縁部を切欠して形成した圧接部のふくらみの長さ測定 部と、ゲージ板の端縁部をウエッジ状に切欠して形成した圧接部のふくらみの外 径測定部と、前記長さ測定部と外径測定部のいずれかに隣接してゲージ板の端面 を基準面として出入り可能に設けられた圧接部における鉄筋中心軸の偏心量測定 部とを具備し、前記ふくらみの長さ測定部、ふくらみの外径測定部および鉄筋中 心軸の偏心量測定部のそれぞれに、測定値読取り用の目盛が設けられているてい ることを特徴とし、圧接部のふくらみの外径、圧接部のふくらみの長さおよび鉄 筋中心軸の偏心量などの測定を、無段階的に数値確認する目的を達成した。

【０００８】

【作用】

請求項１の考案によれば、想定される圧接部のふくらみの最大長さ以上の切欠 寸法を有して、圧接部のふくらみの長さ定部を形成し、想定される圧接部のふく らみの最大外径以上の対向寸法を有するウエッジ状に切欠して、圧接部のふくら みの外径測定部を形成するとともに、想定される鉄筋中心軸の最大偏心量以上の 出入りストローク量を有して、圧接部における鉄筋中心軸の偏心量測定部を設け ておくことにより、無段階的に変動する外径、長さおよび偏心量の測定が可能で あり、これらの測定値を読取り用の目盛の読取りによって数値的に確認すること ができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案の正面図で あり、この図において、ゲージ板１は、ステンレス鋼板によって矩形状に形成さ れている。このゲージ板１の長辺の一端縁部を矩形状に切欠して圧接部のふくら みの長さ測定部２が形成されており、圧接部のふくらみの長さ測定値読取り用の 目盛３が設けられている。また、ゲージ板１の長辺の他端縁部をウエッジ状に切 欠して圧接部のふくらみの外径測定部４が形成されており、一方の斜面４Ａに対 応して圧接部のふくらみの外径測定値読取り用の目盛５Ａが設けられ、他方の斜 面４Ｂに対応して後述する鉄筋の外径測定値読取り用の目盛５Ｂが設けられてい る。なお、斜面４Ａ，４Ｂの開き角θの値は、９０度以内に設定することが好ま しい。さらに、圧接部のふくらみの長さ測定部２に隣接して、ゲージ板１の端面 １ａを基準面として出入り可能なスライド板によってなる圧接部における鉄筋中 心軸の偏心量測定部６が設けられ、スライド板とゲージ板１の互いに対応する部 位のそれぞれに、偏心量測定値読取り用の目盛７，７が設けられている。

【００１０】 前記圧接部のふくらみの長さ測定部２の切欠寸法Ｌ１は、想定される圧接部の ふくらみの軸方向の最大長さ以上に設定され、切欠寸法Ｌ３は、想定される圧接 部のふくらみの半径方向の最大突出量（図２のｒ参照）以上に設定されている。 また、前記圧接部のふくらみの外径測定部４の両斜面４Ａ，４Ｂの最大離間寸法 Ｌ２は、想定される圧接部のふくらみの最大外径以上に設定されているとともに 、前記鉄筋中心軸の偏心量測定部６を構成しているスライド板のストローク量Ｌ ４は、板想定される鉄筋中心軸の最大偏心量以上に設定されている。

【００１１】 このような構成であれば、図２のように、鉄筋８Ａ，８Ｂにおける圧接部のふ くらみ９に対して、ゲージ板１の圧接部のふくらみの長さ測定部２を当接させ、 圧接部のふくらみの長さ測定値読取り用の目盛３を読取ることによって、圧接部 のふくらみ９の長さＬを測定して数値的に確認することができる。また、図３の 実線で示すように、鉄筋８Ａ，８Ｂにおける圧接部のふくらみ９に対して、ゲー ジ板１の圧接部のふくらみの外径測定部４の両斜面４Ａ，４Ｂを当接させ、圧接 部のふくらみの外径測定値読取り用の目盛５Ａを読取ることによって、圧接部の ふくらみ９の外径Ｄを測定して数値的に確認することができる。一方、図３の仮 想線で示すように、鉄筋８Ａ，８Ｂに対して、ゲージ板１の圧接部のふくらみの 外径測定部４の両斜面４Ａ，４Ｂを当接させ、鉄筋の外径測定値読取り用の目盛 ５Ｂを読取ることによって、鉄筋８Ａ，８Ｂの外径Ｄ１を測定して数値的に確認 することもできる。

【００１２】 他方、図４のように、鉄筋８Ａの外面にゲージ板１の端面１ａを基準面として 当接させるとともに、圧接部のふくらみの長さ測定部２を圧接部のふくらみ９に 対応させ、スライド板によってなる鉄筋中心軸の偏心量測定部６をスライドさせ たのち、偏心量測定値読取り用の目盛７，７を読取ることによって、圧接部にお ける鉄筋８Ａの中心軸Ｃ１と鉄筋８Ｂの中心軸Ｃ２の偏心量ｅを測定して数値的 に確認することができる。

【００１３】 このように、圧接部のふくらみの長さ測定部２の切欠寸法Ｌ１を想定される圧 接部のふくらみの最大長さ以上に設定し、圧接部のふくらみの外径測定部４の両 斜面４Ａ，４Ｂの最大離間寸法Ｌ２を想定される圧接部のふくらみの最大外径以 上に設定するとともに、鉄筋中心軸の偏心量測定部６を構成しているスライド板 のストローク量Ｌ３を板想定される鉄筋中心軸Ｃ１，Ｃ２の最大偏心量以上に設 定し、かつ、ふくらみ９の長さＬの測定を１つの長さ測定部２に特定し、ふくら み９の外径Ｄの測定を１つの外径測定部４に特定するとともに、圧接部における 鉄筋８Ａの中心軸Ｃ１と鉄筋８Ｂの中心軸Ｃ２の偏心量ｅの測定を１つの偏心量 測定部６に特定するように構成してあるので、ふくらみ９の長さＬ、ふくらみ９ の外径Ｄおよび鉄筋８Ａの中心軸Ｃ１と鉄筋８Ｂの中心軸Ｃ２の偏心量ｅなどが それぞれ無段階的に変動しても、この無段階的な変動に追従して容易かつ正確に 測定し、これらの測定値を読取り用の目盛３、５Ａ、７，７の読取りによって数 値的に確認することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、圧接部のふくらみの長さ、圧接部のふくらみ の外径および一方の鉄筋の中心軸と他方の鉄筋の中心軸の偏心量などがそれぞれ 無段階的に変動しても、この無段階的な変動に追従して容易かつ正確に測定し、 これらの測定値を読取り用の目盛の読取りによって数値的に確認することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す正面図である。

【図２】圧接部のふくらみの長さ測定の説明図である。

【図３】圧接部のふくらみの外径測定の説明図である。

【図４】鉄筋中心軸の偏心量測定の説明図である。

【図５】従来例の正面図である。

【図６】他の従来例の正面図である。

【符号の説明】

１ ゲージ板 １ａ ゲージ板の端面 ２ 圧接部のふくらみの長さ無段階測定部 ３ 測定値読取り用の目盛 ４ 圧接部のふくらみの外径無段階測定部 ５Ａ 測定値読取り用の目盛 ５Ｂ 測定値読取り用の目盛 ６ 鉄筋中心軸の偏心量測定部 ７ 測定値読取り用の目盛

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゲージ板の端縁部を切欠して形成した圧
   接部のふくらみの長さ測定部と、ゲージ板の端縁部をウ
   エッジ状に切欠して形成した圧接部のふくらみの外径測
   定部と、前記長さ測定部と外径測定部のいずれかに隣接
   してゲージ板の端面を基準面として出入り可能に設けら
   れた圧接部における鉄筋中心軸の偏心量測定部とを具備
   し、前記ふくらみの長さ測定部、ふくらみの外径測定部
   および鉄筋中心軸の偏心量測定部のそれぞれに、測定値
   読取り用の目盛が設けられているていることを特徴とす
   る鉄筋圧接部の検査用ゲージ。