JP3017331B2 - 弛み防止ねじ - Google Patents
弛み防止ねじInfo
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- male screw
- female screw
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- male
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Description
付け固定する雄ねじに係り、特に、締付け後に弛みが生
じにくい弛み防止ねじに関するものである。
て簡単に結合できることから、あらゆる産業の分野に使
用されている。ところが、このようなねじは、一般に戻
しのトルクが小さく、締付け後に受ける振動等によって
逆転し、弛み易いという問題がある。
いる場合では、スプリングワッシャや、ダブルナット等
々の手段が一般に講じられている。また、タッピングね
じの場合にあっては、逆転防止の座金を設けたり、接着
剤を用いたりしている。
平2−246203号において、特に、プラスチックに
適したタッピングねじを提案し、特願平2−41100
7号において、アルミダイキャスト等比較的柔らかい金
属用の弛み防止ねじを提案している。しかし、これらの
ねじは、鉄板等の薄板を座金を用いないで締め付け固定
する場合には余り適しておらず、例えば、板厚が0.5
mm程度の薄板の場合には、雄ねじのねじ山が2山程度
しか雌ねじに螺合しないため、薄板の雌ねじと雄ねじと
の接触面の摩擦抵抗が小さく、弛みが生じやすくなるこ
とから、薄板用の締付けねじとして、効果的に弛みを防
止できるものはなかった。
板に座金を用いないでねじ込まれる雄ねじとして最適な
弛み防止ねじを提供することを目的としている。
めに、本発明の弛み防止ねじは、座金を用いないで締め
付け固定する雄ねじにおいて、雄ねじの頭部の座面に、
円周方向に沿ってなだらかなウェーブ形状をなすと共
に、該雄ねじの頭部の座面を3分周する位置にそれぞれ
形成されていて、該ウエーブ形状の高さの差が、約4m
m/100程度の浅い複数の凹凸を設け、該凹凸の幅は
前記座面の放線方向に伸びるようにし、前記雄ねじは、
該雄ねじの山頂幅を雌ねじの螺合部における谷幅より広
くし、且つ、ねじ山の角度をねじ軸と垂直な線で分割し
たとき、雄ねじの締付方向前側の角度を雌ねじの後側の
角度とほぼ同一にすると共に、雄ねじの締付方向後側の
角度を前側の角度より小さくことことにより、雄ねじの
山頂部の後端部が雌ねじに食い込んで雌ねじをタッピン
グしながら螺入されるように構成する。
じ込まれていくと、頭部の座面のウエーブ形状の凹凸が
雌ねじ部材のねじ孔周辺面に当接し、更にねじ込むと、
ウエーブ形状の凹凸とねじ穴周辺面とが弾性圧縮変形を
伴って接触し、いわば座面と薄板とが馴染んだ状態とな
って、接触面に弾性接触による大きな摩擦抵抗が生じ
る。ウエーブ形状の凹凸が頭部の座面を3分周する位置
に設けられているから、頭部が座面に3点支持され、安
定した圧接状態が得られる。この摩擦抵抗力は座面の放
線方向に伸びる領域に発生する。
じの山頂部の後端部が雌ねじの谷部に食い込んでタッピ
ングしながら螺入していく。このタッピングによって、
雄ねじ前方の斜面は、対面する雌ねじの斜面に強い力で
押圧されるので、この押圧による摩擦力とタッピングし
た雌ねじの谷部と雄ねじの山頂との噛合による摩擦力と
によって、弛み方向のトルクに抵抗できるから、雄ねじ
の弛み方向の摩擦抵抗が更に増大する。
る。図1(a) から図1(c) は、本発明の頭部付きの雄ね
じであるビスを示す。これらの図において、雄ねじA
は、雄ねじ部1及び頭部2とからなり、頭部2には、ド
ライバの先端部と係合するための十字孔21が穿設され
ている。3は薄板からなる雌ねじ部材を示す。
垂直な方向に複数の凹凸が形成されている。すなわち、
22aは凸部を、22bは凹部を示し、図1(b) に示
すように凹凸の幅は座面22の放線方向のほぼ全長に伸
びている。図1(c)に示すように、凹凸は座面22の円
周方向に向かってなだらかな正弦波状のウェーブを描い
ている。凹凸の深さdは、頭部および雌ねじ部材の硬さ
などから適当に決定されるものであり、本発明において
は、ねじ径が5mmφ程度の場合、凹凸の深さdは約4m
m/100 とし、凹凸は円周上にほぼ等間隔に3個づつ設
けている。
3にねじ込み、座面22と雌ねじ部材3とが圧接するよ
うに強く締めつけると、座面22が雌ねじ部材3に強く
押圧される。座面22の凹凸が座面22の円周方向に沿
ったなだらかなウエーブ状であるから雄ねじAを締め付
け易く、凹凸の深さdは4mm/100 と浅いものである
から、押圧面相互が弾性圧縮変形し易く、いわば座面と
雌ねじ部材とが馴染んだ状態となって、座面22はほぼ
全面に近い大きな面積で雌ねじ部材3と密着できるよう
になる。したがって、締付け後、雄ねじAに弛み方向の
トルクが働いても、座面22と雌ねじ部材3との弾性圧
縮力による摩擦力が強くなり、薄板に螺合する雄ねじA
の弛みを防止することができる。この相互の押圧面は、
弾性限界内の弾性変形であるから、傷が付くことはな
い。
じAの弛み防止力を更に高めるねじの形状の一部断面図
である。雄ねじAの雄ねじ部1が雌ねじ部材3に形成さ
れた雌ねじ31に螺合した状態を示す断面図であり、図
の矢符号は、締付け時の雄ねじ部1の進行方向を示して
いる。雄ねじ部1のねじ山11は、頂部がねじの締付方
向と平行で、ねじの螺旋に沿った平面になっており、山
頂の幅Wは、この山頂部が雌ねじ31と螺合する位置の
谷幅wよりも広くなっている。
に示すように、雄ねじ及び雌ねじのねじ山角度をねじ軸
12と垂直な線13,13′で図示のように締付方向前
後の角度α,β,及びα′,β′に分割したときに、雄
ねじの締付方向後側の角度βが、β<α,又はβ<β′
となるようにしていることである。言い換えると、雄ね
じの締付方向前方の斜面11aを、対面する雌ねじの斜
面31aとほぼ平行にし、雄ねじの締付け方向後方の斜
面11bを垂直方向に近づけて、非対称のねじ山として
いる。なお、本発明の実施例に示す雄ねじでは、α=3
0°、β=20°であり、雌ねじでは、α′=β′=3
0°となっている。
ねじ31にボルト又はビス状の雄ねじをねじ込む。前述
したように、雄ねじの山頂幅Wは、対応する雌ねじの螺
合部の谷幅wより広く、また、ねじ山の前方斜面11a
は雌ねじの斜面31aとほぼ平行で、後方の斜面11b
は雌ねじの斜面31bよりねじ軸12に対して直角に近
く立っているので、雄ねじ11の山頂部の後端部が雌ね
じ31に食い込み、雌ねじ4をタッピングしながら螺入
していく。このタッピングによって、雄ねじの前方の斜
面11aは雌ねじの斜面31aに強く押圧され、この押
圧による摩擦力とタッピングした雌ねじ4との噛合とに
よって、弛み方向のトルクに対する抵抗力が生じる。
図4に一般のねじの螺合状態を示すが、ここではα=β
=α′=β′であり、かつ、山頂幅W′≦谷幅w′であ
る。したがって、雄ねじの後側斜面11bが雌ねじの斜
面31bによって押圧されることによって、雄ねじがね
じ込まれていき、反対の雄ねじの前方斜面11aと対向
する雌ねじの斜面31aとの間には隙間ができている。
ねじの締付けが終わった場合、振動等の影響によって、
上記の斜面11bと31bとの密着力が下がり易く、ね
じ山11は雌ねじの谷の内に遊嵌された状態となる。そ
のため、弛み方向のトルクが生じた場合、これに抵抗で
きずに簡単に弛んでしまう。
ねじの山頂の後部が雌ねじ4の谷部に食い込み、この食
い込みによって雄ねじの前方の斜面11aが雌ねじ4の
斜面31aに押し付けられるから、弛み方向のトルクに
対する抵抗力が大となる。雌ねじ部材が薄板の場合に
は、雄ねじと螺合するねじ山数が少ないけれども、螺合
するねじ山数に応じた弛み止め効果が生じるので、図1
の実施例の雄ねじに図2,図3の実施例を加えることに
より、鉄板の薄板等の山数の少ない雌ねじ部材に対して
も、雄ねじの弛み防止効果を更に高めることができる。
の頭部の座面になだらかなウエーブ形状の浅い凹凸が設
けられると共に該ウエーブ形状の高さの差が約4mm/
100 程度のものであるから、凹凸と雌ねじ部材との接
触面に弾性圧縮力が生じて弛みを防止する大きな摩擦抵
抗力が生じ、弛みを確実に防止することができる。 ま
た、該凹凸は座面の放線方向に伸びているから弛み防止
力の発生領域は広くなり、しかも該凹凸は雄ねじの頭部
の座面を3分周する位置にそれぞれ形成されているから
座面が3点支持されることとなって安定性が良好とな
る。したがって、鉄板の薄板等のねじ山数の少ない雌ね
じ部材と雄ねじとを、接触面を傷付けることなく締付け
固定することができ、弛み防止効果を発揮させることが
できる。前記雄ねじを雌ねじに螺入していくと、雄ねじ
の山頂部の後端部が雌ねじに食い込み、雌ねじをタッピ
ングしながら螺入していくから、このタッピングによっ
て雄ねじの前方の斜面は雌ねじの斜面に強く押圧され、
この押圧による摩擦力とタッピングした雌ねじとの噛合
によって、弛み方向のトルクに対する抵抗力が生じる。
従って、前記雄ねじの頭部の座面に設けた凹凸による弛
み防止効果と相まって、弛み防止力を更に高めることが
できる。図5はトルクアナライザーにより本発明の弛み
防止ねじの戻しトルク測定をした結果の締付け/弛めト
ルク比を示すグラフ図であり、Sは締付けトルク、Lは
戻し抵抗(弛めトルク)を示している。この図からも明
らかなように、低いねじ込みトルクに対して高い弛めト
ルクを備えており、弛み防止効果が優れていることが判
明する。また、締付け・弛めを5回繰り返した状態にお
いても締付け/弛めトルク比は殆ど変化しておらず、再
使用性が高いことも判明する。
正面図、(b) は(a)の右側面図、(c) は(b) のB矢視の
図である。
合状態を示す一部断面図である。
図である。
ルク比を示すグラフ図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 座金を用いないで締め付け固定する雄ね
じにおいて、雄ねじの頭部の座面に、円周方向に沿って
なだらかなウェーブ形状をなすと共に、該雄ねじの頭部
の座面を3分周する位置にそれぞれ形成されていて、該
ウエーブ形状の高さの差が、約4mm/100程度の浅
い複数の凹凸を設け、該凹凸の幅は前記座面の放線方向
に伸びるようにし、前記雄ねじは、該雄ねじの山頂幅を
雌ねじの螺合部における谷幅より広くし、且つ、ねじ山
の角度をねじ軸と垂直な線で分割したとき、雄ねじの締
付方向前側の角度を雌ねじの後側の角度とほぼ同一にす
ると共に、雄ねじの締付方向後側の角度を前側の角度よ
り小さくすることにより、雄ねじの山頂部の後端部が雌
ねじに食い込んで雌ねじをタッピングしながら螺入され
るように構成したことを特徴とする弛み防止ねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3205345A JP3017331B2 (ja) | 1991-08-16 | 1991-08-16 | 弛み防止ねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3205345A JP3017331B2 (ja) | 1991-08-16 | 1991-08-16 | 弛み防止ねじ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0571524A JPH0571524A (ja) | 1993-03-23 |
JP3017331B2 true JP3017331B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=16505354
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3205345A Expired - Lifetime JP3017331B2 (ja) | 1991-08-16 | 1991-08-16 | 弛み防止ねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3017331B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106133345A (zh) * | 2014-03-20 | 2016-11-16 | 株式会社托普拉 | 自攻螺钉及其紧固结构 |
Families Citing this family (4)
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-
1991
- 1991-08-16 JP JP3205345A patent/JP3017331B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106133345A (zh) * | 2014-03-20 | 2016-11-16 | 株式会社托普拉 | 自攻螺钉及其紧固结构 |
CN106133345B (zh) * | 2014-03-20 | 2020-07-31 | 株式会社托普拉 | 自攻螺钉及其紧固结构 |
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JPH0571524A (ja) | 1993-03-23 |
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