JP3014359B2 - 量子波干渉層を有した可変容量素子 - Google Patents

量子波干渉層を有した可変容量素子

Info

Publication number
JP3014359B2
JP3014359B2 JP4107398A JP4107398A JP3014359B2 JP 3014359 B2 JP3014359 B2 JP 3014359B2 JP 4107398 A JP4107398 A JP 4107398A JP 4107398 A JP4107398 A JP 4107398A JP 3014359 B2 JP3014359 B2 JP 3014359B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
quantum
variable capacitance
wave interference
quantum wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4107398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11233798A (ja
Inventor
浩之 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canare Electric Co Ltd
Original Assignee
Canare Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canare Electric Co Ltd filed Critical Canare Electric Co Ltd
Priority to JP4107398A priority Critical patent/JP3014359B2/ja
Priority to US09/245,299 priority patent/US6331716B1/en
Priority to EP99102297A priority patent/EP0935294A1/en
Publication of JPH11233798A publication Critical patent/JPH11233798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3014359B2 publication Critical patent/JP3014359B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規構造のnin又
はpip可変容量素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、pn接合を利用した電圧可変容量
素子が知られている。この容量素子は、高不純物濃度の
p層と低不純物濃度のn層とを接合させ、n層のp層に
対する境界領域に空乏層を形成して容量素子とするもの
である。この容量素子では、pn接合に逆バイアス電圧
が印加されると、空乏層幅が拡大され、容量が小さくな
る。このように、逆バイアス電圧の大きさにより容量値
を可変させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電圧可変容
量素子においては、印加電圧に対する容量値の変化率を
大きくすることが要請されている。このことを実現する
ために、上記のpn接合構造を有した可変容量素子にお
いて、低不純物濃度のn層において、p層との境界から
の不純物濃度に空間分布を設けることが考慮されてい
る。そして、容量の電圧変化率を大きくするには、この
不純物濃度の分布を非線型に変化させる必要がある。
【0004】しかし、この非線型な不純物分布を得るた
めには、加速度電圧を変化させたイオン注入、結晶成長
過程における変調ドーピング等の手法が用いられるが、
不純物の熱拡散があり、正確に設計した通りの非線形分
布を得ることは困難である。よって、容量の電圧変化率
を向上にも限界がある。
【0005】本発明は、この空乏層の電圧による変化を
不純物分布で実現するのではなく、全く新規な構造によ
り実現するものである。本発明の目的は、容量の電圧変
化率の大きい電圧可変容量素子を実現することである。
又、他の目的は、電圧制御できる容量の値の精度を向上
させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ni
n又はpip接合を有した量子波干渉層を有した可変容
量素子において、i層において、第1層と第1層よりも
バンド幅の広い第2層の厚さを、i層を伝導するキャリ
の、各層における量子波の波長の4分の1の奇数倍に
設定した量子波干渉層を設けたことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、量子波の波長を決定す
るためのキャリアの運動エネルギをキャリアが電子であ
る場合には第2層の伝導帯の底付近、キャリアが正孔で
ある場合には価電子帯の底付近に設定したことを特徴
する。
【0008】請求項3に記載の発明は、第1層の厚さD
W と第2層の厚さDB を次のように設定したことを特徴
とする。
【数1】 DW =nW λW /4=nW h/ 4 [2mw (E+V) ]1/2 …(1)
【数2】 DB =nB λB /4=nB h/ 4 (2mB E)1/2 …(2) 但し、hはプランク定数、mw は第1層における注入さ
れる少数キャリアの有効質量、mB は第2層における少
数キャリアの有効質量、Eは第2層に注入された、第2
層の最低エネルギレベル付近における少数キャリアの運
動エネルギ、Vは第1層に対する第2層のバンド電位
差、nW 、nB は奇数である。
【0009】請求項4に記載の発明は、nin又はpi
p接合を有した量子波干渉層を有した可変容量素子にお
いて、第1層と第1層よりもバンド幅の広い第2層とか
ら成る多重周期層であって、第2層を伝導するキャリア
の運動エネルギを複数の異なる値Ek 、第1層における
その各運動エネルギをEk +Vとし、第2層、第1層の
各エネルギに対応した各量子波長をλBk,λWkとする
時、第2層、第1層をnBkλBk/4、nWkλWk/4の厚
さで、Tk 周期繰り返された部分量子波干渉層Ik が値
k の数だけ繰り返し形成された、但し、nWk、nBk
奇数、量子波干渉層をi層に設けたことを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、i層において、量子波
干渉層が、所定間隔隔てて、複数従続に配設されている
ことを特徴とする。請求項6の発明は、各量子波干渉層
の間にはキャリアを閉じ込めるキャリア閉込層が形成さ
れていることを特徴とする。請求項7の発明は、キャリ
ア閉込層のバンド幅は第2層のバンド幅に等しいことを
特徴とする。請求項8の発明は、i層に印加される電界
が所定値の時に伝導するキャリアの量子波の波長に対し
て量子波干渉層の各層の厚さが決定されていることを特
徴とする。請求項9の発明は、第1層と第2層との境界
には、第1層と第2層の厚さに比べて充分に薄く、エネ
ルギバンドを急変させるδ層が設けられていることを特
徴とする。
【0011】
【発明の作用及び効果】〔請求項1、2、3の発明〕本
発明にかかる量子波干渉層の原理を図3に示すnin構
造を例として次に説明する。図1(a)は、i層に形成
された量子波干渉層の伝導帯を示している。電子が外部
電界により図上左から右方向に伝導するとする。伝導に
寄与する電子は、第2層の伝導帯の底付近に存在する電
子と考えられる。この電子の運動エネルギをEとする。
すると、第2層Bから第1層Wに伝導する電子は第2層
から第1層へのバンド電位差Vにより加速されて、第1
層Wにおける運動エネルギはE+Vとなる。又、第1層
Wから第2層Bへ伝導する電子は第1層から第2層への
バンド電位差Vにより減速されて、第2層Bにおける電
子の運動エネルギはEに戻る。伝導電子の運動エネルギ
は、多重層構造のポテンシャルエネルギによりこのよう
な変調を受ける。
【0012】一方、第1層と第2層の厚さが電子の量子
波長と同程度となると、電子は波動として振る舞う。電
子の量子波の波長は電子の運動エネルギを用いて、
(1)、(2)式により求められる。さらに、波の反射
率Rは第2層B、第1層Wにおける量子波の波数ベクト
ルをKB ,KW とする時、次式で求められる。
【数3】 R=(|KW |−|KB |)/(|KW |+|KB |) =([mw ( E+V)]1/2-[ mB E]1/2)/([mw ( E+V)]1/2+[ mB E]1/2) =[1- ( mB E/ mw ( E+V))1/2]/[1+ (mB E/ mw ( E+V))1/2] …(3) 又、mB =mw と仮定すれば、反射率は次式で表され
る。
【数4】 R=[1- ( E/ ( E+V))1/2]/[1+ (E/ ( E+V))1/2] …(4) E/ ( E+V) =xとおけば、(4)式は次式のように
変形できる。
【数5】 R=(1−x1/2 )/(1+x1/2 ) …(5) この反射率Rのxに対する特性は図2のようになる。
【0013】又、第2層Bと第1層WがそれぞれS層多
重化された場合の量子波の入射端面での反射率RS は次
式で与えられる。
【数6】 RS =〔(1−xS )/(1+xS )]2 …(6) x≦1/10の時R≧0.52となり、そのためのE,
Vの関係は
【数7】 E≦V/9 …(7) となる。第2層Bにおける伝導電子の運動エネルギEは
伝導帯の底付近であることから、(7)式の関係が満足
され、第2層Bと第1層Wとの境界での反射率Rは52
%以上となる。このようなバンド幅の異なる層で形成さ
れた多重層構造により、i層を伝導する電子の量子波を
効率良く反射させることができる。
【0014】又、xを用いて第2層Bの厚さの第1層W
の厚さに対する比DB /DW は次式で求められる。
【数8】 DB /DW =〔mw /(mB x)〕1/2 …(8)
【0015】i層に印加する電圧を徐々に大きくして行
くとき、量子波干渉の反射効果が機能しi層に存在する
キャリアが流れない間は、i層に存在する電子によりi
層の実効的な厚さ、即ち、空乏層の厚さが薄くなり、容
量は大きい。印加電圧を大きくして行くと、量子波干渉
層のバンドのエネルギレベルは外部電圧により図1
(b)、図3(b)のように傾斜する。このようにバン
ドが傾斜すると、第1層W、第2層Bにおける電子の運
動エネルギE+V,Eは、量子波が進行するにつれて増
加し、次第に第1層Wと第2層Bの厚さは、反射率が大
きくなる最適条件を満たさなくなる。この結果、印加電
圧の大きさが、電子の運動エネルギを上記の量子波干渉
層の厚さの設計に用いられた運動エネルギを越えさせな
い範囲では、電子の反射が起こり電子による電流は流れ
ない。しかし、印加電圧の大きさが、i層の電子の運動
エネルギを設定された運動エネルギを越えさせる程度に
増加すると、i層中に存在していた電子が、i層の電界
で加速されて移動するようになる。この結果、i層の電
子密度が低下し、i層の実効的な厚さ、即ち、空乏層の
厚さが厚くなり、容量が小さくなる。
【0016】又、価電子帯においても、エネルギレベル
が周期的に変動するが、バンド電位差Vが伝導帯のバン
ド電位差と異なり、さらに、第1層、第2層における正
孔の有効質量が電子の有効質量と異なるため、電子に対
して反射率を高くするように設定された第1層と第2層
の幅の設定値は正孔に対する高反射率が得られる条件に
はならない。よって、上記の構造の量子波干渉層は、電
子だけを反射させ正孔を反射させないようにすることが
できる。よって、正孔は、印加電圧の小さい値におい
て、i層には存在せず、i層は完全に空乏層化してい
る。
【0017】〔請求項4の発明〕 請求項4の発明は、図4に示すように、第1層と第1層
よりもバンド幅の広い第2層との多重周期から成るi層
に形成された量子波干渉層を次のように形成したことを
特徴とする。第1層、第2層を、それぞれ、厚さD Wk
Bk で任意周期Tk だけ繰り返して部分量子波干渉層I
k とする。但し、
【数9】 DWk=nWkλWk/4=nWkh/ 4 [2mwk(Ek +V) ]1/2 …(9)
【数10】 DBk=nBkλBk/4=nBkh/ 4 (2mBkk )1/2 …(10) ここで、Ek は第2層に注入される少数キャリアの運動
エネルギの複数の異なる値、mwkは第1層における運動
エネルギ k +Vを有する少数キャリアの有効質量、m
Bkは第2層における運動エネルギ k を有する少数キャ
リアの有効質量、nWk、nBkは任意の奇数である。この
ように形成された部分量子波干渉層Ik をI1,, j
と、kの最大値jだけ直列接続して量子波干渉層が形成
される。
【0018】〔請求項5、6、7〕i層において、多重
層構造の量子波干渉層を所定間隔にて複数従続に配設す
ることで、又、各量子波干渉層の間にキャリアを閉じ込
めるキャリア閉込層を形成することで、容量の増大を効
果的に実現することができる。又、請求項7は、キャリ
ア閉込層のバンド幅を第2層のバンド幅に等しくしてい
る。この構成が図6に示されている。各量子波干渉層A
1 〜A4 が所定の間隔を隔てて設けられており、その各
量子波干渉層A1 〜A4 間の領域がキャリア閉込層C1
〜C3 である。i層に存在する電子がこのキャリア閉込
層C1 〜C3 で効果的に閉じ込められ、容量を増加させ
ることができる。印加電圧を増加させると、各量子波干
渉層A1 〜A4 における電子の量子波長が反射条件を満
たされなくなり、i層の電界で加速されて流れる。これ
により、各キャリア閉込層C1 〜C3での電子濃度が低
下する結果、容量が小さくなる。このように、外部電圧
により容量を制御することが可能となる。
【0019】〔請求項8〕請求項8は、i層に印加され
る電界が所定値の時に伝導するキャリアの量子波の波長
に対して量子波干渉層の各層の厚さが決定されているこ
とを特徴とする。例えば、図6は、印加電圧V1
2 、V3 の順番で大きくなる場合を示している。ある
印加電圧Vの場合に、各量子波干渉層A1 〜A4 の反射
率が最も大きくなるように設計しても良い。この場合に
は、その印加電圧Vの近傍で容量は最大値を示すことに
なる。
【0020】〔請求項9〕 図5に示すように、第1層Wと第2層Bとの境界におい
て、エネルギバンドを急変させる厚さが第1層W、第2
層Bに比べて十分に薄いδ層を設けても良い。境界での
反射率は(5)式で得られるが、境界にδ層を設けるこ
とで、バンド電位差Vを大きくすることができx値が小
さくなる。x値が小さいことから反射率Rが大きくな
る。このδ層は、図5(a)に示すように、各第1層W
の両側の境界に設けられているが、片側の境界だけに設
けても良い。又、δ層は、図5(a)に示すように、境
界に第2層Bのバンドの底よりもさらに高い底のバンド
が形成されるように設けているが、図5(b)に示すよ
うに、境界に第1層のバンドの底よりもさらに低い底を
有するように形成しても良い。さらに、図5(c)に示
すように、境界に第2層Bのバンドの底よりも高い底を
有し、第1層Wのバンドの底よりも低い底を有するバン
ドを形成するように、δ層を形成しても良い。このよう
にすることで、第1層Wと第2層Bとの境界での量子波
の反射率を大きくすることができ、多重層に形成した場
合に全体での量子波の反射率を大きくすることができ
る。
【0021】尚、上記の説明において、nin型におい
て、キャリアを電子で説明したが、本願発明は、pip
型でキャリアを正孔としても同様に成立する。
【0022】
〔第1実施例〕
図7は量子波干渉層をi層に形成した可変容量素子の断
面図である。GaAsから成る基板10の上に、n-GaAsから
成る厚さ0.3 μm 、電子濃度 2×1018/cm3のバッファ層
12が形成され、その上にn-Ga0.51In0.49P から成る厚
さ0.13μm 、電子濃度 2×1018/cm3のn形コンタクト層
14が形成されている。n形コンタクト層14の上に
は、n-Al0.51In0.49P から成る厚さ0.2 μm 、電子濃度
1×1018/cm3のn層16が形成されている。そのn層1
6の上には、不純物無添加のi層18が形成され、その
i層18の上にはAl0.51In0.49P から成る厚さ0.2 μm
、電子濃度1 ×1018/cm3のn層20が形成されてい
る。さらに、そのn層20の上にn-Ga0.51In0.49P から
成る厚さ0.13μm 、電子濃度 2×1018/cm3の第2n形コ
ンタクト層22とn-GaAsから成る厚さ0.06μm 、電子濃
度 2×1018/cm3の第1n形コンタクト層24が形成され
ている。さらに、基板10の裏面には厚さ0.2 μmのAu/
Ge から成る電極26が形成され、第1n形コンタクト
層24の上には厚さ0.2 μm のAu/Ge から成る電極28
が形成されている。
【0023】上記のi層18の中に、不純物無添加のGa
0.51In0.49P から成る第1層Wと不純物無添加のAl0.51
In0.49P から成る第2層Bを10周期多重化した量子波
干渉層A1 、これと同様な構成の量子波干渉層A2,,
4 が全体で4組設けられている。1つの量子波干渉層
1 の詳細なバンド構造が図8に示されている。第1層
Wの厚さは5nm 、第2層Bの厚さは7nm であり、第2層
Bと第1層Wとの間には厚さ1.3nm の不純物無添加のAl
0.33Ga0.33In0.33P から成るδ層が形成されている。
又、各量子波干渉層Ai,i+1 間には厚さ177nm 、不純
物無添加のAl0.51In0.49P から成るキャリア閉込層C1
〜C3 が形成されている。第2層Bと第1層Wの厚さの
条件は、外部電圧が印加されていない状態で、上記した
(1)、(2)式で決定されている。
【0024】尚、n層20又はn層16に接合する第2
層Bは0.05μm である。又、基板10は、2インチ径の
大きさであり、基板の主面は面方位(100) に対して15°
方位[011] 方向にオフセットしている。
【0025】この電圧可変容量素子は、ガスソースMB
E法により製造された。ガスソースMBE法は、結晶の
エレメント材料全てを固体ソースから供給する従来形の
MBE法とは異なり、V族元素(As,P)等をガス状原料(A
sH3,PH3)の熱分解により供給し、III 族エレメント(In,
Ga,Al)は固体ソースから供給する超高真空下の分子線結
晶成長法である。
【0026】上記の構成の可変容量素子において、n層
20とn層16との間に電圧Vを印加すると、i層18
が絶縁性であるので、図6(a)に示すように、i層1
8に電位傾斜を生じる。尚、図6においてはδ層は明示
されていないが、実際には、図8(a)に示すように、
δ層が存在する。外部電圧が0Vから図6(a)に示す
1 までは、各量子波干渉層A1 〜A4 は電子を反射す
るために、i層18に存在する電子はi層を伝導しな
い。即ち、電子は各キャリア閉込層C1 〜C3 に閉じ込
められる。この結果、実効的な空乏層の幅が短くなり、
電極26、28間の静電容量は大きい。
【0027】電極26、28間の印加電圧Vが次第に大
きくなると、電子の運動エネルギーが大きくなり、量子
波長は短くなる。この結果、各量子波干渉層A1 〜A4
の反射条件が満たされなくなり、電子が伝導し、各キャ
リア閉込層C1 〜C3 の電子濃度が減少する。この結
果、各キャリア閉込層C1 〜C3 が空乏層化するため、
等価的にi層の空乏層の幅が大きくなったことになり、
容量が低下する。このように、印加電圧Vを増大させる
に従って、容量を小さくすることができる。
【0028】上記の可変容量素子において、電圧Vをバ
イアス電圧として与えた時の交流の容量値を、電圧Vを
変化させて測定した。測定結果を図9に示す。交流信号
は100kHzと1MHzである。特性Xが1MHzの
時の特性であり、印加電圧Vが0.6V以上となると、
容量が急激に小さくなっていることが分かる。又、特性
Yは100kHzの時の特性であり、0.7Vで最大と
なっていることが分かる。又、特性Zは従来のpn接合
型の電圧可変容量素子の特性を示している。本実施例素
子の特性X,Yからも明白なように、0.8Vより大き
い領域での容量の電圧変化率が、従来素子よりも大きく
なっていることが理解される。
【0029】上記実施例の他、図4に示すように、i層
に形成される量子波干渉層を部分量子波干渉層T1 〜T
j の繰り返しで形成した場合にも、上記と同様な容量電
圧特性が得られた。上記実施例では、δ層を形成してい
る。δ層を形成することで、反射率を向上させることが
できるが、δ層がなくとも多重反射による反射率の増加
の効果は見られるので、δ層はなくとも良い。又、上記
実施例では、A1 〜A4 の4つの量子波干渉層をキャリ
ア閉込層Cを介在させて直列に接続したが、i層に1つ
の量子波干渉層を形成しても良い。又、量子波干渉層を
Ga0.51In0.49P とAl0.51In0.49P との多重層で構成した
が、4元系のAlxGayIn1-x-yP(0≦x,y ≦1 の任意の値)
で組成比を異にして形成しても良い。さらに、量子波干
渉層は、他のIII 族-V族化合物半導体、II族-VI 族化合
物半導体、Si/Ge 、その他の異種半導体の多重接合で構
成することが可能である。
【0030】なお、上記実施例では、i層を不純物無添
加としたが、わずかにドナー不純物、又は、アクセプタ
不純物を添加するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を説明するための説明図。
【図2】第2層におけるキャリアの運動エネルギの第1
層における運動エネルギに対する比xに対する反射率R
の関係を示した特性図。
【図3】本発明の概念を説明するための説明図。
【図4】本発明の概念を説明するための説明図。
【図5】本発明の概念を説明するための説明図。
【図6】本発明の概念及び実施例素子の構造を説明する
ための説明図。
【図7】本発明の具体的な一実施例に係るnin可変容
量素子の構造を示した断面図。
【図8】その実施例に係るnin可変容量素子における
量子波干渉層の詳細なエネルギダイヤグラム。
【図9】その実施例素子の交流容量の電圧特性を示した
測定図。
【符号の説明】
10…基板 12…バッファ層 14…n形コンタクト層 16…n層 18…i層 20…n層 22…第2n形コンタクト層 24…第1n形コンタクト層 26,28…電極 A1 〜A4 …量子波干渉層 B…第2層 W…第1層 C,C1 〜C3 …キャリア閉込層
フロントページの続き (56)参考文献 Japanese Journal of Applied Physic s,Vol.29,No.11,Novem ber,1990,pp.L1977−L1980 電子情報通信学会技術研究報告,Vo l.91,No.2(OQE91 1− 17),1991,pp.73−78 電子情報通信学会技術研究報告,Vo l.91,No.15(ED91 1−7), 1991,pp.15−21 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/861 H01L 29/864 - 29/87 H01L 29/88 - 29/96 H01L 31/02 H01L 31/04 H01L 33/00 H01S 5/30 H01L 27/04 H01L 29/06 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 nin又はpip接合を有した量子波干
    渉層を有した可変容量素子において、 i層において、第1層と第1層よりもバンド幅の広い
    2層の厚さを、前記i層を伝導するキャリアの、各層に
    おける量子波の波長の4分の1の奇数倍に設定した量子
    波干渉層を設けたことを特徴とする量子波干渉層を有し
    た可変容量素子。
  2. 【請求項2】 前記量子波の波長を決定するための前記
    キャリアの運動エネルギをキャリアが電子である場合に
    は第2層の伝導帯の底付近、キャリアが正孔である場合
    には価電子帯の底付近に設定したことを特徴とする請求
    項1に記載の量子波干渉層を有した可変容量素子。
  3. 【請求項3】 前記第1層における前記量子波の波長λ
    W はλW =h/[2mw(E+V) ]1/2で決定され、前記
    第2層における前記量子波の波長λB はλB =h/(2m
    B E)1/2で決定され、前記第1層の厚さDW はDW =n
    W λW /4、前記第2層の厚さDB はDB =nB λB
    4で決定される、但し、hはプランク定数、mw は第1
    層におけるキャリアの有効質量、mB は第2層における
    キャリアの有効質量、Eは第2層に流入されるキャリア
    の運動エネルギー、Vは第1層に対する第2層のバンド
    電位差、nW 、nB は奇数であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2のいずれか1項に記載の量子波干渉層
    を有した可変容量素子。
  4. 【請求項4】 nin又はpip接合を有した量子波干
    渉層を有した可変容量素子において、 第1層と第1層よりもバンド幅の広い第2層とから成る
    多重周期層であって、前記第2層を伝導するキャリアの
    運動エネルギを複数の異なる値Ek 、前記第1層におけ
    るその各運動エネルギをEk +Vとし、第2層、第1層
    の各エネルギに対応した各量子波長をλBk,λWkとする
    時、第2層、第1層をnBkλBk/4、nWkλWk/4の厚
    さで、Tk 周期繰り返された部分量子波干渉層Ik が前
    記値Ekの数だけ繰り返し形成された、但し、nWk、n
    Bkは奇数、量子波干渉層を前記i層に設けたことを特徴
    とする可変容量素子。
  5. 【請求項5】 前記i層において、前記量子波干渉層
    が、所定間隔にて、複数従続に配設されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の
    量子波干渉層を有した可変容量素子。
  6. 【請求項6】 前記各量子波干渉層の間にはキャリアを
    閉じ込めるキャリア閉込層が形成されていることを特徴
    とする請求項5に記載の量子波干渉層を有した可変容量
    素子。
  7. 【請求項7】 前記キャリア閉込層のバンド幅は前記第
    2層のバンド幅に等しいことを特徴とする請求項6に記
    載の量子波干渉層を有した可変容量素子。
  8. 【請求項8】 前記i層に印加される電界が所定値の時
    に伝導する前記キャリアの量子波の波長に対して前記量
    子波干渉層の各層の厚さが決定されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の量子
    波干渉層を有した可変容量素子。
  9. 【請求項9】 前記第1層と前記第2層との境界には、
    前記第1層と前記第2層の厚さに比べて充分に薄く、エ
    ネルギバンドを急変させるδ層が設けられていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載
    の量子波干渉層を有した可変容量素子。
JP4107398A 1998-02-06 1998-02-06 量子波干渉層を有した可変容量素子 Expired - Fee Related JP3014359B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4107398A JP3014359B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 量子波干渉層を有した可変容量素子
US09/245,299 US6331716B1 (en) 1998-02-06 1999-02-05 Variable capacity device with quantum-wave interference layers
EP99102297A EP0935294A1 (en) 1998-02-06 1999-02-05 Variable capacity device with quantum-wave interference layers

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4107398A JP3014359B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 量子波干渉層を有した可変容量素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11233798A JPH11233798A (ja) 1999-08-27
JP3014359B2 true JP3014359B2 (ja) 2000-02-28

Family

ID=12598282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4107398A Expired - Fee Related JP3014359B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 量子波干渉層を有した可変容量素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3014359B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1909384A3 (en) * 2006-10-06 2015-11-25 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Rectifier circuit with variable capacitor, semiconductor device using the circuit, and driving method therefor

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.29,No.11,November,1990,pp.L1977−L1980
電子情報通信学会技術研究報告,Vol.91,No.15(ED91 1−7),1991,pp.15−21
電子情報通信学会技術研究報告,Vol.91,No.2(OQE91 1−17),1991,pp.73−78

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11233798A (ja) 1999-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4688068A (en) Quantum well multijunction photovoltaic cell
US4257055A (en) Negative resistance heterojunction devices
US6753593B1 (en) Quantum wire field-effect transistor and method of making the same
JPH065784B2 (ja) アバランシエ光検出器
JP3014339B2 (ja) 量子波干渉層を有した半導体素子
KR920006434B1 (ko) 공진 터널링 장벽구조장치
US4851886A (en) Binary superlattice tunneling device and method
US6222205B1 (en) Layered semiconductor structure for lateral current spreading, and light emitting diode including such a current spreading structure
US5886360A (en) Semiconductor device
JPH02130988A (ja) 量子井戸半導体レーザ素子
JP3014359B2 (ja) 量子波干渉層を有した可変容量素子
JP3014341B2 (ja) 量子波干渉層を有したダイオード
US5757025A (en) Infrared photodetector using delta-doped semiconductors
JP3014364B2 (ja) 量子波干渉層を有した半導体素子
JP3014361B2 (ja) 量子波干渉層を有した可変容量素子
US4814837A (en) Quantum well electron barrier diode
JPS60145687A (ja) 半導体レ−ザ−
JPS58225680A (ja) 半導体レ−ザ
JP3014340B2 (ja) 量子波干渉層を有したダイオード
US6331716B1 (en) Variable capacity device with quantum-wave interference layers
CA2137568C (en) Miniband transport quantum well detector
US5294807A (en) Quantum effect device in which conduction between a plurality of quantum dots or wires is achieved by tunnel transition
JP3014389B2 (ja) 量子波干渉層を有した受光素子
US4722087A (en) Lead-strontium-chalcogenide diode laser
US20120318337A1 (en) Solar Cell

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees