JP3014108U - 小型簡易クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型の軽量にして構造簡単、安価にしてその
操作が容易であり、小型トラック等の車両に載せて建築
現場等に運搬し、車両等に載せたまま、或いは建築現場
等において車両から降ろして荷役作業をすることがで
き、荷物の積み卸し時の安定性のよい小型簡易クレーン
の提供。 【構成】 支持基枠に固定された支柱に搖動自在に設け
られた俯仰アームの端部にワイヤーロープの一端が取り
付けられており、ワイヤーロープは支持基枠に固定され
た第１滑車を介して支持基枠に固定されている油圧ジャ
ッキの上下動ロッドの上部に設けられた上下動滑車を経
て支持基枠に固定された第２滑車を介して再び上下動滑
車を経て第１滑車の支持部材にその他端が固定されてお
り、俯仰アームの他端に載置台及び吊り下げフックが設
けられており、垂直支持部材、支柱、俯仰アーム及び載
置台回動抑止部材からなるリンク機構が構成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型トラックやバンタイプの車両に載せて建築現場等に運搬し、前 記車両等に載せたまま、或いは建築現場等において車両から降ろして荷役作業を することができる小型簡易クレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から知られている小型クレーンは、車両や船舶に取付け固定されたもの或 いは建設現場等において組み立てられるもので、人一人の力で移動することが出 来ない重量のものが多い。

【０００３】 また、従来の小型クレーンは、俯仰アームの上下動をウインチや油圧等を動力 源とするものの操作により行っているので、クレーン全体の構造が複雑なものと なり、高価なものとなっていた。

【０００４】 例えば、実公昭４６ー２２３３９号公報には、「支持板１上に起立させた主杆 ２の上方に、吊下杆３の上方に、吊下杆３の基端を遊嵌係合４し、又一方ではス テップアップ型ジャッキ５（通称木昇型ジャッキ）を構成して、ジャッキ５の支 柱６の下端にはジャッキ５が自由に旋回できる自由首振装置７を設けると共に、 支柱６上端よりは筒状体８を摺動自在に嵌装し、筒状体８の下端縁がジャッキ５ の摺動子９上面に接すべくし、然る後該ジャッキ５を起立させ自由首振装置７を 支持板１に係止し、筒状体８の上端を吊下杆３に遊嵌係止１０し、ジャッキ５の 摺動子９の上下により筒状体８を介して吊下杆３が上下すべくした吊上機構をベ ース１１面上に載置し、ベース１１面上で支持板１を一本の鋲乃至ボルト１２で 嵌外し自在に係止し、このベース１１面上で吊上機構が鋲乃至ボルト１２で係止 された部分を中心として自由に旋回すべくした軽便クレーン」が記載されている 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記公報に記載されているものは、既に述べた従来から知られている小型クレ ーンであり、車両や船舶に取付け固定されたもの或いは建設現場等において組み 立てられるもので、人一人の力で移動することが出来ないほどの重量のものであ り、クレーン全体の構造も複雑であり、その取扱も煩雑であるというものである 。

【０００６】 本考案は、小型の軽量にして構造簡単、安価なそして操作が容易なものであり 、小型トラックやバンタイプの車両に載せて建築現場等に運搬し、前記車両等に 載せたまま、或いは建築現場等において車両から降ろして荷役作業をすることが でき、その移動に際しての取扱に便利であり、荷物の積み卸し時の安定性のよい 、実用的価値の高い小型簡易クレーンの提供を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案に係る小型簡易クレーンは、支持基枠に固 定された支柱に搖動自在に設けられている俯仰アームの端部にワイヤーロープの 一端が取り付けられており、該ワイヤーロープは支持基枠に固定された第１滑車 を介して支持基枠に固定されている油圧ジャッキの上下動ロッドの上部に設けら れている上下動滑車を経て支持基枠に固定された第２滑車を介して再び上下動滑 車を経て第１滑車の支持部材にその他端が固定されており、俯仰アームの他端に 載置台及び吊り下げフックが設けられており、垂直支持部材、支柱、俯仰アーム 及び載置台回動抑止部材からなるリンク機構が構成されているというものである 。

【０００８】

【作用】

本考案に係る小型簡易クレーンの作用の詳細を説明すると、小型トラックやバ ンタイプの車両に載せて建築現場等に運搬し、前記車両等に載せたまま、或いは 建築現場等において車両から降ろし、載置台１６上に貨物を載せ必要により補助 フック１８、１８にロープ等を掛けて貨物を固定し、或いは吊り下げ主フック１ ７に貨物を吊り下げる。

【０００９】 支持基枠１に固定された支柱１１、１１に搖動自在に設けられている俯仰アー ム１２の端部にワイヤーロープ７の一端が取り付けられており、該ワイヤーロー プ７は支持基枠１に固定された第１滑車８を介して支持基枠１に固定されている 油圧ジャッキ５の上下動ロッド３２の上部に設けられている上下動滑車９を経て 支持基枠１に固定された第２滑車１０を介して再び上下動滑車９を経て第１滑車 ８の支持部材２６にその他端が固定されており、俯仰アーム１２の他端に載置台 １６及び吊り下げフック１７が設けられているので、油圧ジャッキ５の上下動ロ ッド３２が上昇するようにセットし、ジヤッキ操作杆６を操作すると油圧ジャッ キ５の上下動杆３２が上昇し、油圧ジャッキ５の上端に固定された上下動滑車９ が上昇し、上下動滑車９の上昇によりワイヤーロープ７が俯仰アーム１２の一端 を引き下げ、俯仰アーム１２は第１回動軸２２の回りに載置台１６を上昇させる 。

【００１０】 載置台１６が所定の位置に来たときに、ジャッキ操作杆６の操作を停止すると 、上下動滑車９はその上昇位置に停止し、不用意に下降することがないので安心 して貨物を載置台１６から降ろすことができる。

【００１１】 次いで、油圧ジャッキ５の上下動ロッド３２が下降するようにセットし、ジヤ ッキ操作杆６を操作すると油圧ジャッキ５の上下動杆３２が下降し、油圧ジャッ キ５の上端に固定された上下動滑車９が下降し、上下動滑車９の下降によりワイ ヤーロープ７の引っ張り力が緩み、俯仰アーム１２は第１回動軸２２の回りに回 動し、載置台１６をその自重とワイヤーロープ７の引っ張り力とにより緩やかに 下降させる。

【００１２】 垂直支持部材１３、１３、２本の支柱１１、１１、俯仰アーム１２及び載置台 回動抑止部材１９、１９からなるリンク機構によつて、載置台１６は傾斜するこ となく、常に水平を保ちつつ上昇・下降することができる。

【００１３】

【実施例】

図１及び図２はいずれも本考案に係る小型簡易クレーンの一実施例を説明する ためのもので、図１は小型簡易クレーンの斜視図であり、図２は小型簡易クレー ンの作動状態を示す斜視図である。

【００１４】 図１及び図２において、支持基枠１に固定された２本の支柱１１、１１の上端 に設けられた第１回動軸２２に、搖動自在に枢着された俯仰アーム１２の端部に 設けられたＵボルト２９にリング状の取付部材１５を介してワイヤーロープ７の 一端が取り付けられており、該ワイヤーロープ７は支持基枠１に固定された第１ 滑車８を介して支持基枠１に固定されている油圧ジャッキ５の上下動ロッド３２ の上部に設けられている上下動滑車９を経て、支持基枠１に固定された第２滑車 １０を介して、再び上下動滑車９を経て第１滑車８の支持部材２６にその他端が 固定されている。

【００１５】 つまり、ワイヤーロープ７は、第１滑車８の下方固定部１４に取り付け固定さ れており、ワイヤーロープ７は油圧ジャッキの上下動ロッド３２の上端に固定さ れた上下動滑車９を介して第２滑車１０を経て、再び上下動滑車９を介して第１ 滑車８を経て、２本の柱からなる支柱１１、１１の間を経て俯仰アーム１２の端 部においてワイヤーロープ７の下方固定部１４、俯仰アーム１２の端に設けられ たＵボルト２９に取り付け固定されている。

【００１６】 支持基枠１は縦部材２、第１横部材３及び第２横部材４とからなり、縦部材２ のほぼ中間部の上面には支持部材２７に溶接等によって固定され油圧ジャッキ５ がボルト等（図示せず）によって取り付けられており、油圧ジャッキ５の上下動 ロッド３２の上端には支持部材３３が固定されており、支持部材３３には上下動 滑車９が取り付けられている。油圧ジャッキ５はその上下動ロッド３２が手動用 のジヤッキ操作杆６を操作することによって、油圧ジャッキ５の上下動ロッド３ ２の上部に設けられている上下動滑車９を上下動或いは所定の高さで停止するよ うに構成されている。なお、３０は縦部材２と第１横部材３及び第２横部材４と の取付け部を補強するための取付補強部材である。

【００１７】 俯仰アーム１２の他端部には載置台１６が第３回動軸２４の回りに搖動自在に 設けられた２本の垂直支持部材１３、１３の上端に取付固定されており、俯仰ア ーム１２の端部には貨物を吊り下げる主フック１７が常に垂直になるように設け られている。そして、載置台１６が第３回動軸２４の回りに搖動自在に設けられ た２本の板状部材１３、１３の上端に取付固定されている。１８、１８は貨物を 固定するための補助フックで、２０、２０は載置台１６の補強部材である。

【００１８】 ２本の垂直支持部材１３、１３、前記２本の柱からなる支柱１１、１１、俯仰 アーム１２及び２本の板状部材からなる載置台回動抑止部材１９、１９が第１回 動部材２２、第２回動部材２３、第３回動部材２４及び第４回動部材２５の各部 材によってリンク機構が構成されている。なお、３１、３１は、２本の垂直支持 部材１３、１３の間と前記２本の柱からなる支柱１１、１１の間に設けられた各 回動軸２３、２５を内部に貫通させている筒状のスペーサである。

【００１９】 載置台１６上に貨物を載せ必要により補助フック１８、１８にロープ等を掛け て貨物を固定し、或いは吊り下げ主フック１７に貨物を吊り下げ、ジヤッキ操作 かん６の操作をすると油圧ジャッキ５の上下動杆３２が図１の状態から図２の状 態に上昇し、油圧ジャッキ５の上端に固定された上下動滑車９が上昇し、上下動 滑車９の上昇によりワイヤーロープ７が俯仰アーム１２の一端を引き下げると俯 仰アーム１２は第１回動軸２２の回りに載置台１６を上昇させる。

【００２０】 本考案に係る小型簡易クレーンの構成部材のうち、縦部材２、第１横部材３、 第２横部材４、２本の垂直支持部材１３、１３、２本の柱からなる支柱１１、１ １、俯仰アーム１２、２本の板状部材からなる載置台回動抑止部材１９、１９、 載置台１６、載置台１６の補強部材２０は、木材或いはアルミニュウムの板材、 角材、型材或いはそれらの合成材等の軽量な材料からなっている。

【００２１】 本考案に係る小型簡易クレーンの一実施例に基づいて、その作用の詳細を説明 すると、小型トラックやバンタイプの車両に載せて建築現場等に運搬し、前記車 両等に載せたまま、或いは建築現場等において車両から降ろし、載置台１６上に 貨物を載せ必要により補助フック１８、１８にロープ等を掛けて貨物を固定し、 或いは吊り下げ主フック１７に貨物を吊り下げる。

【００２２】 支持基枠１に固定された支柱１１、１１に搖動自在に設けられている俯仰アー ム１２の端部にワイヤーロープ７の一端が取り付けられており、該ワイヤーロー プ７は支持基枠１に固定された第１滑車８を介して支持基枠１に固定されている 油圧ジャッキ５の上下動ロッド３２の上部に設けられている上下動滑車９を経て 支持基枠１に固定された第２滑車１０を介して再び上下動滑車９を経て第１滑車 ８の支持部材２６にその他端が固定されており、俯仰アーム１２の他端に載置台 １６及び吊り下げフック１７が設けられているので、油圧ジャッキ５の上下動ロ ッド３２が上昇するようにセットし、ジヤッキ操作杆６を操作すると油圧ジャッ キ５の上下動杆３２が上昇し、油圧ジャッキ５の上端に固定された上下動滑車９ が上昇し、上下動滑車９の上昇によりワイヤーロープ７が俯仰アーム１２の一端 を引き下げ、俯仰アーム１２は第１回動軸２２の回りに載置台１６を上昇させる 。

【００２３】 載置台１６が所定の位置に来たときに、ジャッキ操作杆６の操作を停止すると 、上下動滑車９はその上昇位置に停止し、不用意に下降することがないので安心 して貨物を載置台１６から降ろすことができる。

【００２４】 次いで、油圧ジャッキ５の上下動ロッド３２が下降するようにセットし、ジヤ ッキ操作杆６を操作すると油圧ジャッキ５の上下動杆３２が下降し、油圧ジャッ キ５の上端に固定された上下動滑車９が下降し、上下動滑車９の下降によりワイ ヤーロープ７の引っ張り力が緩み、俯仰アーム１２は第１回動軸２２の回りに回 動し、載置台１６をその自重とワイヤーロープ７の引っ張り力とにより緩やかに 下降させる。

【００２５】 垂直支持部材１３、１３、２本の支柱１１、１１、俯仰アーム１２及び載置台 回動抑止部材１９、１９からなるリンク機構によつて、載置台１６は傾斜するこ となく、常に水平を保ちつつ上昇・下降することができる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案に係る小型簡易クレーンは、小型の軽量にして構造簡単、安価なそして 操作が容易なものであり、小型トラックやバンタイプの車両に載せて建築現場等 に運搬し、前記車両等に載せたまま、或いは建築現場等において車両から降ろし て荷役作業をすることができ、その移動に際しての取扱に便利であり、荷物の積 み卸し時の安定性のよい、実用的価値の高いものであるという効果を有するもの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 小型簡易クレーンの斜視図である。

【図２】小型簡易クレーンの作動状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 支持基枠 ２ 縦部材 ５ 油圧ジャッキ ６ ジャッキ操作杆 ７ ワイヤーロープ ８ 第１滑車 ９ 油圧ジャッキの上下動杆の上端に固定された上下動
滑車 １０ 第２滑車 １１ ２本の柱からなる支柱 １２ 俯仰アーム １３ 垂直支持部材 １４ ワイヤーロープの下方固定部 １５ ワイヤーロープの上方固定部 １６ 載置台 １７ 貨物の吊下げ主フック １９ 載置台回動抑止部材 ３２ 上下動ロッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持基枠に固定された支柱に搖動自在に
   設けられている俯仰アームの端部にワイヤーロープの一
   端が取り付けられており、該ワイヤーロープは支持基枠
   に固定された第１滑車を介して支持基枠に固定されてい
   る油圧ジャッキの上下動ロッドの上部に設けられている
   上下動滑車を経て支持基枠に固定された第２滑車を介し
   て再び上下動滑車を経て第１滑車の支持部材にその他端
   が固定されており、俯仰アームの他端に載置台及び吊り
   下げフックが設けられており、垂直支持部材、支柱、俯
   仰アーム及び載置台回動抑止部材からなるリンク機構が
   構成されていることを特徴とする小型簡易クレーン。