JP3013640U - 引出し又は類似のもののための差動引出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 差動引出し装置において、家具本体から完全
に引出された引出しの懸架を簡単にする。 【構成】 家具本体に固定される支持レール２と、引出
しに固定される引出しレール１５と、引出しのそれぞれ
の側において前記レールの間に配置された中央レール５
とを有している、引出しのための差動引出し装置におい
て、引出しの重量がレール２，５，１５の間で走行ロー
ラ６，２２，２３を介して伝達されるようになってお
り、さらに中央レール５の前方端部及び後方端部に制御
ロープ１０のためのそれぞれ１つの変向ローラ９が配置
されており、さらに中央レールの前方端部にプラスチッ
クから成る乗り上げ台４が配置されており、この乗り上
げ台が、前方に、中央レールの前方端部のための下方へ
向かう湾曲状のカバーキャップ１４を有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、家具本体に固定される支持レールと、引出しに固定される引出しレ ールと、引出しのそれぞれの側において前記レールの間に配置された中央レール とを有しており、引出しの重量がレールの間で走行ローラあるいは類似のものを 介して伝達されるようになっており、さらに中央レールの前方端部及び後方端部 にそれぞれ１つの変向ローラが配置されており、支持レール及び引出しレールに 固定されている制御ロープが前記変向ローラを介して案内されており、さらに中 央レールの前方端部に乗り上げ台が配置されている形式の、引出し又は類似のも ののための差動引出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

引出し全体が家具本体から引出されることができ、それにも拘らず完全引出し 装置のレールによって保持されるような、引出しのための種々の完全引出し装置 が公知である。この場合、差動引出し装置には、レールが互いに差動して走行す ることを保証する装置が存在している。このような装置は、例えば、中央レール に組み込まれる歯車から成っており、この歯車は引出しレール及び支持レールに おけるラックと噛み合う。簡単な構成は、中央レールに摩擦車を配置したもので ある。

【０００３】 中央レールの特に正確な案内は制御ロープによって達成され、この制御ロープ は、支持レール及び引出しレールに固定されていて、かつ中央レールの両側にお いて走行しており、かつ前方端部及び後方端部において中央レールのバンドガイ ドを介して案内されている。このような差動引出し装置は、ドイツ連邦共和国特 許公開第２９０４１１６号明細書に開示されている。

【０００４】 制御ロープがローラを介して案内されている類似の差動引出し装置は、アメリ カ合衆国特許第４，０２５，１３８号明細書から公知である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、前述の形式の差動引出し装置において、家具本体から完全に 引出された引出しの懸架を簡単にすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前述の課題は、例えばプラスチックから製造されている乗り上げ台が、前方に 、中央レールの前方端部のための下方へ向かう湾曲状のカバーキャップを有して おり、並びに、直線区分と下方へ曲げられた前方の区分とを備えた縦方向に延び るレールウェブを有しており、さらにレールウェブの領域に開口が設けられてお り、この開口内に中央レールに配設された走行ローラが支承されていることによ って解決される。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付の図面を用いて詳しく説明する。 引出しは、金属製の両方の引出し側板２８と、前面板と、引出し底と、背壁２ ７とによって形成される。 引出し側板２８の内側には３つのアダプタ１６，１ ７，１８が設けられており、これらのアダプタは、引出しレール１５に固定され ており、例えばこの引出しレールと溶接されている。

【０００８】 支持レール２は、普通の方法及び形式で固定ウェブ４０を介して家具本体側壁 ３６に固定されている。引出し底は、引出しレール１５の水平ウェブ４１に載せ られている。水平ウェブ４１には、この水平ウェブ４１から取外し可能な、まつ かさ形をした舌片４２が設けられており、これらの舌片は引出し底の溝又は類似 のもの内に押し込み可能であり、かつこのようにして引出し底を引出しレール１ ５上に固定する。

【０００９】 引出しレール１５と支持レール２との間には中央レール５が設けられている。 中央レール５は下方の成形部材５′を有しており、この成形部材内には、走行ロ ーラを中に支承している走行車３が設けられている。 それ故に、中央レール５は支持レール２に関して、走行車３内に支承された走 行ローラを介して案内される。

【００１０】 さらに、中央レール５は、部分的にＵ字状の上方の成形部材５″を備えている 。この成形部材５″の走行ウェブ４３，４４に沿って走行ローラ２２，２３が走 行し、これらの走行ローラは引出しレール１５の後方のアダプタ１８に支承され ている。さらに、引出しレール１５の走行ウェブ４５は、中央レール５の下方の 成形部材５′に支承された走行ローラ６に沿って走行する。

【００１１】 中央レール５は、制御ロープ１０のための前方及び後方のロープローラ９を有 しており、前記制御ロープは、エンドレスベルトとしてロープローラ９を介して 中央レール５に支承されている。 例えばワイヤロープ又はプラスチックロープから形成される制御ロープ１０は 、掛けがね状のロープカップリング８を有している。ロープカップリング８は、 ２つのカップリング部材１２，１３から成っており、これらのカップリング部材 は制御ロープ１０のロープ端部と結合されている。

【００１２】 カップリング部材１３はフックを介して支持レール２に固定可能である。 制御ロープ１０を引出しレール１５と結合するために、別のカップリングが設 けられている。このカップリングは、外側のカップリング部材１９と内側のカッ プリング部材１１とから成っている。外側のカップリング部材１９は、固定孔を 通って突入するねじ又はリベット２０を介して引出しレール１５に固定されてい る。外側のカップリング部材は内側のカップリング部材１１をはさみ状に掴んで いる。内側のカップリング部材１１は、外側のカップリング部材１９の盆状の切 欠き部５５内に押し込み可能である。

【００１３】 中央レール５の下方の成形部材５′の前方端部では、走行ローラ６がリベット ７を介して乗り上げ台４の舌片５９に支承されている。走行ローラ６に沿って、 引出しレール１５の走行ウェブ４５が走行する。最後方のアダプタ１８には、２ つの走行ローラ２２，２３がリベット２１を介して支承されている。走行ローラ ２２，２３は、中央レール５の上方の成形部材５″内に案内されており、かつア ダプタ１８の内部に設けられている。両方の走行ローラは互いに前後に支承され ている。

【００１４】 前方の走行ローラ２２は、後方の走行ローラ２３の幅より狭く、かつ引出しを 走行させる際に中央レール５の上方の成形部材５″の走行ウェブ４３に支持され る。 走行ローラ２２が下方の走行ウェブ４３に支持され、かつ走行ローラ２３ が上方の走行ウェブ４４に支持されるので、引出しの引出し中又は押込み中は走 行ローラ２２，２３の回転方向はほとんど変化されず、かつこれによって引出し は静止して案内される。

【００１５】 既に述べたように、中央レール５の下方の成形部材５′の前方端部には、プラ スチック材料から成る乗り上げ台４が固定されている。乗り上げ台４は開口６２ を有しており、この開口を通って走行ローラ６が突出する。中央レール５の下方 の成形部材５′の前方端部を掴み、かつ湾曲状のカバーキャップ１４によって少 なくとも部分的に被う乗り上げ台４は、レールウェブ６３を備えており、このレ ールウェブは、直線区分６３′と、下方へ曲げられた前方の区分６３″とを有し ている。

【００１６】 乗り上げ台４はピン３０を有しており、このピンは、中央レール５の打ち抜き 孔３１内に差し込み可能であり、かつピンを介して乗り上げ台４は中央レール５ に差し嵌め可能である。 乗り上げ台４は、側方の舌片５９を備えており、この 舌片内にリベット７が差し込み可能であり、このリベットは走行ローラ６のため の支承軸として役立つ。この場合、走行ローラ６は乗り上げ台４における開口６ ２内に突入する。

【００１７】 引出しを懸架する際に、引出しレール１５はその走行ウェブ４５によって乗り 上げ台４のレールウェブ６３に沿って案内され、これによって引出しの懸架は著 しく簡単にされる。 ３つの全てのアダプタ１６，１７，１８は、下方へ突出する保持ウェブ６４を 有している。 引出し側板２８は、外側の壁６５と内側の壁６６とを有して二重 壁状に構成されている。外側の壁６５はその下方の縁に、内側上方へ曲げられた フック状のフランジ６７を有しており、このフランジによって、外側の壁はアダ プタ１６，１７，１８の保持ウェブ６４内に懸架可能である。

【００１８】 内側の壁６６は、引出しを組み立てる際に引出し底３８に載せられる水平ウェ ブ６８と、引出し底３８の側方に当接する垂直の側方ウェブ６９とを有している 。水平ウェブ６８から内側の壁６６への移行部は丸くされている。 引出し側板２８が、アダプタ１６，１７，１８とも、引出しレール１５とも溶 接されていることによって、任意の材料から成る引出し側板をアダプタ１６，１ ７，１８内に懸架することもでき、しかもプラスチック側板から、アルミニウム 側板、ニロスタ（Ｎｉｒｏｓｔａ）材料から成るスチール側板まで懸架すること ができる。それ故、家具製造業者は、本発明による差動引出し装置を有する価格 的に極めて異なる引出しを装備することもできる。

【００１９】 支持レール２には、引出しのための引込み装置１が使用されている。この引込 み装置は、ばねによって負荷される傾倒セグメント１２１を有しており、この傾 倒セグメントは、中央レール５に配置されたピンのための連行体として役立つ。

【００２０】

【考案の効果】

本考案による乗り上げ台は、引出しレールの懸架を簡単にし、かつ同時に中央 レールの前方端部に配置された、制御ロープのための変向ローラを保護する。引 出しレールの懸架は、特に、走行ローラの前方及び後方に配置されたレールウェ ブによって簡単にされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】差動引出し装置及び引出し側板の部材の分解斜
視図である。

【図２】中央レールの前方端部及びカバーキャップの分
解斜視図である。

【図３】組立て前の中央レール及びカバーキャップの側
面図である。

【図４】中央レール及び組み立てられたカバーキャップ
の断面図である。

【図５】組み立てられたカバーキャップを有する中央レ
ールの側面図である。

【符号の説明】 １…引込み装置 ２…支持レール ３…走行車 ４…乗り上げ台 ５…中央レール ５′，５″…成形部材 ６…走行ローラ ７…リベット ８…ロープカップリング ９…ロープローラ １０…制御ロープ １１，１２，１３…カップリング部材 １４…カバーキャップ １５…引出しレール １６，１７，１８…アダプタ １９…カップリング部材 ２０，２１…リベット ２２，２３…走行ローラ ２７…背壁 ２８…引出し側板 ３０…ピン ３１…打ち抜き孔 ３８…引出し底 ４０…固定ウェブ ４１…水平ウェブ ４２…舌片 ４３，４４，４５…走行ウェブ ５５…切欠き部 ５９…舌片 ６２…開口 ６３…レールウェブ ６３′…直線区分 ６３″…区分 ６４…保持ウェブ ６５…外側の壁 ６６…内側の壁 ６７…フランジ １２１…傾倒セグメント

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ハーマン・ハマーレ オーストリア国 ルシュテノー、マリア・ テレジエンシュラーセ 43

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具本体に固定される支持レールと、引
   出しに固定される引出しレールと、引出しのそれぞれの
   側において前記レールの間に配置された中央レールとを
   有しており、引出しの重量がレールの間で走行ローラあ
   るいは類似のものを介して伝達されるようになってお
   り、さらに中央レールの前方端部及び後方端部にそれぞ
   れ１つの変向ローラが配置されており、支持レール及び
   引出しレールに固定されている制御ロープが前記変向ロ
   ーラを介して案内されており、さらに中央レールの前方
   端部に乗り上げ台が配置されている形式の、引出し又は
   類似のもののための差動引出し装置において、プラスチ
   ックから製造されている乗り上げ台（４）が、前方に、
   中央レール（５）の前方端部のための下方へ向かう湾曲
   状のカバーキャップ（１４）を有しており、並びに、直
   線区分（６３′）と下方へ曲げられた前方の区分（６
   ３″）とを備えた縦方向に延びるレールウェブ（６３）
   を有しており、さらにレールウェブ（６３）の領域に開
   口（６２）が設けられており、この開口内に中央レール
   （５）に配設された走行ローラ（６）が支承されている
   ことを特徴とする、引出し又は類似のもののための差動
   引出し装置。
2. 【請求項２】 乗り上げ台（４）が、上方へ突出する舌
   片を有しており、この舌片が、走行ローラ（６）のため
   のリベット（７）を支持することを特徴とする請求項１
   記載の差動引出し装置。